医療用医薬品 : イスコチン

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医薬品情報


総称名 イスコチン
一般名 イソニアジド
欧文一般名 Isoniazid
薬効分類名 結核化学療法剤
薬効分類番号 6222
ATCコード J04AC01
KEGG DRUG D00346 イソニアジド
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
KEGG DGROUP DG00642 イソニアジド
商品一覧
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2019年3月 作成 (第1版)


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
イスコチン原末 ISCOTIN Powder アルフレッサファーマ 6222001X1129 8.8円/g 処方箋医薬品
イスコチン錠100mg ISCOTIN Tablets 100mg アルフレッサファーマ 6222001F3037 9.8円/錠 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

重篤な肝障害のある患者[肝障害が悪化するおそれがある。]

効能・効果及び用法・用量

効能効果

<適応菌種>

<適応症>

肺結核及びその他の結核症

用法用量

イスコチン原末

通常成人は、イソニアジドとして1日量200〜500mg(4〜10mg/kg)を1〜3回に分けて、毎日又は週2日経口投与する。必要な場合には、1日量成人は1gまで、13歳未満は20mg/kgまで増量してもよい。年齢、症状により適宜増減する。なお、他の抗結核薬と併用することが望ましい。

イスコチン錠100mg

通常成人は、イソニアジドとして1日量200〜500mg(4〜10mg/kg)<2〜5錠>を1〜3回に分けて、毎日又は週2日経口投与する。必要な場合には、1日量成人は1g<10錠>まで、13歳未満は20mg/kgまで増量してもよい。年齢、症状により適宜増減する。なお、他の抗結核薬と併用することが望ましい。

使用上の注意

慎重投与

肝障害又はその既往歴、あるいはその疑いのある患者[肝障害が悪化又は再発するおそれがある。]

腎障害又はその疑いのある患者[本剤の血中濃度が上昇し、末梢神経炎等の副作用が生じやすくなる。]

精神障害の既往歴のある患者[精神障害が再発するおそれがある。]

アルコール中毒の患者[肝障害、精神障害があらわれるおそれがある。]

てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣を起こすことがあるので、やむを得ず投与する必要がある場合には観察を十分に行うこと。]

薬物過敏症の患者

血液障害、出血傾向のある患者[これらの症状が悪化するおそれがある。]

