医療用医薬品 : アドナ

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医薬品情報


総称名 アドナ
一般名 カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム水和物
欧文一般名 Carbazochrome Sodium Sulfonate Hydrate
製剤名 カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム製剤
薬効分類名 対血管薬剤
薬効分類番号 3321
ATCコード B02BX02
KEGG DRUG
D01525 カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム水和物
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2025年4月 作成(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
アドナ錠10mg ADONA Tablets ニプロ 3321002F1092 6.1円/錠
アドナ錠30mg ADONA Tablets ニプロ 3321002F2366 7.7円/錠
アドナ散10% ADONA Powder ニプロ 3321002B1139 32.5円/g

4. 効能または効果

○毛細血管抵抗性の減弱及び透過性の亢進によると考えられる出血傾向(例えば紫斑病など)
○毛細血管抵抗性の減弱による皮膚あるいは粘膜及び内膜からの出血、眼底出血・腎出血・子宮出血
○毛細血管抵抗性の減弱による手術中・術後の異常出血

6. 用法及び用量

カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム水和物として、通常成人1日30〜90mgを3回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

アドナ錠10mg
(1日量剤形換算)
剤形成人
10mg3〜9錠
アドナ錠30mg
(1日量剤形換算)
剤形成人
30mg1〜3錠
アドナ散10%
(1日量剤形換算)
剤形成人
10%0.3〜0.9g

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
消化器食欲不振、胃部不快感悪心、嘔吐 
過敏症  発疹、そう痒

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

本剤の代謝物により、尿ウロビリノーゲン試験が陽性になることがある。
また、だいだい黄色がかった着色尿があらわれることがある。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人男子に150mg(5錠)経口投与した場合速やかに血中に移行し、血中濃度は0.5〜1時間後に最高(25ng/mL plasma)に達する。
血中濃度の半減期は約1.5時間である。
注)本剤の承認された用法・用量は、1日30〜90mgを3回に分割経口投与である。
16.5 排泄
尿中排泄動態は血中濃度の推移とよく対応し、投与後0.5〜1.5時間で最大となり、24時間までに排泄される。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
2種の二重盲検比較試験を含む74施設、1,521例の臨床試験の結果、毛細血管抵抗値の増強及び出血傾向・出血症状の改善が認められている。
血管脆弱の認められる高血圧症及び動脈硬化症41例を対象とした二重盲検比較試験の結果、血管抵抗値の有意な増強効果が認められている1)
血管脆弱の認められる高血圧症・糖尿病・紫斑病等の患者51例を対象とした二重盲検比較試験の結果、血管抵抗値を有意に増強し、皮下出血等の出血症状を改善することが確認されている2)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
細血管に作用して、血管透過性亢進を抑制し、血管抵抗値を増強する。血液凝固・線溶系に影響を与えることなく出血時間を短縮し、止血作用を示す。
18.2 血管透過性抑制作用
18.2.1 ウサギ 5、10mg/kg筋肉内投与により、カリクレインによる血管透過性亢進を投与後60分で各々20%、30%抑制する3)
18.2.2 ウサギ 0.5、2.5、5.0mg/kg静脈内投与により、ヒアルロニダーゼ拡散率を各々28%、40%、65%抑制する4)
18.3 細血管抵抗値増強作用
18.3.1 モルモット 0.5mg/kg腹腔内投与により、細血管抵抗値を最高41.9Pa増強し、その作用は約5時間持続する5)
18.3.2 ウサギ 10mg/kg筋肉内投与により、瞬膜血管抵抗値を投与後60分で1.3倍増強する3)
18.4 出血時間短縮作用
18.4.1 ウサギ 2.5、5.0mg/kg静脈内投与により、出血時間を投与後60分で各々18%、42%短縮し、その作用は3時間以上持続する4)
18.5 血小板、血液凝固系に対する作用
18.5.1 ウサギ 5.0mg/kg静脈内投与において、血小板数の変化は認められない4)
18.5.2 ウサギ 4.0mg/kg筋肉内投与において、血液凝固時間の変化は認められない6)
18.6 呼吸系、循環系に対する作用
18.6.1 ウサギ 5.0、10.0mg/kg静脈内投与において、呼吸、血圧の変化は認められない6)7)
18.6.2 ウサギ 4%液耳血管灌流及び5×10−4液摘出腸間膜血管灌流において、血管の収縮は認められない6)7)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム水和物

一般的名称 カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム水和物
一般的名称(欧名) Carbazochrome Sodium Sulfonate Hydrate
化学名 Monosodium(2RS)-1-methyl-6-oxo-5-semicarbazono-2,3,5,6-tetrahydroindole-2-sulfonate trihydrate
分子式 C10H11N4NaO5S・3H2O
分子量 376.32
融点 約210℃(分解)。
物理化学的性状 ・橙黄色の結晶又は結晶性の粉末である。
・水にやや溶けにくく、メタノール又はエタノール(95)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
・水溶液(1→100)は旋光性を示さない。
KEGG DRUG D01525

22. 包装

<アドナ錠10mg>
100錠[10錠(PTP)×10]
1000錠[10錠(PTP)×100]
<アドナ錠30mg>
100錠[10錠(PTP)×10]
500錠[瓶、バラ]
1000錠[10錠(PTP)×100]
2100錠[21錠(PTP)×100]
<アドナ散10%>
100g[瓶]

23. 主要文献

  1. 堀 慶久 他, 臨牀と研究, 51 (7), 1953-1965, (1974)
  2. 加藤作郎 他, 臨牀と研究, 52 (5), 1567-1585, (1975)
  3. 小寺 稔 他, 臨牀と研究, 43 (2), 357-362, (1966)
  4. 志水 浩 他, 診療と新薬, 2, 421-426, (1965)
  5. 平井国明, 体質医学研究所報告, 8, 417-423, (1958)
  6. 蛭間政和 他, 大阪市立大学医学雑誌, 6, 793-799, (1957)
  7. 小澤 光 他, 薬学雑誌, 76 (12), 1408-1414, (1956) »J-STAGE

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
ニプロ株式会社 医薬品情報室
〒566-8510 大阪府摂津市千里丘新町3番26号
電話:0120-226-898
FAX:050-3535-8939
製品情報問い合わせ先
ニプロ株式会社 医薬品情報室
〒566-8510 大阪府摂津市千里丘新町3番26号
電話:0120-226-898
FAX:050-3535-8939

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
ニプロ株式会社
大阪府摂津市千里丘新町3番26号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版