医療用医薬品 : クロフェクトン

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医薬品情報


総称名 クロフェクトン
一般名 クロカプラミン塩酸塩水和物
欧文一般名 Clocapramine Hydrochloride Hydrate
製剤名 クロカプラミン塩酸塩水和物錠
薬効分類名 精神神経安定剤
薬効分類番号 1179
KEGG DRUG D02371 クロカプラミン塩酸塩水和物
商品一覧 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2018年4月 改訂 (第21版 D51)


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
クロフェクトン錠10mg CLOFEKTON TABLETS 全星薬品工業 1179030F1035 10円/錠 処方箋医薬品
クロフェクトン錠25mg CLOFEKTON TABLETS 全星薬品工業 1179030F2066 22.2円/錠 処方箋医薬品
クロフェクトン錠50mg CLOFEKTON TABLETS 全星薬品工業 1179030F3020 41.2円/錠 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

昏睡状態,循環虚脱状態の患者〔これらの状態を悪化させるおそれがある.〕

バルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者〔中枢神経抑制剤の作用を延長し増強させる.〕

アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)(「相互作用」の項参照)

本剤の成分又はイミノジベンジル系化合物に対し過敏症の患者

効能・効果及び用法・用量

効能効果

統合失調症

用法用量

通常成人に対し,1日量クロカプラミン塩酸塩水和物として30〜150mgを3回に分けて経口投与する.
なお,症状,年齢に応じて適宜増減する.

使用上の注意

慎重投与

心・血管疾患,低血圧,又はそれらの疑いのある患者〔一過性の血圧降下があらわれることがある.〕

肝障害のある患者〔肝障害を悪化させるおそれがある.〕

血液障害のある患者〔血液障害を悪化させるおそれがある.〕

てんかん等の痙攣性疾患,又はこれらの既往歴のある患者〔痙攣閾値を低下させることがある.〕

甲状腺機能亢進状態にある患者〔錐体外路症状が起こりやすい.〕

高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

小児〔錐体外路症状,特にジスキネジアが起こりやすい.〕

薬物過敏症の患者

脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者〔Syndrome malin(悪性症候群)が起こりやすい.〕

重要な基本的注意

眠気,注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので,本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること.

制吐作用を有するため,他の薬剤に基づく中毒,腸閉塞,脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること.

抗精神病薬において,肺塞栓症,静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので,不動状態,長期臥床,肥満,脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること.

相互作用

併用禁忌

アドレナリン
(アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)
(ボスミン)
アドレナリンの作用を逆転させ,重篤な血圧降下を起こすことがある.アドレナリンはアドレナリン作動性α,β-受容体の刺激剤であり,本剤のα-受容体遮断作用により,β-受容体刺激作用が優位となり,血圧降下作用が増強される.

併用注意

中枢神経抑制剤
(バルビツール酸誘導体・麻酔剤等)
睡眠(催眠)・精神機能抑制の増強,麻酔効果の増強・延長,血圧降下等を起こすことがあるので,減量するなど慎重に投与すること.相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある.
アルコール
(飲酒)
眠気,精神運動機能低下等を起こすことがある.相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある.
ドンペリドン
メトクロプラミド
内分泌機能調節異常又は錐体外路症状が発現するおそれがある.ともに中枢ドパミン受容体遮断作用を有する.
リチウム心電図変化,重症の錐体外路症状,持続性のジスキネジア,突発性のSyndrome malin(悪性症候群),非可逆性の脳障害を起こすおそれがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には投与を中止すること.機序は不明であるが,併用による抗ドパミン作用の増強等が考えられている.
ドパミン作動薬
(レボドパ製剤,ブロモクリプチンメシル酸塩)
相互に作用を減弱させるおそれがある.ドパミン作動性神経において,作用が拮抗することによる.

副作用

副作用発現状況の概要

総症例数4,565例中1,174例(25.72%)1,854件の副作用が報告されている.主な副作用は錐体外路症状665件(14.57%),不眠339件(7.43%),不安・焦燥感225件(4.93%)等であった.(承認時〜1977年1月までの調査及び文献調査等に基づき集計)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

(頻度不明)

Syndrome malin(悪性症候群)

無動緘黙,強度の筋強剛,嚥下困難,頻脈,血圧の変動,発汗等が発現し,それに引き続き発熱がみられる場合は,投与を中止し,体冷却,水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと.本症発症時には,白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く,また,ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある.なお,フェノチアジン系化合物及びブチロフェノン系化合物には,高熱が持続し,意識障害,呼吸困難,循環虚脱,脱水症状,急性腎不全へと移行し,死亡した例が報告されている.

