医療用医薬品 : セイブル

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医薬品情報


総称名 セイブル
一般名 ミグリトール
欧文一般名 Miglitol
製剤名 ミグリトール錠
薬効分類名 糖尿病食後過血糖改善剤
薬効分類番号 3969
ATCコード A10BF02
KEGG DRUG D00625 ミグリトール
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 取扱い上の注意 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
セイブル錠25mg SEIBULE 三和化学研究所 3969009F1023 21.9円/錠 処方箋医薬品
セイブル錠50mg SEIBULE 三和化学研究所 3969009F2020 37.7円/錠 処方箋医薬品
セイブル錠75mg SEIBULE 三和化学研究所 3969009F3026 52.9円/錠 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡の患者[輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]

重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]

本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]

効能・効果及び用法・用量

効能効果

糖尿病の食後過血糖の改善(ただし、食事療法・運動療法を行っている患者で十分な効果が得られない場合、又は食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤、ビグアナイド系薬剤若しくはインスリン製剤を使用している患者で十分な効果が得られない場合に限る)

用法用量

通常、成人にはミグリトールとして1回50mgを1日3回毎食直前に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら1回量を75mgまで増量することができる。

使用上の注意

慎重投与

他の糖尿病用薬による治療が行われている患者[併用により低血糖が起こるおそれがある。](「重大な副作用」の項参照)

開腹手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者[腸内ガス等の増加により腸閉塞が発現するおそれがある。]

消化・吸収障害を伴った慢性腸疾患の患者[本剤の作用により病態が悪化するおそれがある。]

ロエムヘルド症候群、重度のヘルニア、大腸の狭窄・潰瘍等の患者[腸内ガス等の増加により症状が悪化するおそれがある。]

重篤な肝機能障害のある患者[代謝状態が不安定であり、血糖管理状態が大きく変化するおそれがある。]

重篤な腎機能障害のある患者[外国の臨床試験において重篤な腎障害患者に投与した際に腎機能正常者に比べて血漿中濃度が上昇することが報告されている[1]。](「薬物動態」の項参照)

高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等、糖尿病類似の症状(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)を有する疾患があることに留意すること。

糖尿病治療の基本である食事療法・運動療法のみを行っている患者では、投与の際の食後血糖1又は2時間値は200mg/dL以上を示す場合に限る。

食事療法、運動療法に加えて経口血糖降下剤又はインスリン製剤を使用している患者では、投与の際の空腹時血糖値は140mg/dL以上を目安とする。

本剤投与中は、血糖を定期的に検査するとともに、経過を十分に観察し、常に投与継続の必要性について注意を払うこと。本剤を2〜3カ月投与しても食後血糖に対する効果が不十分な場合(静脈血漿で食後血糖2時間値が200mg/dL以下にコントロールできないなど)には、より適切と考えられる治療への変更を考慮すること。なお、食後血糖の十分なコントロール(静脈血漿で食後血糖2時間値が160mg/dL以下)が得られ、食事療法・運動療法又はこれらに加えて経口血糖降下剤若しくはインスリンを使用するのみで十分と判断される場合には、本剤の投与を中止して経過観察を行うこと。

本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること。(「重大な副作用」の項参照)

低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。

本剤の投与により、「腹部膨満」、「鼓腸」、「下痢」等の消化器系副作用が発現することがある。これらの症状が発現するおそれがある場合には、少量から投与を開始し、症状を観察しながら増量することが望ましい。これらは、一般に時間の経過とともに消失することが多いが、症状に応じて減量あるいは消化管内ガス駆除剤の併用を考慮し、高度で耐えられない場合は投与を中止すること。

