医療用医薬品 : プラスアミノ

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医薬品情報


総称名 プラスアミノ
薬効分類名 ブドウ糖加アミノ酸注射液
薬効分類番号 3259
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2025年1月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
プラスアミノ輸液 PLAS-AMINO Injection 大塚製薬工場 3259510A3036 425円/袋 処方箋医薬品注)
プラスアミノ輸液 PLAS-AMINO Injection 大塚製薬工場 3259510A4032 652円/袋 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 アミノ酸代謝異常のある患者[投与されたアミノ酸が代謝されず、アミノ酸インバランスが助長されるおそれがある。]
2.2 重篤な腎障害のある患者又は高窒素血症の患者(いずれも透析又は血液ろ過を実施している患者を除く)[8.、9.2.19.2.2参照]
2.3 肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者[9.3.1参照]

4. 効能または効果

下記状態時のアミノ酸補給
低蛋白血症、低栄養状態、手術前後

6. 用法及び用量

通常成人1回500〜1000mLを点滴静注する。
投与速度は、アミノ酸の量として60分間に10g前後が体内利用に望ましく、通常成人500mL当たり90〜120分を基準とし、小児、老人、重篤な患者には更に緩徐に注入する。
なお、年齢、症状、体重により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

透析又は血液ろ過を実施している重篤な腎障害のある患者又は高窒素血症の患者における、尿素等の除去量、蓄積量は透析の方法及び病態によって異なる。血液生化学検査、酸塩基平衡、体液バランス等の評価により患者の状態を確認した上で投与開始及び継続の可否を判断すること。[2.29.2.2参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 高度のアシドーシスのある患者
アシドーシスが悪化するおそれがある。
9.1.2 糖尿病の患者
血糖値が上昇することにより、症状が悪化するおそれがある。
9.1.3 うっ血性心不全の患者
循環血液量の増加により、症状が悪化するおそれがある。
9.1.4 カリウム欠乏傾向のある患者
ブドウ糖の投与によりカリウムが細胞内に移行し、一時的に血清カリウム値が低下し、症状が悪化するおそれがある。
9.1.5 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。アナフィラキシーが発現するおそれがある。[11.1.1参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎障害のある患者又は高窒素血症の患者(いずれも透析又は血液ろ過を実施している患者を除く)
投与しないこと。水分の過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。また、アミノ酸の代謝産物である尿素等が滞留し、症状が悪化するおそれがある。[2.2参照]
9.2.2 透析又は血液ろ過を実施している重篤な腎障害のある患者又は高窒素血症の患者
アミノ酸の代謝産物である尿素等の滞留がおこるおそれがある。[2.2、8.参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者
投与しないこと。アミノ酸の代謝が十分に行われないため、症状が悪化する又は誘発されるおそれがある。[2.3参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

10.2 併用注意
ジギタリス製剤
ジゴキシン等
ジギタリス中毒(不整脈等)の症状があらわれた場合には、投与を中止すること。ブドウ糖の投与により一時的に血清カリウム値が低下することによる。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 アナフィラキシー(頻度不明)[9.1.5参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満頻度不明
過敏症 発疹
消化器 悪心・嘔吐
循環器 胸部不快感、動悸
肝臓AST、ALTの上昇 
大量・急速投与 アシドーシス
その他血管痛悪寒、発熱、熱感、頭痛

