医療用医薬品 : フルクトラクト

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医薬品情報


総称名 フルクトラクト
薬効分類名 電解質輸液(維持液)
薬効分類番号 3319
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年8月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
フルクトラクト注 Fructlact injection 大塚製薬工場 3319514A4022 185円/袋 処方箋医薬品注)
フルクトラクト注 Fructlact injection 大塚製薬工場 3319514A5029 265円/袋 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 遺伝性果糖不耐症の患者[果糖が正常に代謝されず、低血糖、肝不全、腎不全等が誘発されるおそれがある。]
2.2 高乳酸血症の患者[高乳酸血症が悪化するおそれがある。]
2.3 高カリウム血症、乏尿、アジソン病、重症熱傷、高窒素血症の患者[高カリウム血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。]

4. 効能または効果

経口摂取不能又は不十分な場合の水分・電解質の補給・維持

5. 効能または効果に関連する注意

本剤を投与する場合には、患者の尿量が1日500mL又は1時間当たり20mL以上あることが望ましい。

6. 用法及び用量

通常成人1回500〜1000mLを点滴静注する。投与速度は通常成人1時間当たり300〜500mL、小児の場合、1時間当たり50〜100mLとする。
なお、年齢、症状、体重により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心不全の患者
循環血液量の増加により、症状が悪化するおそれがある。
9.1.2 閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者
水分、電解質等の排泄が障害されているため、症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
水分、電解質の過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
水分、電解質代謝異常、高乳酸血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.8 高齢者
投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
大量・急速投与脳浮腫、肺水腫、末梢の浮腫、水中毒、高カリウム血症

14. 適用上の注意

14.1 全般的な注意
14.1.1 使用時には、感染に対する配慮をすること。
14.1.2 注射針や輸液セットのびん針は、ゴム栓の刻印部(○印)に垂直にゆっくりと刺すこと。斜めに刺した場合、削り片の混入及び液漏れの原因となるおそれがある。また、針は同一箇所に繰り返し刺さないこと。
14.2 薬剤調製時の注意
薬剤を配合する場合には、配合変化に注意すること。
14.3 薬剤投与時の注意
14.3.1 原則として、連結管を用いたタンデム方式による投与は行わないこと。輸液セット内に空気が流入するおそれがある。
14.3.2 容器の目盛りは目安として使用すること。
14.3.3 残液は使用しないこと。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内一般臨床試験
術後の経口摂取不十分な患者を中心に10施設、196症例を対象とし、術後にフルクトラクト注500〜1,500mL/日を4〜6日間静注した。その結果、術前・術後を通じて血漿浸透圧、血漿電解質、尿中電解質は正常域内で、尿量は投与期間中、常に一定量を維持した。また、血漿総蛋白に著明な変動が認められず、糖質代謝、脂質代謝は良好であった1)2)3)4)5)6)7)8)9)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
果糖は主として肝のフルクトキナーゼによって代謝され、速やかにエネルギー源となる。本剤は水分・電解質の補給・維持効果を示す。

20. 取扱い上の注意

20.1 液漏れの原因となるので、強い衝撃や鋭利なものとの接触等を避けること。
20.2 以下の場合には使用しないこと。
・外袋内や容器表面に水滴や結晶が認められる場合
・容器から薬液が漏れている場合
・性状その他薬液に異状が認められる場合
・ゴム栓部のシールがはがれている場合

22. 包装

200mL

20袋 ソフトバッグ

500mL

20袋 ソフトバッグ

23. 主要文献

  1. 後藤文夫, 新薬と臨床, 24 (6), 949-951, (1975)
  2. 沼田 稔,他, 現代の診療, 17 (6), 745-753, (1975)
  3. 宮内文久,他, 産科と婦人科, 42 (9), 1264-1268, (1975)
  4. 桜井紀嗣,他, 新薬と臨床, 24 (9), 1457-1462, (1975)
  5. 早坂 滉,他, 現代の診療, 17 (9), 1097-1104, (1975)
  6. 久原 征, 現代の診療, 17 (9), 1119-1121, (1975)
  7. 小野地章一,他, 診療と新薬, 12 (10), 2369-2373, (1975)
  8. 藤田秀春,他, 基礎と臨床, 9 (11), 2804-2806, (1975)
  9. 鈴木公雄,他, 新薬と臨床, 24 (12), 2042-2043, (1975)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
株式会社大塚製薬工場 輸液DIセンター
〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-2
電話:0120-719-814
FAX:03-5296-8400
製品情報問い合わせ先
株式会社大塚製薬工場 輸液DIセンター
〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-2
電話:0120-719-814
FAX:03-5296-8400

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
株式会社大塚製薬工場
徳島県鳴門市撫養町立岩字芥原115
26.2 販売提携
大塚製薬株式会社
東京都千代田区神田司町2-9

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/09/17 版