相互作用

併用注意

糖尿病用薬
スルホニルウレア系薬剤
ビグアナイド系薬剤
インスリン製剤
チアゾリジン系薬剤
速効型インスリン分泌促進薬
DPP-4阻害剤
GLP-1受容体作動薬
SGLT2阻害剤
左記薬剤との併用時には、低血糖発現の可能性を考慮し、低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。また、このような症状が認められた場合にはショ糖ではなくブドウ糖を投与すること。左記糖尿病用薬の血糖降下作用に本剤の糖質吸収遅延作用が加わる。
糖尿病用薬及びその血糖降下作用を増強する薬剤を併用している場合
糖尿病用薬の血糖降下作用を増強する薬剤
β-遮断剤
サリチル酸剤
モノアミン酸化酵素阻害剤
フィブラート系の高脂血症治療剤
ワルファリン 等
左記の併用に加え更に本剤を併用する場合には、糖尿病用薬の使用上の注意に記載の相互作用に留意するとともに、本剤の糖質吸収遅延作用が加わることによる影響に十分注意すること。左記薬剤により他の糖尿病用薬の血糖降下作用が増強されるところに、本剤の糖質吸収遅延作用が加わる。
糖尿病用薬及びその血糖降下作用を減弱する薬剤を併用している場合
糖尿病用薬の血糖降下作用を減弱する薬剤
アドレナリン
副腎皮質ホルモン
甲状腺ホルモン 等
左記の併用に加え更に本剤を併用する場合には、糖尿病用薬の使用上の注意に記載の相互作用に留意するとともに、本剤の糖質吸収遅延作用が加わることによる影響に十分注意すること。左記薬剤により他の糖尿病用薬の血糖降下作用が減弱されるところに、本剤の糖質吸収遅延作用が加わる。
プロプラノロール
ラニチジン
本剤との併用によりこれらの薬剤の生物学的利用率が低下することがある。発現機序は不明である。
ジゴキシン本剤との併用によりジゴキシンの血漿中濃度が低下することがある。ジゴキシンの血漿中濃度が低下した場合には、ジゴキシンの投与量を調節するなど適切な処置を行う。発現機序は不明である。

副作用

副作用発現状況の概要

国内で実施された臨床試験において、総症例1030例中、副作用が報告されたのは519例(50.4%)であった。主な副作用は鼓腸197例(19.1%)、下痢188例(18.3%)、腹部膨満153例(14.9%)、低血糖80例(7.8%)であった。[効能追加時]
国内で実施された製造販売後調査(使用成績調査及び特定使用成績調査)において、3997例中、副作用が報告されたのは552例(13.8%)であった。主な副作用は下痢158例(4.0%)、低血糖117例(2.9%)、腹部膨満89例(2.2%)、放屁46例(1.2%)等であった。[再審査終了時]

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

低血糖

他の糖尿病用薬との併用で低血糖(0.1〜5%未満)があらわれることがある。また、他の糖尿病用薬を併用しない場合でも低血糖(頻度不明)が報告されている。本剤は二糖類の消化・吸収を遅延するので、低血糖症状が認められた場合にはショ糖ではなくブドウ糖を投与するなど適切な処置を行うこと。

腸閉塞

腹部膨満、鼓腸、放屁増加等があらわれ、腸内ガス等の増加により、腸閉塞(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、持続する腹痛、嘔吐等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

肝機能障害、黄疸

AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等を伴う肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

重大な副作用 (類薬)

重篤な肝硬変例での意識障害を伴う高アンモニア血症

類薬(ボグリボース)で重篤な肝硬変例に投与した場合、便秘等を契機として高アンモニア血症が増悪し、意識障害を伴うことがあるので、排便状況等を十分に観察し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 5%以上0.1〜5%未満頻度不明
消化器腹部膨満、鼓腸、下痢便秘、腸雑音異常、腹痛、嘔気、嘔吐、食欲不振、口渇、消化不良、胃不快感、おくび、胃炎、排便障害、痔核口内炎、味覚異常、腸管のう胞様気腫症
過敏症 発疹、紅斑、蕁麻疹、そう痒 
肝臓 ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇、Al-P上昇 
精神神経系 めまい、頭痛しびれ、眠気
血液 白血球数減少 
代謝 血中アミラーゼ増加、血中カリウム増加、血中尿酸増加 
その他 頻尿、咳嗽倦怠感、浮腫

