医療用医薬品 : ミニプレス

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医薬品情報


総称名 ミニプレス
一般名 プラゾシン塩酸塩
欧文一般名 Prazosin Hydrochloride
製剤名 プラゾシン塩酸塩錠
薬効分類名 高血圧・排尿障害治療剤
薬効分類番号 2149
ATCコード C02CA01
KEGG DRUG D00609 プラゾシン塩酸塩
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ミニプレス錠0.5mg Minipress Tablets 0.5mg ファイザー 2149002F1128 6.6円/錠 処方箋医薬品
ミニプレス錠1mg Minipress Tablets 1mg ファイザー 2149002F2159 12.2円/錠 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能効果

本態性高血圧症、腎性高血圧症

前立腺肥大症に伴う排尿障害

用法用量

本態性高血圧症、腎性高血圧症

プラゾシンとして通常成人1日1〜1.5mg(1回0.5mg1日2〜3回)より投与を始め、効果が不十分な場合は1〜2週間の間隔をおいて1.5〜6mgまで漸増し、1日2〜3回に分割経口投与する。まれに1日15mgまで漸増することもある。なお、年齢、症状により適宜増減する。

前立腺肥大症に伴う排尿障害

プラゾシンとして通常成人1日1〜1.5mg(1回0.5mg1日2〜3回)より投与を始め、効果が不十分な場合は1〜2週間の間隔をおいて1.5〜6mgまで漸増し、1日2〜3回に分割経口投与する。
なお、症状により適宜増減する。

使用上の注意

慎重投与

ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤を服用している患者[「相互作用」の項参照]

肝機能障害のある患者[主として肝臓で代謝されるため血中濃度が上昇するおそれがある。]

重要な基本的注意

起立性低血圧があらわれることがあるので、臥位のみならず立位又は座位で血圧測定を行い、体位変換による血圧変化を考慮し、座位にて血圧をコントロールすること。

本剤の投与初期又は用量の急増時などに、ときに急激な血圧低下によると考えられる失神・意識喪失を起こすことがある。
一般に本症状は、本剤投与後短時間で起こり、めまい、脱力感、発汗、動悸等の前駆症状を伴うのでその際は仰臥位をとらせるなどの適切な措置を講ずる。また、必要に応じて対症療法を行うこと。

本剤の投与初期又は用量の急増時等に、起立性低血圧に基づくめまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う作業に従事する場合には注意させること。

本剤による前立腺肥大症に伴う排尿障害に対する治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意し、本剤投与により期待する効果が得られない場合には手術療法等、他の適切な処置を考慮すること。

相互作用

併用注意

利尿剤、他の降圧剤
(ニフェジピン等)
相互に作用を増強することがあるので、減量するなど注意すること。相互に作用を増強することがある。
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
塩酸バルデナフィル水和物
タダラフィル
クエン酸シルデナフィル
併用によりめまい等の自覚症状を伴う症候性低血圧を来したとの報告がある。血管拡張作用による降圧作用を有するため、本剤の降圧作用を増強することがある。

副作用

副作用発現状況の概要

高血圧症に対する開発時、及び承認後6年間の調査(再審査終了時)において、7,293例中672例(9.21%)に副作用又は臨床検査値異常が認められた[1]

また、前立腺肥大症に伴う排尿障害に対する開発時及び承認後4年間の調査(再審査終了時)において、1,187例中30例(2.53%)に副作用又は臨床検査値異常が認められた[2]

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

失神・意識喪失

一過性の血圧低下に伴う失神・意識喪失(0.11%)があらわれることがあるのでそのような場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと[「重要な基本的注意」の項参照]。

狭心症

狭心症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと(頻度不明)注)。

注:自発報告のため頻度不明。

その他の副作用

 1%以上0.1〜1%未満0.1%未満頻度不明注1)
肝臓  ALT(GPT)、AST(GOT)の上昇、肝機能異常 
循環器 動悸・心悸亢進、頻脈、起立性めまい、起立性低血圧、低血圧、ほてり潮紅徐脈
精神・神経系めまい、頭痛・頭重眠気、眩暈不眠、耳鳴、四肢のしびれ抑うつ、幻覚、神経過敏(症)
消化器 食欲不振、下痢、便秘、腹痛、口渇、悪心・嘔吐 膵炎
泌尿・生殖器  頻尿、陰萎、尿失禁持続勃起、女性化乳房
過敏症注2) 発疹蕁麻疹、そう痒感扁平苔癬、血管炎
呼吸器 鼻閉息苦しさ呼吸困難、鼻出血、鼻充血
 かすみ目 強膜変色、眼痛、術中虹彩緊張低下症候群(IFIS)
その他 浮腫、胸痛、けん怠感、脱力感発汗、疲労脱毛、発熱、疼痛、関節痛、異常感覚、抗核因子試験陽性
注1:自発報告等のため頻度不明。注2:発現した場合には投与を中止すること。

高齢者への投与

高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)ので、低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。

