2.1 高ナトリウム血症の患者[高ナトリウム血症が悪化するおそれがある。]
2.2 高クロール血症の患者[高クロール血症が悪化するおそれがある。]
2.3 高カリウム血症、アジソン病の患者[高カリウム血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。]
2.4 高リン血症、副甲状腺機能低下症の患者[高リン血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。]
2.5 高マグネシウム血症、甲状腺機能低下症の患者[高マグネシウム血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。]
2.6 高カルシウム血症の患者[高カルシウム血症が悪化するおそれがある。]
2.7 アミノ酸代謝異常のある患者[投与されたアミノ酸が代謝されず、アミノ酸インバランスが助長されるおそれがある。]
2.8 重篤な腎障害のある患者又は高窒素血症の患者(いずれも透析又は血液ろ過を実施している患者を除く)[水分、電解質の過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。また、アミノ酸の代謝産物である尿素等が滞留し、症状が悪化するおそれがある。][
8.1、
9.2.1、
9.2.2参照]
2.9 乏尿のある患者(透析又は血液ろ過を実施している患者を除く)[高カリウム血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。][
8.1、
9.2.1、
9.2.2参照]
2.10 肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者[
9.3.1参照]
経口、経腸管栄養補給が不能又は不十分で、経中心静脈栄養に頼らざるを得ない場合の水分、電解質、アミノ酸、カロリー補給
<ピーエヌツイン−1号輸液>
5.1 経中心静脈栄養療法用の栄養輸液として組成を固定しているので、重篤な肝障害、腎障害(透析又は血液ろ過を実施している患者を除く)等の特殊な輸液組成を必要とする疾患には使用しないこと。
5.2 ピーエヌツイン−1号輸液は経中心静脈栄養療法の開始時で、耐糖能が不明の場合及び病態により耐糖能が低下している場合の開始液として、あるいは侵襲時等で耐糖能が低下しており、カロリー制限の必要がある場合には経中心静脈栄養療法の維持液として用いる。
5.3 本剤を投与する場合には、患者の尿量が1日500mL又は1時間当たり20mL以上あることが望ましい。
<ピーエヌツイン−2号輸液>
5.1 経中心静脈栄養療法用の栄養輸液として組成を固定しているので、重篤な肝障害、腎障害(透析又は血液ろ過を実施している患者を除く)等の特殊な輸液組成を必要とする疾患には使用しないこと。
5.2 ピーエヌツイン−2号輸液は通常の必要カロリー量の患者の維持液として用いる。
5.3 本剤を投与する場合には、患者の尿量が1日500mL又は1時間当たり20mL以上あることが望ましい。
<ピーエヌツイン−3号輸液>
5.1 経中心静脈栄養療法用の栄養輸液として組成を固定しているので、重篤な肝障害、腎障害(透析又は血液ろ過を実施している患者を除く)等の特殊な輸液組成を必要とする疾患には使用しないこと。
5.2 ピーエヌツイン−3号輸液は必要カロリー量の高い患者の維持液として用いる。
5.3 本剤を投与する場合には、患者の尿量が1日500mL又は1時間当たり20mL以上あることが望ましい。
<ピーエヌツイン−1号輸液>
経中心静脈栄養療法の開始時で、耐糖能が不明の場合や耐糖能が低下している場合の開始液として、あるいは侵襲時等で耐糖能が低下しており、ブドウ糖を制限する必要がある場合の維持液として用いる。
用時隔壁部を開通し、I層及びII層の液を混合して維持液又は開始液とする。
通常、成人1日2000mLの開始液又は維持液を24時間かけて中心静脈内に持続点滴注入する。
なお、症状、年齢、体重に応じて適宜増減する。
<ピーエヌツイン−2号輸液>
経中心静脈栄養療法の維持液として用いる。
用時隔壁部を開通し、I層及びII層の液を混合して維持液とする。
通常、成人1日2200mLの維持液を24時間かけて中心静脈内に持続点滴注入する。
なお、症状、年齢、体重に応じて適宜増減する。
<ピーエヌツイン−3号輸液>
経中心静脈栄養療法の維持液として用いる。
用時隔壁部を開通し、I層及びII層の液を混合して維持液とする。
通常、成人1日2400mLの維持液を24時間かけて中心静脈内に持続点滴注入する。
なお、症状、年齢、体重に応じて適宜増減する。
高カロリー輸液療法施行中にビタミンB
1欠乏により重篤なアシドーシスが起こることがあるので、必ず必要量(1日3mg以上を目安)のビタミンB
1を併用すること。[1.、
11.1.1参照]
8.1 透析又は血液ろ過を実施している重篤な腎障害、高窒素血症又は乏尿のある患者における、水分、電解質、尿素等の除去量、蓄積量は透析の方法及び病態によって異なる。血液生化学検査、酸塩基平衡、体液バランス等の評価により患者の状態を確認した上で投与開始及び継続の可否を判断すること。[
2.8、
2.9、
9.2.2参照]
8.2 高血糖、尿糖があらわれるおそれがあるので、ブドウ糖濃度の低い製剤から投与を開始するなど、ブドウ糖の濃度を徐々に高めること。[
11.1.2参照]
