国内の医療機関で実施された二重盲検群間比較試験を含む臨床試験で、本剤の効果が判定された189例の試験結果の概要は表1のとおりである
1)2)3)4)5)26)。
表1 臨床試験結果
疾患 | ステージ | 投与量#(mg/日) | 投与期間 | 中等度以上の改善率又は有効率 |
潰瘍性大腸炎 | 活動期 | 750〜2,250 | 4週間 | 改善率:70.3%(78/111) |
寛解期 | 750〜2,250 | 12ヵ月 | 有効率:91.9%(34/37) |
クローン病 | 活動期 | 1,500〜3,000 | 4週間以上12週間 | 改善率:54.8%(17/31) |
寛解期 | 1,500〜3,000 | 12ヵ月 | 有効率:90.0%(9/10) |
潰瘍性大腸炎に対しては、二重盲検群間比較試験において本剤の有用性が認められた。
再燃寛解型で中等症(UC-DAIスコア
#6以上8以下)の潰瘍性大腸炎患者(直腸炎型を除く)123例を対象として、本剤を1日3回2,250mg又は1日2回4,000mgを8週間反復投与し、UC-DAIスコアの改善度について1日4,000mg投与の1日2,250mg投与に対する優越性を検証する無作為化二重盲験並行群間比較試験を実施した。その結果、UC-DAIスコアの投与前後の改善度において、1日4,000mg投与の1日2,250mg投与に対する優越性が検証された(表2)。
副作用発現頻度は2,250mg投与群で25.4%(16/63例)、4,000mg投与群で21.7%(13/60例)であった。主な副作用は、2,250mg投与群では尿中β-NアセチルDグルコサミニダーゼ(NAG)増加6.6%(4/61例)、血小板数増加4.9%(3/61例)、好酸球百分率増加4.8%(3/63例)、胃不快感及びAST増加3.2%(2/63例)、4,000mg投与群では尿中NAG増加10.0%(6/60例)、血中ビリルビン増加5.0%(3/60例)、リンパ球百分率減少3.3%(2/60例)であった。[
7.1参照]
#:排便回数、血便、内視鏡検査による粘膜所見、医師による全般的評価の各項目を0〜3の4段階でスコア付けし、合計したスコア(0〜12)。
表2 用量比較試験におけるUC-DAIスコアの改善度
投与群 | 投与開始日#3 | 投与8週後又は中止時#3 | 投与前後の変化#4 | 投与前後の変化における群間差#4 |
2,250mg(n=59)#1 | 7.0±0.8 | 6.1±3.6 | −0.8[−1.8〜0.1] | −2.2※[−3.4〜−1.0] |
4,000mg(n=59)#2 | 7.0±0.8 | 4.0±2.9 | −3.0[−3.8〜−2.3] |
寛解期潰瘍性大腸炎患者301例を対象として本剤を1日1回(1回1,500mg又は2,250mg)又は1日3回(1回500mg又は750mg)を52週間反復投与し、寛解維持率について1日1回投与の1日3回投与に対する非劣性を検証する無作為化二重盲験並行群間比較試験を実施した。その結果、UC-DAIスコアで評価した寛解維持率において、1日1回投与の1日3回投与に対する非劣性が検証された(表3)。
副作用発現頻度は1日1回投与群で5.9%(9/152例)、1日3回投与群で4.0%(6/149例)であった。主な副作用は、1日3回投与群の胃炎1.3%(2/149例)であった。
表3 寛解維持率
投与群 | 被験者数 | 寛解維持した被験者数#1 | 寛解維持率(%)#2 | 群間差(%)#3 |
1日1回 | 141 | 112 | 79.4 | 7.8[−2.2〜17.8] |
1日3回 | 141 | 101 | 71.6 |