<筋注>
スペクチノマイシンとして、通常成人は2g(力価)を1回臀部筋肉内に注射する。また、2g(力価)1回投与にて効果の不十分なときは、4g(力価)を1回追加投与する。4g(力価)投与は左右の臀筋の2箇所に分けてもよい。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
本剤は1回投与後3〜5日間は経過を観察し、効果判定をすること。なお、追加投与の必要のある場合は、用法及び用量に準ずること。
8.1 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。[
11.1.1参照]
8.1.1 事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
8.1.2 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
8.1.3 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
8.2 潜伏状態の梅毒の兆候を遮蔽したり遅延させる可能性があるため、淋疾の治療の際には梅毒の血清学的検査を行うこと。
8.3 本剤投与後、ときに淋疾後尿道炎(postgonococcal urethritis)があらわれることがあるので、適切な治療を行うこと。
8.4 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 アトピー性体質の患者
重症の即時型アレルギー反応があらわれるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ウシ、ヒツジ)で乳汁中に移行することが認められている。
9.7 小児等
9.7.1 特に必要とする場合には慎重に投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2 低出生体重児、新生児に使用する場合には十分注意すること。外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99〜234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある。本剤は添加剤としてベンジルアルコールを含有している。
9.8 高齢者
生理機能が低下していることが多く、副作用があらわれやすい。
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(0.04%)
不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴等のアナフィラキシーを伴うことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には血圧の維持、体液の補充管理、気道の確保等の適切な処置を行うこと。[
8.1参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 |
注射部位 | 疼痛の持続 | 発赤、硬結 | |
過敏症 | 皮疹 | | 蕁麻疹 |
神経系 | | 頭重感、しびれ感 | めまい、不眠 |
消化器 | | 悪心・嘔吐、胃痛、下腹部痛、下腹部膨満感 | |
腎臓 | | | 乏尿、BUNの上昇、クレアチニン・クリアランスの低下 |
その他 | | 倦怠感 | 悪寒、発熱、ALT上昇、Al-P上昇、ヘマトクリット値減少、ヘモグロビン減少 |
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 懸濁直後及び注射筒に吸引時、強く振盪すること。
14.1.2 調製した懸濁液は24時間以内に使用すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 20ゲージの針を使用することが望ましい。
14.2.2 同一部位への反復投与は行わないこと。
14.2.3 神経走行部位を避けること。
14.2.4 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。
14.2.5 注射部位に壊死をみることがある。