医療用医薬品 : ビタミンC

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医薬品情報


総称名 ビタミンC
一般名 アスコルビン酸
欧文一般名 Ascorbic Acid
薬効分類名 ビタミンC製剤
薬効分類番号 3140
ATCコード A11GA01
KEGG DRUG
D00018 アスコルビン酸
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年2月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ビタミンC注「フソー」−100mg Vitamin C Injection"FUSO" 扶桑薬品工業 3140400A2154 100円/管 処方箋医薬品注)
ビタミンC注「フソー」−500mg Vitamin C Injection"FUSO" 扶桑薬品工業 3140400A4157 100円/管 処方箋医薬品注)
ビタミンC注「フソー」−2g Vitamin C Injection"FUSO" 扶桑薬品工業 3140400A6044 100円/管 処方箋医薬品注)

4. 効能または効果

(1)ビタミンC欠乏症の予防及び治療(壊血病、メルレル・バロー病)
(2)ビタミンCの需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦、はげしい肉体労働時など)
(3)下記疾患のうち、ビタミンCの欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合
・毛細管出血(鼻出血、歯肉出血、血尿など)
・薬物中毒
・副腎皮質機能障害
・骨折時の骨基質形成・骨癒合促進
・肝斑・雀卵斑・炎症後の色素沈着
・光線過敏性皮膚炎
(3)の適応に対して、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。

6. 用法及び用量

<ビタミンC注「フソー」-100mg>
アスコルビン酸として、通常成人1日50〜2,000mgを1〜数回に分けて皮下、筋肉内又は静脈内注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
<ビタミンC注「フソー」-500mg>
アスコルビン酸として、通常成人1日50〜2,000mgを1〜数回に分けて静脈内注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
<ビタミンC注「フソー」-2g>
アスコルビン酸として、通常成人1日50〜2,000mgを1〜数回に分けて静脈内注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.7 小児等
<製剤共通>
9.7.1 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
<100mg製剤>
9.7.2 低出生体重児、新生児に使用する場合には十分注意すること。外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99〜234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある。本剤は添加剤としてベンジルアルコールを含有している。

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

12.1 各種の尿糖検査で、尿糖の検出を妨害することがある。
12.2 各種の尿検査(潜血、ビリルビン、亜硝酸塩)・便潜血反応検査で、偽陰性を呈することがある。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 静脈内注射時
血管痛があらわれることがあるので、注射速度はできるだけ遅くすること。
14.1.2 筋肉内注射時
組織・神経等への影響を避けるため、以下の点に注意すること。
・筋肉内注射はやむを得ない場合にのみ、必要最小限に行うこと。なお、同一部位への反復注射は行わないこと。また、低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児には特に注意すること。
・神経走行部位を避けるよう注意すること。
・注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
14.1.3 皮下・筋肉内注射時
注射部位に疼痛があらわれることがある。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
ビタミンCの代表的な欠乏症が壊血病であり、出血傾向の増大、骨・歯牙の発育遅延、抗体産生能や創傷治癒能の低下などを起こす。本薬の投与はこれらの疾患や症状に効果があるが、生理的意義や作用は十分明らかではない。コラーゲン生成への関与、毛細血管抵抗性の増強や血液凝固時間の短縮などによる出血傾向の改善、副腎皮質機能への関与(ストレス反応の防止)、メラニン色素生成の抑制などが報告されている1)
18.2 コラーゲン形成促進作用
壊血病の病理所見は骨、歯牙及びその他の結合織のコラーゲン合成能の低下によるものと考えられている2)3)
壊血病生成食飼育モルモットの皮膚再生を指標にアスコルビン酸の結合織形成に及ぼす影響を調べた実験では、アスコルビン酸の投与により組織のヒドロキシプロリン産生増とともに非コラーゲン性プロリンの減少が認められ、創傷部のプロリン含有物質がコラーゲンに変換されていることを示唆する成績が得られている4)
また、結合織のコラーゲンと類似の組成から成る上皮基底膜の合成もアスコルビン酸依存性であり、壊血病の徴候のいくつかが基底膜の合成不全によることが示されている5)
18.3 副腎防禦作用
ラットにエピネフリン注射によるストレスを負荷すると、好酸球の減少とともに組織学的には副腎の警告反応を示唆する像が得られるが、アスコルビン酸を前投与しておいた動物では有意の好酸球増加が認められ、また組織学的に副腎は正常で、副腎防禦作用を有することが示されている6)
18.4 メラニン生成に及ぼす影響
in vitroにおいてアスコルビン酸はドパキノン→ドパクロムの酸化に還元系として作用してドパクロムの生成を阻害する成績が得られており、モルモット及びウサギに大量投与した場合にもin vitroで認められたドパクロム生成阻害を起こし得る量が皮膚へ到達することが認められている7)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. アスコルビン酸

一般的名称 アスコルビン酸
一般的名称(欧名) Ascorbic Acid
化学名 L-threo-Hex-2-enono-1,4-lactone
分子式 C6H8O6
分子量 176.12
融点 約190℃(分解)
物理化学的性状 白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、酸味がある。水に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
KEGG DRUG D00018

22. 包装

<ビタミンC注「フソー」-100mg>
1mL 50管 ガラスアンプル
<ビタミンC注「フソー」-500mg>
2mL 50管 ガラスアンプル
<ビタミンC注「フソー」-2g>
10mL 50管 ガラスアンプル

23. 主要文献

  1. 第十八改正日本薬局方解説書, C-95-100, (2021), (廣川書店)
  2. Fullmer,H.M.,et al., Ann.New York Acad.Sci., 92, 286-294, (1961) »PubMed
  3. 梶原章, 最新医学, 17, 1429-1446, (1962)
  4. Gould,B.S.,et al., J.Biol.Chem., 226, 289-300, (1957) »PubMed
  5. Priest,R.E., Nature., 225, 744-745, (1970) »PubMed
  6. Bacchus,H.,et al., Science, 113, 269-270, (1951) »PubMed
  7. 竹内勝 ほか, ビタミン, 28, 501-507, (1963) »DOI

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
アルフレッサファーマ株式会社 製品情報部
〒540-8575 大阪市中央区石町二丁目2番9号
電話:06-6941-0306
FAX:06-6943-8212
製品情報問い合わせ先
アルフレッサファーマ株式会社 製品情報部
〒540-8575 大阪市中央区石町二丁目2番9号
電話:06-6941-0306
FAX:06-6943-8212

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
扶桑薬品工業株式会社
大阪市城東区森之宮二丁目3番11号
26.2 販売元
アルフレッサファーマ株式会社
大阪市中央区石町二丁目2番9号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/12/17 版