医療用医薬品 : ル・エストロジェル

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医薬品情報


総称名 ル・エストロジェル
一般名 エストラジオール
欧文一般名 Estradiol
製剤名 エストラジオール外用ゲル剤
薬効分類名 経皮吸収エストラジオール製剤
薬効分類番号 2473
ATCコード G03CA03
KEGG DRUG D00105 エストラジオール
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
KEGG DGROUP DG00462 エストラジオール
商品一覧
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 取扱い上の注意 包装 その他の説明 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ル・エストロジェル0.06% l'estrogel 0.06% 資生堂 2473700M2026 25.3円/g 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば、乳癌、子宮内膜癌)及びその疑いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。]

乳癌の既往歴のある患者

未治療の子宮内膜増殖症のある患者[子宮内膜増殖症は細胞異型を伴う場合があるため。]

血栓性静脈炎や肺塞栓症のある患者、又はその既往歴のある患者[卵胞ホルモン剤は凝固因子を増加させ、血栓形成傾向を促進するとの報告がある。]

動脈性の血栓塞栓疾患(例えば、冠動脈性心疾患、脳卒中)又はその既往歴のある患者(「8.その他の注意」の項参照)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦(「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

重篤な肝障害のある患者[代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある。]

診断の確定していない異常性器出血のある患者[出血が子宮内膜癌による場合は、癌の悪化あるいは顕性化を促すことがある。]

ポルフィリン症で急性発作の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能・効果

更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う血管運動神経症状(Hotflush及び発汗)

用法・用量

通常、成人に対しル・エストロジェル2プッシュ(1.8g、エストラジオールとして1.08mg含有)を1日1回、両腕の手首から肩までの広い範囲に塗擦する。なお、症状に応じて、適宜減量する。減量する場合は、ル・エストロジェル1プッシュ(0.9g、エストラジオールとして0.54mg含有)を1日1回、両腕の手首から肩までの広い範囲に塗擦する。

使用上の注意

慎重投与

子宮筋腫のある患者[子宮筋腫の発育を促進するおそれがある。]

子宮内膜症のある患者[症状が増悪するおそれがある。]

乳癌家族素因が強い患者、又は乳房結節、乳腺症を有する患者、乳房レントゲン像に異常がみられた患者[卵胞ホルモン剤投与と乳癌発生との因果関係については未だ明らかではないが、使用期間と相関性があることを示唆する疫学調査の結果が報告されているので、定期的に乳房検診を行うなど慎重に使用すること。また、動物実験において乳腺腺腫が認められている。]

高血圧、心疾患、腎疾患のある患者、又はその既往歴のある患者[卵胞ホルモン剤の過量投与では体液貯留をきたし、これらの疾患を悪化させるおそれがある。]

糖尿病患者[耐糖能を低下させるおそれがあるので十分管理を行いながら使用すること。]

片頭痛、てんかんのある患者[症状を悪化させることがあるので、観察を十分に行うこと。]

肝障害のある患者[肝障害を悪化させるおそれがあるので、定期的に肝機能検査を実施するなど観察を十分に行うこと。]

術前又は長期臥床状態の患者[血液凝固能が亢進され、心血管系の副作用の危険性が高くなることがある。]

全身性エリテマトーデスの患者[症状を悪化させるおそれがある。]

重要な基本的注意

外国において、卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を長期併用した女性では、乳癌になる危険性が対照群の女性と比較して高くなり、その危険性は併用期間が長期になるに従って高くなるとの報告があるので、本剤の使用にあたっては、患者に対し本剤のリスクとベネフィットについて十分な説明を行うとともに必要最小限の使用にとどめ、漫然と長期投与を行わないこと。(「8.その他の注意」の項参照)

使用前に病歴、家族素因等の問診、乳房検診並びに婦人科検診(子宮を有する患者においては子宮内膜細胞診及び超音波検査による子宮内膜厚の測定を含む)を行い、使用開始後は定期的に乳房検診並びに婦人科検診を行うこと。(「1.慎重投与」の項参照)

