医療用医薬品 : グルトハイド

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医薬品情報


総称名 グルトハイド
一般名 グルタラール
欧文一般名 Glutaral
製剤名 グルタラール製剤
薬効分類名 化学的滅菌・殺菌消毒剤(医療用器具・機器・装置専用)
薬効分類番号 7321
KEGG DRUG
D01120 グルタラール
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2024年1月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
グルトハイドL2%液 Glutohyde L Solution 吉田製薬 732170AQ1116 劇薬
グルトハイドL20%液 Glutohyde L Solution 吉田製薬 732170AQ2139 劇薬

4. 効能または効果

医療器具の化学的滅菌または殺菌消毒

6. 用法及び用量

グルトハイドL2%液
本品は用時調製の製剤で、使用目的に応じて次の用法により製する。
○グルトハイドL実用液2w/v%液
<グルトハイドL2%液>
グルトハイドL2%液1Lに対し、緩衝化剤(液体)30mLを加えて混和し、淡青色〜淡青緑色の液として製する。この液を用いる。
○グルトハイドL実用液0.5w/v%液
グルトハイドL実用液2w/v%液1Lに精製水3Lを加えて希釈して製する。この液を用いる。
(使用目的)
使用濃度用途対象器具
グルトハイドL実用液2w/v%液微生物又は有機物により高度に汚染された器具又は皮下組織、粘膜に直接適用される器具の化学的滅菌及びHBウイルスの汚染が予想される器具の消毒レンズ装着の装置類、内視鏡類、麻酔装置類、人工呼吸装置類、人工透析装置類、メス・カテーテルなどの外科手術用器具、産科・泌尿器科用器具、歯科用器具又はその補助的器具、注射筒、体温計及び加熱滅菌できないゴム・プラスチック製器具、リネン等
グルトハイドL実用液0.5w/v%液上記以外の器具の殺菌消毒に使用する。麻酔装置類、人工透析装置類等
(使用方法)
○被消毒物を液に完全に浸漬して行う。細孔のある器具類は注意して液と十分に接触させること。
○通常、次の時間浸漬する。
・体液等の付着した器具の消毒 1時間以上
・体液等の付着しない器具の消毒 30分以上
○浸漬後、取り出した器具類は、付着物があれば除き、多量の滅菌水で十分に洗浄すること。なお、使用目的により水を使用することもできる。また細孔のある器具類は内孔を注意して洗うこと。
グルトハイドL20%液
本品は用時調製の製剤で、使用目的に応じて次の用法により製する。
○グルトハイドL実用液2w/v%液
<グルトハイドL20%液>
グルトハイドL20%液100mLを注意してとり、精製水900mLに徐々に加えて2w/v%液とし、この液に緩衝化剤(液体)30mLを加えて混和し、淡青色〜淡青緑色の液として製する。この液を用いる。
○グルトハイドL実用液0.5w/v%液
グルトハイドL実用液2w/v%液1Lに精製水3Lを加えて希釈して製する。この液を用いる。
(使用目的)
使用濃度用途対象器具
グルトハイドL実用液2w/v%液微生物又は有機物により高度に汚染された器具又は皮下組織、粘膜に直接適用される器具の化学的滅菌及びHBウイルスの汚染が予想される器具の消毒レンズ装着の装置類、内視鏡類、麻酔装置類、人工呼吸装置類、人工透析装置類、メス・カテーテルなどの外科手術用器具、産科・泌尿器科用器具、歯科用器具又はその補助的器具、注射筒、体温計及び加熱滅菌できないゴム・プラスチック製器具、リネン等
グルトハイドL実用液0.5w/v%液上記以外の器具の殺菌消毒に使用する。麻酔装置類、人工透析装置類等
(使用方法)
○被消毒物を液に完全に浸漬して行う。細孔のある器具類は注意して液と十分に接触させること。
○通常、次の時間浸漬する。
・体液等の付着した器具の消毒 1時間以上
・体液等の付着しない器具の消毒 30分以上
○浸漬後、取り出した器具類は、付着物があれば除き、多量の滅菌水で十分に洗浄すること。なお、使用目的により水を使用することもできる。また細孔のある器具類は内孔を注意して洗うこと。

8. 重要な基本的注意

8.1 人体に使用しないこと。
8.2 本剤にて内視鏡消毒を行った後十分なすすぎが行われなかったために薬液が内視鏡に残存し、大腸炎等の消化管の炎症が認められた報告があるので、消毒終了後は多量の水で本剤を十分に洗い流すこと。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
過敏症注)発疹、発赤等の過敏症状
皮膚注)接触皮膚炎

