医療用医薬品 : エレンタール |
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販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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エレンタールP乳幼児用配合内用剤 | ELENTAL P | EAファーマ | 3259107A1039 | 6.17円/g |
次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
フェニルケトン尿症等のアミノ酸代謝異常のある患者[高アミノ酸血症等を起こすおそれがある。]
新生児及び乳幼児の下記疾患の栄養管理に用いる。ただし、適用年令は原則として2才未満とする。
小腸切除、回腸瘻造設等で消化吸収障害を有する場合
悪性腫瘍
心疾患術後
難治性下痢
術前に腸管内の清浄化を要する場合
消化管術後で未消化態タンパクを含む栄養物による栄養管理が困難な場合
ヒルシュスプルング病(short segment)の保存療法、胆道閉鎖、栄養障害等で未消化態タンパクを含む栄養物による栄養管理が困難な場合
本剤を水又は微温湯に溶解し、経口又は経管投与する。症状により適宜増減する。
1才未満 20〜30g/kg体重(78〜117kcal/kg体重)
1才〜2才 15〜25g/kg体重(59〜98kcal/kg体重)
(本剤は原則として2才未満の患者に用いるが、2才以上の幼児で特に本剤の投与が必要と判断される場合は1才〜2才の投与量に準じる)
通常、1日3〜10g/kg体重(12〜39kcal/kg体重)で投与を開始し、徐々に投与量を増やし、通常3〜10日で維持量に達する。
濃度は、通常、10〜15W/V%(0.4〜0.6kcal/mL)で投与を開始し、徐々に濃度をあげて、維持期には18〜20W/V%(0.7〜0.8kcal/mL)とする。なお症状により適宜増減する。
経口投与では1日数回に分けて投与し、経管投与では原則として1日24時間持続的に投与する。なお、注入速度は患者の状態により適当に調節する。
本剤を用いて調製した液剤は、静注してはならない。
慎重投与
小腸広範囲切除等による短小腸の患者[下痢の発現頻度が高いため慎重に投与することが望ましい。]
難治性下痢の患者[必ずしも全ての難治性下痢が本剤の適用とは限らないため、栄養状態の改善が望めないと判断された場合は、速やかに中止する。]
低出生体重児[アミノ酸代謝等において、未解明な点もあると考えられ、慎重に投与することが望ましい。]
重要な基本的注意
本剤は原則として2才未満の患者に用い、2才以上の幼児への適用は、特に必要と判断される場合のみ行うこと。
ミルク等の未消化態タンパクを含む栄養物による栄養管理が可能となった場合は、できるだけ速やかに本剤から離脱すること。
誤飲をおこさないように注意して投与すること。
ビタミン、電解質及び微量元素の不足を生じる可能性があるので、必要に応じて補給すること。特に、鉄欠乏性貧血が認められた場合には鉄剤の併用等の処置が有効なことがある。長期投与中に、セレン欠乏症(心機能の低下、爪白色変化、筋力低下等)があらわれることがあり、また、カルニチン欠乏があらわれたとの報告がある。
経管投与患者においては、投与濃度が濃すぎる又は投与速度が速すぎると、投与終了後にダンピング症候群様の低血糖があらわれることがあるので、投与濃度、投与速度に注意すること(用法及び用量を参照)。
副作用
副作用発現状況の概要
承認時臨床試験及び市販後の使用成績調査における調査症例3,389例中、371例(11.0%)に471件の副作用が認められた。主なものは下痢222件(6.6%)、嘔吐58件(1.7%)、腹部膨満15件(0.4%)等の消化管障害、肝機能異常46件(1.4%)、AST(GOT)・ALT(GPT)上昇41件(1.2%)等の肝臓・胆管系障害、発熱11件(0.3%)、貧血7件(0.2%)等であった(再審査終了時)。
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
次のような副作用が認められた場合には、投与を中止又は減量するか、低濃度又は低速度の投与にするなど適切な処置を行うこと。
ショック、アナフィラキシー (頻度不明)
ショック、アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、意識障害、呼吸困難、チアノーゼ、悪心、胸内苦悶、顔面潮紅、そう痒感、発汗等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
低血糖(0.1%未満)
投与終了後にダンピング症候群様の低血糖(倦怠感、発汗、冷汗、顔面蒼白、痙攣、意識低下等)があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には適切な処置を行うこと(用法及び用量を参照)。
その他の副作用
5%以上 | 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | |
消化器 | 下痢 | 腹部膨満、嘔吐、便秘、電解質異常(著しい下痢の場合) | 嘔気 |
