医療用医薬品 : ハイチオール

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医薬品情報


総称名 ハイチオール
一般名 L-システイン
欧文一般名 L-Cysteine
製剤名 L-システイン錠・散
薬効分類名 L-システイン製剤
薬効分類番号 3999
KEGG DRUG
D00026 L-システイン
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年11月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ハイチオール散32% (後発品) HYTHIOL Powder 32% 久光製薬 3999006A1030 9.4円/g
ハイチオール錠40 (後発品) HYTHIOL Tablets 40 久光製薬 3999006F1037 5.7円/錠
ハイチオール錠80 (後発品) HYTHIOL Tablets 80 久光製薬 3999006F2033 5.7円/錠

4. 効能または効果

○湿疹、中毒疹、薬疹、じん麻疹、尋常性ざ瘡、多形滲出性紅斑
○放射線障害による白血球減少症

6. 用法及び用量

ハイチオール散32%
<湿疹、中毒疹、薬疹、じん麻疹、尋常性ざ瘡、多形滲出性紅斑>
通常成人下記1回量を1日2〜3回経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
L-システインとして1回80mg
・ハイチオール散32% 250mg
<放射線障害による白血球減少症>
通常成人下記1回量を1日3回経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
L-システインとして1回160mg
・ハイチオール散32% 500mg
ハイチオール錠40
<湿疹、中毒疹、薬疹、じん麻疹、尋常性ざ瘡、多形滲出性紅斑>
通常成人下記1回量を1日2〜3回経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
L-システインとして1回80mg
・ハイチオール錠40 2錠
<放射線障害による白血球減少症>
通常成人下記1回量を1日3回経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
L-システインとして1回160mg
・ハイチオール錠40 4錠
ハイチオール錠80
<湿疹、中毒疹、薬疹、じん麻疹、尋常性ざ瘡、多形滲出性紅斑>
通常成人下記1回量を1日2〜3回経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
L-システインとして1回80mg
・ハイチオール錠80 1錠
<放射線障害による白血球減少症>
通常成人下記1回量を1日3回経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
L-システインとして1回160mg
・ハイチオール錠80 2錠

7. 用法及び用量に関連する注意

<放射線障害による白血球減少症>
通常、放射線照射1時間前より投与を開始すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に、生理機能が低下している。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満0.1%未満
消化器悪心下痢、口渇、軽度の腹痛

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
<錠剤>
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
<湿疹、中毒疹、薬疹、じん麻疹、尋常性ざ瘡、多形滲出性紅斑>
17.1.1 国内臨床試験
一般臨床試験として1326例、二重盲検試験として189例の総計1515例について臨床試験を実施し、本剤の有効性が認められている1)2)。疾患別の有効率は、湿疹・皮膚炎86.0%(227/264)、じん麻疹71.9%(120/167)、薬疹・中毒疹89.0%(250/281)、ざ瘡75.4%(255/338)、紅斑86.6%(123/142)であった。
<放射線障害による白血球減少症>
17.1.2 国内臨床試験
一般臨床試験として249例、二重盲検試験として189例の総計438例について臨床試験を実施し、各種癌患者の放射線治療における放射線防護効果を白血球減少の発現を指標として判定したところ、一般臨床では有効率83.9%(209/249)、二重盲検においても有意の薬効が認められている3)4)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
L-システインは、生体内代謝系において、SH供与体としての役割を果たし、SH酵素のactivator(賦活剤)として作用する。
18.2 皮膚科関連
皮膚代謝の正常化、抗アレルギー、解毒などの作用により各種皮膚疾患に応用される。動物実験において、実験的皮膚びらんの治癒時間短縮(モルモット)5)、浮腫抑制・透過性抑制・キニン様物質の遊離活性の抑制(モルモット)6)、各種化学薬品・重金属・農薬に対する解毒効果(マウス・ラット)7)などが報告されている。
18.3 放射線科関連
放射線を照射した動物の延命(マウス)8)、白血球減少抑制(ラット)9)、脾障害の防護(マウス)10)などが報告されており、臨床的には放射線療法にともなう白血球減少症に応用される。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. L-システイン

一般的名称 L-システイン
一般的名称(欧名) L-Cysteine
化学名 (2R)-2-Amino-3-sulfanylpropanoic acid
分子式 C3H7NO2S
分子量 121.16
物理化学的性状 白色の結晶又は結晶性の粉末で、特異なにおいがあり、味はえぐい。水に溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。1mol/L塩酸試液に溶ける。
KEGG DRUG D00026

22. 包装

<ハイチオール錠40>
500錠[10錠(PTP)×50]、1000錠[10錠(PTP)×100]
<ハイチオール錠80>
500錠[10錠(PTP)×50]、1000錠[10錠(PTP)×100]
<ハイチオール散32%>
500g(プラスチック容器:乾燥剤入り)

23. 主要文献

  1. 帷子康雄 ほか, 臨床皮膚科, 29 (2), 147-53, (1975)
  2. 三浦祐晶 ほか, 西日本皮膚科, 42 (4), 701-10, (1980) »DOI
  3. 大島敏美 ほか, 日本医学放射線学会雑誌, 37 (5), 444-62, (1977)
  4. 神宮賢一 ほか, 日本癌治療学会誌, 16 (4), 681-93, (1981) »PubMed
  5. Paulet G, C R Seances Soc Biol Fil, 146 (11-12), 925-8, (1952) »PubMed
  6. Davies GE,et al., Br J Pharmacol Chemother, 27, 107-13, (1966) »PubMed
  7. 飯田高史 ほか, 日本薬学大会 1967〜1969
  8. 大島敏美 ほか, 東邦医学会雑誌, 19 (1・2), 142-7, (1972)
  9. 樋口助弘 ほか, 日本医学放射線学会雑誌, 17 (4), 388-93, (1957)
  10. Bari WA, Pathol Microbiol, 32 (4), 205-18, (1968), (Basel)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
久光製薬株式会社 お客様相談室 受付時間/9:00-17:50(土日・祝日・会社休日を除く)
〒135-6008 東京都江東区豊洲三丁目3番3号
電話:0120-381332
FAX:03-5293-1723
製品情報問い合わせ先
久光製薬株式会社 お客様相談室 受付時間/9:00-17:50(土日・祝日・会社休日を除く)
〒135-6008 東京都江東区豊洲三丁目3番3号
電話:0120-381332
FAX:03-5293-1723

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
久光製薬株式会社
〒841-0017 鳥栖市田代大官町408番地

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/01/22 版