医療用医薬品 : トランサミン

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医薬品情報


総称名 トランサミン
一般名 トラネキサム酸
欧文一般名 Tranexamic Acid
製剤名 トラネキサム酸シロップ
薬効分類名 抗プラスミン剤
薬効分類番号 3327 4490
ATCコード B02AA02
KEGG DRUG D01136 トラネキサム酸
商品一覧 商品一覧(他薬効を含む) 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
トランサミンシロップ5% TRANSAMIN SYRUP ニプロファーマ 3327002Q1062 4.3円/mL

禁忌

次の患者には投与しないこと

トロンビンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)

効能・効果及び用法・用量

効能効果

全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向(白血病,再生不良性貧血,紫斑病等,および手術中・術後の異常出血)

局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血(肺出血,鼻出血,性器出血,腎出血,前立腺手術中・術後の異常出血)

下記疾患における紅斑・腫脹・そう痒等の症状

湿疹およびその類症,蕁麻疹,薬疹・中毒疹

下記疾患における咽頭痛・発赤・充血・腫脹等の症状

扁桃炎,咽喉頭炎

口内炎における口内痛および口内粘膜アフター

用法用量

トラネキサム酸として通常下記1日量を3〜4回に分割経口投与する。なお,症状により適宜増減する。

(1日投与量)

年齢1日量(mg)1日量(mL)
〜1歳75〜2001.5〜4
2〜3歳150〜3503〜7
4〜6歳250〜6505〜13
7〜14歳400〜1,0008〜20
15歳〜750〜2,00015〜40

使用上の注意

慎重投与

血栓のある患者(脳血栓,心筋梗塞,血栓性静脈炎等)および血栓症があらわれるおそれのある患者〔血栓を安定化するおそれがある。〕

消費性凝固障害のある患者(ヘパリン等と併用すること)〔血栓を安定化するおそれがある。〕

術後の臥床状態にある患者および圧迫止血の処置を受けている患者〔静脈血栓を生じやすい状態であり,本剤投与により血栓を安定化するおそれがある。離床,圧迫解除に伴い肺塞栓症を発症した例が報告されている。〕

腎不全のある患者〔血中濃度が上昇することがある。〕

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

相互作用

併用禁忌

トロンビン血栓形成傾向があらわれるおそれがある。血栓形成を促進する作用があり,併用により血栓形成傾向が増大する。

併用注意

ヘモコアグラーゼ大量併用により血栓形成傾向があらわれるおそれがある。ヘモコアグラーゼによって形成されたフィブリン塊は,本剤の抗プラスミン作用によって比較的長く残存し閉塞状態を持続させるおそれがあると考えられている。
バトロキソビン血栓・塞栓症を起こすおそれがある。バトロキソビンによって生成するdesAフィブリンポリマーの分解を阻害する。
凝固因子製剤
(エプタコグアルファ等)
口腔等,線溶系活性が強い部位では凝固系がより亢進するおそれがある。凝固因子製剤は凝固系を活性化させることにより止血作用を発現する。一方,本剤は線溶系を阻害することにより止血作用を発現する。

副作用

副作用発生状況の概要

総症例数2,954例中報告された主な副作用は食欲不振0.61%(18件),悪心0.41%(12件),嘔吐0.20%(6件),胸やけ0.17%(5件),そう痒感0.07%(2件),発疹0.07%(2件)等であった。〔文献集計による(再審査対象外)〕

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

(頻度不明注))

痙攣

人工透析患者において痙攣があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。

注)自発報告において認められている副作用のため頻度不明。

その他の副作用

 0.1〜1%未満0.1%未満
過敏症 そう痒感,発疹等
消化器食欲不振,悪心,嘔吐,下痢,胸やけ 
その他 眠気

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。

その他の注意

イヌに長期・大量投与したところ網膜変性があらわれたとの報告がある。

薬物動態

血中濃度[1]

参考

健康成人にトラネキサム酸を単回経口投与した場合,薬物動態パラメーターは次のとおりであった。

単回経口投与におけるトラネキサム酸の薬物動態パラメーター(n=5)

投与量錠250mg錠500mgカプセル500mg
tmax(hr)2〜3
Cmax(μg/mL)3.96.05.5
t1/2(hr)3.13.33.3

トラネキサム酸単回経口投与時の血漿中濃度推移

分布

参考(動物実験)

ラットに14C-トラネキサム酸を単回経口投与したところ,大部分の臓器において全血中濃度と同様に投与2時間後に最高濃度を示し,腎,肝では血中より高濃度に,他の臓器では血中より低濃度に分布した。

代謝,排泄[1]

健康成人にトラネキサム酸を250mgまたは500mg単回経口投与した場合,トラネキサム酸は速やかに吸収され,投与後24時間以内に投与量の約40〜70%が未変化体として尿中に排泄された。