肝臓 | AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等の肝機能異常 | ||
血液 | 貧血 | ||
皮膚 | 発疹、湿疹 | ||
その他 | 発熱 | 乏尿、Al-Pの上昇、喘鳴 |
小児等への投与
低出生体重児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
適用上の注意
調製方法
本剤は用時、水又は微温湯に溶解して調製する。(70℃以上の湯では、成分の分解のおそれがある。)
本剤は溶解後6時間以内に使用する。ただし、冷蔵して保存する場合は、30時間以内に使用する。(溶解後の長時間保存は微生物増殖のおそれがある。)
保存時
開封後の粉末は、吸湿に注意して保管し、1週間以内に使用する。
投与濃度、投与量等
本剤は溶解後、経口又は経管で投与する。投与濃度及び投与量は段階的に増加させることが望ましい(用法及び用量を参照)。また、経管で投与する場合は、特に下痢の発現に注意して投与速度を調節し、24時間持続投与を行うことが望ましい。
また、投与濃度が濃すぎる又は投与速度が速すぎると、投与終了後にダンピング症候群様の低血糖を起こすことがあるので、投与濃度、投与速度に注意すること。
その他
可塑剤としてDEHP〔di-(2-ethylhexyl)phthalate;フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)〕を含むポリ塩化ビニル製の栄養セット及びフィーディングチューブ等を使用した場合、DEHPが製剤中に溶出するので、DEHPを含まない栄養セット及びフィーディングチューブ等を使用することが望ましい。
14Cでラベルしたアミノ酸、デキストリン、脂肪、ビタミンB6を各々含む本剤をSD系幼若ラットに投与した結果、各成分は速やかに吸収され、それぞれ蛋白構成成分、エネルギー源等として正常に利用されていることが推察された。また、14CでラベルしたL-チロシンエチルエステル塩酸塩をSD系幼若ラットに投与した実験の結果、L-チロシンエチルエステル塩酸塩は消化管内で分解され、L-チロシンとして吸収されることが明らかになった。
小腸切除、回腸瘻造設等で消化吸収障害を有する症例に対する有効率は、76.7%(46例/60例)であった。
悪性腫瘍症例に対する有効率は、94.4%(17例/18例)であった。
心疾患術後症例に対する有効率は、62.5%(15例/24例)であった。
難治性下痢症例に対する有効率は、71.4%(5例/7例)であった。
術前に腸管内の清浄化を要する症例に対する有効率は、68.3%(56例/82例)であった。
消化管術後で、未消化態タンパクを含む栄養剤による栄養管理が困難な症例に対する有効率は、66.3%(55例/83例)であった。
ヒルシュスプルング病(short segment)の保存療法、胆道閉鎖、栄養障害等で未消化態タンパクを含む栄養物による栄養管理が困難な症例に対する有効率は、77.5%(69例/89例)であった。
新生児に対する有効率は76.1%(67例/88例)、乳児に対する有効率は71.1%(118例/166例)、2才未満の幼児に対する有効率は68.2%(30例/44例)、2才以上の小児に対する有効率は73.8%(48例/65例)であった。
小腸切除した幼若ラット及び正常幼若ラットを本剤で飼育した場合、体重増加にほとんど差がなく、本剤が消化吸収障害を有するラットにおいても有効に利用されることがわかった。
小腸切除した幼若ラットを用いた実験で、本剤はエレンタール配合内用剤、高カロリー輸液に比べ同等以上の栄養学的効果を持つことがわかった。
小腸切除した幼若ラットを用いた実験で、本剤の糞便量は高カロリー輸液投与時とほぼ同等であり優れた低残渣性を示した。
小腸切除した幼若ラットを用いた実験で、本剤はエレンタール配合内用剤に比べ血中アミノグラムが正常に近く、また、BUNの上昇が見られない等幼若ラットに対しより生理的な栄養剤であることが明らかになった。
40g袋×10(0.4kg)
80g袋×10(0.8kg)
1. | 松沢淑雅 他, 基礎と臨床, 19 (2), 973, (1985) |
2. | 松沢淑雅 他, 基礎と臨床, 19 (2), 983, (1985) |
3. | 松沢淑雅 他, 基礎と臨床, 19 (2), 993, (1985) |
4. | 岩渕 眞 他, JJPEN, 6 (6), 803, (1985) |
5. | 小越章平 他, JJPEN増刊, 10 (増), 110, (1980) |
6. | 大橋弘幸 他, 基礎と臨床, 19 (1), 498, (1985) |
7. | 大橋弘幸 他, 基礎と臨床, 19 (1), 505, (1985) |
8. | 大橋弘幸 他, 基礎と臨床, 19 (1), 521, (1985) |
9. | 惣中一郎 他, 基礎と臨床, 19 (1), 532, (1985) |
10. | 大橋弘幸 他, 基礎と臨床, 19 (1), 541, (1985) |
改訂履歴 |
2012年4月 改訂 |
文献請求先 |
EAファーマ株式会社 |
業態及び業者名等 |
製造販売元 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2021/1/20 版 |