医療用医薬品 : ビーフリード

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医薬品情報


総称名 ビーフリード
薬効分類名 ビタミンB1・糖・電解質・アミノ酸液
薬効分類番号 3259
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 取扱い上の注意 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ビーフリード輸液 BFLUID Injection 大塚製薬工場 3259529G1030 404円/キット 処方せん医薬品
ビーフリード輸液 BFLUID Injection 大塚製薬工場 3259529G2037 549円/キット 処方せん医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者[アミノ酸の代謝が十分に行われないため、症状が悪化するおそれがある。]

重篤な腎障害のある患者又は高窒素血症の患者[水分、電解質の過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。また、アミノ酸の代謝産物である尿素等が滞留し、症状が悪化するおそれがある。]

うっ血性心不全のある患者[循環血液量を増すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある。]

高度のアシドーシス(高乳酸血症等)のある患者[症状が悪化するおそれがある。]

電解質代謝異常のある患者[症状が悪化するおそれがある。]

高カリウム血症(乏尿、アジソン病等)の患者

高リン血症(副甲状腺機能低下症等)の患者

高マグネシウム血症(甲状腺機能低下症等)の患者

高カルシウム血症の患者

閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者[水分、電解質の過負荷となり、症状が悪化するおそれがある。]

アミノ酸代謝異常症の患者[投与されたアミノ酸が代謝されず、症状が悪化するおそれがある。]

チアミン塩化物塩酸塩に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能・効果

下記状態時のアミノ酸、電解質、ビタミンB1及び水分の補給

経口摂取不十分で、軽度の低蛋白血症又は軽度の低栄養状態にある場合

手術前後

用法・用量

用時に隔壁を開通して上室液と下室液をよく混合する。通常、成人には1回500mLを末梢静脈内に点滴静注する。投与速度は、通常、成人500mLあたり120分を基準とし、高齢者、重篤な患者には更に緩徐に注入する。
なお、年齢、症状、体重により適宜増減するが、最大投与量は1日2500mLまでとする。

使用上の注意

慎重投与

肝障害のある患者[水分、電解質代謝異常が悪化するおそれがある。]

腎障害のある患者[水分、電解質の調節機能が低下しているので、慎重に投与すること。]

心臓、循環器系に機能障害のある患者[循環血液量を増すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある。]

アシドーシスのある患者[症状が悪化するおそれがある。]

糖尿病の患者[ブドウ糖の組織への移行が抑制されているので、高血糖を生じ症状が悪化するおそれがある。]

薬物過敏症の既往歴のある患者

重要な基本的注意

本剤は500mLあたりアミノ酸を15g(窒素として2.35g)、非蛋白熱量として150kcalを含んでいるが、本剤のみでは1日必要量のカロリー補給は行えないので、本剤の使用は短期間にとどめること。

経口摂取不十分で、本剤にて補助的栄養補給を行う場合には、栄養必要量及び経口摂取量などを総合的に判断して、本剤の投与を行うこと。

手術後における本剤の単独投与はできるだけ短期間(3〜5日間)とし、速やかに経口・経腸管栄養ないし他の栄養法に移行すること。

本剤は500mLあたりビタミンとしてビタミンB1のみを0.96mg(チアミン塩化物塩酸塩として)含んでいるが、患者の状態に応じて、他のビタミンを投与(ビタミンB1の追加投与を含め)すること。

副作用

副作用発現状況の概要

消化器手術の術後患者を対象とした臨床第III相試験において、医学的に有害であると判断された副作用症例は50例中8例(16.0%)で、発現件数は11件であった。内訳は、自他覚的副作用が7例8件(血管痛が3件、静脈炎が4件、胸部不快感が1件)、臨床検査値異常変動が1例3件(AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇が各1件)であった。【臨床成績】の項を参照。(承認時、2006年)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

ショック注)(頻度不明)

ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、血圧降下、胸内苦悶、呼吸困難等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

注)チアミン塩化物塩酸塩注射剤でみられる副作用

その他の副作用

 5%以上0.1〜5%未満頻度不明
過敏症  [発疹等]注2,3)
消化器 [悪心・嘔吐]注1)  
循環器 胸部不快感[動悸等]注2)
肝臓 AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al‐P上昇、[総ビリルビンの上昇]注1)  
大量・急速投与  [脳浮腫、肺水腫、末梢の浮腫、高カリウム血症、水中毒]注4)、[アシドーシス]注2)
その他血管痛、静脈炎 [悪寒、発熱、熱感、頭痛]注2)
注1)糖・電解質・アミノ酸製剤でみられる副作用注2)総合アミノ酸製剤でみられる副作用(第一次再評価結果その15、1979年)注3)チアミン塩化物塩酸塩注射剤でみられる副作用注4)維持液でみられる副作用(第一次再評価結果その14、1978年)

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しており、肝・腎・心等の機能障害を伴うことが多いので、投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。(妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。)

授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること。(授乳中の投与に関する安全性は確立していない。)

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

適用上の注意

調製方法

用時に外袋を開封し、必ず隔壁を開通して上室液と下室液を十分に混合すること(上室液又は下室液は単独で投与しないこと)。

混合方法(必ず混合すること)