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、低用量(例えば1回量25mg)から投与を開始するなど、副作用の発現に留意し、経過を十分に観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。器官形成期のウサギに投与した実験で、母動物の摂餌量の低下、体重増加抑制、胎児体重の低下、骨化遅延及び胎児死亡率の増加が報告されている[2]。器官形成期のラットに投与した実験で、胎児体重の低下が報告されている[3]。]

授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること。[外国の臨床試験において、母乳中へ移行することが報告されている[4]。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。なお、国内で実施された小児を対象とした製造販売後臨床試験において、56例中、副作用が報告されたのは37例(66.1%)であった。主な副作用は低血糖18例(32.1%)、下痢14例(25.0%)、腹部膨満7例(12.5%)、腹痛7例(12.5%)であった。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

薬物動態

血漿中濃度・尿中排泄

健康成人男子(6例又は12例)に空腹時にミグリトール25、50、100mg注1)を経口投与した時、血漿中ミグリトールは投与後2〜3時間で最高値に達し、半減期は約2時間であった。用量とCmaxは比例関係を示さず、尿中排泄率は用量増加に伴い低下した[5][6]

試験1[5]

Tmax(h)Cmax(μg/mL)T1/2(h)尿中排泄率(% of Dose)
25mg(n=6)1.83±0.260.875±0.1671.97±0.2686.2±5.3
50mg(n=6)2.42±0.661.156±0.3512.20±0.5370.7±10.8
平均±標準偏差

試験2[6]

Tmax(h)Cmax(μg/mL)T1/2(h)尿中排泄率(% of Dose)
50mg(n=12)2.58±0.671.313±0.4241.97±0.3476.8±22.7
100mg(n=12)2.58±0.511.960±0.4642.03±0.2651.6±9.6
平均±標準偏差

また、健康成人男子(6例)に空腹時又は食直前にミグリトール100mg注1)を経口投与した時、食直前投与の血漿中ミグリトールは空腹時投与と同じ半減期(約2時間)で消失したが、Cmax及びAUCは低下した。また、尿中排泄率は空腹時が約50%、食直前が約30%であった[7]

反復投与時の血漿中濃度・尿中排泄

健康成人男子(12例)にミグリトール50又は100mg注1)を1日3回8日間(8日目は朝1回)反復投与した時、ミグリトールの血漿中濃度は3〜4日目でほぼ定常状態に達し、累積排泄率も3〜4日以降ほぼ一定であり、反復投与による蓄積性はなかった[8]

2型糖尿病患者の血漿中濃度(外国人における成績)

健康成人及び2型糖尿病患者(各12例)にミグリトール100mg注1)を1日3回7日間反復投与した時、健康成人と2型糖尿病患者の血漿中ミグリトール濃度推移は一致し、2型糖尿病患者の反復投与による血漿中ミグリトール濃度推移の変化はなかった[9]

代謝

ミグリトールは、体内において代謝を受けず、未変化体のまま主に腎臓から排泄される[10]

腎機能障害患者における薬物動態(外国人における成績)

腎機能障害患者にミグリトール25mg注1)を1日3回7日間反復投与した時、腎機能低下に伴いT1/2が延長した。また、クレアチニンクリアランスが30mL/min未満の患者では反復投与によりCmaxが増加した[1]

パラメータ投与日クレアチニンクリアランス(mL/min)
≧60(n=7)≧30 to <60(n=6)<30(n=6)
Cmax(μg/mL)11.02(1.19)1.18(1.28)1.33(1.38)
71.25(1.26)1.37(1.32)3.05(1.32)
T1/2(h)13.5(1.54)5.5(1.47)11.5(1.55)
73.2(1.37)5.4(1.25)12.5(1.60)
幾何平均値(幾何標準偏差)

透析患者における薬物動態(外国人における成績)

血液透析患者3例にミグリトール50mgを1日3回7日間反復投与した時、投与2、5及び7日目の透析前後で血漿中濃度が7.37〜28.4μg/mLから1.62〜4.50μg/mLに低下した(除去率:平均80.0〜81.8%)[11]