重要な基本的注意

他の抗結核薬との併用により、重篤な肝障害があらわれることがあるので、併用する場合は定期的に肝機能検査を行うこと(「相互作用」、「重大な副作用」の項参照)。

相互作用

併用注意

他の抗結核薬
リファンピシン等
重篤な肝障害があらわれることがある。
定期的に肝機能検査を行う。
リファンピシンの肝薬物代謝酵素誘導作用により、本剤の代謝が促進され、肝毒性を有する代謝物の産生が増加すると考えられている。
クマリン系抗凝固薬
ワルファリン
ワルファリンの作用を増強し、プロトロンビン時間の延長が認められることがある。本剤がワルファリンの肝薬物代謝を阻害し、血中濃度が上昇すると考えられている。
抗てんかん薬
フェニトイン、カルバマゼピン等
これらの作用を増強し、中毒症状が発現することがある。また、カルバマゼピンでは本剤の肝毒性が増強されることがある。本剤が抗てんかん薬の肝薬物代謝を阻害し、血中濃度が上昇する。また、カルバマゼピンが肝毒性を有する本剤の代謝物の産生を促進すると考えられている。
経口糖尿病用薬
トルブタミド等
インスリン
これらの血糖降下作用を減弱又は増強することがある。
血糖値の観察を十分に行う。
血糖降下作用の減弱については、本剤が炭水化物代謝を阻害し、血中ブドウ糖濃度上昇及び糖耐性障害を引き起こすと考えられている。
ジスルフィラム協調困難、情緒障害等があらわれることがある。本剤とジスルフィラムがそれぞれカテコールアミン代謝酵素を阻害すると考えられている。
サイクロセリンめまい、眠気等の中枢神経系の副作用を増強するとの報告がある。機序は不明である。
シクロスポリンシクロスポリンの作用が減弱することがある。本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、シクロスポリンの代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている。
イトラコナゾールイトラコナゾールの作用が減弱するおそれがある。機序は明らかではないが、本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、イトラコナゾールの代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている。
血圧降下薬、交感神経興奮薬、副交感神経抑制薬、三環系抗うつ薬これらの作用を増強するおそれがある。機序は明らかではないが、MAO阻害に関連していると考えられている。
レボドパレボドパの作用が減弱するおそれがある。機序は明らかではないが、本剤によりドパ脱炭酸酵素が阻害されると考えられている。
水酸化アルミニウム含有の制酸薬本剤の効果が減弱されるおそれがある。この作用は薬剤の服用時間をずらすことにより、弱まるとの報告がある。これらの薬剤とキレートを形成又は、吸着し、本剤の吸収が低下すると考えられている。
ペチジン塩酸塩呼吸抑制、低血圧、昏睡、痙攣等があらわれるおそれがある。併用する場合には、定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する。神経系のセロトニンの取り込みを阻害するペチジン塩酸塩とMAO阻害作用をもつ本剤との併用により、中枢神経のセロトニンが蓄積すると考えられている。
ヒスチジンを多く含有する魚
マグロ等
頭痛、紅斑、嘔吐、そう痒等のヒスタミン中毒を起こすことがある。本剤のヒスタミン代謝酵素阻害作用により、体内にヒスタミンが蓄積すると考えられている。
チラミンを多く含有する食物
チーズ等
血圧上昇、動悸があらわれることがある。本剤のMAO阻害作用により、チラミンは不活性化されず、アドレナリン作動性神経終末部において蓄積されているカテコールアミンの遊離を促進すると考えられている。

副作用

副作用発現状況の概要

(再審査対象外)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

(頻度不明注1))

下記の重大な副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

劇症肝炎等の重篤な肝障害

定期的に肝機能検査を行うこと。

中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)

薬剤性過敏症症候群1)

(初期症状:発疹、発熱)

(続発する所見:肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球の出現等)

ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。

SLE様症状

(症状:発熱、紅斑、筋肉痛、関節痛、リンパ節腫脹、胸部痛等)

(処置方法:副腎皮質ホルモン剤投与等)

間質性肺炎

(症状:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等)

(処置方法:副腎皮質ホルモン剤投与等)

腎不全、間質性腎炎、ネフローゼ症候群

(症状:発熱、皮疹、乏尿、浮腫、蛋白尿、腎機能検査値異常等)

無顆粒球症、血小板減少

痙攣

視神経炎、視神経萎縮

(症状:視力低下、中心暗点等)

(処置方法:ビタミンB6投与等)

末梢神経炎

(症状:四肢の異常感覚、しびれ感、知覚障害、腱反射低下、筋力低下、筋萎縮等)

(処置方法:ビタミンB6投与等)

注1)自発報告又は海外において認められている副作用のため頻度不明。

その他の副作用

 0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明注1)
肝臓AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇等黄疸 
過敏症注2)  発熱、発疹等
血液出血傾向(喀血、血痰、鼻出血、眼底出血等)貧血、赤芽球癆、白血球減少、好酸球増多等 
精神神経系頭痛、めまい、倦怠感等精神障害(せん妄、抑うつ、記憶力低下、幻覚、感情異常、興奮等) 
中枢神経系 小脳障害(平衡障害、運動失調、企図振戦、言語障害、眼球運動障害、嚥下障害等) 
消化器食欲不振、悪心、嘔吐、胃部膨満感、腹痛、便秘等  
内分泌  女性化乳房、乳汁分泌、月経障害、インポテンス
その他  関節痛
注1)自発報告又は海外において認められている副作用のため頻度不明。注2)再投与が必要な場合には減感作を行うこと。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[動物実験(マウス)で胎児の発育障害作用が報告されている。また、アミノサリチル酸製剤を併用投与されている患者で、奇形を有する児の出現率が高いとする疫学的調査結果がある。]