必ず下室を押して隔壁を開通すること。上室を押すと開通確認カバーが開かない。

[開封]

バッグを外袋より取り出す。

[開通]

すぐに下室を両手で押して隔壁を開通する。開通と同時に開通確認カバーが開く。
(本品に輸液を混注する場合は、開通後に行うこと。)

[混合]

開いた開通確認カバーを外し、上室と下室を交互に押して、よく混合する。

調製時

配合変化試験の結果から、次のような製剤を配合する場合は、沈殿等の外観変化を生じることがあるので注意すること。

酸性側又はアルカリ性側で安定化されている製剤

水に難溶性の製剤

カルシウム塩又はリン酸塩を含む製剤

本剤はカルシウム塩を含有するため、クエン酸加血液と混合すると凝血を起こすおそれがあるので注意すること。

外袋を開封したもの及び上室液と下室液を混合したものは速やかに使用すること。

投与前

隔壁が開通されていることを必ず確認すること。

尿量は1日500mL又は1時間あたり20mL以上あることが望ましい。

投与に際しては、感染に対する配慮をすること(患者の皮膚や器具消毒)。

寒冷期には体温程度に温めて使用すること。

使用後の残液は決して使用しないこと。

投与時

投与速度は、通常、成人500mLあたり120分を基準とし、高齢者、重篤な患者等には更に緩徐に注入すること。

血管痛があらわれた場合には、注射部位を変更すること。また、場合によっては投与を中止すること。

本剤の血管外漏出が原因と考えられる皮膚壊死、潰瘍形成が報告されているので、点滴部位の観察を十分に行い、発赤、浸潤、腫脹などの血管外漏出の徴候があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

ビタミンB1の光分解は短時間では起こりにくいが、状況に応じて遮光カバーを用いる等、注意すること。また、その他ビタミン剤等を混合した場合には、ビタミンの光分解を防ぐため、遮光カバーを用いる等、十分に注意すること。

薬物動態

(参考)ラット

14C標識したブドウ糖を含む本剤を正常ラットに静注した。その結果、放射能は速やかに全身に分布し、ブドウ糖代謝の盛んな肝臓とブドウ糖利用の大きい脳で高い放射能が認められた[1]。また、投与された放射能の主要排泄経路は呼気中であり、投与終了後24時間までに62.8%が排泄され、尿中へは4.9%が排泄された[2]。本剤に配合されたブドウ糖は主にエネルギー源として代謝された後に呼気中へ排泄されると考えられた。

臨床成績

全国16施設で、消化器術後患者110例を対象に臨床試験(比較試験)を実施した[3]
有効性の評価は、有効性評価対象症例97例(ビーフリード群46例、対照薬群51例)において、ビーフリード輸液は対照薬で低下したビタミンB1血中濃度が維持され、総蛋白、アルブミン、プレアルブミン、トランスフェリン、レチノール結合蛋白は両群で同様に推移した。
また、安全性の評価は、安全性評価対象症例102例(ビーフリード群50例、対照薬群52例)において、自覚症状・他覚所見、バイタルサインの異常変動、臨床検査値異常変動及び代謝性アシドーシスとして取扱った事象を有害事象とし、治験薬との因果関係が否定されない事象を副作用とした。
なお、バイタルサイン及び臨床検査値については、手術後治験薬投与前値に比較し、治験薬投与開始後に施設基準値を逸脱し悪化方向に変動した場合及びそれ以外でも医師が異常変動と判断した場合は有害事象と定義した。
その結果、副作用は50例中17例(34.0%)に認められ、発現件数は32件であったが、対照薬群[52例中17例(32.7%)、36件]と差はなかった。発現した事象は、消化器疾患の術後に発現し得る範囲内のものであり、その発生頻度は対照薬群と同程度であった(下表参照)。なお、臨床試験においては、ビーフリード群及び対照薬群ともに5日間投与を行ったが、ビタミンB1欠乏症は確認されなかった。

自他覚的副作用程度ビーフリード群
50例
対照薬群
52例
件数件数
血管痛注入部位疼痛軽度b) 3233
左上肢不快感軽度b) 10
静脈炎注入部位紅斑軽度b) 4 24 2
注入部位腫脹軽度b) 33
中等度b) 10
注入部位出血軽度b) 10
胸部不快感軽度b) 10
発疹中等度b) 01

臨床検査値異常変動グレードa) 検査値の範囲ビーフリード群
50例
対照薬群
52例
件数件数
AST(GOT)増加
(IU/L)
<150未満11
150以上〜100未満03
2100以上〜500未満1** 1**
ALT(GPT)増加
(IU/L)
<150未満01
150以上〜100未満03
2100以上〜500未満1** 2
1**
血中Al‐P増加
(Nは施設の上限値)
(IU/L)
<11.25×N未満01
11.25×N以上〜2.5×N未満1
1**
1
血中ビリルビン増加
(mg/dL)
11.6以上〜3.0未満11c)
胆汁うっ滞軽度(グレード1の血中ビリルビン増加を伴う)c) 01c)
血中BUN増加
(mg/dL)
125未満20
225以上〜40未満20
血中クレアチニン減少
(Nは施設の下限値)
(mg/dL)
軽度b)(0.90×N)01
血中ブドウ糖増加
(mg/dL)
<1160未満44
1160以上〜200以下10
血中Na減少
(mEq/L)
<1135以上02
1135未満〜125以上01
血中Cl減少
(Nは施設の下限値)
(mEq/L)
軽度b)(0.98×N)01
血中P増加
(Nは施設の上限値)
(mg/dL)
軽度b)
ビーフリード群:(1.02×N、1.07×N(2件)、1.09×N(2件))
対照薬群:(1.05×N、1.09×N)
52
血中Zn減少
(Nは施設の下限値)
(μg/dL)
軽度b)(0.80×N)10

