医療用医薬品 : ニフレック

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医薬品情報


総称名 ニフレック
薬効分類名 経口腸管洗浄剤
薬効分類番号 7990
KEGG DRUG D08816 塩化カリウム・塩化ナトリウム・炭酸水素ナトリウム・無水硫酸ナトリウム
商品一覧
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


警告 禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ニフレック配合内用剤 Niflec EAファーマ 7990100A1106 1001.5円/袋 処方箋医薬品

警告

本剤の投与により、腸管内圧上昇による腸管穿孔を起こすことがあるので、排便、腹痛等の状況を確認しながら、慎重に投与するとともに、腹痛等の消化器症状があらわれた場合は投与を中断し、腹部の診察や画像検査(単純X線、超音波、CT等)を行い、投与継続の可否について慎重に検討すること。特に、腸閉塞を疑う患者には問診、触診、直腸診、画像検査等により腸閉塞でないことを確認した後に投与するとともに、腸管狭窄、高度な便秘、腸管憩室のある患者では注意すること(「禁忌」、<用法・用量に関連する使用上の注意>及び「慎重投与」の項参照)。

本剤の投与により、ショック、アナフィラキシー等があらわれるおそれがあるので、自宅での服用に際し、特に副作用発現時の対応について、患者に説明すること。

禁忌

次の患者には投与しないこと

胃腸管閉塞症及び腸閉塞の疑いのある患者[腸管穿孔を起こすおそれがある。]

腸管穿孔[腹膜炎その他重篤な合併症を起こすおそれがある。]

中毒性巨大結腸症[穿孔を引き起こし腹膜炎、腸管出血を起こすおそれがある。]

効能・効果及び用法・用量

効能効果

大腸内視鏡検査、バリウム注腸X線造影検査及び大腸手術時の前処置における腸管内容物の排除

用法用量

本品1袋を水に溶解して約2Lとし、溶解液とする。

通常、成人には、1回溶解液2〜4Lを1時間あたり約1Lの速度で経口投与する。ただし、排泄液が透明になった時点で投与を終了し、4Lを超えての投与は行わない。

大腸内視鏡検査前処置

検査当日に投与する場合

当日の朝食は絶食(水分摂取のみ可)とし、検査開始予定時間の約4時間前から投与を開始する。

検査前日に投与する場合

前日の夕食後は絶食(水分摂取のみ可)とし、夕食後約1時間以上経過した後、投与を開始する。ただし、前日の朝食、昼食は残渣の少ないもの、夕食は固形物の入っていない液状食とする。

バリウム注腸X線造影検査前処置

検査当日の朝は絶食(水分摂取のみ可)とし、検査開始予定時間の約6時間前から投与を開始する。通常、成人には、溶解液の投与開始時にモサプリドクエン酸塩として20mgを溶解液(約180mL)で経口投与する。また、溶解液投与終了後、モサプリドクエン酸塩として20mgを少量の水で経口投与する。

大腸手術前処置

手術前日の昼食後は絶食(水分摂取のみ可)とし、昼食後約3時間以上経過した後、投与を開始する。

用法用量に関連する使用上の注意

排便、腹痛等の状況を確認しながら慎重に投与すること。
約1Lを投与しても排便がない場合には、腹痛、嘔気、嘔吐のないことを必ず確認したうえで投与を継続し、排便が認められるまで十分観察すること。2Lを投与しても排便がない場合は投与を中断し、腹痛、嘔吐等がないことを確認するとともに、腹部の診察や画像検査(単純X線、超音波、CT等)を行い、投与継続の可否について、慎重に検討すること。
また、高齢者では特に時間をかけて投与すること。
本剤をバリウム注腸X線造影検査に用いる際には、2回目のモサプリドクエン酸塩水和物を投与した後はバリウム注腸X線造影検査までは飲食物の摂取を行わないこと。

使用上の注意

慎重投与

狭心症、陳旧性心筋梗塞の患者[本剤投与により体が冷えるため、まれに胸痛を起こすおそれがある。]

腎機能障害を有する患者[まれに嘔吐があらわれることがある。]

腸管狭窄、高度な便秘の患者[腸閉塞及び腸管穿孔を起こすおそれがある。]

腸管憩室のある患者[腸管穿孔を起こしたとの報告がある。]

高齢者[腸管穿孔、腸閉塞を起こした場合は、より重篤な転帰をたどることがある。]