臨床成績

抗出血作用

一般臨床試験では,全身性線溶亢進が関与すると考えられる白血病,再生不良性貧血,紫斑病等の出血傾向および肺出血,性器出血,腎出血,手術中・術後等の異常出血に対する止血効果は2,802例中73.6%(2,063例)に認められている。

抗アレルギー・抗炎症作用

皮膚疾患

皮膚疾患(湿疹およびその類症,蕁麻疹,薬疹・中毒疹等)の患者223例を対象にした一般臨床試験では,そう痒,腫脹,紅斑等の症状に対する効果は60.5%(135例)に認められている。

皮膚疾患(湿疹およびその類症,薬疹・中毒疹)の患者67例を対象に,そう痒,発赤,腫脹等の症状に対する効果を本剤(35例)とプラセボ(32例)との二重盲検比較試験により検討した結果,有効以上はプラセボ31.3%(10例)に対し本剤62.9%(22例)で,本剤が有意(p<0.05)に優れていた[2]

耳鼻咽喉科疾患

扁桃炎,咽喉頭炎,口内炎および歯肉炎等の患者168例を対象にした一般臨床試験では,疼痛,腫脹および発赤等に対する効果は70.8%(119例)に認められている。

耳鼻咽喉科疾患(急性咽喉頭炎,急性扁桃炎,口内炎等)の患者168例を対象に疼痛,腫脹および発赤に対する効果を本剤(84例)とプラセボ(84例)との二重盲検比較試験により検討した結果,有効以上はプラセボ26.2%(22例)に対し本剤52.4%(44例)で,本剤が有意(p<0.05)に優れていた[3]

薬効薬理

線維素溶解現象(線溶現象)は生体の生理的ならびに病的状態において,フィブリン分解をはじめ,血管の透過性亢進等に関与し,プラスミンによって惹起される生体反応を含め,種々の出血症状やアレルギー等の発生進展や治癒と関連している。
トラネキサム酸は,このプラスミンの働きを阻止し,抗出血・抗アレルギー・抗炎症効果を示す。

抗プラスミン作用[4][5][6][7][8]

トラネキサム酸は,プラスミンやプラスミノゲンのフィブリンアフィニティー部位であるリジン結合部位(LBS)と強く結合し,プラスミンやプラスミノゲンがフィブリンに結合するのを阻止する。このため,プラスミンによるフィブリン分解は強く抑制される。更に,α2-マクログロブリン等血漿中アンチプラスミンの存在下では,トラネキサム酸の抗線溶作用は一段と強化される。

止血作用[4]

異常に亢進したプラスミンは,血小板の凝集阻止,凝固因子の分解等を起こすが,軽度の亢進でも,フィブリン分解がまず特異的に起こる。したがって一般の出血の場合,トラネキサム酸は,このフィブリン分解を阻害することによって止血すると考えられる。

抗アレルギー・抗炎症作用[9][10][11][12]

トラネキサム酸は,血管透過性の亢進,アレルギーや炎症性病変の原因になっているキニンやその他の活性ペプタイド等のプラスミンによる産生を抑制する(モルモット,ラット)。

有効成分に関する理化学的知見

一般名トラネキサム酸
一般名(欧名)Tranexamic Acid
化学名trans-4-(Aminomethyl)cyclohexanecarboxylic acid
分子式C8H15NO2
分子量157.21
性状白色の結晶または結晶性の粉末である。水に溶けやすく,エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
KEGG DRUGD01136

包装

トランサミンシロップ5%(1mL中50mg含有)

500mL

主要文献


1. 佐野ら,  臨床薬理,  7 (4),  375,  (1976) »J-STAGE
2. 宗像ら,  西日本皮膚科,  31 (2),  141,  (1969) »J-STAGE
3. 宮城ら,  臨床と研究,  46 (1),  243,  (1969)
4. 安孫子,  Med.Pharm.,  10 (1),  7,  (1976)
5. Iwamoto,M.,  Thrombos.Diathes.Haemorrh.,  33,  573,  (1975) »PubMed
6. Markus,G.et al.,  J.Biol.Chem.,  254,  1211,  (1979) »PubMed
7. Abiko,Y.et al.,  Biochim.Biophys.Acta,  185,  424,  (1969) »PubMed
8. Abiko,Y.et al.,  Biochim.Biophys.Acta,  214,  411,  (1970) »PubMed
9. 山田ら,  プラスミン研究会報告集,  14,  364,  (1974)
10. 木村ら,  アレルギー,  15 (9),  755,  (1966) »J-STAGE
11. 近藤,  プラスミン研究会報告集,  6,  36,  (1966)
12. 山崎ら,  日薬理誌,  63 (6),  560,  (1967) »PubMed

作業情報


改訂履歴

2013年4月 改訂
2017年4月 第9版 改訂

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業態及び業者名等

製造販売元
ニプロファーマ株式会社
大阪市中央区道修町2丁目2番7号

販売元
第一三共株式会社
東京都中央区日本橋本町3-5-1


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2018/11/21 版