医療用医薬品 : ロゼレム

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医薬品情報


総称名 ロゼレム
一般名 ラメルテオン
欧文一般名 Ramelteon
製剤名 ラメルテオン錠
薬効分類名 メラトニン受容体アゴニスト
薬効分類番号 1190
ATCコード N05CH02
KEGG DRUG D02689 ラメルテオン
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2020年5月 改訂 (第10版)


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ロゼレム錠8mg Rozerem Tablets 8mg. 武田薬品工業 1190016F1024 86.2円/錠 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者

高度な肝機能障害のある患者[本剤は主に肝臓で代謝されるため、本剤の血中濃度が上昇し、作用が強くあらわれるおそれがある。(【薬物動態】の項参照)]

フルボキサミンマレイン酸塩を投与中の患者(「相互作用」の項参照)

効能・効果及び用法・用量

効能効果

不眠症における入眠困難の改善

効能効果に関連する使用上の注意

ベンゾジアゼピン系薬剤等他の不眠症治療薬による前治療歴がある患者における本剤の有効性、並びに精神疾患(統合失調症、うつ病等)の既往又は合併のある患者における本剤の有効性及び安全性は確立していないので、これらの患者に本剤を投与する際には治療上の有益性と危険性を考慮し、必要性を十分に勘案した上で慎重に行うこと。(【臨床成績】の項参照)

用法用量

通常、成人にはラメルテオンとして1回8mgを就寝前に経口投与する。

用法用量に関連する使用上の注意

本剤の投与開始2週間後を目処に入眠困難に対する有効性及び安全性を評価し、有用性が認められない場合には、投与中止を考慮し、漫然と投与しないこと。(「重要な基本的注意」及び【臨床成績】の項参照)

本剤は、就寝の直前に服用させること。また、服用して就寝した後、睡眠途中において一時的に起床して仕事等をする可能性があるときには服用させないこと。

本剤は食事と同時又は食直後の服用は避けること。[食後投与では、空腹時投与に比べ本剤の血中濃度が低下することがある。(【薬物動態】の項参照)]

使用上の注意

慎重投与

軽度から中等度の肝機能障害のある患者[本剤は主に肝臓で代謝されるため、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。(【禁忌】及び【薬物動態】の項参照)]

高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

高度の睡眠時無呼吸症候群患者[これらの患者に対する使用経験がなく、安全性は確立していない。(【臨床成績】の項参照)]

脳に器質的障害のある患者[これらの患者に対する使用経験がなく、安全性は確立していない。]

重要な基本的注意

本剤の影響が翌朝以後に及び、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

本剤の投与にあたっては、患者に対して生活習慣の改善を指導するとともに、投与開始2週間後を目処に入眠困難に対する有効性及び安全性を評価し、有用性が認められない場合には、投与中止を考慮し、漫然と投与しないこと。またその後も定期的に本剤の有効性及び安全性を評価した上で投与継続の要否を検討すること。(<用法・用量に関連する使用上の注意>及び【臨床成績】の項参照)

本剤の投与により、プロラクチン上昇があらわれることがあるので、月経異常、乳汁漏出又は性欲減退等が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

相互作用

相互作用序文

(【薬物動態】の項参照)

CYP1A2が本剤の代謝に関与する主な代謝酵素であり、CYP2Cサブファミリー及びCYP3A4もわずかに関与している。

薬物代謝酵素用語

CYP1A2

薬物代謝酵素用語

CYP2C

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

併用禁忌

フルボキサミンマレイン酸塩
(ルボックス、デプロメール)
本剤の最高血中濃度、AUCが顕著に上昇するとの報告があり、併用により本剤の作用が強くあらわれるおそれがある。本剤の主な肝薬物代謝酵素であるCYP1A2を強く阻害する。また、CYP2C9、CYP2C19及びCYP3A4に対する阻害作用の影響も考えられる。