 ビーフリード群
50例
対照薬群
52例
 件数件数
総発現件数3236
総発現例数(発現率)17(34.0%)17(32.7%)

*複数の症状を呈したものがある。

**臨床検査値異常変動に対する処置を実施

a)臨床検査値は厚生労働省「医薬品の副作用の重篤度分類基準」に従ってグレード分類した。また、血糖値は食後のグレード分類を採用した。

b)臨床検査値について重篤度分類基準がないものは、担当医師の判断(軽度:特別な処置が不要で容易に耐えうるもの、中等度:特別な処置が必要であるもの、高度:治験薬の投与中止もしくは特別な治療が必要であるもの)と、( )内には施設の上限値又は下限値に対する度合いを実測値として表示した。自他覚的副作用は、担当医師の前述の判断を表示した。

c)胆汁うっ滞症例は血中ビリルビン増加(グレード1)症例と同一症例であり、血中ビリルビン増加により胆汁うっ滞(軽度)と判断された。

前表の臨床検査値異常変動については、術後患者の臨床検査値の変動範囲を考慮したものではないため、全てが「医学的に有害な副作用」とは判断できないことから、「処置を必要とした異常変動」を「医学的に有害な副作用」と定義した。
その結果、医学的に有害であると判断された副作用は、50例中8例(16.0%)、11件であり、対照薬群[52例中8例(15.4%)、10件]と差はなかった(下表参照)。

副作用名ビーフリード群50例対照薬群52例
件数件数
血管痛33
静脈炎44
胸部不快感10
発疹01
AST(GOT)上昇11
ALT(GPT)上昇11
Al‐P上昇10
総発現件数1110
総発現例数(発現率)8(16.0%)8(15.4%)

薬効薬理

正常ラット[4]、正常イヌ[5]及びビタミンB1欠乏の開腹術侵襲ラット[6]を用いてビタミンB1補給効果、栄養効果ならびに電解質補給効果を検討した。その結果、正常ラット及び正常イヌの投与後の血液中ビタミンB1濃度はいずれも投与前値レベルに維持されたこと、ビタミンB1欠乏の開腹術侵襲ラットの投与後の血液中ビタミンB1濃度は正常レベルまで回復したことより、本剤のビタミンB1補給効果が認められた。また、本剤の栄養効果及び電解質補給効果は対照薬(アミノフリード輸液)と同等であった。

取扱い上の注意

製品の安定性を保持するため、脱酸素剤を封入しているので、ソフトバッグを包んでいる外袋は使用時まで開封しないこと。

温度変動により上室液(アミノ酸・電解質液)にアミノ酸の結晶が析出することがあるが、この場合は常温(15〜25℃)付近で振とうすることにより溶解して使用できる。

外袋が破損したものや、内容液に着色や振とうで溶解しない結晶が認められるものは使用しないこと。

万一、上室液と下室液の混合が起こっている場合や隔壁が白色化し(隔壁の溶着が剥離すると白色化する)、白色化部分が両室に通じている場合には使用しないこと。

注射針はゴム栓の○印にまっすぐ刺すこと。斜めに刺すと注射針が容器頸部を貫通し、液漏れの原因となることがある。

ソフトバッグ製品は、原則として連結管を用いたタンデム方式による投与はできない。

包装内に水滴が認められるものや内容液が混濁しているものは使用しないこと。

容器の液目盛りはおよその目安として使用すること。

包装

ビーフリード輸液

500mL 20袋 ソフトバッグ入り

1000mL 10袋 ソフトバッグ入り

主要文献


1. 吉次博紀,他,  社内資料(薬物動態)
2. 吉次博紀,他,  社内資料(薬物動態)
3. 標葉隆三郎,他,  新薬と臨床,  55 (3),  305-338,  (2006)
4. 佐々木幹夫,他,  社内資料(薬効薬理)
5. 原田大輔,他,  社内資料(薬効薬理)
6. 佐々木幹夫,他,  社内資料(薬効薬理)

作業情報


改訂履歴

2012年1月 改訂
2012年11月 第7版 改訂

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
株式会社大塚製薬工場
101‐0048
東京都千代田区神田司町2‐2
0120‐719‐814

業態及び業者名等

販売提携
大塚製薬株式会社
東京都千代田区神田司町2-9

製造販売元
株式会社大塚製薬工場
徳島県鳴門市撫養町立岩字芥原115


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2019/8/21 版