医療用医薬品 : ヘパンED |
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販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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ヘパンED配合内用剤 | HEPAN ED | EAファーマ | 3259111A1035 | 7.66円/g |
次の患者には投与しないこと
重症糖尿病、又はステロイド大量投与の患者で糖代謝異常が疑われる場合[高血糖があらわれるおそれがある。]
肝障害以外のアミノ酸代謝異常のある患者[高アミノ酸血症等を起こすおそれがある。]
肝性脳症を伴う慢性肝不全患者の栄養状態の改善
通常、成人に1回量として1包(80g)を約250mLの常温の水又は微温湯に溶かし(約310kcal/300mL)、1日2回食事とともに経口摂取する。なお、年齢・症状に応じて適宜増減する。
<調製方法>
本剤1包(80g)を約1kcal/mLに調製する場合
容器に常温の水又は微温湯を約250mL入れ、本剤1包(80g)を加えて速やかに攪拌する。この場合、溶解後の液量は約300mL(約1kcal/mL)となる。
本剤プラスチック容器入り(80g)を約1kcal/mLに調製する場合
常温の水又は微温湯で溶解し、液量を約300mLの目盛り(凸部)に調製する。
本剤を用いて調製した液剤は、静注してはならない。
慎重投与
腎障害のある患者[腎障害を悪化させるおそれがある。]
重要な基本的注意
肝性脳症を伴う慢性肝不全患者に対して使用すること。昏睡度IV以上の肝性脳症に対する効果及び肝障害の急性期における効果は確認されていない。
本剤は現に肝性脳症が発現している患者、又は本剤の投与を中止すると直ちに脳症が再発すると考えられる患者に使用し、栄養状態の改善のみを目的とした投与は行わないこと(長期間にわたる栄養状態改善効果は確認されていない)。
本剤の1日量(160g)のみでは、必要な1日総カロリー及び蛋白量を満たすことはできないので患者の状態に合わせた適切な食事を併用して必要な総カロリー及び蛋白量を確保すること。
副作用
副作用発現状況の概要
承認時臨床試験及び市販後の使用成績調査における調査症例3,249例中、181例(5.57%)に234件の副作用が認められた。主なものは、腹部膨満・腹部膨満感80件(2.5%)、下痢48件(1.5%)、嘔気21件(0.7%)、嘔吐14件(0.4%)、食欲不振14件(0.4%)、悪心11件(0.3%)等の消化管障害、血糖値の上昇9件(0.3%)、発疹4件(0.1%)等であった(再審査終了時)。
その他の副作用
0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | |
消化器 | 下痢、腹部膨満、悪心、嘔気、嘔吐、食欲不振、腹痛 | |
皮膚 | 発疹 | そう痒感 |
血液 | 好酸球増多 | |
糖代謝 | 血糖値の上昇 | 口渇 |
肝臓 | AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇 |
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
外国において、妊娠前3ヶ月から妊娠初期3ヶ月までにビタミンAを10,000IU/日以上摂取した女性から出生した児に、頭蓋神経堤などを中心とする奇形発現の増加が推定されたとする疫学調査結果があるので、妊娠3ヶ月以内又は妊娠を希望する婦人に投与する場合は用法・用量に留意し、本剤によるビタミンAの投与は5,000IU/日未満に留めるなど必要な注意を行うこと。
小児等への投与
低出生体重児、新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
適用上の注意
投与時
1日量(160g)で補充されるアミノ酸量は22.4g、総カロリーは約620kcalである。残りの必要量は食事から摂取する。
輸液、利尿剤を併用する場合は、その電解質組成、利尿剤の性質に配慮し、血清電解質の変動に注意すること。
調製方法
本剤は用時、常温の水又は微温湯に溶解して調製するが、原則として溶解後6時間以内に使用すること。やむを得ず6時間を超えて保存する場合は冷蔵庫(7℃以下)に保管し、その場合も24時間以内に使用すること。
(参考)動物における吸収、分布、代謝及び排泄
14Cでラベルしたアミノ酸を各々含む本剤をSD系雄性ラットに投与した結果、各アミノ酸は消化管から良好に吸収され、また血中に吸収されたアミノ酸は速やかに血漿蛋白の合成に利用されていることが明らかになった1)。
肝硬変患者の栄養維持・改善を目的として行われた一般臨床試験において、本剤の総合的な有用率は56%(47例/84例)であった2)。
脳症の既往を有する肝硬変患者の栄養管理においてクロスオーバーによる比較試験を行った結果、肝臓食のみの対照期に比し、血漿Fischer比、血中アンモニア値の有意な改善がみられ、精神神経症状に改善傾向が認められた3)。
肝性脳症を有する肝硬変患者を対象として肝臓食との比較試験を行った結果、精神神経症状の改善効果において有意に優れており、血中アンモニア、血漿Fischer比も改善が認められた。また、低栄養状態が進行している症例では、血清総蛋白、アルブミン値においても改善が認められ、その他自他覚症状でも改善が認められた。これらと安全性を総合的に判定した有用率は対照群23%(6例/26例)に対し、本剤56%(18例/32例)であった4)。
肝性脳症モデルとして、肝切除ラットにおけるアンモニア負荷に対する本剤の効果について検討した。その結果、本剤は血漿アンモニア濃度の低下作用、血漿Fischer比の上昇作用を示し、昏睡時間を短縮した5)。
慢性肝不全モデルとして、門脈下大静脈吻合(PCS)ラットにおける本剤の効果について検討した。その結果、本剤は血漿中及び脳内遊離アミノ酸のインバランスを是正し、脳内モノアミン代謝異常を改善した6)。
80%肝切除による重度肝障害モデルラットにおいて、本剤は窒素出納の改善効果を示した7)。
肝硬変モデルとして、四塩化炭素慢性肝障害ラットにおける本剤の効果について検討した。その結果、本剤は肝蛋白合成能の指標とされるヘパプラスチンテストにおいて改善効果を示し、血漿アミノ酸パターンにおいても改善効果を示した8)。
閉塞性黄疸モデルとして、胆管結紮離断ラットにおける本剤の効果について検討した。その結果、本剤は血清総蛋白、アルブミン濃度、血漿アミノ酸パターンの改善効果を示し、窒素出納においても改善効果を示した9)。
80g袋×14(1.12kg)
80g/プラスチック容器/包×28(2.24kg)
1. | 松沢淑雅 他, 基礎と臨床, 21 (6), 2495, (1987) |
2. | 小越章平 他, JJPEN, 9 (3), 391, (1987) |
3. | 林 茂樹 他, JJPEN, 9 (3), 425, (1987) |
4. | 林 茂樹 他, JJPEN, 12 (10), 1267, (1990) |
5. | 大橋弘幸 他, 基礎と臨床, 21 (6), 2509, (1987) |
6. | 大橋弘幸 他, 基礎と臨床, 21 (6), 2519, (1987) |
7. | 大橋弘幸 他, 基礎と臨床, 21 (6), 2533, (1987) |
8. | 大橋弘幸 他, 基礎と臨床, 21 (6), 2543, (1987) |
9. | 大橋弘幸 他, 基礎と臨床, 21 (6), 2551, (1987) |
改訂履歴 |
2012年4月 改訂 |
文献請求先 |
EAファーマ株式会社 |
業態及び業者名等 |
製造販売元 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2021/1/20 版 |