併用注意

CYP1A2阻害剤
キノロン系抗菌薬等
本剤の作用が強くあらわれる可能性がある。フルボキサミンマレイン酸塩との併用で顕著な本剤の血中濃度上昇が報告されており、その他のCYP1A2阻害剤との併用においても、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
CYP2C9阻害剤
フルコナゾール
(アゾール系抗真菌薬)等
本剤の作用が強くあらわれる可能性がある。
フルコナゾールとの併用により本剤の最高血中濃度、AUCが上昇したとの報告がある。
これらの薬剤の肝薬物代謝酵素阻害作用により、本剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。
CYP3A4阻害剤
マクロライド系抗菌薬等
ケトコナゾール
(アゾール系抗真菌薬)等
本剤の作用が強くあらわれる可能性がある。
ケトコナゾール(経口:国内未発売)との併用により本剤の最高血中濃度、AUCが上昇したとの報告がある。
これらの薬剤の肝薬物代謝酵素阻害作用により、本剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。
CYP誘導剤
リファンピシン
(結核治療薬)等
本剤の作用が減弱する可能性がある。リファンピシンとの併用により本剤の最高血中濃度、AUCが低下したとの報告がある。CYP3A4等の肝薬物代謝酵素を誘導することにより、本剤の代謝を促進し、血中濃度を減少させる可能性がある。
アルコール
(飲酒)
注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。アルコールが中枢神経抑制作用を示すため、本剤との相加作用が考えられる。

副作用

副作用発現状況の概要

承認時までのわが国での臨床試験では1日1回ラメルテオンとして4mg、8mg、16mg又は32mgが投与された1,864例中の194例(10.4%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められた(承認用量は8mgである)。主な副作用は傾眠(3.4%)、頭痛(1.0%)、倦怠感(0.5%)、浮動性めまい(0.5%)であった。

製造販売後の調査では1日1回ラメルテオンとして8mgが投与された3,223例中の109例(3.4%)に副作用が認められた。主な副作用は傾眠(1.2%)、浮動性めまい(0.7%)、倦怠感(0.3%)であった。うち、精神疾患の既往又は合併のある患者では727例中の40例(5.5%)に、精神疾患の既往及び合併のない患者では2,361例中の64例(2.7%)に副作用が認められた。精神疾患の既往又は合併のある患者での主な副作用は傾眠(2.2%)、浮動性めまい(1.1%)であり、精神疾患の既往及び合併のない患者での主な副作用は傾眠(0.9%)、浮動性めまい(0.4%)であった。

以下の本剤での副作用は上記の臨床試験あるいは外国での製造販売後データ等に基づくものである。

重大な副作用及び副作用用語

その他の副作用

 0.1〜5%未満頻度不明
精神神経系めまい、頭痛、眠気悪夢
皮膚発疹 
消化器便秘、悪心 
内分泌 プロラクチン上昇注3)
その他倦怠感自殺企図
注3)一部の外国臨床試験(慢性不眠症患者、プラセボ対照6ヵ月長期投与試験)では、本剤群でプラセボ群と比べて有意なプロラクチン値の上昇が認められ、副作用としての血中プロラクチン上昇も本剤群で多かった。一方、国内臨床試験では、内分泌機能検査を実施した一部の症例(慢性不眠症患者、6ヵ月間長期投与試験)でプロラクチン値の上昇が認められたものの、副作用としての血中プロラクチン上昇は認められず、国内での発現頻度は不明である。

高齢者への投与

高齢者においては血中濃度が上昇するおそれがあるため、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。(【薬物動態】の項参照)

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。[ラットによる生殖試験(150mg/kg/日以上)において、胎児の横隔膜ヘルニア、骨格変異等の催奇形性がみられている。]

授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[ラットでは乳汁中への移行が報告されている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

過量投与

徴候・症状

薬物依存の既往がある健康成人を対象として、本剤を160mgまで単回投与した外国臨床試験において、眠気、倦怠感、めまい、腹痛、頭痛等の症状が認められている。

処置

呼吸、脈拍、血圧を十分監視するとともに、全身症状があらわれた場合には、一般的な処置や対症療法を行うこと。また、必要に応じ、胃洗浄、輸液など適切な処置を行うこと。なお、血液透析は本剤の除去に有用ではないと考えられる。(【薬物動態】の項参照)

