医療用医薬品 : ロゼウス |
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総称名 | ロゼウス |
一般名 | ビノレルビン酒石酸塩 |
欧文一般名 | Vinorelbine Ditartrate |
製剤名 | ビノレルビン酒石酸塩静注液 |
薬効分類名 | ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤 |
薬効分類番号 | 4240 |
ATCコード | L01CA04 |
KEGG DRUG |
D01935
ビノレルビン酒石酸塩
商品一覧 米国の商品 相互作用情報 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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ロゼウス静注液10mg (後発品) | Rozeus Intravenous Solution 10mg | 日本化薬 | 4240407A1036 | 2802円/瓶 | 毒薬 , 処方箋医薬品 |
ロゼウス静注液40mg (後発品) | Rozeus Intravenous Solution 40mg | 日本化薬 | 4240407A2032 | 10127円/瓶 | 毒薬 , 処方箋医薬品 |
本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
骨髄機能抑制に起因すると考えられる死亡症例が認められているので、投与に際しては、頻回に臨床検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
次の患者には投与しないこと
骨髄機能低下の著しい患者[重症感染症を併発し、致命的となることがある。]
重篤な感染症を合併している患者[感染症が悪化し、致命的となるおそれがある。]
本剤及び他のビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
髄腔内には投与しないこと。[「8.適用上の注意(2)投与経路」の項参照]
手術不能又は再発乳癌の場合
本剤の術前・術後化学療法における有効性及び安全性は確立していない(使用経験がない)。
本剤の投与を行う場合には、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤及びタキサン系抗悪性腫瘍剤による化学療法後の増悪若しくは再発例を対象とすること。
初回化学療法における本剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用療法に関して、有効性及び安全性は確立していない。
非小細胞肺癌の場合
通常、成人にはビノレルビンとして1回20〜25mg/m2を1週間間隔で静脈内に緩徐に注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、1回最高用量は25mg/m2とする。
手術不能又は再発乳癌の場合
通常、成人にはビノレルビンとして1回25mg/m2を1週間間隔で2週連続投与し、3週目は休薬する。
なお、年齢、症状により適宜減量する。
投与前の白血球数が2,000/mm3未満であった場合には投与を延期し、2,000/mm3以上に回復するのを待って投与する。
本剤をあらかじめ約50mLの日局生理食塩液、日局5%ブドウ糖注射液、日局リンゲル液又は乳酸リンゲル液で希釈すること。投与は開始から10分以内に終了することが望ましい。なお、投与後は補液等により、薬液を十分洗い流すこと。
慎重投与
骨髄抑制のある患者[骨髄機能をより強く抑制するおそれがある。]
肝障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
間質性肺炎又は肺線維症の既往歴のある患者[症状が再発するおそれがある。]
神経・筋疾患の合併あるいは既往歴のある患者[末梢神経障害(知覚異常、腱反射減弱等)が強くあらわれるおそれがある。]
虚血性心疾患又はその既往歴のある患者[症状を誘発若しくは悪化させるおそれがある。]
便秘傾向の強い患者[症状を悪化させるおそれがある。]
高齢者[「5.高齢者への投与」の項参照]
重要な基本的注意
骨髄機能抑制、間質性肺炎、イレウス等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査、心肺機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれることがあるので、投与は慎重に行うこと。
感染症の発現又は悪化に十分注意すること。
乳癌に対するアントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤及びタキサン系抗悪性腫瘍剤による化学療法後の増悪若しくは再発例において、本剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用療法を行った場合の有効性及び安全性は確立されていない。
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
相互作用
併用注意
アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール等 マクロライド系抗生剤 エリスロマイシン クラリスロマイシン等 カルシウム拮抗剤 ジルチアゼム ニフェジピン ベラパミル等 ベンゾジアゼピン系薬剤 ジアゼパム トリアゾラム ミダゾラム等 | 他のビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤との併用で筋神経系の副作用の増強が報告されている。 | 左記薬剤は肝チトクロームP-450(CYP 3A4)を阻害するので、併用によりビンカアルカロイドの代謝を阻害する。 |
マイトマイシンC | 息切れ及び気管支痙攣が起こることがある。 | 作用機序は不明。 |