8.3 急激な投与の中止により低血糖を起こすおそれがあるので、投与を中止する場合には、ブドウ糖濃度を徐々に下げること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 高度のアシドーシスのある患者
9.1.2 糖尿病の患者
血糖値が上昇することにより、症状が悪化するおそれがある。[
11.1.2参照]
9.1.3 膵炎、膵硬化症、膵腫瘍等の膵障害のある患者
9.1.4 心不全の患者
循環血液量の増加により、症状が悪化するおそれがある。
9.1.5 重症熱傷の患者
水分、電解質代謝等が著しく障害されているため、心負荷増大のおそれがある。
9.1.6 脱水症の患者
水分、電解質等に影響を与えるため、症状が悪化するおそれがある。
9.1.7 閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者
水分、電解質等の排泄が障害されているため、症状が悪化するおそれがある。
9.1.8 尿崩症の患者
水分、電解質等に影響を与えるため、症状が悪化するおそれがある。
9.1.9 菌血症の患者
カテーテルが二次感染巣となることがあり、敗血症さらには敗血症性ショックを起こすおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎障害、高窒素血症又は乏尿のある患者(いずれも透析又は血液ろ過を実施している患者を除く)
9.2.2 透析又は血液ろ過を実施している重篤な腎障害、高窒素血症又は乏尿のある患者
水分、電解質の過剰投与や、アミノ酸の代謝産物である尿素等の滞留がおこるおそれがある。[
2.8、
2.9、
8.1参照]
9.2.3 腎障害のある患者(重篤な腎障害、高窒素血症又は乏尿のある患者を除く)
水分、電解質の過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者
投与しないこと。アミノ酸の代謝が十分に行われないため、症状が悪化する又は誘発されるおそれがある。[
2.10参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 アシドーシス(頻度不明)
重篤なアシドーシスがあらわれることがある。[1.、7.参照]
11.1.2 高血糖(頻度不明)
過度の高血糖、高浸透圧利尿、口渇があらわれた場合には、インスリン投与等の適切な処置を行うこと。[
8.2、
9.1.2参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 0.1〜5%未満 | 頻度不明 |
過敏症 | | 発疹等 |
代謝異常 | | 高カリウム血症 |
消化器 | | 悪心・嘔吐 |
肝臓 | AST、ALTの上昇 | 肝機能異常 |
大量・急速投与 | | 脳浮腫、肺水腫、末梢の浮腫、水中毒 |
その他 | | 悪寒、発熱 |
14.1 全般的な注意
14.1.1 使用時には、感染に対する配慮をすること。
14.1.2 注射針や輸液セットのびん針は、ゴム栓の刻印部(凹部)に垂直にゆっくりと刺すこと。斜めに刺した場合、削り片の混入及び液漏れの原因となるおそれがある。また、針は同一箇所に繰り返し刺さないこと。
14.2 薬剤調製時の注意
14.2.1 調製手順
(1)用時に外袋を開封し、容器を取り出す。
(2)I層を両手で強く押し、I層とII層の間の隔壁を開通させる。
(3)開通操作後は、隔壁が開通していることを確認する。
(4)両手で容器を持ち、転倒操作により十分に混合する。
14.2.2 脂肪乳剤と配合しないこと。
14.2.3 薬剤を配合する場合には、配合変化に注意すること。
14.3 薬剤投与時の注意
14.3.1 末梢静脈内には投与しないこと。
14.3.2 原則として、連結管を用いたタンデム方式による投与は行わないこと。輸液セット内に空気が流入するおそれがある。
14.3.3 容器の目盛りは目安として使用すること。
14.3.4 残液は使用しないこと。
18.1 作用機序
本剤は水分、電解質、アミノ酸、カロリーの補給効果を示す。
18.2 栄養補給効果
ラットの中心静脈内に本剤投与した群(I群)、市販の高カロリー輸液用基本液とアミノ酸製剤の混合液を投与した群(II、III群)及び本剤と同等のエネルギー量を摂取させた経口摂取群(IV群)とを比較検討した結果、本剤はいずれの対照群と同様の栄養効果を有することが確認された
3)。また、ラットにおいて本剤のブドウ糖、電解質及びアミノ酸の配合比が適切であることが明らかになった
4)。
20.1 液漏れの原因となるので、強い衝撃や鋭利なものとの接触等を避けること。
20.2 品質保持のためにガスバリア性の外袋で包装し、脱酸素剤を封入しているので、外袋は使用時まで開封しないこと。
20.3 以下の場合には使用しないこと。
・外袋が破損している場合
・外袋内や容器表面に水滴や結晶が認められる場合
・容器から薬液が漏れている場合
・性状その他薬液に異状が認められる場合
・ゴム栓部のシールがはがれている場合
・隔壁を開通する前に、既に隔壁が開通している場合
<ピーエヌツイン−1号輸液>
1000mL×7袋(プラスチックバッグ)[脱酸素剤入り]
<ピーエヌツイン−2号輸液>
1100mL×7袋(プラスチックバッグ)[脱酸素剤入り]
<ピーエヌツイン−3号輸液>
1200mL×7袋(プラスチックバッグ)[脱酸素剤入り]