医療用医薬品 : サンピロ

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医薬品情報


総称名 サンピロ
一般名 ピロカルピン塩酸塩
欧文一般名 Pilocarpine Hydrochloride
製剤名 ピロカルピン塩酸塩点眼液
薬効分類名 緑内障治療点眼剤
薬効分類番号 1312
ATCコード S01EB01
KEGG DRUG
D02200 ピロカルピン塩酸塩
KEGG DGROUP
DG03201 眼圧降下薬
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2021年2月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
サンピロ点眼液0.5% Sanpilo ophthalmic solution 参天製薬 1312701Q1063 99.3円/瓶 劇薬
サンピロ点眼液1% Sanpilo ophthalmic solution 参天製薬 1312701Q2086 107.8円/瓶 劇薬
サンピロ点眼液2% Sanpilo ophthalmic solution 参天製薬 1312701Q3082 121.6円/瓶 劇薬
サンピロ点眼液3% Sanpilo ophthalmic solution 参天製薬 1312701Q4046 134.3円/瓶 劇薬
サンピロ点眼液4% Sanpilo ophthalmic solution 参天製薬 1312701Q5050 141.8円/瓶 劇薬

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 虹彩炎の患者[縮瞳により虹彩の癒着を起こす可能性があり、また炎症を悪化させるおそれがある。]

4. 効能または効果

緑内障、診断または治療を目的とする縮瞳

6. 用法及び用量

ピロカルピン塩酸塩として、通常0.5〜4%液を1日3〜5回、1回1〜2滴宛点眼する。

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤の点眼後、縮瞳(暗黒感)又は調節痙攣が起こるので、その症状が回復するまで機械類の操作や自動車等の運転には従事させないよう注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 気管支喘息の患者
気管支収縮作用により喘息発作を強めるおそれがある。
9.1.2 網膜剥離の危険のある患者
縮瞳により網膜剥離を起こすおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。子宮筋の収縮を起こす可能性がある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 眼類天疱瘡(頻度不明)
結膜充血、角膜上皮障害、乾性角結膜炎、結膜萎縮、睫毛内反、眼瞼眼球癒着等があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
眼瞼炎、白内障、結膜充血、眼のそう痒感、眼刺激、眼痛、霧視、暗黒感
消化器下痢、悪心・嘔吐
その他頭痛、発汗、流涎

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
・薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
・患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1〜5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫させた後、開瞼すること。
・他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
本剤の使用により、錯乱、記憶障害等の精神症状があらわれたとの報告がある。

16. 薬物動態

16.3 分布
白内障の摘出術施行中の患者において、2%ピロカルピン塩酸塩を2滴点眼した後に房水を採取し、房水中のピロカルピン塩酸塩濃度を測定した。点眼してから房水を採取するまでの時間はほとんどの症例において点眼6〜26分後に行われ、どの測定時点においても濃度は5μg/mLを超えることはなく、検討した71眼における平均濃度は1.67μg/mLであった。なお、この値より推定されたピロカルピン塩酸塩の房水中への平均移行率は約0.03%であった1)(外国人データ)。
16.4 代謝
ウサギにピロカルピンを点眼すると、角膜でエステラーゼによる加水分解を受け、pilocarpic acidへと代謝されるが、有色ウサギではこの代謝速度が白色ウサギに比べ102倍近く速い2)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
ピロカルピンは点眼により速やかに眼内に移行し、副交感神経支配の瞳孔括約筋に直接作用してこれを収縮させ、縮瞳する。また、毛様体筋を収縮させることにより線維柱帯が広がり、房水流出が促進され、眼圧が下降する。ピロカルピンのこの作用は副交感神経遮断薬(アトロピン等)により拮抗される3)
18.2 眼圧下降作用
緑内障患者にピロカルピンを点眼すると、一部の患者では30分以内に軽度の一過性眼圧上昇を確認したが、その一過性上昇の有無にかかわらず、3時間前後に眼圧は最低となった。眼圧下降度は、眼圧の高い症例ほど大きかった。また、ピロカルピン点眼後に房水流出率の有意な増加が認められた4)
健康人もしくは緑内障患者にピロカルピンを1日4回、数日間点眼すると、全症例に眼圧の低下が認められ、眼圧下降率は正常眼で8〜38%、緑内障眼で12〜40%であり、いずれも点眼前の眼圧が高いほど、眼圧下降度は大きかった。また、ほとんどの症例において、ピロカルピン点眼後に眼圧日内変動幅の減少と房水流出率の増加が認められた5)(外国人データ)。
18.3 縮瞳作用
緑内障患者にピロカルピンを点眼すると、約8分後より縮瞳が始まり、おおむね1時間で瞳孔径は最小となり、この状態は数時間続いた4)
また、健康成人に1%ピロカルピン塩酸塩を1滴点眼すると、おおむね10分後より縮瞳が始まり、30分以内に瞳孔径は最小となり、点眼前の状態に戻るまで6時間以上を要した6)(外国人データ)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ピロカルピン塩酸塩

一般的名称 ピロカルピン塩酸塩
一般的名称(欧名) Pilocarpine Hydrochloride
化学名 (3S,4R)-3-Ethyl-4-(1-methyl-1H-imidazol-5-ylmethyl)-4,5-dihydrofuran-2(3H)-one monohydrochloride
分子式 C11H16N2O2・HCl
分子量 244.72
物理化学的性状 本品は無色の結晶又は白色の粉末で、においはなく、味は僅かに苦い。
本品は酢酸(100)に極めて溶けやすく、水、メタノール又はエタノール(95)に溶けやすく、無水酢酸にやや溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品1.0gを水10mLに溶かした液のpHは3.5〜4.5である。
本品は吸湿性である。
本品は光によって変化する。
KEGG DRUG D02200

22. 包装

<サンピロ点眼液0.5%>
プラスチック点眼容器 5mL×10本
<サンピロ点眼液1%>
プラスチック点眼容器 5mL×10本
<サンピロ点眼液2%>
プラスチック点眼容器 5mL×10本
<サンピロ点眼液3%>
プラスチック点眼容器 5mL×10本
<サンピロ点眼液4%>
プラスチック点眼容器 5mL×10本

23. 主要文献

  1. Krohn,D.L.et al., Am.J.Ophthalmol., 87, 50-56, (1979) »PubMed
  2. Lee,V.H.et al., Invest.Ophthal.Vis.Sci., 19, 210-213, (1980) »PubMed
  3. W.H.Havener, Ocular Pharmacology 6th Ed., 116-124, (1994)
  4. 景山万里子, 臨床眼科, 12, 877-882, (1958)
  5. Krill,A.E.et al., Am.J.Ophthalmol., 57, 34-41, (1964) »PubMed
  6. Lowenstein,O.et al., Arch.Ophthalmol., 50, 311-318, (1953)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
参天製薬株式会社 製品情報センター 受付時間 9:00〜17:00(土・日・祝日を除く)
〒530-8552(個別郵便番号) 大阪市北区大深町4-20
電話:0120-921-839
06-7664-8624
製品情報問い合わせ先
参天製薬株式会社 製品情報センター 受付時間 9:00〜17:00(土・日・祝日を除く)
〒530-8552(個別郵便番号) 大阪市北区大深町4-20
電話:0120-921-839
06-7664-8624

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
参天製薬株式会社
大阪市北区大深町4-20

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2024/11/20 版