腹部手術歴のある患者[腸閉塞を起こしたとの報告がある。]

誤嚥を起こすおそれのある患者[「2.重要な基本的注意(5)」の項参照]

重要な基本的注意

まれに腸管穿孔、腸閉塞、虚血性大腸炎及びマロリー・ワイス症候群を起こすことがある。腸管穿孔及び虚血性大腸炎は腸管内圧上昇により発症し、マロリー・ワイス症候群は胃内圧上昇あるいは嘔吐、嘔気により発症するので、投与に際しては次の点に留意すること。特に高齢者の場合は十分観察しながら投与すること(「4.高齢者への投与」の項参照)。

患者の日常の排便の状況を確認し、本剤投与前日あるいは投与前にも通常程度の排便があったことを確認した後投与すること。

短時間での投与は避ける(1L/時間をめどに投与すること)とともに、腸管の狭窄あるいは便秘等で腸管内に内容物が貯溜している場合には注意して投与すること(「警告」及び<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)。

本剤の投与により排便があった後も腹痛、嘔吐が継続する場合には、腹部の診察や画像検査(単純X線、超音波、CT等)を行い、腸管穿孔等がないか確認すること。

排便に伴う腸管内圧の変動により、めまい、ふらつき、一過性の血圧低下等が発現することがあるので、十分に観察しながら投与すること。

本品の溶解液に他成分や香料を添加した場合、浸透圧や電解質濃度が変化したり、腸内細菌により可燃性ガスが発生する可能性があるので添加しないこと。

自宅で服用させる場合は、次の点に留意すること。

患者の日常の排便の状況を確認させるとともに、前日あるいは服用前に通常程度の排便があったことを確認させ、排便がない場合は相談するよう指導すること。

副作用があらわれた場合、対応が困難な場合があるので、一人での服用は避けるよう指導すること。

飲み始めのコップ2〜3杯目までは、特にゆっくり服用させ、アナフィラキシーの徴候に注意するよう指導すること。

消化器症状(腹痛、嘔気、嘔吐等)やショック、アナフィラキシー等の本剤の副作用についての説明をし、このような症状があらわれた場合は、服用を中止し、直ちに受診する旨を伝えること。また、服用後についても、同様の症状があらわれるおそれがあるので、あらわれた場合には、直ちに受診する旨を伝えること。

誤嚥により、嚥下性肺炎、呼吸困難等を起こすことがあるので、誤嚥を起こすおそれのある患者(高齢者、嚥下が困難な患者等)に投与する際には注意すること。

糖尿病用薬を投与中の患者への投与

糖尿病用薬により血糖をコントロールしている患者については、検査前日の本剤投与は避け、検査当日に十分観察しながら本剤を投与すること。また、糖尿病用薬の投与は検査当日の食事摂取後より行うこと。[食事制限により低血糖を起こすおそれがある。]

薬剤の吸収に及ぼす影響

本剤による腸管洗浄が経口投与された薬剤の吸収を妨げる可能性があるので、投与時間等に注意すること。また、薬剤の吸収阻害が臨床上重大な問題となる薬剤を投与中の患者については、院内で十分観察しながら投与すること。

本剤をバリウム注腸X線造影検査の前処置に用いる際には、モサプリドクエン酸塩水和物の添付文書に記載されている重大な副作用等の使用上の注意を必ず確認すること。

副作用

副作用発現状況の概要

再審査調査終了時までの成績

総症例11,866例中、298例(2.51%)に副作用が認められ、その主なものは、嘔吐100件(0.84%)、腹部膨満感55件(0.46%)、悪心54件(0.46%)、冷感40件(0.34%)、嘔気37件(0.31%)等であった。また、臨床検査値の異常が157例(1.32%)224件に認められ、その主なものは、尿ケトン体陽性28件(0.24%)、AST(GOT)上昇22件(0.19%)、ALT(GPT)上昇22件(0.19%)、LDH上昇16件(0.13%)であった。

前日投与法の用法追加の比較試験成績

投与された147例中130例(88.4%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められ、主なものは腹部膨満感92件(62.6%)、嘔気52件(35.4%)、腹痛34件(23.1%)、冷感40件(27.2%)、倦怠感20件(13.6%)、ふらつき感15件(10.2%)、嘔吐9件(6.1%)、頭痛7件(4.8%)、不眠(前日投与法のみに発現)6件(4.1%)、ビリルビン値上昇6件(4.1%)、AST(GOT)上昇4件(2.7%)、ALT(GPT)上昇2件(1.4%)等であった。なお、本項では、因果関係を否定できないすべての自他覚症状を副作用とした。

