消化管に通過障害を有する患者[排泄に支障をきたすおそれがある。]
下記の疾患における尿毒症症状の改善及び透析導入の遅延
5.1 進行性の慢性腎不全と診断された保存療法期の患者を対象とすること。
本剤適用の前には血清クレアチニンの上昇により進行性の慢性腎不全であることを確認した上で、適用を考慮すること。
5.2 透析導入の遅延に関しては、本剤適用前の血清クレアチニン(S-Cr)の上昇の割合が中等度以上(1ヵ月当りの1/S-Crの変化が0.01dL/mg以上)であることを確認した上で、本剤の適用を考慮すること。これに相当する血清クレアチニン値の変化の目安は次表の通りである。
1ヵ月前の血清クレアチニン値→現在の血清クレアチニン値 |
2.9mg/dL→3.0mg/dL |
4.8mg/dL→5.0mg/dL |
6.5mg/dL→7.0mg/dL |
通常、成人に1日6gを3回に分割し、経口投与する。
本剤服用中においては、血清クレアチニン及び尿毒症症状の変化等の経過を適宜観察し、投与開始6ヵ月を目標に投与継続の適否を検討する。改善が見られない場合には、中止又は他の療法を考慮する等の適切な処置を行うこと。
8.1 本剤服用中において改善が望めない状態に至った時は、透析療法導入等の適切な処置を行うこと。
8.2 他剤を併用する場合、本剤は吸着剤であることを考慮し、本剤との同時服用は避けること。[
10.2参照]
8.3 ビタミンやホルモン等の生体内における恒常性については、これまでに特記すべき異常は認められていないが、本剤は吸着剤であることを考慮して、特に長期投与の際には、全身状態等に注意すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 消化管潰瘍、食道静脈瘤を有する患者
固体のまま消化管を通過するので、患部を刺激するおそれがある。
9.1.2 便秘を起こしやすい患者
便秘を増悪するおそれがあり、また基礎疾患に肝障害を有する患者では血中アンモニア値の上昇があらわれることがある。
9.5 妊婦
妊娠又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下しており、副作用があらわれやすい。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験(一般臨床試験)
保存療法期の慢性腎不全患者566例を対象として、本剤の投与を1日3〜6g(分3)より開始し、主治医の判断により増減して実施された。その結果、透析導入時期は本剤投与で非投与群に比し延長されることが認められた。投与量6g/日における腎不全進行速度・自覚症状などに対する主治医判定は、有効以上55%(50/91)、やや有効以上85%(77/91)であった
3)。
17.1.2 国内第III相試験(二重盲検比較試験)
プラセボを対照薬として、進行性の慢性腎不全患者244例(本剤群124例、プラセボ群120例)を対象とし、1日6g(分3)、24週間の投与で実施された。その結果、本剤群では血清クレアチニンの逆数〜時間プロットの傾斜(S-Cr逆数傾斜)が試験後に有意に緩やかになり、また尿毒症症状は投与2週後より本剤群がプラセボ群に比し優れた改善を示した。本剤群の全般改善度は改善以上45%(55/122)、やや改善以上71%(87/122)であり、プラセボ群の22%(26/119)、33%(39/119)に比べ有意に優れていた
4)。
S-Cr逆数傾斜の試験開始前後の比較
| 症例数 | 前 | 後 | W検定 |
A群 | 119 | −329±245 | −222±378 | p<0.001 |
P群 | 118 | −293±184 | −274±279 | N.S. |
<クレメジンカプセル200mg>
1,000カプセル[10カプセル(PTP)×100]
<クレメジン細粒分包2g>