本剤投与後の血清中エストラジオール濃度の個人間及び個人内変動は大きく、過度に上昇する場合があり、定期的に血清中エストラジオール及びFSHを測定すること。

血清中エストラジオール濃度が過度に上昇していると判断された場合、副作用の発現に留意し、本剤の投与中止等の適切な対応をとること。

相互作用

相互作用序文

本剤は主に薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP3A4)で代謝されるので、本酵素の活性に影響を及ぼす薬剤と併用する場合には、注意して使用すること。

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

併用注意

リファンピシン
抗てんかん剤
フェノバルビタール
フェニトイン
カルバマゼピン
HIV逆転写酵素阻害剤
エファビレンツ
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
ステロイドホルモン
本剤の代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがある。これらの薬剤等は薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP3A4)を誘導することにより、本剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させる可能性がある。
プロテアーゼ阻害剤
リトナビル
ネルフィナビル 等
本剤の血中濃度が変化するおそれがある。これらの薬剤は薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP3A4)を誘導又は阻害する可能性がある。

副作用

副作用発現状況の概要

国内臨床試験において、安全性評価対象例229例中136例(59.4%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。
主な副作用は、腟分泌物34.5%(79/229)、乳房不快感23.1%(53/229)、性器出血8.3%(19/229)、骨盤痛5.7%(13/229)、投与部位そう痒感5.7%(13/229)等であった。(承認時)

米国の臨床試験において、安全性評価対象例422例中189例(44.8%)に副作用が認められ、主な副作用は、乳房圧痛8.5%(36/422)、頭痛7.8%(33/422)、不正子宮出血5.5%(23/422)等であった。(承認時)

また、国内臨床試験において、安全性評価対象例209例中74例(35.4%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な副作用は、骨盤痛13.4%(28/209)、性器出血7.2%(15/209)等であった。(用法・用量追加承認時)

使用成績調査において、安全性評価対象例270例中17例(6.3%)に副作用が認められた。主な副作用は、不正子宮出血1.5%(4/270)等であった。(再審査終了時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

(頻度不明)注)

アナフィラキシー様症状

アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止し、適切な処置を行うこと。

静脈血栓塞栓症、血栓性静脈炎

静脈血栓塞栓症、血栓性静脈炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、下肢の疼痛・浮腫、胸痛、突然の息切れ、急性視力障害等の初期症状が認められた場合には使用を中止し、適切な処置を行うこと。また、患者に対しては、異常が認められた場合には直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明すること。

注)承認時、用法・用量追加承認時までの国内臨床試験及び使用成績調査では認められず、自発報告又は外国において認められている。

その他の副作用

注)

 1%以上1%未満頻度不明
生殖器腟分泌物(11.4%)、性器出血、骨盤痛消退出血、不正子宮出血、外性器痛、外陰部炎、外陰腟不快感、子宮内膜生検異常、子宮筋腫、子宮頸管ポリープ、陰部そう痒症、子宮内膜症(再燃)腟乾燥
乳房乳房不快感(8.3%)、乳房痛、乳頭痛乳房のう胞 
皮膚
投与部位
そう痒感、紅斑、湿疹色素沈着変化、乾燥、刺激感 
皮膚
全身
 湿疹、紅斑、色素沈着障害、そう痒症、ざ瘡、じん麻疹 
精神神経系めまいしびれ感、抑うつ気分、睡眠障害、傾眠、頭痛易刺激性、片頭痛
循環器 動悸、高血圧 
消化器膨満感食欲不振、悪心、下痢、腹痛、逆流性食道炎、排便痛嘔吐
肝臓 肝機能異常(AST(GOT)増加、ALT(GPT)増加、ALP増加) 
血液 白血球数減少、貧血(赤血球数減少、ヘモグロビン量減少、ヘマトクリット値低下) 
骨・筋肉 背部痛、四肢痛、筋骨格硬直、関節炎四肢重感
その他浮腫疲労、潮紅、血中Ca減少、アンチトロンビンIII減少、耳鳴、耳不快感、鼻出血、血中フィブリノゲン増加、血中トリグリセリド増加、鼻咽頭炎、過換気コンタクトレンズ不耐性
*海外でのみ報告