ヒト母乳中へ移行することが報告されているので[3]、授乳中の婦人に投与する場合には授乳を中止させることが望ましい。

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。

過量投与

症状

過量投与により低血圧を起こす可能性がある。

処置

低血圧が認められた場合は心血管系機能の維持を最初に行う。血圧と心拍数を正常に回復するために、患者を臥位に保つ。なお不十分であれば、血漿増量剤を用い、ショックを治療し、必要であれば昇圧剤を用いる。腎機能のモニターを行い、必要であれば適切な処置を行う。本剤は蛋白結合率が高いため、透析による除去は有効ではない。
また、2歳の小児がプラゾシンを少なくとも50mg服用した事故では、深い眠気及び反射の低下を招いたが、血圧の低下はみられず、回復は順調であった。
その他、下表の報告もある[4]

年齢、性投与量症状、徴候処置転帰
19歳、男性200mg頻脈36時間臥床回復
25歳、男性150mg持続勃起亀頭陰茎海綿体シャント回復
75歳、男性80mg嗜眠状態、低血圧胃洗浄、活性炭、輸液18時間後回復
72歳、男性120mg昏睡、低血圧、チェーンストークス型呼吸、呼吸不全、アシドーシス、肺水腫ドパミン、アンジオテンシン、集中治療室に搬入後換気、膠質輸液、アトロピン48時間後回復

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

その他の注意

腎及びその他の動脈狭窄症、脚部及びその他の動脈瘤等の血管障害のある高血圧患者で、本剤の投与により急性熱性多発性関節炎がみられた報告がある。

α1遮断薬を服用中又は過去に服用経験のある患者において、α1遮断作用によると考えられる術中虹彩緊張低下症候群(Intraoperative Floppy Iris Syndrome)があらわれるとの報告がある。

薬物動態

吸収

健常成人6名にプラゾシン錠2mgを経口投与した場合、1.2時間後に最高血中濃度21.1ng/mLを示し、その半減期は約2時間であった[5]

分布

健常成人6名にプラゾシン錠2mgを経口投与したときの血中濃度から求めた分布容積は平均75.3Lであり組織への移行性は高いと考えられる[5]

排泄

健常成人6名にプラゾシン錠2mgを経口投与したときの24時間迄の尿中排泄率は2.4%であった[5]

食事の影響

健常成人18名にプラゾシン錠2mgをクロスオーバー法により空腹時又は食後に単回経口投与したときの血中濃度・時間曲線下面積(AUC)に有意差は認められず、本剤の吸収に及ぼす食事の影響は少ないものと考えられる(参考)[6]

臨床成績

臨床効果

高血圧症

単独投与時、利尿降圧剤併用投与時ともに大部分の症例が投与開始後1〜2週間は初期投与量を固定して投与され、以降は症例ごとに血圧の変動に応じ1〜2週間の間隔をおいて、多くは漸増しながら投与量の調節が行われた。血圧降下は徐々に始まり、4週目以降には収縮期血圧、拡張期血圧ともにすぐれた降圧効果が得られ、投与開始後8〜10週時までにはほぼ投与量の調節が終わり、安定した降圧効果が維持された。また6ヵ月以上の長期投与においても良好な降圧効果が持続し、長期療法に耐え得る有用な薬剤と評価されている。
プラゾシン単独投与及び利尿降圧剤又はその他の降圧剤併用時の臨床効果は下表に示すとおりである[7]

高血圧症に対する臨床効果

投与方法\効果判定改善以上軽度改善以上
単独投与51.1%(204/399)73.2%(292/399)
併用投与55.7%(123/221)79.6%(176/221)
52.7%(327/620)75.5%(468/620)

前立腺肥大症に伴う排尿障害

1日1〜1.5mgより投与を始め、以降1〜2週間の間隔を置いて、1.5〜6mgまで増量する漸増法にて投与を行った結果、3〜4週の投与により自覚症状およびウロダイナミクス検査(残尿量、最大尿流量率、尿道内圧等)で投与前に比べ有意の改善が得られた。
一般臨床試験[8]及び二重盲検比較試験[9]の結果、本剤の臨床的有用性が認められた。

排尿障害に対する臨床効果

試験方法\効果判定中等度改善以上軽度改善以上
一般臨床試験54.1%(40/74)87.8%(65/74)
二重盲検比較試験62.3%(48/77)84.4%(65/77)
58.3%(88/151)86.1%(130/151)

その他

本態性高血圧症患者にプラゾシンを12週間から1年間投与した報告によれば、高比重リポ蛋白(HDL)コレステロールの増加とともにコレステロール比(HDLコレステロール/VLDLコレステロール+LDLコレステロール)の上昇が認められている[10][11]

慢性閉塞性肺疾患を合併した高血圧症患者にプラゾシンを投与した報告によればFEV1.0などの呼吸機能に改善が認められている[12]

