ブドウ糖として、通常成人1回50g、75g又は100gを経口投与する。小児には体重kg当り1.75g(5.25mL)を経口投与する。
7.1 薬剤投与(試験)前の注意
7.1.1 医薬品の投与は中止すること。
7.1.2 過激な運動は禁止すること。
7.1.3 前日の午後9時以降試験直前までは絶食すること。
7.1.4 前日の暴飲暴食及び飲酒は禁止すること。
7.2 薬剤投与(試験)時の注意
7.2.1 試験は早朝空腹時に行い、終了まで水以外の摂取を禁止すること。
7.2.2 試験中は安静にし、安楽な姿勢を保ち、過激な運動を避けること。
9.5 妊婦
妊婦及び妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
14.1 薬剤調製時の注意
王冠を栓抜きで開栓する際は、栓抜きの形状により瓶口部が破損することがあるので注意すること。使用する栓抜きは、ツメが凹形か、又は平らで滑らかなものを使用し、ツメが凸形等の瓶本体を損傷しやすいような栓抜きの使用は避けること。
14.2 薬剤投与(試験)時の注意
14.2.1 前日の生活状況、当日の健康状態等を聴取すること。
14.2.2 本剤服用による副作用は記録し、結果の判定の際の参考とすること。
14.3 診断上の注意
14.3.1 試験成績は次の要因により影響を受けることがあるので注意すること。
疾病(高度の膵外分泌機能障害、高脂血症、肝障害、動脈硬化性血管障害、脳障害、胃切除、感染症等)、妊娠、ストレス、消化吸収、飢餓、運動、肥満、加齢、長期の就床、医薬品の投与等
14.3.2 糖尿病の診断時には、糖負荷試験の判定基準を参考にすること。
(参考)糖負荷試験の判定基準
1970年の日本糖尿病学会の糖負荷試験における糖尿病診断基準委員会及び1999年の糖尿病診断基準検討委員会が糖尿病診断に用いるため糖負荷試験の判定基準として勧告した基準値は次のとおりである。
| | 正常域 | 糖尿病域 |
| 毛細管血 | 静脈血 | 毛細管血 | 静脈血 |
| 空腹時値 | 100以下 | 100以下 | − | − |
| 1時間値 | 160以下 | 140以下 | 180以上 | 160以上 |
| 2時間値 | 120以下 | 110以下 | 160以上 | 150以上 |
| 判定 | すべてを満たすものを正常型とする。 | ともに満たすものを糖尿病型とする。 |
| 正常型にも糖尿病型にも属さないものを境界型とする。 |
| | 正常域 | 糖尿病域 |
| 毛細管血 | 静脈血 | 毛細管血 | 静脈血 |
| 空腹時値 | 100以下 | 100以下 | − | − |
| 1時間値 | 160以下 | 140以下 | 180以上 | 160以上 |
| 2時間値 | 100以下 | 100以下 | 140以上 | 130以上 |
| 判定 | すべてを満たすものを正常型とする。 | ともに満たすものを糖尿病型とする。 |
| 正常型にも糖尿病型にも属さないものを境界型とする。 |
| | 正常域 | 糖尿病域 |
| 静脈血漿 | 毛細血管全血 | 静脈全血 | 静脈血漿 | 毛細血管全血 | 静脈全血 |
| 空腹時値 | <110(<6.1) | <100(<5.6) | <100(<5.6) | ≧126(≧7.0) | ≧110(≧6.1) | ≧110(≧6.1) |
| 2時間値 | <140(<7.8) | <140(<7.8) | <120(<6.7) | ≧200(≧11.1) | ≧200(≧11.1) | ≧180(≧10.0) |
| 判定 | 両者を満たすものを正常型とする。 | いずれかを満たすものを糖尿病型とする。 |
| 正常型にも糖尿病型にも属さないものを境界型とする。 |
以上の血糖値はSomogyi法、ブドウ糖酸化酵素法等、いわゆる真糖測定法で測定した値を呈示したものである。Hagedorn-Jensen法、Folin-Wu法を用いた場合はこの基準にそれぞれ20mg/dLを加える。Hoffman法(Autoanalyzer法)では真糖に近い値が得られる
9)。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 100gブドウ糖負荷試験による糖尿病の診断
糖尿その他の理由で糖負荷試験を行った174例を、ブドウ糖100g負荷群(52例)と本剤300mL(ブドウ糖100g相当量)負荷群(122例)に分け、血糖値と血中インスリン値を比較した結果、両群間で近似した値が得られ有意差は認められなかった
11)。
17.1.2 100g、75g、50gブドウ糖負荷試験の比較
本剤を用いた100g、75g、50g糖負荷試験を健常者17例及び空腹時血糖150〜170mg/dLの糖尿病患者20例(100g負荷8例、75g負荷6例、50g負荷6例)に施行した結果、健常者の平均血糖曲線は負荷後3時間値を除き3法ではほとんど一致したが、平均血中インスリンは糖負荷量の増加に従い順次上昇した。一方糖尿病患者では平均血糖曲線は糖負荷量の増加とともに上昇し、3法の差が著しかったが、血中インスリンは3法間に著しい差は認められなかった
12)。
二酸化炭素を封入してあるので、衝撃、高温を与えないこと。