医療用医薬品 : キシロカイン |
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総称名 | キシロカイン |
一般名 | リドカイン |
欧文一般名 | Lidocaine |
製剤名 | リドカイン塩酸塩ゼリー |
薬効分類名 | 粘滑・表面麻酔剤 |
薬効分類番号 | 1214 |
ATCコード | C01BB01 C05AD01 D04AB01 N01BB02 R02AD02 S01HA07 S02DA01 |
KEGG DRUG |
D02086
リドカイン塩酸塩
商品一覧 米国の商品 相互作用情報 |
KEGG DGROUP |
DG00196
リドカイン
商品一覧 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
---|---|---|---|---|---|
キシロカインゼリー2% | Xylocaine Jelly 2% | サンドファーマ | 1214700P1054 | 6.8円/mL |
次の患者には投与しないこと
本剤の成分又はアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴のある患者
表面麻酔
リドカイン塩酸塩として、尿道麻酔には通常成人では男子は200〜300mg(10〜15mL)、女子は60〜100mg(3〜5mL)を使用する。気管内挿管には適当量を使用する。
なお、年齢、麻酔領域、部位、組織、体質により適宜増減する。
慎重投与
高齢者(「高齢者への投与」及び「重要な基本的注意」の項参照)
全身状態が不良な患者[生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある。](「重要な基本的注意」の項参照)
心刺激伝導障害のある患者[症状を悪化させることがある。]
重篤な肝機能障害又は腎機能障害のある患者[中毒症状が発現しやすくなる。]
幼児(「小児等への投与」の項参照)
重要な基本的注意
まれにショックあるいは中毒症状を起こすことがあるので、本剤の投与に際しては、十分な問診により患者の全身状態を把握するとともに、異常が認められた場合に直ちに救急処置のとれるよう、常時準備をしておくこと。
本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、次の諸点に留意すること。
患者の全身状態の観察を十分に行うこと。
麻酔部位に応じ、できるだけ必要最少量とすること。特に他のリドカイン製剤と併用する場合には、総リドカイン量を考慮し過量投与とならないよう注意すること。
気道内表面麻酔の場合には、吸収が速いので、できるだけ少量を使用すること。
外傷、びらん、潰瘍又は炎症部位への投与は吸収が速いので注意すること。(「過量投与」の項参照)
前投薬や術中に投与した鎮静薬、鎮痛薬等による呼吸抑制が発現することがあるので、これらの薬剤を使用する際は少量より投与し、必要に応じて追加投与することが望ましい。なお、高齢者、小児、全身状態が不良な患者、肥満者、呼吸器疾患を有する患者では特に注意し、異常が認められた際には、適切な処置を行うこと。
本剤の投与により、誤嚥・口腔内咬傷の危険性を増加させるおそれがあるので注意すること。
相互作用
相互作用序文
本剤は、主として肝代謝酵素CYP1A2及びCYP3A4で代謝される。
薬物代謝酵素用語
薬物代謝酵素用語
併用注意
クラスIII抗不整脈剤 アミオダロン等 | 心機能抑制作用が増強するおそれがあるので、心電図検査等によるモニタリングを行うこと。 | 作用が増強することが考えられる。 |
副作用
副作用発現状況の概要
使用成績調査等の頻度が明確となる調査を実施していないため、副作用発現頻度については不明である。
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
ショック
徐脈、不整脈、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害等を生じ、まれに心停止を来すことがある。また、まれにアナフィラキシーショックを起こしたとの報告があるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、適切な処置を行うこと。
意識障害、振戦、痙攣
意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「過量投与」の項参照)
その他の副作用
頻度不明 | |
中枢神経注1) | 眠気、不安、興奮、霧視、眩暈等 |
消化器注1) | 悪心・嘔吐等 |