注)発現頻度は承認時、用法・用量追加承認時までの国内臨床試験の結果及び使用成績調査の結果をあわせて算出した。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので患者の状態を観察しながら慎重に使用すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には使用しないこと。[卵胞ホルモン剤であるジエチルスチルベストロールを妊娠動物(マウス)又は妊婦に投与したとき、出生児に生殖器系臓器の異常が報告されている。エストラジオールのヒトにおける催奇形性の報告はないが、妊娠動物(ラット)への投与によって児の生殖器系臓器に異常が起こることが報告されている。ヒトにおいて、妊娠中の女性ホルモン剤(経口避妊薬等)投与によって児の先天性異常(先天性心臓奇形及び四肢欠損症)のリスク増加の報告がある。]

授乳中の女性には使用しないこと。[ヒトにおいて、母乳中への移行が報告されている。また、動物実験(マウス)で新生児に卵胞ホルモン剤を投与した場合、児の成長後腟上皮の癌性変化を認めたとの報告がある。]

卵胞ホルモン剤を妊娠動物に投与した場合、児の成長後、腟上皮及び子宮内膜の癌性変化を示唆する結果が報告されている。また、新生児に投与した場合、児の成長後腟上皮の癌性変化を認めたとの報告がある。

適用上の注意

塗布部位

顔面、乳房、外陰部及び粘膜には塗布しないこと。

創傷面又は湿疹、皮膚炎等(重度の乾燥や日焼けなどによる皮膚炎も含む)がみられる部位は避けて塗布すること。

投与後1時間以内の投与部位の洗浄は十分な血中濃度が得られない可能性がある。また、投与直後にアルコールを多量に含む化粧品等の使用は避けること。

投与後は手を洗うこと。また、投与直後は投与部位を他人に触れさせないこと。

その他の注意

ホルモン補充療法(HRT)と子宮内膜癌の危険性

卵胞ホルモン剤を長期間(約1年以上)使用した閉経期以降の女性では、子宮内膜癌になる危険性が対照群の女性と比較して高く、この危険性は、使用期間に相関して上昇し(1〜5年間で2.8倍、10年以上で9.5倍)、黄体ホルモン剤の併用により抑えられる(対照群の女性と比較して0.8倍)との疫学調査の結果が報告されている[1]

黄体ホルモン剤の併用投与については、以下のいずれかの方法で行うことが望ましい。

持続的投与方式

本剤の投与期間中、黄体ホルモン剤を1日1回連日併用投与する。

周期的投与方式

黄体ホルモン剤を併用して毎月12〜14日間投与する。

HRTと乳癌の危険性

米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験(Women's Health Initiative(WHI)試験)の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では、乳癌になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.24)との報告がある[2]。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、乳癌になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意差はない(ハザード比:0.80)との報告がある[3][4]

英国における疫学調査(Million Women Study(MWS))の結果、卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を併用している女性では、乳癌になる危険性が対照群と比較して有意に高くなり(2.00倍)、この危険性は、併用期間が長期になるに従って高くなる(1年未満:1.45倍、1〜4年:1.74倍、5〜9年:2.17倍、10年以上:2.31倍)との報告がある[5]

HRTと冠動脈性心疾患の危険性

米国におけるWHI試験の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では、冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ投与群と比較して高い傾向にあり、特に服用開始1年後では有意に高くなる(ハザード比:1.81)との報告がある[6]。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ投与群と比較して有意差はない(ハザード比:0.91)との報告がある[3]