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

マウスに2年間強制経口投与した試験で、雄マウスの100mg/kg/日以上及び雌マウスの300mg/kg/日以上の群において肝腫瘍の発現増加がみられた。また、ラットに2年間強制経口投与した試験では、雄ラットにおいて250mg/kg/日以上の群で肝腫瘍及び良性の精巣間細胞腫の発現増加がみられ、雌ラットでは60mg/kg/日以上の群において肝腫瘍の発現増加がみられた。

薬物動態

血中濃度1)

健康成人(18例)に1回8mgを空腹時又は食後に単回経口投与した時の未変化体及び主代謝物M-IIの血中濃度の推移は図のとおりである。食後投与では空腹時投与に比べ未変化体のCmaxは16%低下した。また、M-IIのCmaxは26%低下、Tmaxは1時間の延長がみられた。

AUC0-48
(ng・h/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(h)
t1/2
(h)
未変化体空腹時2.04±1.801.41±1.210.750.94±0.18
食後2.16±1.651.19±1.110.881.14±0.39
M-II空腹時184.97±69.0163.04±14.630.751.94±0.53
食後179.18±56.3846.96±13.051.752.02±0.45
平均値±標準偏差、※中央値

未変化体

M-II

尿中排泄

健康成人に1回8mgを朝絶食下に単回経口投与した時、尿中には未変化体及びM-IIはほとんど検出されなかった。1)なお、外国健康成人男子に1回16mg※(標識体)を単回経口投与した時、グルクロン酸抱合体として84%が尿中に排泄された。2)

反復投与時の薬物動態3)

健康成人(8例)に1回8mgを夕食3時間後に1日1回7日間経口投与した時、投与7日目の未変化体のCmax及びAUC0-24は、投与1日目と比較してそれぞれ31及び16%増加し、投与7日目のM-IIのCmax及びAUC0-24は、投与1日目と比較してそれぞれ9%増加及び3%減少したが、未変化体及びM-IIともに血中濃度トラフ値は定量下限未満であった。

AUC0-24
(ng・h/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(h)
t1/2
(h)
未変化体1日目2.34±1.011.39±1.051.31±0.841.08±0.23
7日目2.64±1.401.47±1.031.09±0.380.92±0.31
M-II1日目234.79±62.2054.18±21.201.53±0.802.26±0.42
7日目229.07±66.0354.15±10.531.53±0.542.05±0.54
平均値±標準偏差

代謝4)

ラメルテオンは体内で酸化によりM-I、M-II、M-III、M-IV、M-VIII及びM-IXに代謝され、M-VIII及びM-IXはさらにグルクロン酸抱合を受ける。未変化体からM-IIへの代謝には主にCYP1A2が寄与し、M-IIの消失にはCYP3A4が寄与していると考えられる。M-IIのヒトMT1及びMT2受容体に対する親和性は未変化体の約1/10及び約1/5であり、アゴニスト活性は約1/17及び約1/28である。

高齢者における薬物動態(16mg※投与時のデータ)5)

高齢者における未変化体のCmax、AUC0-inf及びt1/2は、非高齢者と比べそれぞれ1.3倍、1.9倍及び1.7倍であった。M-IIのAUC0-inf及びt1/2は、非高齢者と比べそれぞれ1.3倍、1.4倍、Cmaxはほぼ同様であった。

肝機能障害患者における薬物動態(外国人16mg※投与時のデータ)6)

軽度、中等度の肝障害患者における未変化体のCmax、AUC0-τ及びt1/2は、健康成人と比べそれぞれ2.5倍、3.6倍及び1.4倍並びに8.4倍、10.7倍及び2.5倍であった。M-IIのCmax、AUC0-τ及びt1/2は、健康成人と比べそれぞれ0.9倍、1.3倍及び1.2倍並びに0.8倍、1.0倍及び1.7倍であった。なお、高度の肝障害患者における薬物動態は検討されていない。

