医療用医薬品 : ワンアルファ |
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総称名 | ワンアルファ |
一般名 | アルファカルシドール |
欧文一般名 | Alfacalcidol |
製剤名 | アルファカルシドール製剤 |
薬効分類名 | 活性型ビタミンD3製剤 |
薬効分類番号 | 3112 |
ATCコード | A11CC03 |
KEGG DRUG |
D01518
アルファカルシドール
商品一覧 相互作用情報 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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ワンアルファ錠0.25μg | Onealfa Tablets 0.25μg | 帝人ファーマ | 3112001F1055 | 11.5円/錠 | 劇薬 |
ワンアルファ錠0.5μg | Onealfa Tablets 0.5μg | 帝人ファーマ | 3112001F2051 | 11.5円/錠 | 劇薬 |
ワンアルファ錠1.0μg | Onealfa Tablets 1.0μg | 帝人ファーマ | 3112001F3058 | 31.5円/錠 | 劇薬 |
本剤は、患者の血清カルシウム濃度の十分な管理のもとに、投与量を調整する。
慢性腎不全、骨粗鬆症の場合
通常、成人1日1回アルファカルシドールとして0.5〜1.0μgを経口投与する。ただし、年齢、症状により適宜増減する。
副甲状腺機能低下症、その他のビタミンD代謝異常に伴う疾患の場合
通常、成人1日1回アルファカルシドールとして1.0〜4.0μgを経口投与する。ただし、疾患、年齢、症状、病型により適宜増減する。
(小児用量)
通常、小児に対しては骨粗鬆症の場合には1日1回アルファカルシドールとして0.01〜0.03μg/kgを、その他の疾患の場合には1日1回アルファカルシドールとして0.05〜0.1μg/kgを経口投与する。ただし、疾患、症状により適宜増減する。
重要な基本的注意
過量投与を防ぐため、本剤投与中、血清カルシウム値の定期的測定を行い、血清カルシウム値が正常値を超えないよう投与量を調整すること。
高カルシウム血症を起こした場合には、直ちに休薬する。休薬により血清カルシウム値が正常域に達したら、減量して投薬を再開する。
相互作用
併用注意
マグネシウムを含有する製剤 酸化マグネシウム、 炭酸マグネシウム等 | 高マグネシウム血症が起きたとの報告がある。 | 不明。 |
ジギタリス製剤 ジゴキシン等 | 不整脈があらわれるおそれがある。 | 本剤により高カルシウム血症が発症した場合、ジギタリス製剤の作用が増強される。 |
カルシウム製剤 乳酸カルシウム水和物、 炭酸カルシウム等 | 高カルシウム血症があらわれるおそれがある。 | 本剤は腸管でのカルシウムの吸収を促進させる。 |
ビタミンD及びその誘導体 カルシトリオール等 | 高カルシウム血症があらわれるおそれがある。 | 相加作用。 |
PTH製剤 テリパラチド | 高カルシウム血症があらわれるおそれがある。 | 相加作用。 |
副作用
副作用発現状況の概要
承認時及びその後の使用成績調査における副作用の発現状況は以下のとおりであった。(再審査終了時)
慢性腎不全、副甲状腺機能低下症、ビタミンD抵抗性クル病・骨軟化症、未熟児におけるビタミンD代謝異常に伴う諸症状の改善
4,967例中285例(5.7%)471件の副作用が認められた。主な副作用はそう痒感112件(2.3%)、食欲不振48件(1.0%)、嘔気47件(0.9%)、下痢28件(0.6%)、ALT(GPT)の上昇27件(0.5%)等であった。
骨粗鬆症
14,808例中192例(1.3%)241件の副作用が認められた。主な副作用はBUNの上昇24件(0.2%)、嘔気23件(0.2%)、食欲不振21件(0.1%)、胃痛19件(0.1%)、AST(GOT)の上昇14件(0.09%)等であった。
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
急性腎不全(頻度不明)
血清カルシウム上昇を伴った急性腎不全があらわれることがあるので、血清カルシウム値及び腎機能を定期的に観察し、異常が認められた場合には、投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸(頻度不明)
