医療用医薬品 : セファランチン

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医薬品情報


総称名 セファランチン
一般名 セファランチン
イソテトランドリン
シクレアニン
ベルバミン
欧文一般名 Cepharanthine
Isotetrandrine
Cycleanine
Berbamine
製剤名 セファランチン末・錠
薬効分類名 タマサキツヅラフジ抽出アルカロイド製剤
薬効分類番号 2900
KEGG DRUG
D01035 セファランチン
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年9月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
セファランチン末1% Cepharanthin Powder メディサ新薬 2900001A2036 43.5円/g
セファランチン錠1mg Cepharanthin Tablets メディサ新薬 2900001F1029 6.2円/錠

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

○放射線による白血球減少症
○円形脱毛症・粃糠性脱毛症

6. 用法及び用量

<白血球減少症>
通常成人には、タマサキツヅラフジ抽出アルカロイドとして、1日3〜6mgを2〜3回に分けて食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
<脱毛症>
通常成人には、タマサキツヅラフジ抽出アルカロイドとして、1日1.5〜2mgを2〜3回に分けて食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

本剤の注射剤において、ショックの報告があるので問診を十分に行うこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 薬物過敏症又はその既往歴のある患者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
授乳中の女性には治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
顔面潮紅、じんま疹、胸部不快感、喉頭浮腫、呼吸困難、血圧低下等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
過敏症発疹、皮疹、浮腫(顔面、手足)
消化器食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、下痢
肝臓AST、ALTの上昇
内分泌月経異常
その他頭痛、そう痒感、めまい

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人男子にセファランチン(タマサキツヅラフジ抽出アルカロイド)として10〜120mgを単回経口投与したときの血中濃度の推移は、10〜60mg投与群では速やかに上昇し、Tmaxは1.1〜2.5時間でCmaxに達した後、一相性に減少した。120mg投与群では、1.2±0.3時間のTmaxを示した後、二相性に減少した1)
血中濃度パラメータ
投与量
(mg)
Tmax
(hr)
Cmax
(ng/mL)
t1/2
(hr)
AUC0〜∞
(ng・hr/mL)
10
(n=2)
2.5±0.50.53±0.064.1±0.13.49±0.09
30
(n=5)
1.1±0.22.35±0.489.2±1.323.8±6.1
60
(n=5)
1.1±0.23.46±0.276.8±0.526.4±2.8
120
(n=5)
1.2±0.36.78±1.113.3±1.0(α相)
17.1±4.1(β相)
131.3±28.5
16.5 排泄
健康成人男子におけるセファランチン(タマサキツヅラフジ抽出アルカロイド)の尿中排泄を検討した。
投与後、48時間までの120mg単回投与の累積尿中排泄率は1.4±0.3%であった1)
注)本剤の承認された用法及び用量
白血球減少症:1日3〜6mgを2〜3回に分けて食後経口投与する。
脱毛症:1日1.5〜2mgを2〜3回に分けて食後経口投与する。
いずれも年齢、症状により適宜増減する。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 放射線による白血球減少症に対する効果
放射線による白血球減少症264例に対する有効率は、「有効」以上で64.8%(171/264)、「やや有効」以上で83.3%(220/264)であった2)
17.1.2 円形脱毛症・粃糠性脱毛症に対する効果
円形脱毛症・粃糠性脱毛症621例に対する有効率は、「有効」以上で53.3%(331/621)、「やや有効」以上で64.4%(400/621)であった2)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
18.1.1 血液幹細胞増加作用(マウス)
本剤は放射線による造血機能障害に対し、血液幹細胞に働き、造血機能の回復を促進することが認められた3)4)
18.1.2 抗アレルギー作用(in vitro
本剤は抗原抗体反応による肥満細胞からのヒスタミンの遊離を抑制することが認められた5)
18.1.3 副腎皮質ホルモン産生増強作用(ラット)
本剤は下垂体を介し、血中のACTHを上昇させることにより、副腎および血中のコルチコステロンの産生を高めることが認められた6)
18.1.4 末梢循環改善作用(ウサギ)
本剤は末梢循環独自の周期的血管運動を損なうことなく、末梢血管の拡張並びに血流を促進し、末梢循環障害を改善することが認められた7)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. セファランチン

一般的名称 セファランチン
一般的名称(欧名) Cepharanthine
化学名 6',12'-Dimethoxy-2,2'-dimethyl-6,7-[methylenebis(oxy)]oxyacanthan
分子式 C37H38N2O6
分子量 606.71
理化学知見その他 タマサキツヅラフジ抽出アルカロイドは、淡黄色粉末で、メタノールにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
主として下記の4成分からなる。 19.1 セファランチン
KEGG DRUG D01035

19.2. イソテトランドリン

一般的名称 イソテトランドリン
一般的名称(欧名) Isotetrandrine
化学名 6,6',7,12-Tetramethoxy-2,2'-dimethylberbaman
分子式 C38H42N2O6
分子量 622.75
理化学知見その他 タマサキツヅラフジ抽出アルカロイドは、淡黄色粉末で、メタノールにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
主として下記の4成分からなる。 19.2 イソテトランドリン

19.3. シクレアニン

一般的名称 シクレアニン
一般的名称(欧名) Cycleanine
化学名 7,7'-O,O-Dimethylisochondodendrine
分子式 C38H42N2O6
分子量 622.75
理化学知見その他 タマサキツヅラフジ抽出アルカロイドは、淡黄色粉末で、メタノールにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
主として下記の4成分からなる。 19.3 シクレアニン

19.4. ベルバミン

一般的名称 ベルバミン
一般的名称(欧名) Berbamine
化学名 6,6',7-Trimethoxy-2,2'-dimethylberbaman-12-ol
分子式 C37H40N2O6
分子量 608.72
理化学知見その他 タマサキツヅラフジ抽出アルカロイドは、淡黄色粉末で、メタノールにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
主として下記の4成分からなる。 19.4 ベルバミン

22. 包装

<セファランチン末1%>
バラ
120g、360g、1kg
<セファランチン錠1mg>
PTP
100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)、1,000錠(10錠×100)
バラ[乾燥剤入り]
1,000錠

23. 主要文献

  1. 安田耕太郎他, 臨床薬理, 20 (4), 735-740, (1989) »DOI
  2. 社内資料:再評価時資料
  3. 栄康行他, 最新医学, 33 (7), 1495-1499, (1978)
  4. 小野稔他, 新薬と臨牀, 50 (9), 924-936, (2001)
  5. 杉山勝三他, アレルギー, 25 (9), 685-690, (1976) »DOI
  6. 吉川典孝他, 日本薬理学雑誌, 87 (2), 99-104, (1986) »PubMed
  7. Asano,M.et al., Biochem.Exp.Biol., 16 (4), 341-348, (1980) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
化研生薬株式会社 医薬情報室
〒535-0005 大阪市旭区赤川2丁目7-4
電話:0120-391-623
FAX:06-6924-7556
製品情報問い合わせ先
化研生薬株式会社 医薬情報室
〒535-0005 大阪市旭区赤川2丁目7-4
電話:0120-391-623
FAX:06-6924-7556

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
メディサ新薬株式会社
大阪市淀川区宮原5丁目2-27
26.2 発売元
化研生薬株式会社
大阪市旭区赤川2丁目7-4

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版