薬物相互作用

チトクロームP450系への影響

ミグリトールはヒトチトクロームP450分子種(CYP1A1、CYP1A2、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A4)の代謝活性を阻害しなかった[12]。また、ラットにミグリトール30、100、300mg/kg/dayを反復投与した時、肝重量、肝重量比、チトクロームP450量、アニリン水酸化活性及びアミノピリンN-脱メチル化活性は変化しなかった[13]

薬物相互作用試験

グリベンクラミド(外国人における成績)

健康成人男子6例に対し、グリベンクラミド5mg1日1回及びミグリトール100mg(漸増)注1)あるいはプラセボ1日3回をクロスオーバー法にて7日間併用投与した時、グリベンクラミドのAUC0-9h及びCmaxがプラセボと比較して、それぞれ25及び17%低下した[14]
また、2型糖尿病患者26例に対し、グリベンクラミド3.5mg1日1回及びミグリトール100mg注1)あるいはプラセボ1日3回を7日間併用投与した時、プラセボと比較してグリベンクラミドのAUC0-12hが12%低下し、Cmaxが10%増加した[15]

メトホルミン(外国人における成績)

健康成人男子12例に対し、ミグリトール100mg注1)あるいはプラセボ1日3回をクロスオーバー法にて7日間反復投与時に、メトホルミン1000mgを単回投与した時、メトホルミンのAUC0-9h及びCmaxがプラセボと比較して、それぞれ12%及び13%低下した[16]

ジゴキシン(外国人における成績)

健康成人男子12例に対し、ジゴキシン0.3mg1日1回反復投与時の定常状態においてミグリトール50及び100mg注1)を1日3回7日間併用投与した時、単独使用時と比較しジゴキシンのCminは19及び28%低下し、尿中排泄量は19及び33%低下した[17]
また、2型糖尿病患者27例に対し、ジゴキシン0.2mg1日1回反復投与時に、ミグリトール100mg注1)あるいはプラセボ1日3回を14日間併用投与した時、プラセボと比較してジゴキシンのCminに影響を及ぼさなかった[18]

参考:ジゴキシンの血漿中濃度・薬物動態パラメータ等[17]

項目ジゴキシン単独投与(n=10)ミグリトール50mg併用時(n=10)ミグリトール100mg併用時(n=10)
Cmin(ng/mL)0.813(1.25)0.662(1.41)0.586(1.35)
尿中排泄量(μg/24h)251.2(1.16)202.6(1.30)169.5(1.26)
腎クリアランス(mL/min/kg)2.965(1.29)2.938(1.36)2.775(1.39)
幾何平均値(幾何標準偏差)

プロプラノロール(外国人における成績)

健康成人男子10例に対し、プロプラノロール40mg1日3回反復投与時にミグリトール50及び100mg注1)を1日3回7日間投与した時、単独使用時と比較しプロプラノロールのAUCは50及び100mgでそれぞれ30及び40%低下した。血糖値、心電図及び心拍出量には併用による影響が認められなかった[19]

ラニチジン(外国人における成績)

健康成人男子12例に対し、ラニチジン150mgを1日2回反復投与時にミグリトール100mg注1)1日3回をクロスオーバー法にて7日間投与した時、単独使用時と比較しラニチジンのAUC及びCmaxがそれぞれ40及び47%に低下した。一方、ミグリトールのAUC及びCmaxには影響が認められなかった[20]

ピオグリタゾン

健康成人男子16例に対し、ピオグリタゾン30mgを1日1回8日間反復投与した後、さらにミグリトール50mg1日3回を併用して5日間反復投与した時、ピオグリタゾン単独投与時に対する併用時のピオグリタゾン未変化体及び活性代謝物を含めた活性化合物合計のAUCの比はそれぞれ0.975、0.992、Cmaxの比はそれぞれ0.955、0.977であり、ピオグリタゾンのAUC及びCmaxに影響は認められなかった[21]

その他、ミグリトールとニフェジピン、ワルファリン、フェニトインとの薬物相互作用試験においても薬物動態学的相互作用は認められなかった[22][23][24]。また、制酸剤(マーロックス)との薬物相互作用試験においても、ミグリトールの薬物動態に併用による影響は認められなかった[25]

