2.1 重篤な心障害のある患者[本剤の投与により増加するアルコール代謝物アセトアルデヒドが悪影響を及ぼすおそれがある。]
2.3 重篤な腎機能障害のある患者[
9.2.1参照]
2.4 重篤な呼吸器疾患のある患者[本剤の投与により増加するアルコール代謝物アセトアルデヒドが呼吸機能に抑制的に作用する。]
2.5 アルコールを含む医薬品(エリキシル剤、薬用酒等)を投与中の患者[
8.3、
10.1参照]
2.6 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[
9.5参照]
断酒療法として用いる場合には、シアナミドとして、通常1日50〜200mg(1%溶液として5〜20mL)を1〜2回に分割経口投与する。
本剤を1週間投与した後に通常実施する飲酒試験の場合には、患者の平常の飲酒量の十分の一以下の酒量を飲ませる。飲酒試験の結果発現する症状の程度により、本剤の用量を調整し、維持量を決める。
節酒療法の目的で用いる場合には、飲酒者のそれまでの飲酒量によっても異なるが、酒量を清酒で180mL前後、ビールで600mL前後程度に抑えるには、通常シアナミドとして15〜60mg(1%溶液として1.5〜6mL)を1日1回経口投与する。飲酒抑制効果の持続するものには隔日に投与してもよい。
8.1 本剤による治療に先立ち、本剤服用中に飲酒した場合の反応を説明して患者及びその家族等の了解を得ること。また、飲酒試験が終了するまでは、入院させることが望ましい。
8.2 投与前に、アルコールの体内残留の有無を確かめること。
8.4 飲酒試験時に急激なシアナミド−アルコール反応(顔面潮紅、血圧低下、胸部圧迫感、心悸亢進、呼吸困難、失神、頭痛、悪心・嘔吐、めまい、痙攣等)があらわれることがあるので、本剤の投与量、飲酒量等の個人差及び飲酒速度を考慮し、慎重に飲酒試験を行うこと。なお、症状が激しい場合には、酸素吸入、昇圧剤、輸液の投与等適切な処置を行うこと。
8.5 飲酒試験の際の飲酒は、本剤投与後10分〜12時間以内に行うが、この場合清酒90mLを10〜15分以上かけて飲むような、比較的遅い速度で行うことが望ましい。[
10.1参照]
8.6 注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
8.7 肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を実施すること。[
11.1.4参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者
9.1.2 脳の器質障害のある患者
本剤の投与により増加するアルコール代謝物アセトアルデヒドが悪影響を及ぼすおそれがある。
9.1.3 糖尿病の患者
9.1.4 甲状腺機能低下症の患者
類薬ジスルフィラムの動物実験で抗甲状腺作用が報告されている。
9.1.5 本剤に対して過敏症の既往歴のある患者
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎機能障害のある患者
投与しないこと。腎機能障害を悪化させるおそれがある。[
2.3参照]
9.2.2 腎機能障害のある患者(重篤な腎機能障害のある患者を除く)
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害のある患者
投与しないこと。スリガラス様封入体の発現により悪影響を及ぼすおそれがある。[
2.2、
11.1.4参照]
9.3.2 肝機能障害のある患者(重篤な肝機能障害のある患者を除く)
スリガラス様封入体の発現により悪影響を及ぼすおそれがある。[
11.1.4参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。[
2.6参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、落屑性紅斑(いずれも頻度不明)
11.1.2 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること
1)。
11.1.3 再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少(いずれも頻度不明)
11.1.4 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、γ-GTP、LDH、ALP、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。また、長期投与により肝細胞にスリガラス様封入体(ground glass inclusion)があらわれることがある
2)3)。[
2.2、
8.7、
9.3.1、
9.3.2参照]
注)発現頻度は、再評価結果の結果を含む。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| | 0.1〜5%未満 | 頻度不明 |
| 精神神経系 | 頭痛、不眠 | |
| 過敏症 | | 発疹 |
| 皮膚 | | 苔癬型薬疹、脱毛 |
| 消化器 | 悪心・嘔吐 | |
| その他 | 倦怠感 | 白血球増多、味覚障害、発熱 |
16.1 血中濃度
健康成人4例に本剤を0.3、1、1.5mg/kg
注)を単回経口投与した場合、吸収は速やかで、最高血中濃度は10.5〜15.5分後に得られ、血漿中濃度の半減期は39.9〜76.5分であった
4)(外国人のデータ)。
| 投与量(mg/kg) | tmax(min) | Cmax(ng/mL) | t1/2(min) | AUC0-∞(ng・min/mL) |
| 0.3 | 15.5±5.3 | 197±134 | 39.9±7.5 | 10279±5159 |
| 1 | 10.5±4.2 | 902±362 | 76.5±13.3 | 48625±3290 |
| 1.5 | 14.6±4.6 | 1706±1040 | 61.5±2.8 | 83254±26144 |
16.2 吸収
16.2.1 吸収部位
16.2.2 バイオアベイラビリティ
健康成人に本剤を0.3、1mg/kg
注)を単回経口投与した場合、53±24%、70±16%(平均値±SD)であった
4)。
16.4 代謝
シアナミドは十二指腸以下ではdicyandiamideに変化する
5)。
注)本剤の承認用量は通常1日50〜200mg(1%溶液として5〜20mL)である。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
1,185例の慢性アルコール中毒患者及び過飲酒者等に節酒あるいは断酒を目的として治療を行った結果、有効率は76.2%(903例/1,185例)であった。