無顆粒球症,白血球減少

無顆粒球症,白血球減少があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと.

遅発性ジスキネジア

長期投与により口周部等の不随意運動(遅発性ジスキネジア)があらわれることがある.

麻痺性イレウス

腸管麻痺(食欲不振,悪心・嘔吐,著しい便秘,腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等)を来し,麻痺性イレウスに移行することがあるので,腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること.なお,この悪心・嘔吐は本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること.

抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)

低ナトリウム血症,低浸透圧血症,尿中ナトリウム排泄量の増加,高張尿,痙攣,意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので,このような場合には投与を中止し,水分摂取の制限等適切な処置を行うこと.

肺塞栓症,深部静脈血栓症

抗精神病薬において,肺塞栓症,静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので,観察を十分に行い,息切れ,胸痛,四肢の疼痛,浮腫等が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.

重大な副作用 (類薬)

心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)

ブチロフェノン系化合物(ハロペリドール)で心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)があらわれることが報告されているので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと.

眼障害

フェノチアジン系化合物及びブチロフェノン系化合物の長期又は大量連用により,角膜・水晶体の混濁,角膜等の色素沈着があらわれることが報告されている.

その他の副作用

 5%以上又は頻度不明0.1〜5%未満0.1%未満
循環器注1) 頻脈,胸内苦悶感等の心障害,血圧降下 
血液注1)血液障害  
肝臓注1) 肝障害 
錐体外路症状パーキンソン症候群(手指振戦,筋強剛,流涎等)注3) ジスキネジア(口周部,四肢等の不随意運動等),ジストニア(眼球上転,眼瞼痙攣,舌突出,痙性斜頸,頸後屈,体幹側屈,後弓反張等),アカシジア(静坐不能) 
精神神経系不眠注3),幻覚・妄想の顕在化,衝動性の増悪焦燥感,不穏,不安・興奮,眠気,眩暈,頭痛・頭重,言語障害,立ちくらみ 
消化器 食欲不振,悪心・嘔吐,便秘,胃部不快感,腹部膨満感 
内分泌体重増加,乳汁分泌 性欲亢進,月経異常
過敏症注2) 発疹そう痒感
  複視
その他PBI上昇倦怠感,口渇,発汗乏尿
注1)観察を十分に行い,異常が認められた場合には,減量又は投与を中止すること.注2)このような症状があらわれた場合には,投与を中止すること.注3)5%以上

高齢者への投与

高齢者では錐体外路症状等の副作用があらわれやすいので,少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい.〔動物実験で催奇形作用が認められている.また,妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合,新生児に哺乳障害,傾眠,呼吸障害,振戦,筋緊張低下,易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある.〕

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない.(使用経験がない.)

過量投与

症状

傾眠から昏睡までの中枢神経系の抑制,血圧低下と錐体外路症状である.その他,激越と情緒不安,痙攣,口渇,腸閉塞,心電図変化及び不整脈等があらわれる可能性がある.

処置

本質的には対症療法かつ補助療法である.早期の胃洗浄は有効である.

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること.〔PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている.〕

その他の注意

本剤による治療中,原因不明の突然死が報告されている.

外国で実施された認知症に関連した精神病症状(承認外効能・効果)を有する高齢患者を対象とした17の臨床試験において,非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して死亡率が1.6〜1.7倍高かったとの報告がある.また,外国での疫学調査において,定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率の上昇に関与するとの報告がある.

薬物動態

血漿中濃度

健康成人にクロカプラミン塩酸塩水和物50mgを経口投与した場合,血漿中濃度は約2.7時間で最高に達する.血漿中濃度の半減期は約46時間であった1)

健康成人 3人 50mg単回投与(平均値±SD)

tmax(h)Cmax(ng/mL)t1/2(h)AUC(ng・h/mL)
2.7±1.212.9±3.346±6436±257

排泄

尿中には未変化体は検出されない1)

臨床成績

二重盲検比較試験を含む統合失調症786例に対する有効率は,35.6%(280例/786例)である2)3)4)5)6)7)8).(有効率は“有効と認められるもの”以上を集計)なお,二重盲検比較試験によって本剤の有用性が確認されている.

