医療用医薬品 : クロチアゼパム |
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総称名 | クロチアゼパム |
一般名 | クロチアゼパム |
欧文一般名 | Clotiazepam |
薬効分類名 | 心身安定剤 |
薬効分類番号 | 1179 |
ATCコード | N05BA21 |
KEGG DRUG |
D01328
クロチアゼパム
商品一覧 相互作用情報 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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クロチアゼパム錠5mg「トーワ」 (後発品) | CLOTIAZEPAM TABLETS 5mg"TOWA" | 東和薬品 | 1179012F1134 | 5.7円/錠 | 向精神薬 , 処方箋医薬品 |
クロチアゼパム錠10mg「トーワ」 (後発品) | CLOTIAZEPAM TABLETS 10mg"TOWA" | 東和薬品 | 1179012F2050 | 8.3円/錠 | 向精神薬 , 処方箋医薬品 |
次の患者には投与しないこと
急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
重症筋無力症の患者[筋弛緩作用により、症状を悪化させるおそれがある。]
心身症(消化器疾患、循環器疾患)における身体症候ならびに不安・緊張・心気・抑うつ・睡眠障害
麻酔前投薬
下記疾患におけるめまい・肩こり・食欲不振
自律神経失調症
用量は患者の年齢、症状により決定するが、通常成人にはクロチアゼパムとして1日15〜30mgを1日3回に分けて経口投与する。
麻酔前投薬の場合は、就寝前または手術前にクロチアゼパムとして10〜15mgを経口投与する。
慎重投与
心障害のある患者[血圧低下があらわれるおそれがあり、心障害のある患者では症状の悪化につながるおそれがある。]
肝障害のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
腎障害のある患者[作用が強くあらわれるおそれがある。]
脳に器質的障害のある患者[作用が強くあらわれるおそれがある。]
乳児・幼児(「小児等への投与」の項参照)
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
衰弱患者[作用が強くあらわれるおそれがある。]
中等度又は重篤な呼吸不全のある患者[炭酸ガスナルコーシスを起こしやすい。]
重要な基本的注意
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。(「重大な副作用」の項参照)
相互作用
併用注意
中枢神経抑制剤 フェノチアジン誘導体 バルビツール酸誘導体 等 | 眠気、血圧低下、運動失調などを起こすおそれがある。 | 中枢神経抑制剤との併用で相加的な増強作用が考えられる。 |
MAO阻害剤 | 過鎮静、昏睡、痙攣発作、興奮などを起こすおそれがある。 | MAO阻害剤が本剤の肝での代謝を抑制し、半減期を延長し、血中濃度を上昇させるため作用が増強されることが考えられる。 |
アルコール(飲酒) | 精神機能、知覚・運動機能の低下を起こすおそれがある。 | エタノールと本剤は相加的な中枢抑制作用を示すことが考えられる。 |
副作用
副作用発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
(頻度不明)
依存性
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
肝機能障害、黄疸
肝機能障害(AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、LDH、Al-P、ビリルビン上昇等)、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
頻度不明 | |
精神神経系 | 眠気、ふらつき、眩暈、歩行失調、霧視、頭痛・頭重、振戦、手足のしびれ、舌のもつれ |
循環器 | 耳鳴、血圧低下、たちくらみ、頻脈 |
消化器 | 悪心・嘔吐、食欲不振、胃痛、便秘、口渇 |
皮膚 | 発疹、かゆみ |
骨格筋 | 易疲労・けん怠感、脱力感等の筋緊張低下症状、筋痛、関節痛 |
その他 | 浮腫 |
高齢者への投与
高齢者では、運動失調等の副作用が発現しやすいので、少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦(3ヵ月以内)又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中に他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)の投与を受けた患者の中に奇形を有する児等の障害児を出産した例が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。]
妊娠後期の女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。]
分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。