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | |
消化器 | 食欲不振、悪心・嘔気、下痢、便秘、胃痛 | 嘔吐、腹部膨満感、胃部不快感、消化不良、口内異和感、口渇等 |
精神神経系 | 頭痛・頭重、不眠・いらいら感、脱力・倦怠感、めまい、しびれ感、眠気、記憶力・記銘力の減退、耳鳴り、老人性難聴、背部痛、肩こり、下肢のつっぱり感、胸痛等 | |
循環器 | 軽度の血圧上昇、動悸 | |
肝臓 | AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇 | LDH、γ-GTPの上昇 |
腎臓 | BUN、クレアチニンの上昇(腎機能の低下) | 腎結石 |
皮膚 | そう痒感 | 発疹、熱感 |
眼 | 結膜充血 | |
骨 | 関節周囲の石灰化(化骨形成) | |
その他 | 嗄声、浮腫 |
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので用量に注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。動物実験(ラット)で大量投与の場合、胎児化骨遅延、性腺への影響がみられ、妊娠率の低下、胎児死亡率の上昇、胎児の発育抑制及び授乳力の低下等が認められている1)2)3)。]
授乳中は投与を避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること。[授乳婦への投与に関する安全性は確立していない。動物実験(ラット)で授乳による新生児への移行率は、母動物投与量の1/20に相当する4)。]
小児等への投与
小児に投与する場合には、血清カルシウム値、尿中カルシウム・クレアチニン比値等の観察を十分に行いながら少量から投与を開始し、漸増投与する等、過量投与にならぬよう慎重に投与すること。[幼若ラット経口投与における急性毒性は成熟ラットに比べ強くあらわれている5)。]
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
その他の注意
高リン血症のある患者に投与する場合はリン酸結合剤を併用し、血清リン値を下げること。
本剤は小腸で吸収され、肝臓ですみやかに代謝されて1α,25-(OH)2D3となる6)。健康成人14例に対してワンアルファ錠4.0μg(1.0μg×4錠)を経口投与した場合、血中1α,25-(OH)2D濃度は投与後4〜24時間(平均11.0時間)で最高値(平均94.6pg/mL)に達し、48〜72時間でほぼ投与前値に復した7)。
(参考)
臨床効果
国内22施設(延べ30施設)において実施された一般臨床試験の有効率は下記のとおりであった10)11)12)13)14)。
疾患名\有効率(%) | 有効以上 |
慢性腎不全等 | 70.9%(90/127) |
骨粗鬆症 | 51.4%(95/185) |
なお、ワンアルファカプセルにおいて実施された骨粗鬆症、慢性腎不全を対象とした二重盲検試験で有用性が認められた15)16)。ワンアルファ錠はワンアルファカプセルと生物学的同等性が認められている。
本剤は、経口投与後腸管からすみやかに血中に吸収され肝ミクロゾームの25-hydroxylaseによって側鎖の25位が水酸化されて活性発現物質1α,25-(OH)2D3となり、腸管及び骨等の標的組織に分布するレセプターに結合し腸管からのCa吸収促進作用、骨塩溶解作用及び骨形成作用等一連の生理活性を発現する。
腸管からのCa吸収ならびに血清Ca上昇作用
骨形成促進作用
骨組織培養
9日鶏卵からとりだした胎児の組織培養の研究により、正常な骨形成には1α,25-(OH)2D3が必須であることが証明された19)。
腎摘ラット
腎亜全摘により、多数の骨吸収腔と類骨層、低石灰化層が著明に増加したラットに、アルファカルシドールを30日間投与した実験において、骨新生が認められている20)。
骨粗鬆症モデルラット(卵巣摘出ラット)
卵巣摘出長期飼育により血中1α,25-(OH)2D3値の低下や海綿骨梁及び石灰沈着率の減少がおこるが、これらの変化はアルファカルシドール0.1μg/kg/日、6ヵ月間投与により改善した21)。