腎機能障害患者における薬物動態(外国人16mg※投与時のデータ)7)

軽度、中等度及び高度の腎障害患者、慢性的な血液透析患者における未変化体及びM-IIのCmax、AUC0-τは、健康成人と比べ差はみられていない。t1/2は高度の腎障害患者において未変化体、M-IIいずれも健康成人と比べ1.5倍、慢性的な血液透析患者においてM-IIで1.4倍であった。

薬物相互作用(外国人データ)

フルボキサミン

健康成人(23例)を対象に、ラメルテオン8mgをフルボキサミン(CYP1A2阻害剤)1日1回200mgの7日間反復経口投与の7日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0-infは未変化体でそれぞれ約2,700及び8,200%増加し、M-IIでそれぞれ約66%減少、31%増加した。一方、フルボキサミンの薬物動態には併用による影響は認められなかった。

フルコナゾール

健康成人(24例)を対象に、ラメルテオン16mg※をフルコナゾール(CYP2C9阻害剤)4日間反復経口投与(1日目は400mg、その後1日1回200mg)の4日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0-infは未変化体でそれぞれ約144及び152%、M-IIでそれぞれ約55及び199%増加した。t1/2は未変化体及びM-IIでそれぞれ33及び94%延長した。

ケトコナゾール

健康成人(26例)を対象に、ラメルテオン16mg※をケトコナゾール(CYP3A4阻害剤)1日2回200mgの4日間反復経口投与の4日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0-infは未変化体でそれぞれ約36及び84%、M-IIでそれぞれ約23及び93%増加した。t1/2は未変化体及びM-IIでそれぞれ31及び52%延長した。

リファンピシン

健康成人(27例)を対象に、ラメルテオン32mg※をリファンピシン(CYP誘導剤)1日1回600mgの11日間反復経口投与の11日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0-infは未変化体でそれぞれ約82及び81%、M-IIでそれぞれ約81及び89%減少した。

エタノール

健康成人(21例)を対象に、ラメルテオン32mg※と同時にエタノール(ADH基質)0.6g/kgを経口投与し、その後10分毎にエタノール0.6g/kgを2回経口投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0-infは未変化体でそれぞれ約43及び47%増加したが、M-IIの薬物動態には併用による影響は認められなかった。一方、エタノールの薬物動態には併用による影響は認められなかった。

ドネペジル

健康成人(22例)を対象に、ラメルテオン8mgをドネペジル(CYP2D6基質、CYP3A4基質)1日1回5mgの7日間反復経口投与後、1日1回10mgの16日間反復経口投与の計23日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0-infは未変化体でそれぞれ約87及び100%増加したが、M-IIの薬物動態には併用による影響は認められなかった。一方、ドネペジルの薬物動態には併用による影響は認められなかった。

フルオキセチン

健康成人(27例)を対象に、ラメルテオン16mg※をフルオキセチン(CYP2D6基質及び阻害剤)1日1回40mgの11日間反復経口投与の11日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0-infは未変化体でそれぞれ約40及び50%、M-IIでそれぞれ約17及び52%増加した。

テオフィリン

健康成人(18例)を対象に、ラメルテオン32mg※とテオフィリン(CYP1A2基質)1日1回300mgを10日間反復経口投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0-τは未変化体でそれぞれ約35及び40%、M-IIでそれぞれ約1及び12%増加した。一方、テオフィリンの薬物動態には併用による影響は認められなかった。

ガバペンチン

健康成人(24例)を対象に、ラメルテオン8mgをガバペンチン1回400mgを1日3回7日間反復経口投与の7日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0-infは未変化体でそれぞれ約27及び14%増加し、M-IIでそれぞれ約22%減少、1%増加した。一方、ガバペンチンの薬物動態には併用による影響は認められなかった。

ゾルピデム

健康成人(24例)を対象に、ラメルテオン8mgをゾルピデム1日1回10mgの7日間反復経口投与の7日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0-infは未変化体でそれぞれ約3及び9%増加し、M-IIでそれぞれ約14%減少、0%増加した。一方、ゾルピデム1日1回10mgをラメルテオン8mgの7日間反復経口投与の7日目に併用投与したとき、ゾルピデムのCmax及びAUC0-infはそれぞれ約16及び2%減少した。

