医療用医薬品 : タイケルブ |
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総称名 | タイケルブ |
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一般名 | ラパチニブトシル酸塩水和物 |
欧文一般名 | Lapatinib Tosilate Hydrate |
製剤名 | ラパチニブトシル酸塩水和物錠 |
薬効分類名 | 抗悪性腫瘍剤 チロシンキナーゼ阻害剤 |
薬効分類番号 | 4291 |
ATCコード | L01EH01 |
KEGG DRUG |
D04024
ラパチニブトシル酸塩水和物
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KEGG DGROUP |
DG03158
HER2阻害薬
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JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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タイケルブ錠250mg | Tykerb Tablets 250mg | ノバルティスファーマ | 4291022F1026 | 908.2円/錠 | 劇薬, 処方箋医薬品 |
有害事象 | 発現回数 | 処置 | ||
無症候性の駆出率低下注1) | 1回目 | 投与継続 (1〜2週後に再検) | 回復:投与継続 | |
持続:休薬 (3週以内に再検) | 回復:カペシタビンとの併用においては1000mg/日、アロマターゼ阻害剤との併用においては1250mg/日に減量して再開可能 | |||
持続:中止 | ||||
2回目 (減量前) | 1回目に準じる | |||
2回目 (減量後) | 中止 | |||
症候性の駆出率低下 (Grade3、4) | − | 中止 | ||
間質性肺炎 (Grade3、4) | − | 中止 |
有害事象 | 処置 | |
総ビリルビン | ALT | |
>2.0×ULN (直接ビリルビン>35%注2)) | >3.0×ULN | 中止 |
上記以外 | >8.0×ULN | 休薬(2週後に再検) 有効性が得られている場合、カペシタビンとの併用においては1000mg/日、アロマターゼ阻害剤との併用においては1250mg/日に減量して再開可能 |
>5.0×ULN注3) (無症候性にて2週間継続) | ||
>3.0×ULN (症候性注4)) | ||
>3.0×ULN (無症候性) | 継続(1週間ごとに再検) ALT>3.0×ULNが4週間継続した場合は中止 | |
− | ≦3.0×ULN | 継続 |
有害事象 | 処置 |
500/mm3≦Neu<1000/mm3 25000/mm3≦Pt<75000/mm3 6.5g/dL≦Hb<9.0g/dL注5) 1.5mg/dL<Cre≦6×ULN CCr<40mL/min | 休薬(Grade1以下に回復するまで最大14日間可能)した後、 1回目:減量せず再開 2〜3回目:減量せず又はカペシタビンとの併用においては1000mg/日、アロマターゼ阻害剤との併用においては1250mg/日に減量して再開 |
Neu<500/mm3 Pt<25000/mm3 Hb<6.5g/dL注5) Cre>6×ULN | 休薬(Grade1以下に回復するまで最大14日間可能)した後、 減量、継続、再開等は事象毎に判断 |
有害事象 | 処置 |
Grade2 | 1〜2回目:減量せず継続 3回目:減量せず又はカペシタビンとの併用においては1000mg/日、アロマターゼ阻害剤との併用においては1250mg/日に減量して継続 4回目:カペシタビンとの併用においては1000mg/日、アロマターゼ阻害剤との併用においては1250mg/日に減量して継続 |