薬効薬理

動物での作用

中枢ドパミン受容体遮断作用

イヌでの抗アポモルフィン作用は,クロルプロマジン,カルピプラミンの約4倍強力である9)10)

ラットによるin vivoの実験で,脳内ドパミンの代謝回転を亢進させる9)

ラットによるin vitroの実験で,ドパミン感受性のアデニレートサイクラーゼをクロルプロマジンと同程度に阻害する11)

ドパミン受容体親和性

ラットによるin vitroの実験で,脳内のハロペリドール特異的結合部位に対してクロルプロマジンより強力な親和性を示す9)

ノルアドレナリン受容体親和性

ラットのin vitroの実験で,脳内のノルアドレナリンα2受容体に対し,高い親和性を示す12)

カタレプシー惹起作用

ラットでのカタレプシー惹起作用はクロルプロマジンに比し弱い9)10)

<作用機序>

クロカプラミン塩酸塩水和物の作用機序は,中枢神経系におけるドパミン作動性,ノルアドレナリン作動性神経等に対する抑制作用によると考えられている.

有効成分に関する理化学的知見

一般名クロカプラミン塩酸塩水和物
一般名(欧名)Clocapramine Hydrochloride Hydrate
化学名1'-[3-(3-Chloro-10,11-dihydro-5H-dibenzo[b,f]azepin-5-yl)propyl]-1,4'-bipiperidine-4'-carboxamide dihydrochloride monohydrate
分子式C28H37ClN4O・2HCl・H2O
分子量572.01
融点約260℃(分解,乾燥後)
性状白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはなく,味は苦い.酢酸(100)に溶けやすく,水又はメタノールにやや溶けにくく,エタノール(95),クロロホルム又はイソプロピルアミンに溶けにくく,無水酢酸又はジエチルエーテルにほとんど溶けない.光によって徐々に着色する.
分配係数1,777(pH7.0クロロホルム/水系)
KEGG DRUGD02371

包装

クロフェクトン錠10mg

100錠(10錠×10),1,000錠(バラ)

クロフェクトン錠25mg

100錠(10錠×10),1,000錠(バラ)

クロフェクトン錠50mg

500錠(10錠×50),1,000錠(バラ)

主要文献


1. Ishigooka,J.et al.,  Psychopharmacology,  97,  303-308,  (1989) »PubMed »DOI
2. 鮫島 健 他,  新薬と臨床,  21 (5),  807-823,  (1972)
3. 小野寺勇夫 他,  精神医学,  14 (2),  175-183,  (1972)
4. 梶 鎮夫 他,  臨床精神医学,  3 (8),  867-874,  (1974)
5. 栗原雅直 他,  臨床精神医学,  12 (4),  519-538,  (1983)
6. 森 克己 他,  新薬と臨床,  26 (10),  1893-1897,  (1977)
7. 宇佐晋一,  新薬と臨床,  26 (12),  2363-2369,  (1977)
8. 枝窪俊夫 他,  新薬と臨床,  31 (5),  831-835,  (1982)
9. 中西美智夫 他,  クロフェクトン文献集〔基礎編〕,  1-38,  (1973)
10. 中西美智夫 他,  Arzneim.-Forsch.Drug Res.,  21,  391-395,  (1971) »PubMed
11. Kurihara,M.et al.,  Int.Pharmacopsychiatry,  17,  73-90,  (1982) »PubMed »DOI
12. 長谷川和夫 他,  精神薬療基金研究年報第13集,  13,  95-101,  (1981)

作業情報


改訂履歴

2015年9月 改訂
2018年4月 改訂 (第21版 D51)

文献請求先

田辺三菱製薬株式会社
541-8505
大阪市中央区道修町3-2-10
0120-753-280

業態及び業者名等

販売
田辺三菱製薬株式会社
大阪市中央区道修町3-2-10

プロモーション提携
吉富薬品株式会社
大阪市中央区道修町3-2-10

製造販売元
全星薬品工業株式会社
大阪市阿倍野区旭町1-2-7


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2021/3/24 版