デキストロメトルファン

健康成人(34例)を対象に、ラメルテオン32mg※とデキストロメトルファン(CYP2D6基質)30mgを単回経口投与したとき、ラメルテオン及びデキストロメトルファンの薬物動態には併用による影響は認められなかった。

セルトラリン

健康成人(24例)を対象に、ラメルテオン8mgをセルトラリン(CYP2D6阻害剤)1日1回50mgの13日間反復経口投与の13日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0-infは未変化体でそれぞれ約43及び23%、M-IIでそれぞれ約18及び2%減少した。一方、セルトラリン1日1回50mgをラメルテオン16mg※の13日間反復経口投与の13日目に併用投与したとき、セルトラリンのCmax及びAUC0-infはそれぞれ約15及び11%増加した。

オメプラゾール

健康成人(29例)を対象に、ラメルテオン16mg※とオメプラゾール(CYP1A誘導剤、CYP2C19基質)1日1回40mgを7日間反復経口投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0-τは未変化体でそれぞれ約27及び33%減少し、M-IIでそれぞれ16及び29%増加した。一方、オメプラゾールの薬物動態には併用による影響は認められなかった。

ジゴキシン

健康成人(20例)を対象に、ラメルテオン16mg※をジゴキシン1日1回0.2mgと11日間反復経口投与したとき、単独投与時と比較してジゴキシンのCmax及びAUC0-τはそれぞれ約9及び3%減少した。

ワルファリン

健康成人(22例)を対象に、ラメルテオン16mg※をワルファリン(CYP1A2基質、CYP2C9基質)1日1回1〜15mg(至適用量)と7日間反復経口投与したとき、単独投与時と比較してワルファリンの薬物動態には併用による影響は認められなかった。

ミダゾラム

健康成人(28例)を対象に、ミダゾラム(CYP3A4基質)1日1回10mgをラメルテオン32mg※の10日間反復経口投与の10日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してミダゾラムの薬物動態には併用による影響は認められなかった。

(※承認用量は1回8mgである。)

臨床成績

第II相試験8)

慢性不眠症患者65例(年齢:20〜64歳、中央値42歳)を対象(ただし、精神疾患(統合失調症、うつ病等)、薬物依存等の既往がある患者は除外)とし、1日1回プラセボ、4mg、8mg、16mg、32mgを2日間投与した5剤5期クロスオーバー二重盲検比較試験の結果、「睡眠ポリグラフ検査による睡眠潜時」において、8mg群ではプラセボ群に比べ13.5分の短縮が認められている(p<0.05)。なお、8mg群において睡眠薬の前治療歴のある患者では18.0分の短縮、前治療歴のない患者では12.7分の短縮が認められている。

第II/III相試験9)

慢性不眠症患者1,130例(年齢:20〜84歳、中央値50歳)を対象(ただし、過去12ヵ月に精神疾患(統合失調症、うつ病等)、薬物依存等の既往がある患者は除外)とした二重盲検比較試験において、投与1週後の睡眠後調査票による自覚的睡眠潜時において、8mg群ではプラセボ群に比べ3.1分の短縮が認められたが、統計学的な有意差は認められなかった(p=0.0905)。なお、8mg群において睡眠薬の前治療歴のある患者では0.4分の延長、前治療歴のない患者では5.5分の短縮が認められている。

第III相試験10)

慢性不眠症患者971例(年齢:20〜80歳、中央値36歳)を対象(ただし、過去12ヵ月に精神疾患(統合失調症、うつ病等)、薬物依存等の既往がある患者は除外)とした二重盲検比較試験において、投与1週後の睡眠日誌による自覚的睡眠潜時は本剤(8mg)群においてプラセボ群と比較して統計学的に有意に減少したが、投与2週後では有意差は認められなかった。

