17.1.1 国内第III相比較試験-1(結膜炎に対する0.05%デキサメタゾン点眼液との比較)
亜急性又は慢性結膜炎と診断された患者を対象に、本剤又は0.05%デキサメタゾン点眼液を1回2滴、1日4回、2週間点眼した無作為化二重遮蔽並行群間比較試験で、有効性及び安全性を比較した。その結果、臨床効果の有効率
注1)は本剤群で87.6%(78/89例)、0.05%デキサメタゾン点眼液群92.2%(83/90例)であった。両群間に統計学的に有意な差はみられなかった(P=0.0727、U検定)
3)。
本剤の副作用は96例中6例(6.3%)に認められ、主な副作用は結膜充血3例(3.1%)、刺激感2例(2.1%)、眼瞼炎、そう痒感、眼痛、眼瞼縁炎、結膜濾胞増殖各1例(1.0%)であった。
17.1.2 国内第III相比較試験-2(前眼部ブドウ膜炎に対するプラセボとの比較)
術後炎症又はその他の原因による前眼部ブドウ膜炎患者を対象に、本剤又はプラセボを1回1〜2滴、1日4回、2週間点眼した無作為化二重遮蔽並行群間比較試験で、有効性及び安全性を比較した。その結果、臨床効果の有効率
注2)は本剤群で58.2%(32/55例)、プラセボ群で40.7%(24/59例)であり、本剤群のプラセボ群に対する優越性が示された(P=0.0068、U検定)。疾患別の本剤の有効率は、前眼部ブドウ膜炎56.0%(14/25例)、術後炎症60%(18/30例)であった
4)。
本剤の副作用は認められなかった。
17.1.3 国内第III相一般臨床試験
外眼部又は前眼部の炎症性疾患患者を対象に、本剤を1回1〜2滴、1日4回、1〜4週間(ヘルペスウイルスに起因する炎症では治癒まで)点眼した非対照非遮蔽試験で、有効性及び安全性を評価した。その結果、疾患別の臨床効果の有効率
注1),注2)は表のとおりであった
5)6)7)8)9)10)11)12)13)。
表 疾患別臨床効果
疾患名 | 臨床効果の有効率 |
眼瞼炎 | 75.9(22/29)注1) 77.8(7/9)注2) |
結膜炎 | 73.5(25/34)注1) 57.1(4/7)注2) |
角膜炎 | 60.7(51/84)注1) |
強膜炎 | 55.0(11/20)注1) |
上強膜炎 | 100(14/14)注1) |
前眼部ブドウ膜炎 | 68.4(67/98)注1) 66.7(6/9)注2) |
術後炎症 | 66.7(6/9)注1) 62.9(22/35)注2) |
副作用は349例中8例(2.3%)に認められ、刺激感3例(0.9%)、そう痒感2例(0.6%)、結膜充血、眼瞼皮膚炎、潰瘍形成、眼瞼結膜炎各1例(0.3%)であった。
注1)症状の推移に基づく評価(著効/有効/無効/悪化)から算出した、著効又は有効と判定された被験者の割合
注2)症状の推移に基づく評価[著効/有効/やや有効/無効(悪化を含む)]から算出した、著効又は有効と判定された被験者の割合