HRTと脳卒中の危険性

米国におけるWHI試験の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では、脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.31)との報告がある[7]。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.37)との報告がある[3][8]

HRTと認知症の危険性

米国における65歳以上の閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験(WHI Memory Study(WHIMS))の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では、アルツハイマーを含む認知症の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:2.05)との報告がある[9]。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、アルツハイマーを含む認知症の危険性がプラセボ投与群と比較して有意ではないが、高い傾向がみられた(ハザード比:1.49)との報告がある[10]

HRTと卵巣癌の危険性

卵胞ホルモン剤を長期間使用した閉経期以降の女性では、卵巣癌になる危険性が対照群の女性と比較して高くなるとの疫学調査の結果が報告されている[11][12][13]

米国におけるWHI試験の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群において、卵巣癌になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意ではないが、高い傾向がみられた(ハザード比:1.58)との報告がある[14]

HRTと胆のう疾患の危険性

米国におけるWHI試験の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群において、胆のう疾患になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.59)との報告がある。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、胆のう疾患になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.67)との報告がある[15]

卵胞ホルモン剤投与と乳癌発生との因果関係については未だ明らかではないが、使用期間と相関性があることを示唆する疫学調査の結果が報告されている[16]

卵胞ホルモン剤の長期投与により、ヒトで肝腫瘍が発生したとの報告がある。

実験動物に卵胞ホルモン剤を皮下投与(埋め込み投与を含む)したとき、マウスにおけるリンパ系腫瘍、ラットの下垂体腺腫及びハムスターにおいては腎腫瘍の発生が報告されている。

薬物動態

健康閉経後女性に本剤1.25及び1.8gを反復投与(1日1回、14日間)したときの血清中エストラジオール(E2)濃度は、いずれの投与群においても初回投与72時間後(3回目投与24時間後)に定常状態に達した。
定常状態(初回投与72〜336時間後)の平均血清中E2濃度は、1.25及び1.8g群でそれぞれ、26.3及び60.8pg/mLであった。
いずれの投与群においても概ね最終投与120時間後(初回投与432時間後)には、ほぼ投与前値まで回復しており蓄積性は認められなかった[17]

反復投与時の血清中エストラジオール(E2)濃度推移(平均値、標準誤差)

1日1回14日間反復投与後の血清中エストラジオール(E2)より求めた薬物動態学的パラメータ

パラメータ\投与量1.25g
(n=5〜6)
1.8g
(n=6)
Css(pg/mL)26.3±4.860.8±22.6
AUC312-336(pg・hr/mL)756.2±233.01269.4±371.1
Cmax(pg/mL)46.58±25.6759.53±11.02
Tmax(hr)19.2±6.620.0±6.2
T1/2(hr)87.6±27.994.9±16.8
(平均値±標準偏差)Css:定常状態(初回投与72〜336時間後)の平均血清中エストラジオール(E2)濃度AUC312-336:初回投与312〜336時間後(最終投与0〜24時間後)のAUCCmax、Tmax、T1/2:最終投与後のCmax、Tmax及びT1/2注)本剤の承認用量は、1日1回1.8gである。

更年期障害及び卵巣欠落症状を有する患者に本剤1.8gを1日1回、8週間投与したときの8週後の血清中エストラジオール(E2)濃度の平均値±標準偏差は112.1±68.8pg/mL、中央値は91.4pg/mLであった。

臨床成績

国内で実施した更年期障害及び卵巣欠落症状を有する患者を対象とした用量設定試験及び長期投与試験において、本剤の有効性が認められている。また、国内で実施した低用量維持療法試験において、本剤1.8g/日で改善効果を示した患者では、0.9g/日に減量し継続投与することで、治療効果を維持することが認められている。

用量設定試験[18]

