医療用医薬品 : パム

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医薬品情報


総称名 パム
一般名 プラリドキシムヨウ化物
プラリドキシムヨウ化メチル
欧文一般名 Pralidoxime Iodide
製剤名 プラリドキシムヨウ化物注射液
薬効分類名 有機リン剤中毒解毒剤
薬効分類番号 3929
ATCコード V03AB04
KEGG DRUG
D01572 プラリドキシムヨウ化物
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2024年2月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
パム静注500mg PAM INTRAVENOUS INJECTION 住友ファーマ 3929401A1035 1869円/管 処方箋医薬品注)

4. 効能または効果

有機リン剤の中毒

6. 用法及び用量

プラリドキシムヨウ化物として通常成人1回1gを静脈内に徐々に注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

本剤を投与中の患者において、実際の血糖値よりも高値を示すことがあるので、血糖測定用試薬及び測定器の血糖測定値に対する影響について、事前に製造販売業者から情報を入手すること。本剤を投与中の患者で、実際の血糖値よりも高値を示すことがあり、その偽高値に基づきインスリン等の血糖降下剤を投与することにより、昏睡等の重篤な低血糖症状があらわれるおそれがある。[12.1参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 重症筋無力症の患者
筋肉症状に十分注意すること。健常人と異なる反応を示すことがある。
9.2 腎機能障害患者
本剤は主として腎臓で排泄される。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。類似化合物(プラリドキシム-2-メタンスルホネート)を家兎に大量投与した時に、胎仔へ移行することが認められている。
9.6 授乳婦
有機リン剤の影響、本剤の治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

10. 相互作用

10.2 併用注意
アトロピン混注により薬効発現が遅延することがあるので、併用する必要がある場合は混注しないこと。機序は不明である。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満頻度不明
消化器嘔気口内苦味感
循環器胸内苦悶、不整脈 
その他軽度不快感下顎疲労感、ヨード過剰症状(鼻咽頭灼熱感、耳下腺痛)

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

12.1 血糖測定値に影響することがあるので注意すること。本剤の紫外部吸収スペクトルがpHにより変化すること、又は、本剤に含まれるヨウ素イオンが測定電極に影響を及ぼすことが、原因として報告されている。[8.参照]
12.2 血清クロール値が見かけ上高値を示すことがある。本剤に含まれるヨウ素イオンが測定電極に影響を及ぼすことが報告されている。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
有機リン中毒は有機リン化合物が生体内コリンエステラーゼ(ChE)に結合してリン酸化し、アセチルコリンの分解を阻止することによりアセチルコリンが蓄積して中毒症状を起こす。
プラリドキシムヨウ化物はこのリン酸エステルをChEより離脱させ、ChEの酵素活性を回復させる1)
18.2 ChE賦活作用
18.2.1 マウスにパラチオン他7種類の有機リン剤を投与した実験において、各臓器のChE活性を回復させることが認められている2)
18.2.2 マウスにパラチオン他8種類の有機リン剤を投与した実験において、LD50値が上昇することが認められている3)
18.2.3 ウサギにパラチオン他8種類の有機リン剤を投与した実験において、血液中のChE活性を回復させることが認められている3)
18.2.4 ヒト血液を用いたin vitroの実験において、スミチオン他9種類の有機リン剤によって阻害されたChE活性を回復させることが認められている4)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. プラリドキシムヨウ化物

一般的名称 プラリドキシムヨウ化物 プラリドキシムヨウ化メチル
一般的名称(欧名) Pralidoxime Iodide
化学名 2-formyl-1-methylpyridinium iodide oxime
分子式 C7H9IN2O
分子量 264.06
融点 約216℃(分解)
物理化学的性状 黄色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに苦い。
水にやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、ジエチルエーテル又はクロロホルムにほとんど溶けない。
KEGG DRUG D01572

22. 包装

20mL[5アンプル]

23. 主要文献

  1. 上田喜一, 日本公衆衛生雑誌, 4, 341-346, (1957)
  2. 岡崎昌一, 岡山医学会雑誌, 72, 1359-1368, (1960) »DOI
  3. 植松義則, 岡山医学会雑誌, 71, 6111-6123, (1959) »DOI
  4. 奥井誠一ほか, 衛生化学, 9, 108-112, (1963) »DOI

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
住友ファーマ株式会社 くすり情報センター
〒541-0045 大阪市中央区道修町2-6-8
電話:0120-034-389
製品情報問い合わせ先
住友ファーマ株式会社 くすり情報センター
〒541-0045 大阪市中央区道修町2-6-8
電話:0120-034-389

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
住友ファーマ株式会社
大阪市中央区道修町2-6-8

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/09/17 版