2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 ヨード過敏症の既往歴のある患者[本剤はヨウ素を含有しているため、ヨード過敏症を起こすおそれがある。]
○肝機能検査(血漿消失率、血中停滞率及び肝血流量測定)
○循環機能検査(心拍出量、平均循環時間又は異常血流量の測定)
○血管及び組織の血流評価
○次の疾患におけるセンチネルリンパ節の同定
○肝外胆管の描出
○リンパ管静脈吻合術に係るリンパ流の評価
<センチネルリンパ節の同定>
本剤を用いたセンチネルリンパ節生検は、本検査法に十分な知識と経験を有する医師のもとで、実施が適切と判断される症例において実施すること。なお、症例の選択にあたっては、最新の関連ガイドライン等を参照し、適応となる腫瘍径や部位等について十分な検討を行うこと。
<効能共通>
7.1 網脈絡膜血管の造影には、用法及び用量が承認されている他の製剤を用いること。
<肝機能検査、循環機能検査、血管及び組織の血流評価、子宮頸癌及び子宮体癌におけるセンチネルリンパ節の同定、肝外胆管の描出、リンパ管静脈吻合術に係るリンパ流の評価>
<血管及び組織の血流評価、子宮頸癌及び子宮体癌におけるセンチネルリンパ節の同定、肝外胆管の描出、リンパ管静脈吻合術に係るリンパ流の評価>
7.3 インドシアニングリーンは赤外光(最大吸収波長は約805nm付近)で励起され蛍光(最大蛍光波長は約835nm付近)を発するので、適切な方法で観察すること。
<乳癌及び悪性黒色腫におけるセンチネルリンパ節の同定>
7.4 可能な限り本剤とラジオアイソトープ法を併用することが望ましい。その際には、併用する薬剤の電子添文を参照した上で使用すること。
<効能共通>
8.1 ショックを起こすことがあるので、適応の選択を慎重に行い、診断上本検査が必要な場合には、使用に際して次の点に留意すること。[
9.1.1参照]
8.1.1 ショック等の反応を予測するため、十分な問診を行うこと。
8.1.2 本剤が不溶のまま注入されると、悪心、発熱、ショック様症状等を起こすおそれがあるので、完全に溶解すること。[
14.1.2、
14.1.3参照]
8.1.3 あらかじめ救急用の医薬品・器具を準備しておくこと。[
11.1.1参照]
8.1.4 注入から検査終了まで、被検者に仰臥位をとらせるなど安静にさせ観察を十分に行うこと。
<センチネルリンパ節の同定>
8.2 既存の情報を踏まえ、患者又はその家族に対し本検査の必要性及び限界等を十分に説明し同意を得た上で実施すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)
注入時、口のしびれ、嘔気、胸内苦悶、眼球結膜充血、眼瞼浮腫等があらわれた場合には、ショック、アナフィラキシーの前駆症状と考えられるため、直ちに注入を中止すること。症状に応じ、輸液、血圧上昇薬、強心薬、副腎皮質ホルモン剤等の投与、気道確保、人工呼吸、あるいは酸素吸入、心臓マッサージ、適切な体位をとらせるなどの救急処置を速やかに行うこと。[
8.1.3、
9.1.1参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| | 0.1%未満 | 頻度不明 |
| 過敏症 | 悪心、嘔吐、蕁麻疹、発熱 | 発疹 |
甲状腺放射性ヨード摂取率検査に影響を及ぼすことがあるので、必要な場合には1週間以上の間隔をおくこと。
14.1 薬剤調製時の注意
<効能共通>
14.1.1 注入液は、用時調製し、溶解した液は保存しないこと。
14.1.2 必ず注射用水で完全に溶解し、その他の溶解液(生理食塩液等)では溶解しないこと。[
8.1.2参照]
14.1.3 溶解時バイアルを数回転倒し、軽く振とうしてゴム栓内側付着の薬剤も完全に溶解後、バイアルを横にして水平回転し、壁面を観察し、不溶の薬剤が残っていないことを確認すること。なお、ゴム栓、キャップ付着分の薬剤溶解にも留意すること。[
8.1.2参照]
<循環機能検査>
14.1.4 本剤25mgを正確に5mLの注射用水で溶解すること。その他に生理食塩液を用意すること。
14.2 薬剤投与時の注意
<肝機能検査、循環機能検査、血管及び組織の血流評価、肝外胆管の描出>