更年期障害及び卵巣欠落症状を有する患者(平均年齢±標準偏差50.2±5.6)にプラセボ、本剤1.8gを1日1回、8週間投与した。その結果、Hot flush回数の最終改善度は、プラセボ群と比較して1.8g群において有意差が認められ(Steel検定:p=0.0072)、最終改善率(中等度改善以上)は、プラセボ群70.8%(34/48)に対し、1.8g群は94.3%(50/53)であった。
また、血管運動神経症状の最終改善度(Hot flush回数の改善度、Hot flush程度の改善度及び発汗の改善度の総合評価)はプラセボ群と比較して1.8g群において有意差が認められ(Steel検定:p=0.0026)、最終改善率(中等度改善以上)は、プラセボ群62.5%(30/48)に対し、1.8g群は90.6%(48/53)であった。

用量設定試験におけるHot flush回数の最終改善度(投与8週後又は中止時)

投与群著明改善a)(%)中等度改善a)(%)軽度改善a)(%)不変a)(%)悪化a)(%)平均値b)±標準偏差Steel検定c) 最終改善率(中等度改善以上)(%)
プラセボ群27(56.3)7(14.6)10(20.8)3(6.3)1(2.1)482.2±1.1034/48(70.8)
1.8g群43(81.1)7(13.2)3(5.7)0(0.0)0(0.0)532.8±0.55p=0.007250/53(94.3)
a):Hot flush回数(1日発現回数)の改善度の判定基準著明改善:回数が投与前の1/3未満に減少中等度改善:回数が投与前の1/2以下に減少軽度改善:回数が投与前の1/2より多いが減少不変:回数が不変悪化:回数が増加b):著明改善:3、中等度改善:2、軽度改善:1、不変:0、悪化:−1とスコア化して算出c):プラセボ群との比較

用量設定試験におけるHot flush回数

時期投与群Hot flush回数
観察期プラセボ群
n=48
5.3±2.25
5(3〜14)
1.8g投与群
n=53
5.3±1.87
5(3〜11)
8週後
(中止時)
プラセボ群
n=48
1.9±2.12
1(0〜7)
1.8g投与群
n=53
0.8±1.32
0(0〜8)
上段;平均値±標準偏差、下段;中央値(範囲)

長期投与試験[19]

更年期障害及び卵巣欠落症状を有する患者(平均年齢±標準偏差51.5±3.7)に本剤1.8gを1日1回、24週間投与した。その結果、Hot flush回数の改善度における時期別の改善率(中等度改善以上)は、投与4、8、12、16、20及び24週後でそれぞれ64.2%(43/67)、86.2%(56/65)、88.5%(54/61)、95.2%(59/62)、95.2%(59/62)及び96.7%(59/61)であった。
また、血管運動神経症状の改善度における24週後の改善率(中等度改善以上)は、95.1%(58/61)であった。

長期投与試験におけるHot flush回数

時期投与群Hot flush回数
観察期1.8g投与群
n=68
3.9±1.9
4(1〜11)
24週後
(中止時)
1.8g投与群
n=61
0.3±0.6
0(0〜2)
上段;平均値±標準偏差、下段;中央値(範囲)

低用量維持療法試験[20]

更年期障害及び卵巣欠落症状を有する患者(平均年齢±標準偏差51.7±4.0)に本剤1.8gを1日1回、8週間投与した後、著明改善(Hot flush回数が投与前の1/3未満に減少)を示した患者をプラセボ群又は本剤の低用量(0.9g)群に無作為に割り付け、1日1回、16週間投与した。その結果、Hot flush回数の最終改善度は、プラセボ群と比較して0.9g群において有意差が認められ(2標本Wilcoxon検定:p=0.0097)、最終改善率(中等度改善以上)は、プラセボ群87.4%(76/87)に対し、0.9g群は97.7%(85/87)であった。
また、血管運動神経症状の最終改善度(Hot flush回数の改善度、Hot flush程度の改善度及び発汗の改善度の総合評価)は、プラセボ群と比較して0.9g群において有意差が認められ(2標本Wilcoxon検定:p=0.0031)、最終改善率(中等度改善以上)は、プラセボ群74.7%(65/87)に対し、0.9g群は95.4%(83/87)であった。