注1)本剤の承認された用法・用量は、通常、ミグリトールとして1回50mgを1日3回毎食直前、最大投与量は1回75mgである。(「用法・用量」の項参照)

臨床成績

2型糖尿病患者における二重盲検比較対照試験(有効性解析対象:プラセボ84例、本剤158例)において、プラセボのHbA1c(JDS値)、食後血糖1及び2時間値がそれぞれ0.25%、0.8mg/dL及び3.3mg/dL上昇したのに対して、本剤50mg1日3回12週間投与によりそれぞれ0.35%、73.0mg/dL及び27.8mg/dL低下した[26]

SU剤で治療中の2型糖尿病患者を対象に本剤50mg1日3回12週間投与した併用試験(有効性解析対象:プラセボ77例、本剤152例)において、最終評価時におけるHbA1c(JDS値)は、プラセボでは0.2%上昇、本剤では0.28%低下した。投与12週間後の食後血糖1及び2時間値は、プラセボでは有意な変化はなく、本剤では76.8mg/dL及び32.6mg/dL低下した。その後52週にわたって継続投与した長期試験においても、本剤の効果は持続し、安定した血糖コントロールが得られた[27]

ビグアナイド剤で治療中の2型糖尿病患者を対象に本剤50mg1日3回16週間投与した併用試験(有効性解析対象:プラセボ49例、本剤固定用量47例、本剤漸増52例)において、最終評価時のHbA1c(JDS値)は、プラセボでは0.11%上昇、本剤ではそれぞれ0.40%及び0.37%低下した。投与16週後の食後血糖1時間値はプラセボで0.4mg/dL低下、本剤ではそれぞれ84.4mg/dL及び76.3mg/dL低下した。食後血糖2時間値はプラセボで3.3mg/dL低下、本剤ではそれぞれ29.1mg/dL及び25.0mg/dL低下した[28]。また、52週間の長期投与試験では本剤の効果は持続し、安定した血糖コントロールが得られている[29]

インスリン製剤で治療中の2型糖尿病患者を対象に本剤50mg1日3回12週間投与した併用試験(有効性解析対象:プラセボ100例、本剤107例)において、プラセボのHbA1c(JDS値)、食後血糖1及び2時間値がそれぞれ0.03%、3.8mg/dL及び5.7mg/dL上昇したのに対して、本剤50mg1日3回12週間投与によりそれぞれ0.36%、77.0mg/dL及び43.7mg/dL低下した[30]

インスリン製剤で治療中の1型糖尿病患者を対象に本剤50mg1日3回12週間投与した併用試験(有効性解析対象:本剤43例)において、本剤50mg1日3回12週間投与によりHbA1c(JDS値)、食後血糖1及び2時間値が、それぞれ0.09%、75.2mg/dL及び38.7mg/dL低下した[31]

薬効薬理

ミグリトールは、小腸粘膜上皮細胞の刷子縁膜において二糖類から単糖への分解を担う二糖類水解酵素(α-グルコシダーゼ)を阻害し、糖質の消化・吸収を遅延させることにより食後の過血糖を改善する。

作用機序

ラット小腸由来スクラーゼとイソマルターゼに対してアカルボースよりそれぞれ約6倍及び120倍強く、同様にボグリボースに対し1/3.6倍及び同程度の強い阻害作用を示した(in vitro)[32]。一方、ラット膵α-アミラーゼに対する阻害作用は認められず、ラクターゼ及びトレハラーゼ活性を阻害することが報告されている(in vitro)[33]

ラット小腸由来スクラーゼ、イソマルターゼ、マルターゼに対する阻害様式は競合型である(in vitro)[32]

血糖上昇抑制作用

正常ラットに経口投与した結果、スクロース、煮沸でんぷん及び生でんぷん負荷後の血糖上昇を抑制するが、グルコース負荷後の血糖上昇に対しては無効であった[34]

健康成人30例にミグリトールを1回50mg投与し75gスクロース負荷試験を実施したところ、負荷後の血糖上昇を抑制した[35]