モサプリドクエン酸塩水和物を併用したバリウム注腸X線造影検査試験の成績

承認までの臨床試験において、投与された252例中47例(18.65%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められ、主なものは嘔気14件(5.56%)、腹部膨満感10件(3.97%)、腹痛6件(2.38%)、尿潜血陽性5件(1.98%)、頭痛3件(1.19%)、尿蛋白陽性3件(1.19%)、嘔吐2件(0.79%)、LDH上昇2件(0.79%)、白血球増多2件(0.79%)等であった。
市販後の使用成績調査では、1,306例中6例(0.46%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められ、主なものは、異常感2件(0.15%)であった。(再審査終了時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

ショック、アナフィラキシー

ショック、アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、顔面蒼白、血圧低下、嘔吐、嘔気持続、気分不良、眩暈、冷感、蕁麻疹、呼吸困難、顔面浮腫等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
なお、自宅で服用させる場合は、「2.重要な基本的注意(4)」の項を参照し、指導すること。

腸管穿孔、腸閉塞、鼡径ヘルニア嵌頓

腸管穿孔、腸閉塞、鼡径ヘルニア嵌頓を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、腹部の診察や画像検査(単純X線、超音波、CT等)を行い、適切な処置を行うこと。
なお、自宅で服用させる場合は、「2.重要な基本的注意(4)」の項を参照し、指導すること。

低ナトリウム血症

嘔吐によって低ナトリウム血症をきたし、意識障害、痙攣等があらわれることがあるので、この様な症状があらわれた場合には、電解質補正等の適切な処置を行うこと。
なお、自宅で服用させる場合は、「2.重要な基本的注意(4)」の項を参照し、指導すること。

虚血性大腸炎

虚血性大腸炎を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
なお、自宅で服用させる場合は、「2.重要な基本的注意(4)」の項を参照し、指導すること。

マロリー・ワイス症候群

嘔吐、嘔気に伴うマロリー・ワイス症候群を起こすことがあるので、観察を十分に行い、吐血、血便等が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
なお、自宅で服用させる場合は、「2.重要な基本的注意(4)」の項を参照し、指導すること。

その他の副作用

 5%以上0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症  蕁麻疹、発疹 
中枢・末梢神経系ふらつき感、冷感  意識障害
精神神経系 不眠  
消化器腹部膨満感、嘔気、腹痛、嘔吐腹鳴肛門部痛 
循環器  胸痛 
内分泌 尿ケトン体陽性、尿酸値上昇低血糖発作、血糖値上昇 
肝臓 AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、LDH上昇、ビリルビン値上昇、蛋白上昇、蛋白低下、アルカリフォスファターゼ上昇  
腎臓 尿蛋白陽性、尿潜血陽性  
血液 白血球減少、白血球増多血清カリウム上昇、血清カリウム低下 
その他倦怠感頭痛、口渇、頻尿、胸やけ、さむけ発熱、頭重感、ほてり発赤、顔面紅潮

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、投与速度を遅くし、十分観察しながら投与すること。特に高齢者において腸管穿孔、腸閉塞を起こした場合は、より重篤な転帰をたどることがあるため、投与中は観察を十分行い、異常が認められた場合には投与を中止し、腹部の診察や画像検査(単純X線、超音波、CT等)を行い、適切な処置を行うこと。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上廻ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験が少ない。]

適用上の注意

調製方法

本品は1袋全量を水に溶解し、約2Lの溶解液とした後投与すること(1袋中の各成分が均一に混合されていないため、必ず1袋をまとめて溶解すること)。

調製時

本品の溶解液に他成分や香料の添加をしないこと(「2.重要な基本的注意(3)」の項参照)。

保存時

溶解後速やかに使用することが望ましいが、やむを得ずすぐに使用できない場合には、冷蔵庫内に保存し、48時間以内に使用すること。

投与速度

溶解液(約180mL)をコップに移し、1時間にコップ6杯(約1L)をめどとすること。

投与時

多くの場合約1Lを投与したころから排便が始まり、以後数回の排便が生じるが、投与は排泄液がほぼ透明になるまで続ける。ただし、4Lを上限とする。投与終了後も数回排便が生じることがある。