14.2.1 静脈内投与により血管痛があらわれることがある。
<循環機能検査>
14.2.2 注入に際しては、本剤を速やかに注入し1回の注入容積は2mL以内とすること。
(1)心腔内注入の場合は、通常あらかじめカテーテル内を本剤の溶液で満たしておき、後から5〜10mLの生理食塩液で押し出すように注入すること。
(2)末梢静脈注入の場合は、なるべく太い静脈を選び、本剤注入後、直ちに生理食塩液等の液体をやや多く注入し中心血流まで押し出すこと。肘静脈より注入するには上膊を10〜20秒間緊縛しておき、注入1〜2秒前に、それを急にゆるめてから色素を注入すると停滞することなく、中心血流に合流することができる。また、股静脈は太い注射針の挿入に困難を生じることなく、小児でも容易に投与できる。この部位では血流が多いため、本剤注入直後の生理食塩液の押し出しを必ずしも必要としない。
14.3 診断上の注意
<肝機能検査>
次の場合、測定値に誤差を生じることがある。
14.3.1 患者の体の状態による影響
以下のような場合は血漿消失率で測定すること。
・乳び血清あるいは極度に混濁又は溶血血清の場合
・浮腫患者、痩躯又は肥満患者、多量失血患者等
14.3.2 薬剤との併用による影響
胆嚢造影剤(イオトロクス酸メグルミン等)、利胆薬、リファンピシン又は抗痛風薬との併用により、本剤の肝細胞への取り込みが阻害されることがある。
14.3.3 薬剤以外の物質による影響
食物による影響により肝血流量が増加する。また、食物中の脂肪摂取により脂質増加をもたらし、血清が白濁する。
18.1 測定法
<肝機能検査>
18.1.1 血漿消失率測定法
インドシアニングリーンは静注後、2〜3分で血中に均等に混和し、その後約20分までは血中濃度が指数関数的に下降する。したがって注入後5〜15分の間に2回以上採血して、血漿分離後インドシアニングリーン濃度を測定し、インドシアニングリーン血漿消失率を求める。
血漿消失率は肝における血中色素の摂取、排泄機能を示し、各種肝疾患(肝硬変、肝癌、黄疸、肝炎、胆石、胆嚢炎、バンチ症候群、門脈障害など)の場合は、正常者に比べ低値を示す
1)2)9)10)。
18.1.2 血中停滞率測定法
血漿消失率にかわる簡易法で、日常検査では本法で十分である。
インドシアニングリーンを静注し、15分後採血し、その停滞率を求める。この停滞率は、各種肝疾患の場合、正常値より高値を示す
9)10)11)。
18.1.3 肝血流量測定法
インドシアニングリーンは血中から肝臓によってのみ摂取され、胆汁排泄が高率であって、他の組織での除去は無視できる。また、インドシアニングリーンは腸肝循環がないという特徴を持ち、肝血流量測定に好適である。
インドシアニングリーンを一定速度で点滴静注後、肝カテーテルから肝静脈血、同時に動脈から動脈血を採血して、各々の血漿中インドシアニングリーン濃度を求め、肝血流量を測定する。
<循環機能検査>
18.1.4 インドシアニングリーンを血流中に注入し、血流の他の部位でインドシアニングリーンの濃度変化を連続的に記録すると指示薬希釈曲線が得られる。
これを解析することにより心拍出量、短絡の有無や短絡量等から疾患の有無、その種類及び程度を知ることができる
12)。
<血管及び組織の血流評価、子宮頸癌及び子宮体癌におけるセンチネルリンパ節の同定、肝外胆管の描出、リンパ管静脈吻合術に係るリンパ流の評価>
18.1.5 生体内のインドシアニングリーンは励起光、蛍光ともに近赤外線領域にあるため、血管及び組織、肝外胆管、リンパ管、リンパ節の観察が可能である
13)14)。なお、近赤外蛍光撮影により観察可能な血管、リンパ管、リンパ節の深さは生体表面から3〜10mm程度といわれており
8)15)16)、専用の蛍光観察用装置が必要となる。
18.2 作用機序
インドシアニングリーンは、血清蛋白(リポ蛋白、アルブミン等)と結合し、血中から選択的に肝に取り込まれ、腸肝循環や腎からの排泄もなく、肝より胆汁中に排泄されることが確かめられており、血中停滞率、血漿消失率あるいは肝血流量の測定による肝機能検査及び指示薬希釈法による循環機能検査に適している。
10バイアル
(溶解液:日本薬局方注射用水10mL 10アンプル添付)