Grade3 | 休薬(Grade1以下に回復するまで最大14日間可能)した後、発現回数にかかわらず、減量せず又はカペシタビンとの併用においては1000mg/日、アロマターゼ阻害剤との併用においては1250mg/日に減量して再開可能 |
Grade4 | 休薬(Grade1以下に回復するまで最大14日間可能)した後、減量、継続、再開等は事象毎に判断 |
CYP3A4を阻害する薬剤等 イトラコナゾール等 | 健康成人において、ケトコナゾールとの併用により本剤のAUCが約3.6倍に増加し、半減期が1.7倍に延長したとの報告がある2)。 CYP阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。併用する場合は、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 | 本剤の代謝酵素であるCYP3A4が阻害されることにより、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇する可能性がある。 |
グレープフルーツ(ジュース) | 本剤投与時はグレープフルーツ(ジュース)を摂取しないよう注意すること。 | 本剤の代謝酵素であるCYP3A4が阻害されることにより、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇する可能性がある。 |
CYP3A4を誘導する薬剤 カルバマゼピン リファンピシン フェニトイン等 | 健康成人において、カルバマゼピンとの併用により本剤のAUCが約72%減少したとの報告がある2)。 CYP誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。併用に際しては、本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること。 | 本剤の代謝酵素であるCYP3A4が誘導されることにより、本剤の代謝が促進され、血中濃度が低下する可能性がある。 |
治療域が狭くCYP3A4で代謝される薬剤 ミダゾラム(経口剤:国内未発売)等 | ミダゾラムのAUCが経口投与では約45%及び静脈内投与では約14%増加したとの報告がある3)。 | 本剤のCYP3A4に対する阻害作用が示されている。経口投与製剤では本剤が消化管でのCYP3A4による代謝を阻害すると考えられる。 |
治療域が狭くCYP3A4又はCYP2C8で代謝される薬剤 ビノレルビン等 | これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性があるので、本剤との併用は避けることが望ましいが、併用する場合には、副作用の発現・増強に注意し、減量等を考慮すること。 | 本剤のCYP3A4とCYP2C8に対する阻害作用が示されている。 |
パクリタキセル | 本剤のAUCが約21%、パクリタキセルのAUCが約23%増加したとの報告がある4)。また、臨床試験において、パクリタキセル単独投与時と比較して、本剤とパクリタキセル併用時に下痢と好中球数減少の発現率及び重症度が増加した5)。 | 本剤のCYP3A4とCYP2C8に対する阻害作用が示されている。また、パクリタキセルはP-糖蛋白質の基質であるため、その寄与の可能性もある。 |
P-糖蛋白質を阻害する薬剤 ベラパミル イトラコナゾール キニジン シクロスポリン エリスロマイシン等 P-糖蛋白質を誘導する薬剤等 リファンピシン セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等 | 本剤の血中濃度や分布に影響を与える可能性がある。 | 本剤はP-糖蛋白質の基質であることが示されている。 |
P-糖蛋白質の基質薬剤 ジゴキシン等 | 経口投与のジゴキシンのAUCが約80%増加したとの報告がある6)。 | 本剤のP-糖蛋白質に対する阻害作用が示されている。 |
パゾパニブ塩酸塩 | 本剤との併用によりパゾパニブ塩酸塩のAUC及びCmaxは、それぞれ約59%及び51%増加した7)。 | 本剤はCYP3A4、P-糖蛋白質及びBCRPの基質であり阻害作用を有することによる。 |
