医療用医薬品 : アクラシノン |
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総称名 | アクラシノン |
一般名 | アクラルビシン塩酸塩 |
欧文一般名 | Aclarubicin Hydrochloride |
製剤名 | 注射用アクラルビシン塩酸塩 |
薬効分類名 | 抗腫瘍性抗生物質 |
薬効分類番号 | 4235 |
ATCコード | L01DB04 |
KEGG DRUG |
D01911
アクラルビシン塩酸塩
商品一覧 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
---|---|---|---|---|---|
アクラシノン注射用20mg | Aclacinon 20mg for Injection | 日本マイクロバイオファーマ | 4235400D1030 | 2683円/瓶 | 劇薬 , 処方箋医薬品 |
次の患者には投与しないこと
心機能異常又はその既往歴のある患者[心筋障害があらわれることがある。]
本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
投与方法
固形癌及び悪性リンパ腫
アクラルビシン塩酸塩として1日量40〜50mg(力価)(0.8〜1.0mg(力価)/kg)を1週間に2回、1,2日連日または1,4日に静脈内へワンショット投与または点滴投与する。
アクラルビシン塩酸塩として1日量20mg(力価)(0.4mg(力価)/kg)を7日間連日静脈内へワンショット投与または点滴投与後、7日間休薬し、これを反復する。
急性白血病
アクラルビシン塩酸塩として1日量20mg(力価)(0.4mg(力価)/kg)を10〜15日間連日静脈内へワンショットまたは点滴投与する。
慎重投与
肝障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
腎障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
骨髄機能抑制のある患者[骨髄抑制を悪化させるおそれがある。]
感染症を合併している患者[骨髄機能抑制により感染を悪化させるおそれがある。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
水痘症患者[致命的な全身障害があらわれるおそれがある。]
重要な基本的注意
骨髄機能抑制、心筋障害等の重篤な副作用が起こることがあるので頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査、心機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
また、使用が長期にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので投与は慎重に行うこと。
アントラサイクリン系薬剤投与後症例に本剤を投与する場合、本剤の総投与量が600mg(力価)以上になる症例では心電図異常の発現が増加するので注意すること。
急性白血病の治療の場合、末梢血液及び骨髄所見を随時検査し、投与期間を短縮又は延長すること。
感染症、出血傾向の発現又は悪化に十分注意すること。
小児に投与する場合には、副作用の発現に特に注意し慎重に投与すること。
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
相互作用
併用注意
投与前の心臓部あるいは縦隔への放射線照射、アントラサイクリン系薬剤等潜在的に心毒性を有する他の抗悪性腫瘍剤[心筋障害が増強されるおそれがある。]
他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射[骨髄機能抑制等の副作用が増強することがある。]
副作用
副作用発現状況の概要
承認時及び市販後使用成績における固型癌及び造血器腫瘍3,787例中副作用が発現した症例は2,017例(53.3%)であった。
その主な副作用は、白血球減少14.6%、血小板減少7.2%等の骨髄抑制と食欲不振27.4%、悪心26.3%、嘔吐22.8%等の消化器症状であり、その他全身倦怠9.2%、脱毛4.1%等であった。
なお、急性白血病では下痢9.8%、肝機能異常9.7%、心電図異常6.3%等であった。
(再審査結果通知:1989年9月)
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
心筋障害(頻度不明)
心筋障害さらに心不全等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、休薬又は投与を中止すること。特にアントラサイクリン系薬剤投与後症例への本剤の投与には十分注意すること。
骨髄抑制(5%以上)
汎血球減少、貧血、白血球減少、血小板減少、出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬等適切な処置を行うこと。
重大な副作用 (類薬)
ショック(頻度不明)
類似化合物の投与によりショックがあらわれたとの報告があるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
5%以上 | 0.1〜5%未満 | |
心臓 | 心電図異常、頻脈、不整脈 | |
消化器 | 食欲不振、悪心、嘔吐、口内炎、下痢 | 消化管出血注)、腹痛、胃部不快感 |
肝臓 | AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇等 | |
腎臓 | 蛋白尿等 | |
泌尿器 | 血尿、膀胱炎、排尿痛、尿意頻数、残尿感等 | |
過敏症 | 発疹 | |
皮膚 | 脱毛、色素沈着 | |
精神神経系 | 全身倦怠 | 頭痛、頭重感 |
膵臓 | 膵炎 | |
その他 | 発熱 | 静脈炎、顔面紅潮 |
高齢者への投与
高齢者では用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。[本剤は主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能等の生理機能が低下していることが多い。]
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験で胎児毒性(吸収胚数の増加、発育抑制、化骨の遅延、腰肋の出現頻度の上昇)が報告されている2)3)。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験が少ない。]
適用上の注意
投与経路
皮下・筋肉内には投与しないこと。
調製時
溶解後は、できるだけ速やかに使用すること。溶解時のpHが高いと濁りを生じることがあるので、pH7以上の注射剤との配合は避けること。
投与時
静脈内投与により、ときに血管痛、静脈炎等を起こすことがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意すること。
静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると注射部位を中心に炎症を起こすことがあるので、慎重に投与すること。
40〜100mg(力価)ワンショット静脈内投与した場合
アクラルビシンの血中濃度(全血中濃度)は投与後急速に低下したが、活性型の代謝物が12時間以上にわたり20〜30ng/mLの濃度を示した。
20mg(力価)点滴静脈内(1時間)投与した場合
アクラルビシンの血中濃度(全血中濃度)は投与後速やかに消失したが、活性型の代謝物が12時間にわたり10〜20ng/mLの濃度を示した。
固型癌286例、造血器腫瘍88例における本剤の単独療法の成績概要は次のとおりである。
腫瘍別 | 有効率 | |
固形癌 | 乳癌 | 29.4%(10/34) |
卵巣癌 | 35.3%(6/17) | |
肺癌 | 18.2%(6/33) | |
胃癌 | 18.6%(19/102) | |
造血器腫瘍 | 悪性リンパ腫 | 53.3%(16/30) |
急性白血病 | 36.2%(17/47) |
マウスのL1210白血病、P388白血病、エールリッヒ癌、ルイス肺癌、ザルコーマ180、CD8F1(デニー・マーチン)乳癌、C3H乳癌、Co-38及びラット腹水肝癌AH41C、AH66、AH13、AH44等の実験腫瘍に対して延命効果が認められている。また、ヌードマウスに移植されたヒト由来胃癌St-4、St-15及び結腸癌Co-3などに対し有効であった。
本剤は、癌細胞のDNAに結合して核酸合成、特にRNA合成を強く阻害する。
注射用20mg
10バイアル
1. | Mori,S.et al., Jpn.J.Antibiotics, 33 (5), 618, (1980) »PubMed |
2. | 鎌田紘八 他, 応用薬理, 19 (5), 783, (1980) |
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8. | 久保田哲朗 他, 癌と化学療法, 5 (3), 535, (1978) |
9. | Crooke,S.T.et al., Molecular Pharmacol., 14, 290, (1978) »PubMed |
10. | Yamaki,H.et al., J.Antibiotics, 31 (11), 1149, (1978) »PubMed »DOI |
改訂履歴 |
2014年4月 改訂 (第9版) |
文献請求先 |
アステラス製薬株式会社 |
お問い合わせ先 |
アステラス製薬株式会社 |
業態及び業者名等 |
発売 製造販売 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2021/5/25 版 |