医療用医薬品 : ベスタチン

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医薬品情報


総称名 ベスタチン
一般名 ウベニメクス
欧文一般名 Ubenimex
薬効分類名 抗悪性腫瘍剤
薬効分類番号 4299
KEGG DRUG
D00087 ウベニメクス
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年6月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ベスタチンカプセル10mg Bestatin Capsules 10mg 日本化薬 4299002M1034 338円/カプセル 処方箋医薬品注)
ベスタチンカプセル30mg Bestatin Capsules 30mg 日本化薬 4299002M2030 557.1円/カプセル 処方箋医薬品注)

4. 効能または効果

成人急性非リンパ性白血病に対する完全寛解導入後の維持強化化学療法剤との併用による生存期間の延長。

6. 用法及び用量

通常、成人急性非リンパ性白血病の完全寛解導入後に維持強化化学療法剤と併用する。投与量はウベニメクスとして1日30mgを1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎児発育不全が報告されている。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下していることが多い。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 5%未満頻度不明
肝臓 AST上昇、ALT上昇
皮膚発疹・発赤、そう痒感脱毛
消化器 悪心・嘔吐、食欲不振、腹痛、腹部膨満感、下痢
精神神経系しびれ感頭痛、ふらつき感
その他 口腔内違和感、浮腫

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.2 非臨床試験に基づく情報
本剤をラットに4週間、混餌投与した試験において、25mg/kg/日以上の投与量で病理組織学的に腎の変性・壊死所見が認められている。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男子5名に本剤30mgを単回経口投与したとき、平均血清中濃度は1時間後に最高値(2.2μg/mL)を示し、その後二相性の減衰曲線を描きながら減少し、24時間後にほとんど消失した1)
16.1.2 反復投与
癌患者3名に本剤30mgを1日1回、2〜9週間連続経口投与したとき、本剤の投与後24時間値(次回投与直前値)は上昇する傾向を示し、最高血中濃度値もわずかに上昇したが、半減期の延長はほとんどみられなかった。
16.5 排泄
健康成人男性18名に本剤10、30、100及び200mg注)を単回経口投与したとき、24時間尿中の未変化体及び代謝物である(2S,3R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニル酪酸とウベニメクスのp-ヒドロキシ体の総和は、投与量に対しそれぞれ94、90、89及び83%で、投与量の増加にともない尿中排泄率が低下した。24時間尿中、投与量の67〜73%は未変化体で、9〜25%が(2S,3R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニル酪酸、2〜5%がp-ヒドロキシ体であった1)
注)本剤の承認用量は、1日30mgを1日1回である。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
成人急性非リンパ性白血病の完全寛解導入例を対象にBH-AC・DMP+VEMP療法による維持強化化学療法に本剤(30mg/日、連日経口投与)を併用する無作為化比較臨床試験を実施した。その結果、対照群(53例)の50%生存期間が18.9ヶ月であったのに対し、本剤併用群(48例)のそれは33.3ヶ月と約1.8倍の延長を認め、両群間の生存率曲線の差は有意であった。さらに、観察期間を約15ヶ月延長した再度の予後調査にもとづく成績においてもほぼ同様な成績が認められた2)3)
副作用は、発疹3.6%(2/55例)、そう痒感3.6%(2/55例)、しびれ感1.8%(1/55例)であり、臨床検査値異常は認めなかった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
本剤の作用機序は確立していないが、本剤を担癌マウスに投与すると、その腹腔マクロファージ、脾細胞、NK細胞等が非特異的に活性化され4)5)6)7)、腫瘍の増殖抑制あるいは細胞障害作用が認められていること8)、また、本剤はアミノペプチダーゼ類を介して宿主の免疫担当細胞表面に結合することが認められていることから、本剤は抗腫瘍免疫能を活性化することにより、抗腫瘍作用を発現すると考えられている。
18.2 抗腫瘍作用
in vitroの培養細胞に対する増殖抑制作用、及びin vivoにおける同系腫瘍及び自家腫瘍に対して単独投与又は化学療法との併用により、腫瘍増殖抑制、転移抑制並びに延命効果が認められている。
18.2.1 本剤はin vitroで、ヒト由来のK562赤芽球系白血病、HL-60前骨髄白血病、U-937組織球性リンパ腫に対して増殖抑制作用(IC50=16μg/mL)を示した。
18.2.2 本剤単独投与によりマウスの加齢に伴う自然発生腫瘍に対し、腫瘍発生率の低下及び延命効果を示した9)。また、ラットにおけるN-methyl-N'-nitro-N-nitrosoguanidine(MNNG)誘発胃癌に対し、腫瘍誘発の遅延と増殖抑制作用を示した。
18.2.3 本剤単独投与によりマウス及びラット同系腫瘍C1498骨髄性白血病4)、Colon26大腸癌4)、FMT線維肉腫等に対し、増殖抑制作用または延命効果を示した。また、本剤はP388白血病リンパ節転移等のマウス転移モデルに対して転移抑制効果を示し10)、シスプラチン、ブレオマイシン等の他制癌剤との併用により併用効果を発現した11)
18.3 免疫機能並びに免疫学的パラメーターに及ぼす作用
本剤にはin vitroで、骨髄細胞機能、インターロイキン1と2の遊離、リンパ球幼若化能、マクロファージ機能等の増強作用が認められた5)12)。またマウスにおいて、遅延型過敏反応、移植片対宿主反応、抗体産生能等の増強作用がみられた5)9)13)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ウベニメクス