イリノテカン | FOLFIRIレジメンの一部として投与した時、イリノテカンの活性代謝物であるSN-38のAUCが約41%増加したとの報告がある8)。 | 機序は不明である。 |
プロトンポンプ阻害剤 エソメプラゾール等 | エソメプラゾールとの併用により、本剤のAUCが約15%減少したとの報告がある9)。 | 胃内pHの上昇により、本剤の溶解度が低下し吸収が低下する可能性がある。 |
QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤 イミプラミン ピモジド等 抗不整脈薬 キニジン プロカインアミド ジソピラミド等 | QT間隔延長を起こす又は悪化させるおそれがある。 | 本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあり、併用により作用が増強する可能性がある。 |
10%以上 | 1〜10%未満 | 1%未満 | 頻度不明 | |
胃腸障害 | 下痢注2)、悪心、嘔吐 | 口内炎、消化不良、腹痛、上腹部痛、口内乾燥、便秘、口腔内潰瘍形成、胃食道逆流性疾患、腹部膨満(鼓腸を含む)、放屁 | 嚥下障害、痔核、口唇のひび割れ、口唇乾燥、歯肉炎、舌痛、胃炎、口唇水疱、歯肉痛、アフタ性口内炎、口唇炎、口唇潰瘍、消化器痛、大腸炎、レッチング、胃腸炎、口腔咽頭痛 | 消化管潰瘍、胃不快感、胃腸出血、下腹部痛、血便排泄、口の錯感覚、口唇びらん、歯肉出血、心窩部不快感、舌炎、舌障害、舌苔、肛門出血 |
皮膚及び皮下組織障害注3) | 手掌・足底発赤知覚不全症候群、発疹、爪の障害、皮膚乾燥 | そう痒症、脱毛症、ざ瘡、ざ瘡様皮膚炎、皮膚亀裂(ひび・あかぎれを含む)、紅斑、爪破損、皮膚色素過剰、皮膚剥脱、爪毒性、皮膚炎 | 爪甲離床症、斑状皮疹、剥脱性発疹、斑状丘疹状皮疹、皮膚病変、皮膚疼痛、痂皮、紅斑性皮疹、多汗症、皮膚障害、全身性皮疹、皮膚変色、乾皮症、皮膚刺激、皮膚潰瘍、毛髪成長異常、手掌紅斑、水疱、多形紅斑、過角化、色素沈着障害、斑、皮膚肥厚 | 脂漏性皮膚炎、湿疹、皮膚反応、接触性皮膚炎、嵌入爪、丘疹、紅色汗疹、爪痛、皮脂欠乏性湿疹 |
全身障害及び投与局所様態 | 疲労 | 疼痛、無力症、粘膜の炎症、浮腫、発熱、末梢性浮腫、粘膜乾燥、悪寒 | 腋窩痛、治癒不良、顔面浮腫、壊死、不快感 | けん怠感、胸部不快感、胸痛、口渇、熱感、冷感 |
神経系障害 | - | 頭痛、味覚異常、嗜眠、錯感覚、末梢性ニューロパチー、浮動性めまい、感覚鈍麻 | 末梢性感覚ニューロパチー、異常感覚、知覚過敏、血管迷走神経性失神、神経毒性、嗅覚錯誤、神経痛 | 傾眠、体位性めまい |
代謝及び栄養障害 | - | 食欲減退(食欲不振を含む)、低カリウム血症、脱水 | 低ナトリウム血症、ラクトース不耐性、低蛋白血症 | 高血糖、高カリウム血症(血中カリウム増加を含む)、高尿酸血症(血中尿酸増加を含む)、低アルブミン血症(血中アルブミン減少を含む)、高カルシウム血症(血中カルシウム増加を含む)、低クロール血症 |
筋骨格系及び結合組織障害 | - | 四肢痛、背部痛、筋痙縮、筋痛 | 関節痛、筋骨格硬直、骨痛、関節硬直、四肢不快感 | 筋骨格痛 |
呼吸器、胸郭及び縦隔障害 | - | 鼻出血、呼吸困難、鼻乾燥、咳嗽 | 鼻部不快感、鼻潰瘍、アレルギー性鼻炎、肺塞栓症、鼻漏、副鼻腔障害、喘息 | 咽喉頭疼痛、発声障害、鼻閉 |
感染症及び寄生虫症 | - | 爪囲炎、限局性感染、爪感染、上気道感染、口腔カンジダ症 | 真菌感染、鼻炎、皮膚感染、足部白癬、尿路感染、鼻咽頭炎、膀胱炎、インフルエンザ様疾患、感染、耳感染、大腸菌性敗血症 | 咽頭炎、帯状疱疹、単純ヘルペス、爪白癬、肺感染、蜂巣炎、毛包炎 |
