医療用医薬品 : リンデロン |
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総称名 | リンデロン |
一般名 | ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム, フラジオマイシン硫酸塩 |
欧文一般名 | Betamethasone Sodium Phosphate, Fradiomycin Sulfate |
製剤名 | ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム・フラジオマイシン硫酸塩液 |
薬効分類名 | 点眼,点鼻用合成副腎皮質ホルモン・抗生物質配合剤 |
薬効分類番号 | 1319 1329 |
ATCコード | S01CA05 S03CA06 |
KEGG DRUG |
D04246
フラジオマイシン硫酸塩・ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム
商品一覧 商品一覧(他薬効を含む) |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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点眼・点鼻用リンデロンA液 | Rinderon-A | シオノギファーマ | 1319813Q1049 | 78.2円/mL | 処方箋医薬品 |
次の患者には使用しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
ストレプトマイシン,カナマイシン,ゲンタマイシン,フラジオマイシン等のアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者
次の患者には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する場合には慎重に使用すること
角膜上皮剥離又は角膜潰瘍の患者[これらの疾患が増悪するおそれがある。]
ウイルス性結膜・角膜疾患,結核性眼疾患,真菌性眼疾患の患者[これらの疾患が増悪するおそれがある。]
鼻に結核性又はウイルス性疾患のある患者[これらの疾患が増悪するおそれがある。]
[点眼]
通常,1回1〜2滴を1日1〜数回点眼する。
なお,症状により適宜増減する。
[点鼻等]
通常,適量を1日1〜数回点鼻,ネブライザー又はタンポンにて使用する。
なお,症状により適宜増減する。
中耳炎,鼓膜穿孔のある患者において,本剤の点耳,耳浴により,非可逆性の難聴が発現するおそれがあるので,耳内へは投与しないこと。
慎重投与
糖尿病の患者[糖尿病が増悪するおそれがある。]
重要な基本的注意
本剤の使用に際しては適応症,起炎菌の感受性等を十分考慮すること。
連用を避け,治療上必要な最小限の使用にとどめること。
使用中に感作されるおそれがあるので,観察を十分に行い,感作されたことを示す兆候があらわれた場合には使用を中止すること。
全身性ステロイド剤と比較し可能性は低いが,本剤の投与により全身性の作用(クッシング症候群,クッシング様症状,副腎皮質機能抑制,小児の成長遅延,骨密度の低下,白内障,緑内障,中心性漿液性網脈絡膜症を含む)が発現する可能性がある。特に長期間,大量投与の場合には定期的に検査を行い,全身性の作用が認められた場合には適切な処置を行うこと。
副作用
副作用発現状況の概要
眼・耳科用リンデロンA液※の再評価結果における安全性評価対象例516例中,副作用は7例(1.4%)に認められた1)。
(※眼・耳科用リンデロンA液は本剤の旧販売名)
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
眼(ベタメタゾンリン酸エステルナトリウムによる)
緑内障(0.1%未満)
連用により,数週後から眼圧亢進,また,緑内障があらわれることがあるので,定期的に眼圧検査を実施すること。
角膜ヘルペス,角膜真菌症,緑膿菌感染症の誘発(頻度不明)
角膜ヘルペス,角膜真菌症,緑膿菌感染症を誘発することがある。このような場合には適切な処置を行うこと。
穿孔(頻度不明)
角膜ヘルペス,角膜潰瘍又は外傷等に使用した場合には穿孔を生じることがある。
後嚢白内障(0.1%未満)
長期使用により,後嚢白内障があらわれることがある。
その他の副作用
0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 | |
過敏症注1 | 眼瞼炎,結膜炎 | 刺激感 | 接触性皮膚炎 |
