2.1 心機能異常又はその既往歴のある患者[心筋障害があらわれるおそれがある。]
2.2 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
<急性白血病(慢性骨髄性白血病の急性転化を含む)>
通常、成人にはミトキサントロンとして1日1回2〜5mg/m2(本剤1〜2.5mL/m2)を5日間連日、3〜4週間隔で静脈内にゆっくり投与する。
<悪性リンパ腫、乳癌>
通常、成人にはミトキサントロンとして1日1回2〜4mg/m2(本剤1〜2mL/m2)を5日間連日あるいは1回8〜14mg/m2(本剤4〜7mL/m2)を3〜4週間隔で静脈内にゆっくり投与する。
<肝細胞癌>
通常、成人にはミトキサントロンとして1日1回6〜12mg/m2(本剤3〜6mL/m2)を3〜4週間隔で静脈内にゆっくり投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
7.1 静脈内投与に際しては、調整後の希釈液を3分以上かけてゆっくり投与すること。
7.2 点滴静脈内投与に際しては、30分以上かけて投与すること。
8.1 骨髄機能抑制、心筋障害等の重篤な副作用が起こることがあるので、以下の点に注意すること。[
9.1.1、
9.1.2、
9.1.4、
11.1.1、
11.1.2参照]
8.1.1 緊急時に十分処置できる医療施設及び癌化学療法に十分な経験をもつ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。
8.1.2 頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査、心機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。心電図等による心機能検査は、原則としてコース(通常3〜4週)ごとに実施することが望ましい。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。
8.1.3 従前にアントラサイクリン系薬剤を使用した症例では、本剤の投与量の多少にかかわらず心筋障害を起こすことがあるので、心機能検査を頻回に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること
1)。
8.2 従前にアントラサイクリン系薬剤を使用していない症例では、本剤の総投与量が160mg/m
2、及び従前にアントラサイクリン系薬剤を使用した症例では、本剤の総投与量が100mg/m
2を超える場合にうっ血性心不全等の重篤な心障害を起こすことがある。[
9.1.4、
11.1.1参照]
8.3 感染症・出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。[
9.1.2参照]
8.4 免疫機能が抑制された患者への生ワクチン接種により、ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあるので、本剤投与中に生ワクチンを接種しないこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 骨髄機能抑制のある患者
9.1.2 感染症を合併している患者
9.1.3 水痘患者
9.2 腎機能障害患者
9.3 肝機能障害患者
9.4 生殖能を有する者
生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。アントラサイクリン系の抗悪性腫瘍剤(ドキソルビシン塩酸塩、ダウノルビシン塩酸塩等)の動物試験で催奇形作用が報告されている。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。ヒトで乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。腎機能等生理機能が低下していることが多く、副作用があらわれやすい。
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.2 骨髄抑制、汎血球減少(いずれも頻度不明)
貧血(頻度不明)、白血球減少(92.3%)、血小板減少(56.1%)、出血(2.1%)等があらわれることがある。[
8.1、
9.1.1、
9.1.2参照]
11.1.3 間質性肺炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、労作時息切れ、呼吸困難等の異常が認められた場合には、速やかに胸部X線検査等を実施し、間質性肺炎が疑われる場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.4 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
発疹、呼吸困難、血圧低下等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| | 10%以上 | 5〜10%未満 | 5%未満 | 頻度不明 |
| 心臓 | | 心電図異常、頻脈 | | 不整脈、心悸亢進 |
| 過敏症 | | 発疹 | | 紅斑 |
| 肝臓 | ALT上昇(32.0%)、AST上昇(24.6%)、ビリルビン上昇、ALP上昇等の肝機能検査値異常 | | | 黄疸 |
| 腎臓 | BUN上昇 | 蛋白尿 | 血尿、クレアチニン上昇 | |
| 消化器 | 食欲不振(49.7%)、悪心・嘔吐(44.5%)、口内炎(20.6%)、下痢 | | | 腹痛、消化管出血 |
| 皮膚 | 脱毛(21.1%) | | | |
| 精神神経系 | | | | 倦怠感、頭痛 |
| 投与部位 | | | 静脈炎 | 血管痛 |
| その他 | | 発熱 | 感染症 | 味覚異常、鼻出血 |
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 溶解時のpHの高い薬剤及びβ-ラクタム環を有する抗生物質と配合した場合、沈殿を生ずることがあるので、これらの薬剤との混注を避けること
2)。また、ヘパリンと結合することが報告されているので、ヘパリンとの混注時に沈殿を生じる可能性が否定できないため、ヘパリンとの混注を避けること。
14.1.2 希釈方法
(1)静脈内投与の場合、本剤の必要量を通常、注射用蒸留水、生理食塩液又は5%ブドウ糖液20mL以上で希釈する。
(2)点滴静脈内投与の場合、本剤の必要量を通常、生理食塩液又は5%ブドウ糖液100mL以上で希釈する。なお、注射用蒸留水で希釈した場合は低張となるので使用しないこと。
(3)希釈した注射液は調製後24時間以内に使用すること。
(4)分割使用する場合には、4週間以内に使い終えること
3)。
14.1.3 本剤及び希釈液が皮膚などに付着しないよう慎重に取り扱うこと。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 静脈内投与により血管痛、静脈炎、血栓を起こすおそれがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意し、注射速度をできるだけ遅くすること。
14.2.2 静脈内投与に際し薬液が血管外に漏れると、皮膚が青色に変色したり、注射部位に硬結・壊死を起こすことがあるので、薬液が血管外に漏れないように投与すること。
14.2.3 本剤が目や皮膚に付着した場合には直ちに水道水で洗い流すこと。
15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 本剤の投与により皮膚や強膜が一過性に青色を呈したり、尿が青〜緑色になることがある。
15.1.2 免疫機能が抑制された患者にワクチンを接種した場合、抗体反応の欠如が報告されている。
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 ラットに静脈内投与した試験で、発癌性の可能性が示唆されたという報告がある。
本剤及び希釈液は他の注射液と区分して保管すること。