他の抗悪性腫瘍剤 放射線療法 | 骨髄機能抑制等の副作用が増強することがある。 | 副作用が相互に増強される。 |
副作用
副作用発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
(頻度不明)
汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、好中球減少、貧血、血小板減少等の骨髄機能抑制があらわれることがあるので、観察を十分に行い、重度の異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
間質性肺炎、肺水腫があらわれることがあるので、観察を十分に行い、胸部X線検査異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等適切な処置を行うこと。
気管支痙攣があらわれることがあるので、観察を十分に行い、息切れ、呼吸困難等の異常があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等適切な処置を行うこと。なお、本症状は投与直後から2時間以内に発現する例が多いことと、マイトマイシンCとの併用時に発現しやすいことが報告されている。
麻痺性イレウスがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
心不全、心筋梗塞、狭心症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発疹、呼吸困難、血圧低下等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肺塞栓症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム量の増加、高張尿、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、腹痛、血清アミラーゼ上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
頻度不明 | |
過敏症 | アレルギー様症状 |
呼吸器 | 呼吸困難、喘鳴 |
循環器 | 不整脈、血圧低下、血圧上昇、動悸、頻脈 |
神経・筋症状 | 知覚異常・腱反射減弱、筋肉痛、関節痛、筋力低下、腰背痛、筋痙攣、運動障害、排尿障害 |
精神神経系 | 激越、頭痛、不穏、めまい、不眠 |
肝臓 | AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、LDH上昇、肝機能障害、総ビリルビン上昇、ウロビリノーゲン陽性、γ-GTP上昇 |
腎臓 | BUN上昇、クレアチニン上昇、蛋白尿、クレアチニンクリアランス低下 |
消化器 | 食欲不振、嘔気、嘔吐、便秘、下痢、口内炎、腹痛、腹部不快感、腹部膨満感、腹部膨隆、嚥下障害 |
皮膚 | 脱毛、紅斑・丘疹、水疱・落屑、爪の異常、そう痒 |
注射部位 | 静脈炎 |
代謝栄養障害 | 総蛋白低下、血漿中電解質(ナトリウム、カリウム、クロール、カルシウム)異常、アルブミン低下、尿糖 |
その他 | 発熱、全身倦怠感、CRP上昇、血尿、体重減少、体重増加、味覚異常、疼痛、出血、胸痛、浮腫、出血性膀胱炎、潮紅、しゃっくり |
高齢者への投与
高齢者では生理機能が低下していることが多く、白血球減少、貧血、血小板減少、BUN上昇、発熱、間質性肺炎、便秘等の副作用があらわれやすいので、用量、投与間隔等に注意して、患者の状態を観察し慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[動物実験で催奇形性(ラット:頸椎椎弓の癒合、頸椎配列異常等の骨格変異、ウサギ:耳介低形成、側脳室拡張、腰肋等の骨格変異)が報告されている。]
授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。[「2.重要な基本的注意(4)」の項参照]
適用上の注意
薬液の調製
本剤投与による血管痛、静脈炎及び薬液の血管外漏出による重篤な組織障害を防止する意味で、本剤をあらかじめ日局生理食塩液、日局5%ブドウ糖注射液、日局リンゲル液又は乳酸リンゲル液約50mLに希釈することが望ましい。
他の注射剤と配合した場合ビノレルビンが析出するおそれがあるので、原則として他の注射剤との同時混合投与を避けること。
本剤が皮膚に付着した場合には、直ちに石鹸及び多量の流水で洗い流すこと。また、粘膜に付着した場合には、直ちに多量の流水で洗い流すこと。
眼には接触させないこと。眼に入った場合は、直ちに水で洗浄すること。眼に入った場合、激しい刺激や角膜潰瘍が起こることがある。
投与経路
静脈内注射のみに使用し、髄腔内には投与しないこと。[海外で誤ってビンカアルカロイド系薬剤を髄腔内に投与し、死亡したとの報告がある。]
投与時
薬液が血管外に漏れると注射部位に硬結・壊死を起こすことがあるので、点滴の側管を利用するなど、薬液が血管外に漏れないように慎重に投与すること。
血管痛、静脈炎を起こすことがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意し、投与後は補液等により薬液を十分洗い流すこと。
その他の注意
他のビンカアルカロイド系薬剤により脳梗塞等が発現したとの報告がある。
安定性試験
最終包装製品を用いた加速試験(20±1℃、相対湿度75%、6ヶ月)の結果、ロゼウス静注液10mg及びロゼウス静注液40mgは通常の市場流通下(凍結を避けて5℃以下)において3年間安定であることが推測された。1)
ロゼウス静注液10mg
1バイアル
ロゼウス静注液40mg
1バイアル
1. | 日本化薬株式会社 社内資料:安定性試験 |
改訂履歴 |
2009年11月 改訂 (2) |
文献請求先 |
主要文献に記載の社内資料につきましては下記にご請求下さい。 |
業態及び業者名等 |
製造販売元 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2020/12/16 版 |