一般的名称 ウベニメクス
一般的名称(欧名) Ubenimex
化学名 (2S)-2-[(2S,3R)-3-Amino-2-hydroxy-4-phenylbutanoylamino]-4-methylpentanoic acid
分子式 C16H24N2O4
分子量 308.37
物理化学的性状 白色の結晶性の粉末である。
酢酸(100)に溶けやすく、水に溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。
1mol/L塩酸試液に溶ける。
KEGG DRUG D00087

22. 包装

<ベスタチンカプセル10mg>
100カプセル[10カプセル(PTP)×10]
<ベスタチンカプセル30mg>
30カプセル[10カプセル(PTP)×3]

23. 主要文献

  1. Koyama M,et al., Biomedical Mass Spectrometry., 7, 372-376, (1980) »PubMed
  2. 栗田宗次ほか, 癌と化学療法, 11, 2742-2750, (1984) »PubMed
  3. 太田和雄ほか, 癌と化学療法, 13, 1017-1025, (1986) »PubMed
  4. Abe F,et al., Gann., 75, 89-94, (1984) »PubMed
  5. M Bruley-Rosset,et al., Immunology., 38, 75-83, (1979)
  6. HU Schorlemmer,et al., Cancer Res., 43, 4148-4153, (1983)
  7. 小野稔ほか, 癌と化学療法, 9, 1771-1777, (1982) »PubMed
  8. WEG Muller,et al., Int.J.Immunopharmac., 4, 393-400, (1982)
  9. M Bruley-Rosset,et al., Small Molecular Immunomodifiers of Microbial Origin, 59-69, (1981), (Japan Scientific Societies Press.)
  10. Tsuruo T,et al., J.Antibiotics., 34, 1206-1209, (1981) »DOI
  11. Abe F,et al., J.Antibiotics., 38, 411-414, (1985) »DOI
  12. Ishizuka M,et al., Small Molecular Immunomodifiers of Microbial Origin, 17-38, (1981), (Japan Scientific Societies Press.)
  13. Ishizuka M,et al., J.Antibiotics., 33, 642-652, (1980) »DOI

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
日本化薬株式会社 医薬品情報センター
〒100-0005 東京都千代田区丸の内二丁目1番1号
電話:0120-505-282
製品情報問い合わせ先
日本化薬株式会社 医薬品情報センター
〒100-0005 東京都千代田区丸の内二丁目1番1号
電話:0120-505-282

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
日本化薬株式会社
東京都千代田区丸の内二丁目1番1号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/12/17 版