骨粗鬆症モデルラット(ハイドロコーチゾン投与ラット)
ハイドロコーチゾン長期間投与により海綿骨梁、骨皮質幅、骨成分の減少がおこるが、これらの変化はアルファカルシドール0.02μg/kg/日〜0.1μg/kg/日、12週間投与により改善した22)。
老人性骨粗鬆症(ヒト、電顕的・光顕的観察)
ワンアルファカプセル投与前後で腸骨骨生検を実施し、電顕的・光顕的観察を行ったところ、活動性骨芽細胞・骨細胞・石灰化骨小腔の増加等、骨組織学的な改善が認められた23)。
Ca摂取量と骨吸収・骨形成作用
ビタミンD欠乏ラットの飼料中のCa含量を変え、アルファカルシドールを投与した実験において、Ca含量が少ない場合には骨吸収があらわれ、Ca含量が十分である場合には骨形成が顕著にあらわれた17)。
光により変色することがあるので、開封後は遮光して保存すること。
開封後は湿気を避けて保存すること。
PTP0.25μg
100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)、1,000錠(10錠×100)、700錠(14錠×50)
PTP0.5μg
100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)、1,000錠(10錠×100)、700錠(14錠×50)
PTP1.0μg
100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)、1,000錠(10錠×100)、700錠(14錠×50)
瓶
0.25μg
500錠(褐色ガラス瓶入り)
0.5μg
500錠(褐色ガラス瓶入り)
1.0μg
500錠(褐色ガラス瓶入り)
1. | 加藤正夫ほか, 基礎と臨床, 12 (1), 32, (1978) |
2. | 加藤正夫ほか, 基礎と臨床, 12 (2), 203, (1978) |
3. | 加藤正夫ほか, 基礎と臨床, 12 (4), 716, (1978) |
4. | 大沼規男ほか, 応用薬理, 15 (3), 459, (1978) |
5. | 社内報告:急性毒性(幼若ラット), (1985) |
6. | 社内報告:代謝(ラット肝ホモジェネート、肝還流), (1978) |
7. | 社内報告:薬物動態(健康成人), (1986) |
8. | 大沼規男ほか, 応用薬理, 16 (6), 1123, (1978) |
9. | 清木 護ほか, 応用薬理, 16 (6), 1137, (1978) |
10. | 越川昭三ほか, 臨床水電解質, 5 (6), 645, (1986) |
11. | 清野佳紀ほか, 小児科臨床, 39 (7), 1691, (1986) |
12. | 西山宗六ほか, 小児科臨床, 39 (8), 2029, (1986) |
13. | 井上哲郎ほか, 新薬と臨牀, 35 (6), 1234, (1986) |
14. | 白旗敏克ほか, 新薬と臨牀, 35 (6), 1243, (1986) |
15. | 上田 泰ほか, 臨床評価, 7 (1), 137, (1979) |
16. | 伊丹康人ほか, 医学のあゆみ, 123 (10), 958, (1982) |
17. | 川島博行ほか, 日本薬理学雑誌, 74 (2), 267, (1978) »PubMed |
18. | 川島博行ほか, 応用薬理, 16 (5), 845, (1978) |
19. | 清木 護ほか, 組織培養, 8 (3), 79, (1982) |
20. | Ueno,K,et al., IVth WORK SHOP on Vitamin D,Berlin, (1979) |
21. | 伊沢義弘ほか, Prog.Med., 2 (7), 1071, (1982) |
22. | 伊沢義弘ほか, Prog.Med., 2 (7), 1080, (1982) |
23. | 須田昭男ほか, Prog.Med., 2 (7), 1098, (1982) |
改訂履歴 |
2011年3月 改訂 |
文献請求先 |
主要文献に記載の社内報告につきましても下記にご請求ください。 |
業態及び業者名等 |
製造販売元 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2021/4/20 版 |