授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。[ヒト母乳中へ移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが、他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)で報告されており、また黄疸を増強する可能性がある。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
過量投与
本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意(禁忌、慎重投与、相互作用等)を必ず読むこと。なお、投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニルを投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
生物学的同等性試験
クロチアゼパム錠5mg「トーワ」
クロチアゼパム錠5mg「トーワ」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(クロチアゼパムとして5mg)健康成人男子(n=16)に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された(昭和55年5月30日 薬審第718号に基づく)1)。
判定パラメータ | 参考パラメータ | |||
AUC24(ng・hr/mL) | Cmax(ng/mL) | Tmax(hr) | T1/2(hr) | |
クロチアゼパム錠5mg「トーワ」(錠剤、5mg) | 643.5±240.3 | 170.4±53.4 | 0.66±0.24 | 8.10±6.10 |
標準製剤(錠剤、5mg) | 606.9±263.1 | 184.9±68.5 | 0.72±0.26 | 7.59±6.57 |
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
クロチアゼパム錠10mg「トーワ」
クロチアゼパム錠10mg「トーワ」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(クロチアゼパムとして10mg)健康成人男子(n=12)に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された2)。
判定パラメータ | 参考パラメータ | |||
AUC24(ng・hr/mL) | Cmax(ng/mL) | Tmax(hr) | T1/2(hr) | |
クロチアゼパム錠10mg「トーワ」(錠剤、10mg) | 949±300 | 258.778±88.305 | 0.771±0.345 | 6.086±0.920 |
標準製剤(錠剤、10mg) | 963±322 | 266.006±85.465 | 0.750±0.511 | 5.814±1.236 |
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
溶出挙動
ベンゾジアゼピン薬物に共通の薬効を示す。
ベンゾジアゼピン誘導体の特徴として、抗不安、鎮静・催眠、抗痙攣、筋弛緩、麻酔薬、鎮痛薬の増強作用を示す。中枢神経系でGABAは抑制性の伝達物質として働き、GABA受容体のサブタイプであるGABAA受容体と塩素イオンチャネルが複合体を形成しているが、ベンゾジアゼピン誘導体の基本的作用は、GABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位(αサブユニット)に結合し、塩素イオン(Cl−)の細胞内流入を増強することである。その結果、神経細胞膜が過分極し、神経の興奮が抑制される。この作用により、大脳皮質や大脳辺縁系の過剰活動を抑制して、不安を減弱させる。
ベンゾジアゼピン誘導体は、抗不安作用以外に催眠作用や抗痙攣作用を示すが、これらの作用には上記に加えて、脳幹網様体等他の作用部位も関与している可能性がある。また、中枢性筋弛緩作用を示すが、これには多シナプス反射の抑制や脊髄におけるシナプス前抑制の増強が関与していると考えられている。
短時間型のベンゾジアゼピン系抗不安薬(化学構造はチエノジアゼピン系)に分類される。抗不安作用、筋弛緩作用共にジアゼパムより弱い5)。
安定性試験
クロチアゼパム錠5mg「トーワ」
100錠、1000錠(PTP)
1000錠(バラ)
クロチアゼパム錠10mg「トーワ」
100錠(PTP)
本剤は厚生労働省告示第97号(平成20年3月19日付)に基づき、1回30日分投薬を上限とされております。
1. | 東和薬品株式会社 社内資料:生物学的同等性試験(錠5mg) |
2. | 東和薬品株式会社 社内資料:生物学的同等性試験(錠10mg) |
3. | 東和薬品株式会社 社内資料:溶出試験(錠5mg) |
4. | 東和薬品株式会社 社内資料:溶出試験(錠10mg) |
5. | 第十五改正日本薬局方解説書, C-1226, (2006) |
6. | 東和薬品株式会社 社内資料:安定性試験(錠5mg) |
7. | 東和薬品株式会社 社内資料:安定性試験(錠10mg) |
改訂履歴 |
2018年2月 改訂 (第12版) |
文献請求先 |
主要文献(社内資料を含む)は下記にご請求下さい。 |
お問い合わせ先 |
主要文献(社内資料を含む)は下記にご請求下さい。 |
業態及び業者名等 |
製造販売元 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2020/12/16 版 |