14. 適用上の注意

14.1 全般的な注意
14.1.1 使用時には、感染に対する配慮をすること。
14.1.2 注射針や輸液セットのびん針は、ゴム栓の刻印部(○印)に垂直にゆっくりと刺すこと。斜めに刺した場合、削り片の混入及び液漏れの原因となるおそれがある。また、針は同一箇所に繰り返し刺さないこと。
14.2 薬剤調製時の注意
薬剤を配合する場合には、配合変化に注意すること。
14.3 薬剤投与時の注意
14.3.1 ナトリウムイオン約34mEq/L、クロールイオン約34mEq/Lを含有しているため、大量投与時又は電解質液を併用する場合には電解質バランスに注意すること。また、カリウムイオンは含まれていないので、必要であればカリウム塩を添加し、補正して使用すること。
14.3.2 血管痛があらわれた場合には、注射部位を変更すること。また、場合によっては、投与を中止すること。
14.3.3 血栓性静脈炎を起こすことがあるので、慎重に投与すること。
14.3.4 原則として、連結管を用いたタンデム方式による投与は行わないこと。輸液セット内に空気が流入するおそれがある。
14.3.5 容器の目盛りは目安として使用すること。
14.3.6 残液は使用しないこと。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人男性10例に本剤500mLを肘部皮静脈内より90分間投与した結果、血漿遊離アミノ酸は、L-トリプトファンをはじめ、特に著しいパターンの乱れは観察されなかった。N-アセチル-L-トリプトファンの血漿中半減期は23.2分であった1)
16.3 分布
健康成人男性10例に本剤500mLを肘部皮静脈内より90分間投与した結果、本剤配合の各アミノ酸の体内保有率は、N-アセチル-L-トリプトファンが約80%、その他のアミノ酸では95%以上であった1)
16.4 代謝
健康成人男性10例に本剤500mLを肘部皮静脈内より90分間投与した結果、血糖値の上昇は一過性で、かつ軽微であり、投与されたブドウ糖のほぼ全量が生体内で利用された1)
ラットの静脈内に投与されたN-アセチル-L-トリプトファンは速やかに脱アセチル化され、L-トリプトファンとして挙動し、組織蛋白の合成に利用された2)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内一般臨床試験
主に消化器術後患者266例、低蛋白血症あるいは低栄養状態の患者34例を対象に本剤1日500〜2000mLを3〜14日間投与した複数の臨床試験を統合した結果、窒素出納改善、蛋白節約作用が認められ、血清総蛋白濃度及び血清アルブミン量の改善がみられた3)4)5)6)7)8)9)10)11)12)13)14)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
本剤は7.5%ブドウ糖加3%アミノ酸注射液であり、アミノ酸の補給効果を示す。
18.2 アミノ酸補給効果
絶食飢餓ウサギ及び腹部手術後の飢餓ラットを用いて栄養補給効果を検討した結果、窒素出納、累積水分出納、体重減少抑制率、尿糖排泄率において、他の糖(キシリトール、ソルビトール)加アミノ酸注射液に比べて本剤は良好な成績を示した15)16)17)18)

20. 取扱い上の注意

20.1 液漏れの原因となるので、強い衝撃や鋭利なものとの接触等を避けること。
20.2 品質保持のためにガスバリア性の外袋で包装し、脱酸素剤を封入しているので、外袋は使用時まで開封しないこと。
20.3 以下の場合には使用しないこと。
・外袋が破損している場合
・外袋内や容器表面に水滴や結晶が認められる場合
・容器から薬液が漏れている場合
・性状その他薬液に異状が認められる場合
・ゴム栓部のシールがはがれている場合

22. 包装

200mL 20袋 ソフトバッグ(脱酸素剤入り)
500mL 20袋 ソフトバッグ(脱酸素剤入り)

23. 主要文献

  1. (株)大塚製薬工場 社内資料:薬物動態
  2. 上野山勤,他, 薬理と治療, 8 (9), 3051-3072, (1980)
  3. 山内晶司,他, 現代の診療, 22 (8), 974-984, (1980)
  4. 中川研一,他, 現代の診療, 22 (8), 985-1001, (1980)
  5. 佐藤 真,他, 新薬と臨床, 29 (9), 1467-1474, (1980)
  6. 松原要一,他, 新薬と臨床, 29 (9), 1456-1465, (1980)
  7. 鷺谷豊久,他, 現代の診療, 22 (8), 967-973, (1980)
  8. 小越章平,他, 基礎と臨床, 14 (10), 3185-3193, (1980)
  9. 玉熊正悦,他, 診療と新薬, 17 (6), 1621-1627, (1980)
  10. 奥野匡宥,他, 基礎と臨床, 14 (11), 3658-3668, (1980)
  11. 曽田益弘,他, 基礎と臨床, 14 (10), 3173-3184, (1980)
  12. 後藤平明,他, 基礎と臨床, 14 (11), 3647-3657, (1980)
  13. 渡辺明治,他, 新薬と臨床, 29 (9), 1475-1482, (1980)
  14. 斉藤雅彦,他, 基礎と臨床, 14 (11), 3556-3562, (1980)
  15. 向井 浄,他, 薬理と治療, 8 (1), 21-33, (1980)
  16. 向井 浄,他, 薬理と治療, 8 (1), 35-44, (1980)
  17. 向井 浄,他, 新薬と臨床, 29 (2), 295-303, (1980)
  18. 向井 浄,他, 新薬と臨床, 29 (2), 305-315, (1980)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
株式会社大塚製薬工場 輸液DIセンター
〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-2
電話:0120-719-814
FAX:03-5296-8400
製品情報問い合わせ先
株式会社大塚製薬工場 輸液DIセンター
〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-2
電話:0120-719-814
FAX:03-5296-8400

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
株式会社大塚製薬工場
徳島県鳴門市撫養町立岩字芥原115
26.2 販売提携
大塚製薬株式会社
東京都千代田区神田司町2-9

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/12/17 版