臨床検査 | - | 駆出率減少、血中アルカリホスファターゼ増加、体重減少 | ヘモグロビン減少、腎クレアチニン・クリアランス減少、血中クレアチニン増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、血中クレアチニン異常、血中クレアチン異常 | リンパ球数減少、アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加、赤血球数減少、ヘマトクリット減少、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、C-反応性蛋白増加、好塩基球数増加、好酸球百分率増加、総蛋白減少、脳性ナトリウム利尿ペプチド上昇、リンパ球数増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、血中コレステロール増加、血中乳酸脱水素酵素減少、血中乳酸脱水素酵素増加、好塩基球百分率増加、好酸球数増加、単球百分率減少、尿中ケトン体陽性、尿比重増加 |
眼障害注4) | - | 眼乾燥、結膜炎、流涙増加 | 視覚障害、霧視、眼刺激、角膜炎、眼球乾燥、眼瞼浮腫 | 眼の異常感、眼そう痒症、角膜びらん、眼部不快感、羞明、霰粒腫 |
血液及びリンパ系障害 | - | 好中球減少症(好中球数減少を含む)、白血球減少症(白血球数減少を含む)、貧血 | 血小板減少症(血小板数減少を含む)、白血球増加症、血液毒性、好中球増加症 | - |
精神障害 | - | 不眠症 | うつ病、抑うつ気分、気分変動 | - |
肝胆道系障害 | - | 高ビリルビン血症(血中ビリルビン増加を含む) | 肝毒性、胆嚢炎 | - |
生殖系及び乳房障害 | - | - | 膣分泌物、膣の炎症、膣出血、女性生殖器痛、生殖器の炎症 | - |
血管障害 | - | ほてり | 蒼白、低血圧 | 潮紅 |
心臓障害 | - | 心室機能不全 | 動悸、心筋梗塞、心房細動、プリンツメタル狭心症、上室性期外収縮 | 洞性頻脈 |
その他 | - | 皮膚裂傷、回転性めまい | 排尿困難、皮膚の新生物、急性骨髄性白血病 | 血尿(尿中血陽性を含む)、蛋白尿(尿蛋白を含む、過敏症 |
投与量 (例数) | Cmax注1) (ng/mL) | Tmax注2) (h) | AUC0-24注1) (ng・h/mL) | t1/2注1) (h) |
900mg (n=6) | 1895 (1319,2721) | 3.99 (3.00-5.97) | 29272 (21618,39638) | 21.05 (13.08,33.89) |
1200mg (n=6) | 1715 (965,3048) | 3.59 (3.00-7.93) | 25680 (13728,48038) | 19.41 (14.09,26.72) |
1600mg (n=6) | 3111 (1937,4996) | 5.05 (0.93-8.02) | 51099 (28674,91062) | 26.93 (16.38,44.28) |
1800mg (n=5) | 2333 (927,5870) | 3.92 (2.98-7.32) | 39451 (14909,104391) | 28.46 (11.49,70.46) |
有害事象 | 処置 |
Grade2 以下に規定する事象以外 | 休薬(Grade1以下に回復するまで最大14日間可能)した後、 1回目:減量せず又は1段階減量して再開 2回目:1段階減量して再開 3回目:2段階減量して再開 4回目:中止 |
Grade2、3 500/mm3≦Neu<1000/mm3 25000/mm3≦Pt<75000/mm3 6.5g/dL≦Hb<9.0g/dL注1) 1.5mg/dL<Cre≦6×ULN CCr<40mL/min | 休薬(Grade1以下に回復するまで最大14日間可能)した後、 1回目:減量せず又は1段階減量して再開 2回目:1段階減量して再開 3回目:2段階減量して再開 4回目:中止 |
Grade3 上記に規定する事象以外 | 休薬(Grade1以下に回復するまで最大14日間可能)した後、 1回目:1段階減量して再開 2回目:2段階減量して再開 3回目:中止 |
Grade4 | 休薬(Grade1以下に回復するまで最大14日間可能)した後、 減量、継続、再開等は事象毎に判断 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2025/07/23 版 |