健康成人6例にミグリトール50mgを1日3回、毎食直前に8日間(8日目は朝食時1回投与のみ)経口投与したところ、毎食後の血糖上昇を抑制し、血清インスリンの上昇を抑制した[8]

非肥満2型糖尿病モデルのGKラットに糖質(スクロース)負荷試験を実施した結果、ミグリトールは正常ラットと同様な糖質負荷後の血糖上昇抑制作用を示した[36]

GKラットにミグリトールを8週間混餌投与した結果、食後血糖上昇抑制作用が継続し、HbA1cの改善が認められた[36]

2型糖尿病患者40例にクロスオーバー法にてプラセボ及びミグリトールを1回50mg投与し食事負荷をしたところ、食後早期(30分〜1時間)の血糖上昇を抑制するとともに、インスリン分泌を抑制した[37]

有効成分に関する理化学的知見

一般名ミグリトール
一般名(欧名)Miglitol
化学名(2R,3R,4R,5S)-1-(2-Hydroxyethyl)-2-(hydroxymethyl)piperidine-3,4,5-triol
分子式C8H17NO5
分子量207.22
融点144〜147℃
性状本品は白色〜微帯黄白色の粉末である。
本品は水に溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
KEGG DRUGD00625

取扱い上の注意

本剤は分包したとき高湿度により硬度低下が認められたため、無包装状態または分包の場合には、湿気を避けて保存すること。

包装

セイブル錠25mg

100錠(PTP10錠×10)、210錠(PTP21錠×10)、500錠(PTP10錠×50)、1050錠(PTP21錠×50)

セイブル錠50mg

100錠(PTP10錠×10)、210錠(PTP21錠×10)、500錠(PTP10錠×50)、1050錠(PTP21錠×50)

セイブル錠75mg

100錠(PTP10錠×10)、210錠(PTP21錠×10)、500錠(PTP10錠×50)、1050錠(PTP21錠×50)

主要文献


1. (株)三和化学研究所 社内資料(保存期の腎機能低下患者における薬物動態)
2. (株)三和化学研究所 社内資料(生殖発生毒性試験(ウサギ))
3. (株)三和化学研究所 社内資料(生殖発生毒性試験(ラット))
4. (株)三和化学研究所 社内資料(産褥期健康成人女性における薬物動態及び乳汁移行)
5. (株)三和化学研究所 社内資料(健康成人における薬物動態の用量反応I)
6. (株)三和化学研究所 社内資料(健康成人における薬物動態の用量反応II)
7. (株)三和化学研究所 社内資料(健康成人における生物学的利用能に及ぼす食事の影響)
8. (株)三和化学研究所 社内資料(健康成人における反復投与時の薬物動態)
9. (株)三和化学研究所 社内資料(2型糖尿病における薬物動態)
10. Ahr HJ,et al,  Arzneim-Forsch,  47,  734,  (1997) »PubMed
11. (株)三和化学研究所 社内資料(透析患者における薬物動態)
12. (株)三和化学研究所 社内資料(肝薬物代謝酵素系に対する阻害作用)
13. (株)三和化学研究所 社内資料(ラット肝薬物代謝酵素に対する影響−7日間経口投与試験−)
14. (株)三和化学研究所 社内資料(グリベンクラミドとの薬物相互作用I)
15. (株)三和化学研究所 社内資料(グリベンクラミドとの薬物相互作用II)
16. (株)三和化学研究所 社内資料(メトホルミンとの薬物相互作用)
17. Weber H,et al,  Eur J Clin Pharmacol,  36 (Suppl),  11,  (1989)
18. (株)三和化学研究所 社内資料(ジゴキシンとの薬物相互作用)
19. (株)三和化学研究所 社内資料(プロプラノロールとの薬物相互作用)
20. (株)三和化学研究所 社内資料(ラニチジンとの薬物相互作用)
21. (株)三和化学研究所 社内資料(ピオグリタゾンとの薬物相互作用)
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作業情報


改訂履歴

2016年10月 改訂
2018年5月 第13版 改訂

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[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2019/6/19 版