PUVA療法により皮膚癌が発生したとの報告がある。
2.1 皮膚癌又はその既往歴のある患者[皮膚癌が増悪又は再発するおそれがある。]
2.2 ポルフィリン症、紅斑性狼瘡、色素性乾皮症、多形性日光皮膚炎等の光線過敏症を伴う疾患のある患者[光毒性反応が増強される。]
通常、成人では1日2錠(メトキサレンとして20mg)、7〜12才で1日1〜2錠(メトキサレンとして10〜20mg)、6才以下では1日1錠(メトキサレンとして10mg)を経口投与する。なお症状により適宜増減する。
経口投与2時間後に日光浴あるいは人工紫外線の照射を行う。全身汎発性の白斑には内服療法が望ましい。
7.1 紫外線を照射する場合、照射源及び個人差に応じて至適量を個々に把握する必要がある。その目安としては、照射した翌日の治療白斑部位が軽度にピンク色に発赤し、持続する程度が適当である。
7.2 特に最初の照射量は、皮膚炎を防止する上からも、最少紅斑量以下から開始することが望ましく、一応の目安として、日光浴の場合は5分より始め、人工紫外線照射の場合は、光源より20〜30cmの距離から1分より始め、以後白斑部位の皮膚症状により漸増・漸減して至適量を把握し、照射すること。
7.3 本剤は360nmをピークとする波長に高い活性を有するので、主として360nm付近の波長を有するBlack-lightの照射が望ましい。
8.1 紫外線照射時には、目に遮光眼帯を着用させる等、眼障害への予防に細心の注意を払うこと。また、白斑部以外の正常皮膚も皮膚炎を防ぐため、黒布等で覆い、露光されないよう注意すること。
8.2 紫外線感受性は内服後6〜8時間持続するので、この間は治療する場合を除いて紫外線に照射されないよう注意すること。
8.3 PUVA療法により皮膚癌が発生したとの報告があるので、治療前には患者によく説明し、PUVA療法施行後は患者の皮膚の状態に注意すること。また、紫外線照射の蓄積により皮膚癌の発生頻度が高まるとの報告があるので、長期にわたり漫然と治療しないこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 糖尿病の患者
9.1.2 薬剤性光線過敏症及び光線過敏症の既往歴のある患者
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝疾患のある患者
投与しないこと。肝疾患の悪化例が報告されている。[
2.3参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている
1)。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている
1)。
9.7 小児等
9.8 高齢者
治療方法に留意すること。一般に生理機能が低下している。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
15.1 臨床使用に基づく情報
乾癬のある患者に使用した場合、皮膚癌が発現し易くなるおそれがある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
動物実験(モルモット)で腹腔内に大量投与し、紫外線照射した場合に、眼障害が認められたとの報告がある。