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 緩衝化剤(液体)は、成分・分量、特性の関係で過飽和溶液の状態になっているので、ときに結晶が析出することがある。このような場合には加温溶解して使用すること。
14.1.2 本剤を用時調製する時、ピペット等で直接吸引して調製しないこと。
14.1.3 実用液を調製する場合、精製水に代えて硬度の高くない常水を使用することができる。
14.1.4 調製後(緩衝化剤添加後)の液は直ちに使用すること。
14.2 薬剤使用前の注意
グルタラールには一般に、たん白凝固性がみられるので、器具に付着している体液等を除去するため予備洗浄を十分に行ってから薬液に浸漬すること。
14.3 薬剤使用時の注意
14.3.1 手術室等における汚染された部分の清拭や、環境殺菌の目的での手術室等への噴霧などは行わないこと。
14.3.2 本剤の成分またはアルデヒドに対し過敏症の既往歴のある者は、本剤を取り扱わないこと。
14.3.3 グルタラール水溶液との接触により、皮膚が着色することがあるので、液を取り扱う場合には必ずゴーグル、防水エプロン、マスク、ゴム手袋等の保護具を装着すること。また、皮膚に付着したときは直ちに水で洗い流すこと。
14.3.4 眼に入らぬようゴーグル等の保護具をつけるなど、十分注意して取り扱うこと。誤って眼に入った場合には、直ちに多量の水で洗ったのち、専門医の処置を受けること。
14.3.5 グルタラールの蒸気は眼、呼吸器等の粘膜を刺激するので、必ずゴーグル、マスク等の保護具をつけ、吸入または接触しないよう注意すること。換気が不十分な部屋では適正な換気状態の部屋に比べて、空気中のグルタラール濃度が高いとの報告があるので、窓がないところや換気扇のないところでは使用せず、換気状態の良いところでグルタラールを取り扱うこと。
14.3.6 浸漬の際にはグルタラール蒸気の漏出防止のために、ふた付容器を用い、浸漬中はふたをすること。また、局所排気装置を使用することが望ましい。
14.3.7 炭素鋼製器具は24時間以上浸漬しないこと。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
グルタラールを取り扱う医療従事者を対象としたアンケート調査では、眼、鼻の刺激、頭痛、皮膚炎等の症状が報告されている。また、グルタラール取り扱い者は非取り扱い者に比べて、眼、鼻、喉の刺激症状、頭痛、皮膚症状等の発現頻度が高いとの報告がある。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
グルタラール分子[OHC-(CH23-CHO]の両端に位置するアルデヒド基が菌体構成アミノ酸のスルフヒドリル基(-SH)あるいはアミノ基(-NH2)と反応し、また、微生物のDNA合成・蛋白合成を阻害し、死滅させると考えられている。
18.2 殺菌作用
18.2.1 各種細菌に対する殺菌効果
グルトハイドL実用液2w/v%液は、グラム陽性菌・陰性菌及び真菌を30秒以内に殺菌した1)
18.2.2 芽胞に対する効果
グルトハイドL実用液2w/v%液は、枯草菌芽胞を25℃30分で99.9%以上減少させた1)
18.3 各種ウイルスに対する効果
グルタラール2%液(実用液)は、インフルエンザウイルスA型、ポリオウイルス1型、エコーウイルス25型、コクサッキーウイルスA7型、単純ヘルペスウイルス1型及びアデノウイルス3型を5分以内で不活性化した2)
HIVに対する効果をプラーク法で検討した結果、グルタラール0.1%液は15秒の接触でHIVを不活性化した3)
18.4 HBs 抗原に対する不活性化効果
R-PHA法で測定した結果、グルトハイドL実用液2w/v%液は、HBs抗原陽性血清の抗原価を1分間の処理で測定限界以下に低下させた4)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. グルタラール

一般的名称 グルタラール
一般的名称(欧名) Glutaral
化学名 グルタルアルデヒド(Glutaraldehyde)
分子式 C5H8O2
分子量 100.12
物理化学的性状 無色〜淡黄色澄明の液で、そのガスは粘膜を刺激する。
水、エタノールまたはアセトンと混和する。
KEGG DRUG D01120

20. 取扱い上の注意

20.1 誤飲を避けるため、保管及び取り扱いに十分注意すること。
20.2 開栓後の残余の液は密栓して保管すること。
20.3 寒冷地では氷結することがある。このような場合、常温で放置して自然に溶かすこと。

22. 包装

<グルトハイドL2%液>
1L[ポリ容器(緩衝化剤 30mL添付)]
5L[ポリ容器(緩衝化剤 50mL添付)]
<グルトハイドL20%液>
500mL[ポリ容器(緩衝化剤 150mL添付)]
1L[ポリ容器(緩衝化剤 150mL×2添付)]

23. 主要文献

  1. 吉田製薬株式会社 社内資料
  2. 吉田製薬株式会社 社内資料
  3. 加藤真吾 他, 基礎と臨床, 30 (12), 3615, (1996)
  4. 吉田製薬株式会社 社内資料

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
吉田製薬株式会社 学術部
〒164-0011 東京都中野区中央5-1-10
電話:03-3381-2004
FAX:03-3381-7728
製品情報問い合わせ先
吉田製薬株式会社 学術部
〒164-0011 東京都中野区中央5-1-10
電話:03-3381-2004
FAX:03-3381-7728

25. 保険給付上の注意

本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
吉田製薬株式会社
埼玉県狭山市南入曽951

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/12/17 版