バリウム注腸X線造影検査の実施時

検査に使用するバリウム造影剤の濃度は110W/V%以上にすることが望ましい。濃度が110W/V%より低い場合は腸管へのバリウム造影剤の付着が不十分となる可能性がある。

薬物動態

[1]

健常成人男子に本剤の溶解液1L(2名)、2L(2名)、3L(2名)、4L(6名)、5L(2名)を投与した結果、いずれの投与量においても血清電解質、尿量及び尿中電解質に臨床上問題となるような変動は及ぼさず、糞便とともに体外に排泄された。

臨床成績

承認申請時

大腸内視鏡検査前処置及び大腸手術前処置に対する比較及び一般臨床試験は、国内延べ120施設、計1,072例を対象として実施された。その概要は次のとおりであり、高い有効性が確認された。

臨床効果

区分\有効率著効有効以上やや有効以上
大腸内視鏡検査前処置65.9%
(508/771)
95.6%
(737/771)
99.0%
(763/771)
大腸手術前処置42.0%
(87/207)
91.3%
(189/207)
97.1%
(201/207)
解析対象例大腸内視鏡検査前処置 771例大腸手術前処置 207例

用法追加申請時[2]

大腸内視鏡検査前処置における前日投与法と当日投与法との比較試験は、国内21施設、計153例を対象として実施された。その概要は次のとおりであり、有効性は当日投与法と同等であることが確認された。

臨床効果

区分\有効率著効有効以上やや有効以上
前日投与群41.4%
(24/58)
89.7%
(52/58)
98.3%
(57/58)
当日投与群58.5%
(38/65)
89.2%
(58/65)
100.0%
(65/65)

バリウム注腸X線造影検査[3]

バリウム注腸X線造影検査前処置におけるブラウン変法との比較試験は、国内6施設、計99例を対象として実施された。本剤とモサプリドクエン酸塩水和物併用群の「右大腸バリウムの付着性スコア」及び「右大腸便残渣の量スコア」はブラウン変法群に劣らないことが確認された。

臨床効果

ブラウン変法群本剤とモサプリドクエン酸塩水和物との併用群
右大腸バリウムの付着性スコア9.4±1.09.3±1.5
右大腸便残渣の量スコア9.2±1.510.8±1.6
平均値±標準偏差、各群46例スコア:右大腸(横行結腸、上行結腸、盲腸)の「バリウムの付着性」及び「便残渣の量」について、部位毎に5段階評価し、3部位の点数を合計したもの(最高:15点、最低:3点)。

薬効薬理

腸管内洗浄効果

本剤の反復経口投与により、ラット(非絶食、絶食及び盲腸切除非絶食)では水様便を排泄して腸管内容物が有意に減少するのが観察され、明らかな腸管内洗浄効果が確認された。同様に、イヌ(16時間絶食)においても本剤の反復経口投与により水様便を排泄し、これが次第に透明液となるのが観察され、明らかな腸管内洗浄効果が確認された[4]。また、モサプリドクエン酸塩水和物との併用投与により、モルモットでは結腸内水分重量が減少し、さらに結腸内洗浄効果が増強された[5]

電解質バランスに及ぼす影響[4]

本剤はイヌ(16時間絶食)及びラット(24時間絶食)において、血清Na+、Cl−及び血液pHをほとんど変化させず、血清電解質バランスを大きく崩さなかった。またラット(24時間絶食)における尿量及び尿中電解質の変化は、生理食塩液及びBES(balanced electrolyte solution)に比し少なかった。

包装

137.155g×10袋(プラスチックバッグ)

主要文献


1. 細田四郎 他,  薬理と治療,  17,  3427,  (1989)
2. 三木一正 他,  薬理と治療,  26,  597,  (1998)
3. 杉野吉則 他,  日本大腸検査学会雑誌,  25,  99,  (2008)
4. 木村伊佐美 他,  応用薬理,  38,  63,  (1989)
5. Mine,Y.,et al.,  J Pharmacol Sci,  110,  415,  (2009) »PubMed

作業情報


改訂履歴

2016年4月 改訂
2016年4月 第10版 改訂

文献請求先

EAファーマ株式会社
104-0042
東京都中央区入船二丁目1番1号
0120-917-719

業態及び業者名等

製造販売元
EAファーマ株式会社
東京都中央区入船二丁目1番1号


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2018/12/19 版