薬効薬理

降圧作用

プラゾシンは高血圧自然発症ラット、腎性高血圧ラット、DOCA高血圧ラットのいずれにおいても優れた降圧作用が認められている[13]
プラゾシンの降圧作用はα受容体を遮断することにより末梢血管を拡張させ、その抵抗を減少させることによるが、従来のα遮断薬と異なり、シナプス後α受容体を選択的に遮断し、シナプス前α受容体にはほとんど作用しない。このためシナプス前α受容体を介するノルアドレナリン放出の負のフィードバック機構を抑制せず、過剰のノルアドレナリン放出をおこさないことがin vitroにおけるウサギ肺動脈の試験で認められている[14]。シナプス後α受容体に対するプラゾシンの選択的な作用は本態性高血圧症患者に反射性頻脈をほとんどきたさないこと[15]、レニン活性に及ぼす影響が少ないこと[10]、長期連用による耐性発現がみられないこと[10]などの特性に関連するものと考えられている。

循環動態

本態性高血圧症患者にプラゾシンを1〜13ヵ月経口投与した試験では、収縮期血圧、拡張期血圧ともに有意の下降をみたが、心拍数には変化がなく、心拍出量は不変もしくは軽度上昇を示した。プラゾシンは心筋収縮性、心筋酸素消費量、心仕事量に変化を与えず、心機能への影響は少ないと考えられる。また長期投与の場合も運動負荷時の循環動態の反応性に影響を与えていない[15][16][17]

腎機能

腎機能が正常な本態性高血圧症患者に対して、プラゾシン投薬前後の糸球体濾過量などを測定し、降圧後の腎機能の変動を検討したが、有意の変動を認めず、降圧効果に伴う腎血流量の低下はないものと推測される。またBUN、クレアチニン、PSPにも有意の変動はみられていない[18]

前立腺、尿道及び膀胱平滑筋に対する作用

プラゾシンはウサギ摘出前立腺、尿道及び膀胱三角部平滑筋標本でのノルアドレナリン収縮を用量依存的に抑制し、その作用はフェントラミンの約2.5〜3.1倍である。プラゾシンは麻酔イヌの下腹部神経刺激による尿道内圧の上昇を著明に抑制し、その作用はフェントラミンの約10倍であった。
また、プラゾシンはラット排尿反射による膀胱収縮を抑制し、膀胱容量増加が示唆される[19]

有効成分に関する理化学的知見

一般名プラゾシン塩酸塩
一般名(欧名)Prazosin Hydrochloride
化学名1-(4-Amino-6,7-dimethoxy-quinazolin-2-yl)-4-(2-furoyl)piperazine monohydrochloride
分子式C19H21N5O4・HCl
分子量419.86
融点約270℃(分解)
性状白色の結晶性の粉末である。
メタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
光によって徐々に微黄白色になる。
KEGG DRUGD00609

包装

ミニプレス錠0.5mg

100、1,000錠(PTP)、500錠(瓶)

ミニプレス錠1mg

100、1,000錠(PTP)、500錠(瓶)

主要文献


1. 厚生省薬務局,  医薬品副作用情報,   (94),  17,  (1989)
2. 厚生省薬務局,  医薬品研究,  26 (1),  37,  (1995)
3. 竹田 省ほか,  産科と婦人科,  56 (12),  2516,  (1989)
4. Lip,G.Y.H.et al.,  J.Hum.Hypertens.,  9 (7),  523,  (1995) »PubMed
5. 林 正弘ほか,  臨床薬理,  9 (4),  385,  (1978) »J-STAGE
6. Verbesselt,R.et al.,  Acta Ther.,  2 (1),  27,  (1976)
7. 社内資料:高血圧症に対する臨床効果
8. 社内資料:排尿障害に対する臨床効果
9. 山口 脩ほか,  医学と薬学,  19 (2),  411,  (1988)
10. 高畠 利一ほか,  医学と薬学,  9 (3),  873,  (1983)
11. 国府 達郎ほか,  循環器科,  12 (4),  396,  (1982)
12. 西澤 芳男,  医学と薬学,  7 (7),  1899,  (1982)
13. 大槻 勲夫ほか,  応用薬理,  17 (3),  403,  (1979)
14. Cambridge,D.et al.,  Med J Aust.,  2 (Specl.Suppl.),  2,  (1977)
15. 築山 久一郎ほか,  臨床成人病,  8 (2),  227,  (1978)
16. 新谷 冨士雄ほか,  臨牀と研究,  55 (2),  629,  (1978)
17. 後藤 哲也ほか,  臨床成人病,  7 (6),  926,  (1977)
18. 篠田 知璋,  診療と新薬,  15 (12),  3111,  (1978)
19. 社内資料:前立腺、尿道及び膀胱に対する作用

作業情報


改訂履歴

2008年2月 改訂
2009年8月 第9版 改訂

文献請求先

「主要文献」に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
ファイザー株式会社
151-8589
東京都渋谷区代々木3-22-7
学術情報ダイヤル 0120-664-467

業態及び業者名等

製造販売
ファイザー株式会社
東京都渋谷区代々木3-22-7


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2018/7/18 版