医療用医薬品 : コルドリン

List   Top

医薬品情報


総称名 コルドリン
一般名 クロフェダノール塩酸塩
欧文一般名 Clofedanol Hydrochloride
製剤名 クロフェダノール塩酸塩錠・顆粒
薬効分類名 中枢性鎮咳剤
薬効分類番号 2229
ATCコード R05DB10
KEGG DRUG
D01389 クロフェダノール塩酸塩
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2022年7月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
コルドリン錠12.5mg Coldrin Tablets 日本新薬 2229002F1031 6.9円/錠
コルドリン顆粒4.17% Coldrin Granules 日本新薬 2229002D1030 22.2円/g

4. 効能または効果

下記疾患に伴う咳嗽
急性気管支炎、急性上気道炎

6. 用法及び用量

<コルドリン錠12.5mg>
成人1回2錠1日3回経口投与する。年齢、症状により適宜増減する。
<コルドリン顆粒4.17%>
成人1回0.6g1日3回経口投与する。年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 衰弱者
本剤は中枢性鎮咳剤である。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

10.2 併用注意
中枢神経抑制薬
フェノチアジン系薬剤
三環系抗うつ剤
ベンゾジアゼピン系薬剤
モノアミン酸化酵素阻害剤
本剤の作用が増強されることがある。本剤は咳中枢に作用し、咳嗽抑制作用を示す。
中枢神経興奮薬
エフェドリン塩酸塩
マオウ
メチルフェニデート塩酸塩
本剤の作用が減弱されることがある。本剤は咳中枢に作用し、咳嗽抑制作用を示す。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
蕁麻疹、冷汗、呼吸困難、喉頭浮腫、血圧低下等の異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形滲出性紅斑(いずれも頻度不明)
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 1〜5%未満1%未満頻度不明
消化器食欲不振、胃痛・胃重感・胃部不快感、嘔気・嘔吐便秘、下痢、口渇、腹痛口内炎
精神神経系頭重感、めまい感頭痛、のぼせ感、眠気、四肢しびれ感筋痙攣、手指のふるえ、浮遊感
過敏症 発疹そう痒
循環器 心悸亢進 
その他 喀出困難口中しびれ感、舌しびれ、倦怠感、にがみ感、味覚低下

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
<錠>
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.2 非臨床試験に基づく情報
動物実験(ラット)の長期大量投与時に肝細胞に可逆性の中性脂肪の沈着及びミエリン体の出現が認められている。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人男性24例にクロフェダノール塩酸塩12.5mg注)を空腹時に経口投与した場合、血漿中未変化体濃度は投与後約2.5時間で最高値に達し、その後約19時間の半減期で消失した1)
健康成人男性に空腹時にクロフェダノール塩酸塩12.5mg注)を経口投与した後の血漿中未変化体濃度推移(平均値±標準偏差、n=24)
薬物動態パラメータ
Dose(mg/body)Tmax(hr)Cmax(ng/mL)t1/2(hr)AUC0-72hr(ng・hr/mL)
12.52.46±0.5553.9±8.018.9±4.8981±246
注)承認された1回用量は25.0mgである。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内鎮咳効果の比較試験
咳嗽数を直接算定した比較試験で、本剤はプラセボに比し投与後30分で著明な咳嗽抑制を示し、それ以後も明らかな抑制を示した2)
17.1.2 国内二重盲検比較試験
各種呼吸器疾患に伴う持続性咳嗽を対象とし、クエン酸カルベタペンタン及びデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物を対照薬とした二重盲検比較試験において、本剤の咳嗽の改善度に対する有効性が、更に副作用を含めた総合効果判定で有用性が認められている3)4)5)
17.1.3 国内一般臨床試験
一般臨床試験では、急性気管支炎263例中200例(76.0%)に、急性上気道炎348例中237例(68.1%)に著効あるいは有効の評価を得ている。
疾患名有効率(有効以上例数/評価対象例数)
急性気管支炎76.0%(200/263)
急性上気道炎68.1%(237/348)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
本剤は咳中枢に作用し、咳嗽抑制作用を示す。
18.2 中枢性鎮咳作用
咳嗽ネコ法による50%鎮咳量は30.0mg/kg(p.o.)でデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物と同程度の鎮咳作用を示す。
作用は投与後20〜30分に発現し、作用の持続は3〜4時間とデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物の約2倍である。
またイヌを用いた種々投与部位での鎮咳効果、モルモットを用いたstretch receptorへの影響等の検討により、作用点は四丘体下丘以下の脳幹部にある咳中枢そのものであることが認められている6)7)
18.3 非習慣性鎮咳作用
4週間連続投与試験において、モルモット−クエン酸水和物エアロゾル法による鎮咳効果の低減がみられず、耐性の形成はない。またラット身体依存性試験、サル薬物依存性予備試験により本剤には薬物依存性形成のないことが明らかにされている6)8)9)
18.4 気管筋痙攣緩解作用
モルモット摘出気管筋に対し、緊張低下を示し、アセチルコリン、ヒスタミン、塩化バリウムによる気管筋収縮に対しても拮抗作用を示す。またウサギ生体内気管筋のアセチルコリン、ヒスタミンによる収縮に対し緩解作用を認めている。これらの作用はいずれもコデイン、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物に勝るものであった6)7)
18.5 呼吸興奮作用
静注投与により、呼吸数の増加(ウサギ、イヌ)、呼吸振幅の増大(ウサギ)等の明らかな呼吸興奮作用を有する6)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. クロフェダノール塩酸塩

一般的名称 クロフェダノール塩酸塩
一般的名称(欧名) Clofedanol Hydrochloride
化学名 (1RS)-1-(2-Chlorophenyl)-3-dimethylamino-1-phenylpropan-1-ol monohydrochloride
分子式 C17H20ClNO・HCl
分子量 326.26
融点 約190℃(分解、ただし乾燥後)
物理化学的性状 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。
本品はメタノール、エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けやすく、水にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品のメタノール溶液(1→20)は旋光性を示さない。
KEGG DRUG D01389

22. 包装

<コルドリン錠12.5mg>
100錠[10錠(PTP)×10]、1000錠[10錠(PTP)×100]
<コルドリン顆粒4.17%>
100g[ポリエチレン袋]

23. 主要文献

  1. 社内資料:CLI-F錠12.5mgを経口投与した後の血漿中濃度の測定及び解析
  2. 前田泰生ほか, 医学のあゆみ, 84 (12), 721-7, (1973)
  3. 前川暢夫ほか, 日本胸部臨床, 32 (8), 619-26, (1973)
  4. 藤田真之助ほか, 日本胸部臨床, 34 (2), 150-9, (1975)
  5. 藤田真之助ほか, 臨床評価, 6 (3), 563-87, (1978)
  6. 野村 彰ほか, 応用薬理, 8 (2), 119-37, (1974)
  7. 由井薗倫一ほか, 薬学雑誌, 87 (8), 915-22, (1967) »DOI
  8. 木村喜代史ほか, 応用薬理, 9 (1), 49-55, (1975)
  9. 柳田知司ほか, 実中研・前臨床, 3 (2), 75-8, (1977)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
日本新薬株式会社 製品情報担当
〒601-8550 京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14
電話:フリーダイヤル 0120-321-372
075-321-9064
FAX:075-321-9061
製品情報問い合わせ先
日本新薬株式会社 製品情報担当
〒601-8550 京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14
電話:フリーダイヤル 0120-321-372
075-321-9064
FAX:075-321-9061

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
日本新薬株式会社
京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/09/17 版