低用量維持療法試験におけるHot flush回数の最終改善度(投与24週後又は中止時)

投与群著明改善a)(%)中等度改善a)(%)軽度改善a)(%)不変a)(%)悪化a)(%)判定不能2標本Wilcoxon検定b) 最終改善率(中等度改善以上)(%)
プラセボ群67(77.0)9(10.3)4(4.6)2(2.3)5(5.7)28976/87(87.4)
0.9g群79(90.8)6(6.9)1(1.1)1(1.1)0(0.0)188p=0.009785/87(97.7)
a):Hot flush回数(1日発現回数)の改善度の判定基準著明改善:回数が投与前の1/3未満に減少中等度改善:回数が投与前の1/2以下に減少軽度改善:回数が投与前の1/2より多いが減少不変:回数が不変悪化:回数が増加b):プラセボ群との比較

低用量維持療法試験におけるHot flush回数

時期投与群Hot flush回数
観察期プラセボ群a)
n=89
6.4±5.0
5(3〜35)
0.9g投与群a)
n=88
5.8±3.5
4(3〜23)
8週後プラセボ群a)
n=89
0.4±1.1
0(0〜8)
0.9g投与群a)
n=88
0.3±0.7
0(0〜4)
24週後
(中止時)
プラセボ群
n=87
1.7±3.8
0(0〜24)
0.9g投与群
n=87
0.4±1.1
0(0〜6)
上段;平均値±標準偏差、下段;中央値(範囲)a):投与開始から8週後までは、プラセボ群及び0.9g投与群ともに、本剤1.8gを投与

薬効薬理

薬理作用

ホルモン作用[21]

卵巣摘出ラットに本剤(エストラジオールとして0.3、1、3、10、30μg/kg)を1日1回、2週間連続経皮投与した。その結果、卵巣摘出による体重増加及び子宮萎縮を用量依存的に抑制し、また発情期様状態を呈する動物の増加が認められた。

作用機序

卵巣からのエストロゲン分泌が急激に減少又は消失することにより、Hot flush、発汗等の血管運動神経症状及び泌尿生殖器の萎縮症状等が発現する。本剤は、17β-エストラジオールを経皮より直接全身循環へ供給し、エストラジオールの血中濃度を閉経前女性の卵胞期前期に認められる生理的血中濃度と同レベルに維持することにより、これらの症状を改善する。

有効成分に関する理化学的知見

一般名エストラジオール
一般名(欧名)Estradiol
化学名Estra-1,3,5(10)-triene-3,17β-diol
分子式C18H24O2
分子量272.38
融点175〜180℃
性状白色〜微黄色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。
ジオキサン又はジメチルホルムアミドに溶けやすく、アセトンにやや溶けやすく、エタノールにやや溶けにくく、エーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
硫酸に溶ける。
吸湿性である。
KEGG DRUGD00105

取扱い上の注意

初めて使用するときには、本剤が出るまでポンプを2、3回押してから使用すること。

本剤はアルコールを含有するため、投与後は十分換気を行い、ゲルが乾燥するまでは火気及び喫煙を避けること。

小児の手の届かないところに保管すること。

包装

0.06% ボトル 80g×1

その他の説明

エストロジェル及びESTROGELは登録商標です

主要文献


1. Grady,D.,et al.,  Obstet.Gynecol.,  85 (2),  304,  (1995) »PubMed
2. Chlebowski,R.T.,et al.,  JAMA,  289 (24),  3243,  (2003) »PubMed
3. Anderson,G.L.,et al.,  JAMA,  291 (14),  1701,  (2004) »PubMed
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2013年2月 改訂
2015年3月 第12版 改訂

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[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2019/2/20 版