A型又はB型インフルエンザウイルス感染症患者の同居家族又は共同生活者(10歳以上)を対象として、ラニナミビルオクタン酸エステル40mgを単回吸入投与したときのインフルエンザウイルス感染症の発症抑制効果(10日間)を検討した。また、40mgを単回吸入投与と20mgを1日1回2日間吸入投与したときの発症抑制効果を比較した。
主要評価項目である臨床的インフルエンザウイルス感染症の発症割合は、ラニナミビルオクタン酸エステル40mg単回投与群で4.5%(12/267)、20mg2回投与群で4.5%(12/269)、プラセボ群で12.1%(32/265)であり、ラニナミビルオクタン酸エステル40mg単回投与群はプラセボ群と比較して統計的に有意に低かった(
P=0.0015)。また、プラセボ群に対する相対リスク減少率[95%信頼区間]は、40mg単回投与群で62.8%(29.3〜80.4)、20mg2回投与群で63.1%[29.8〜80.5]であり、両群で同程度であった。
ウイルス型・亜型別の臨床的インフルエンザウイルス感染症の発症割合は、ラニナミビルオクタン酸エステル40mg単回投与群、20mg2回投与群、及びプラセボ群で、A型(H3N2)ではそれぞれ4.5%(12/265)、4.7%(12/258)、及び12.4%(32/258)、B型ではそれぞれ0.0%(0/2)、0.0%(0/3)、及び0.0%(0/2)であった
7)。
臨床的インフルエンザウイルス感染症の発症割合
投与群 | ラニナミビルオクタン酸エステル水和物 | プラセボ |
40mga)単回 | 20mga)2日間 |
被験者数(例) | 267 | 269 | 265 |
発症被験者数(例) | 12 | 12 | 32 |
発症割合(%) | 4.5 | 4.5 | 12.1 |
P値b)
| 0.0015 | − | − |
相対リスク減少率c)(%)[95%信頼区間] | 62.8[29.3〜80.4] | 63.1[29.8〜80.5] | − |
副作用発現頻度は、ラニナミビルオクタン酸エステル40mg単回投与群で1.9%(5/267例)、20mg2回投与群で1.9%(5/269例)で、主な副作用は尿中ブドウ糖陽性0.7%(2/267例)であった。
A型又はB型インフルエンザウイルス感染症患者の同居家族又は共同生活者(10歳以上)を対象として、ラニナミビルオクタン酸エステル20mgを1日1回2日間吸入投与したときのインフルエンザウイルス感染症の発症抑制効果(10日間)を検討した。
主要評価項目である臨床的インフルエンザウイルス感染症の発症割合は、ラニナミビルオクタン酸エステル20mg2回投与群で3.9%(19/487)、プラセボ群で16.9%(81/478)であり、プラセボ群と比較して統計的に有意に低かった(
P<0.0001)。また、プラセボ群に対する相対リスク減少率[95%信頼区間]は、77.0%[62.7〜85.8]であった。
ウイルス型・亜型別の臨床的インフルエンザウイルス感染症の発症割合は、ラニナミビルオクタン酸エステル20mg2回投与群及びプラセボ群で、A型(H3N2)ではそれぞれ3.6%(16/443)及び17.3%(75/434)、B型ではそれぞれ7.0%(3/43)及び14.0%(6/43)であった
8)。
臨床的インフルエンザウイルス感染症の発症割合
投与群 | ラニナミビルオクタン酸エステル水和物 | プラセボ |
20mga)2日間 |
被験者数(例) | 487 | 478 |
発症被験者数(例) | 19 | 81 |
発症割合(%) | 3.9 | 16.9 |
P値b)
| <0.0001 |
相対リスク減少率c)(%)[95%信頼区間] | 77.0[62.7〜85.8] |
副作用発現頻度は、ラニナミビルオクタン酸エステル20mg2回投与群で3.1%(17/552例)で、主な副作用は下痢0.7%(4/552例)であった。