授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[ヒト母乳中へ移行することがある。]

過量投与

症状

痙攣、昏睡、代謝性アシドーシス、高血糖があらわれることがある。

処置

痙攣の抑制にはジアゼパムを、代謝性アシドーシスには炭酸水素ナトリウムを静脈内注射する。
気道を確保し、十分な呼吸を確保する。
イソニアジドの服用量と同量のピリドキシンを静脈内注射する。
重症の場合、血液灌流あるいは血液透析を行うことが望ましい。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)

その他の注意

マウスによる実験[例:飼料中0.01〜0.25%混入(約15〜375mg/kg体重)7か月間経口投与]で肺腫瘍の発生が報告されている。しかし、ラット及びハムスターによる実験では腫瘍誘発作用は報告されていない。また、ヒトにおいては腫瘍発生との関連性は認められなかったとする疫学的調査結果が報告されている。

薬物動態

吸収

参考(動物実験)

イソニアジドを経口投与した場合、小腸より速やかに、かつほぼ完全に吸収された。

蛋白結合2)

イソニアジドは血清蛋白(主にアルブミン)と結合し、ヒト血清アルブミン1molあたりに結合するイソニアジドのmol比は0.08であった。

代謝

イソニアジドは投与後、大部分は肝臓でアセチル化され、1-acetyl-2-isonicotinylhydrazineとなった後、さらに代謝され、1,2-diacetylhydrazine及びacetylhydrazineとなって尿中に排泄された3)4)
このN-アセチル化の代謝速度には遺伝的多様性(rapid又はslow acetylator)があり、人種差が見られる(日本人でslow acetylatorは10%以下)。

腎機能障害患者での体内動態5)

主要排泄経路が腎臓であるため、腎機能低下患者では代謝物が血中に蓄積して高濃度になるとの報告がある。

参考

腎機能障害患者に対するイソニアジドの投与法の目安(血液透析患者を含む)

腎機能(Ccr mL/min)1回投与量投与間隔
50<Ccr300mg1日
30<Ccr≦50300mg1〜2日
10<Ccr≦30300mg2日
Ccr≦10200〜300mg2〜3日

薬効薬理

抗菌力6)

ヒト型結核菌H37Rv株に対する最小発育阻止濃度(MIC)は、0.1μg/mL(10%血清加Kirchner培地で測定)である。
また、マウス実験的結核症(H37Rv株)に対し、著明な治療効果が認められている。

有効成分に関する理化学的知見

一般名イソニアジド
一般名(欧名)Isoniazid
略名INH
化学名Pyridine-4-carbohydrazide
分子式C6H7N3O
分子量137.14
融点170〜173℃
性状無色の結晶又は白色の結晶性の粉末で、においはない。水又は酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、無水酢酸に溶けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくい。
KEGG DRUGD00346

包装

イスコチン原末(日本薬局方イソニアジド)

100g

イスコチン錠100mg(日本薬局方イソニアジド錠)

(プラスチックボトル)

500錠

(PTP)

100錠

主要文献


1. 厚生労働省,  重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤性過敏症症候群
2. 中川英雄ほか,  臨床薬理,  4 (3・4),  187-190,  (1973)
3. Hughes HB,  J Pharmacol Exp Ther.,  109,  444-452,  (1953) »PubMed
4. Yard AS,et al.,  J Med Pharm Chem.,  5,  196-203,  (1962) »PubMed
5. 薄田芳丸,  結核,  62 (12),  664-667,  (1987)
6. 佐藤祐一ほか,  呼吸器診療,  12 (1),  51-56,  (1957)

作業情報


改訂履歴

2019年3月 作成 (第1版)

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06-6941-0306

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業態及び業者名等

製造販売元
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[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2020/5/20 版