過敏症 | 蕁麻疹等の皮膚症状、浮腫等 |
高齢者への投与
一般に高齢者では、生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下しているので、患者の全身状態の観察を十分に行う等慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
小児等への投与
幼児(特に3歳以下)では麻酔効果の把握が困難なため高用量又は頻回投与されやすく、中毒を起こすことがあるので、低用量から投与を開始する等患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
過量投与
局所麻酔剤の血中濃度の上昇に伴い、中毒が発現する。その症状は、主に中枢神経系及び心血管系の症状としてあらわれる。
徴候、症状
中枢神経系の症状
初期症状として不安、興奮、多弁、口周囲の知覚麻痺、舌のしびれ、ふらつき、聴覚過敏、耳鳴、視覚障害、振戦等があらわれる。症状が進行すると意識消失、全身痙攣があらわれ、これらの症状に伴い低酸素血症、高炭酸ガス血症が生じるおそれがある。より重篤な場合には呼吸停止を来すこともある。
心血管系の症状
血圧低下、徐脈、心筋収縮力低下、心拍出量低下、刺激伝導系の抑制、心室性頻脈及び心室細動等の心室性不整脈、循環虚脱、心停止等があらわれる。
処置
呼吸を維持し、酸素を十分投与することが重要である。必要に応じて人工呼吸を行う。振戦や痙攣が著明であれば、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)を投与する。心機能抑制に対しては、カテコールアミン等の昇圧剤を投与する。心停止を来した場合には直ちに心マッサージを開始する。
適用上の注意
使用目的
眼科用として投与しないこと。
その他の注意
本剤の投与により、気管内挿管後の咽頭痛、嗄声等の発現を増加させたとの報告がある。
ポルフィリン症の患者に投与した場合、急性腹症、四肢麻痺、意識障害等の急性症状を誘発するおそれがある。
吸収及び血中動態
外国人患者に2%リドカイン液(リドカイン塩酸塩約25mg)を気管内挿管時に使用したとき、吸収は速く、血中濃度は15分後に0.1〜0.2μg/mLの最高濃度に達した1)。消化管からの吸収率は高いが、吸収後に肝臓で代謝されるために血中濃度の上昇への寄与は少ない。
高齢者にリドカイン塩酸塩50mgを静脈内投与後の終末相半減期は140分を示し、若齢者の81分に比べて延長した2)。
分布3)
リドカイン2μg/mLの血漿蛋白結合率は約65%で、α1−酸性糖蛋白及びアルブミンと結合する。血液/血漿中濃度比は約0.8であることから、血球への分布は少ないと考えられる。妊婦にリドカイン塩酸塩を硬膜外投与したとき、臍帯静脈血液中濃度と母体血漿中濃度の比は0.5〜0.7で、胎盤を通過する。
代謝4)
リドカインは、主として肝臓でN-脱エチル体monoethyl glycinexylidide(MEGX)に代謝された後、glycinexylidide(GX),2,6-xylidineに代謝され、投与量の約70%が4-hydroxy-2,6-xylidineとして尿中に排泄される。
排泄4)
リドカイン塩酸塩250mgを外国人健康人に経口投与したとき、24時間後までの尿中放射能排泄率は投与量の83.8%、未変化体は投与量の2.8%であった。
病態時における薬物動態5)
外国人心不全患者及び腎不全患者にリドカイン塩酸塩50mgを静脈内投与後の消失半減期は、健康人に比べ有意な変動はなく、肝機能低下患者では約3倍に延長した。
作用機序
リドカイン塩酸塩は、神経膜のナトリウムチャネルをブロックし、神経における活動電位の伝導を可逆的に抑制し、知覚神経及び運動神経を遮断する局所麻酔薬である。
麻酔効果・作用時間
本剤は金属を侵す性質があるので、長時間金属器具(匙等)に接触させないことが望ましい。なお、金属器具を使用した場合は、使用後十分に水洗すること。
キシロカインゼリー2%
[チューブ]30mL×5本
1. | Ouellette,R.,et al., Regional Anesthesia, 9, 200, (1984) |
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改訂履歴 |
2017年7月 改訂 |
文献請求先 |
サンド株式会社 |
お問い合わせ先 |
サンド株式会社 |
業態及び業者名等 |
販売 製造販売 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2023/03/22 版 |