プラセボ群本剤群プラセボ群との差a) p値a)
観察期評価例数482489
睡眠潜時
(分)
77.42±30.2277.13±30.81
投与1週目評価例数481489−4.54
[−7.23,−1.85]
0.0010
睡眠潜時
(分)
65.77±30.3661.07±30.65
投与2週目評価例数478478−2.36
[−5.25,0.53]
0.1093
睡眠潜時
(分)
59.62±29.1356.95±31.37
平均値±標準偏差a)ベースライン値を共変量、薬剤群を要因とした共分散分析

長期投与試験11)

慢性不眠症患者190例(年齢:21〜81歳、中央値47歳)を対象(ただし、過去12ヵ月に精神疾患(統合失調症、うつ病等)、薬物依存等の既往がある患者は除外)とした長期投与試験において、本剤8mgの投与により睡眠潜時の短縮は長期にわたり維持された。

評価時期観察期第1週第4週第12週第24週
評価例数7474706660
睡眠潜時
(分)
70.51±47.5854.35±37.3243.04±27.6437.42±27.3438.83±29.11
平均値±標準偏差

臨床薬理試験(呼吸抑制に及ぼす影響)12)

軽度又は中等度の閉塞性睡眠時無呼吸患者(外国人)に対する16mg※単回投与において、睡眠中の無呼吸低呼吸指数への影響は認められていない。

(※承認用量は1回8mgである。)

薬効薬理

作用機序

ラメルテオンは、メラトニンMT1及びMT2受容体に対する高い親和性を有するメラトニン受容体アゴニストであり、ヒトメラトニンMT1及びMT2受容体に対する親和性(Ki値)はそれぞれ14.0pmol/L及び112pmol/L、フォルスコリン誘発cAMP生成反応を指標にしたアゴニスト活性のIC50値はそれぞれ21.2pmol/L及び53.4pmol/Lである。13)ラメルテオンはGABAA受容体をはじめとするGABA、セロトニン、ドパミン、ノルアドレナリン及びアセチルコリンなどの神経伝達物質受容体に対して、10μmol/Lの濃度で検出可能な親和性を示さない。13)

睡眠に対する作用

カニクイザルの夜間睡眠に対する作用ではラメルテオン0.03mg/kg経口投与で浅いNREM睡眠及び徐波睡眠の潜時を有意に短縮し、総睡眠量を有意に増加させる。14)
ネコの睡眠覚醒に対する作用ではラメルテオン0.001mg/kg経口投与で覚醒時間を短縮し、徐波睡眠時間を有意に増加させる。15)

有効成分に関する理化学的知見

一般名ラメルテオン
一般名(欧名)Ramelteon
化学名N-{2-[(8S)-1,6,7,8-Tetrahydro-2H-indeno[5,4-b]-furan-8-yl]ethyl}propanamide
分子式C16H21NO2
分子量259.34
融点115.9℃
性状ラメルテオンは白色〜帯黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。エタノール(99.5)及びベンジルアルコールに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けやすく、水に極めて溶けにくい。
KEGG DRUGD02689

包装

100錠(10錠×10)、500錠(バラ)

主要文献


1. 国内における薬物動態試験成績[1](社内資料)
2. 外国における薬物動態試験成績[1](社内資料)
3. 国内における薬物動態試験成績[2](社内資料)
4. ラメルテオンの代謝に関する検討(社内資料)
5. 国内における薬物動態試験成績[3](社内資料)
6. 外国における薬物動態試験成績[2](社内資料)
7. 外国における薬物動態試験成績[3](社内資料)
8. 国内における臨床試験成績[1](社内資料)
9. 国内における臨床試験成績[2](社内資料)
10. 国内における臨床試験成績[3](社内資料)
11. 国内における臨床試験成績[4](社内資料)
12. Kryger,M.et al.,  Sleep Breathing,  11,  159,  (2007) »PubMed »DOI
13. Kato,K.et al.,  Neuropharmacology,  48,  301,  (2005) »PubMed »DOI
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2019年10月 改訂
2020年5月 改訂 (第10版)

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[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2021/1/20 版