鼻 | 局所にフラジオマイシンの耐性菌又は非感性菌による化膿性の感染症 | ||
下垂体・副腎皮質系(ベタメタゾンリン酸エステルナトリウムによる) | 長期使用による下垂体・副腎皮質系機能の抑制,クッシング症候群 | ||
その他 | 全身使用の場合と同様な症状注2 | 創傷治癒の遅延(ベタメタゾンリン酸エステルナトリウムによる) |
高齢者への使用
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
妊婦,産婦,授乳婦等への使用
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には長期・頻回使用を避けること。[妊娠中の使用に関する安全性は確立していない。]
小児等への使用
低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児に対する安全性は確立していないので,特に2歳未満の場合には慎重に使用すること。
ベタメタゾンリン酸エステルナトリウムの血漿中濃度
(参考)
眼科手術後の患者11例に0.1%ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム液を1回1滴点眼した場合の血漿中濃度をラジオイムノアッセイにて測定した。血漿中濃度(mean±S.D.)は点眼30分後に467±138pg/mL,1時間後は479±109pg/mL,2時間後478±150pg/mLを示し,以後漸減し,6時間後は235±61pg/mLを示した2)。
眼・耳科用リンデロンA液※の再評価結果における有効性評価対象例は眼科疾患114例,鼻咽喉科疾患191例であり,有効率はそれぞれ95.6%(109例),92.1%(176例)であった1)。
(※眼・耳科用リンデロンA液は本剤の旧販売名)
表1 眼科疾患
疾患名 | 有効例数/有効性評価対象例数 | 有効率(%) |
眼瞼炎 | 13/15 | 86.7 |
結膜炎 | 39/41 | 95.1 |
角膜炎 | 12/13 | 92.3 |
強膜炎・上強膜炎 | 9/9 | − |
ブドウ膜炎 | 4/4 | − |
術後炎症 | 32/32 | 100 |
計 | 109/114 | 95.6 |
表2 鼻咽喉科疾患
疾患名 | 有効例数/有効性評価対象例数 | 有効率(%) |
アレルギー性鼻炎 | 30/30 | 100 |
慢性副鼻腔炎 | 55/61 | 90.2 |
咽喉疾患 | 46/49 | 93.9 |
術後炎症 | 2/5 | − |
その他 | 43/46 | 93.5 |
計 | 176/191 | 92.1 |
薬理作用
ベタメタゾンリン酸エステルナトリウムは合成糖質副腎皮質ホルモンであり,抗炎症作用,抗アレルギー作用を示す。
フラジオマイシン硫酸塩は,試験管内でグラム陽性菌のブドウ球菌属,モラクセラ・ラクナータ(モラー・アクセンフェルト菌)及びヘモフィルス・エジプチウス(コッホ・ウィークス菌)等に抗菌作用を示す。
一般名 | フラジオマイシン硫酸塩 |
一般名(欧名) | Fradiomycin Sulfate |
略号 | FRM |
化学名 | フラジオマイシンB硫酸塩 2,6-Diamino-2,6-dideoxy-α-D-glucopyranosyl-(1→4)-[2,6-diamino-2,6-dideoxy-β-L-idopyranosyl-(1→3)-β-D-ribofuranosyl-(1→5)]-2-deoxy-D-streptamine trisulfate フラジオマイシンC硫酸塩 2,6-Diamino-2,6-dideoxy-α-D-glucopyranosyl-(1→4)-[2,6-diamino-2,6-dideoxy-α-D-glucopyranosyl-(1→3)-β-D-ribofuranosyl-(1→5)]-2-deoxy-D-streptamine trisulfate |
分子式 | C23H46N6O13・3H2SO4 |
分子量 | 908.88 |
性状 | 白色〜淡黄色の粉末である。 水に溶けやすく,エタノール(95)にほとんど溶けない。 吸湿性である。 |
KEGG DRUG | D01618 |
点眼・点鼻用リンデロンA液
瓶5mL×10
改訂履歴 |
2019年4月 改訂 |
文献請求先 |
塩野義製薬株式会社 |
業態及び業者名等 |
製造販売元 販売元 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2021/1/20 版 |