医療用医薬品 : ダラシン |
List Top |
総称名 | ダラシン |
一般名 | クリンダマイシンリン酸エステル |
欧文一般名 | Clindamycin Phosphate |
製剤名 | クリンダマイシンリン酸エステル製剤 |
薬効分類名 | 外用抗生物質製剤 |
薬効分類番号 | 2634 |
ATCコード | D10AF01 |
KEGG DRUG |
D01073
クリンダマイシンリン酸エステル
商品一覧 米国の商品 相互作用情報 |
KEGG DGROUP |
DG00435
クリンダマイシン
商品一覧 DG01578 リンコサミド系抗生物質 商品一覧 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
---|---|---|---|---|---|
ダラシンTゲル1% | Dalacin T Gel 1% | 佐藤製薬 | 2634713M1020 | 27.7円/g | 処方箋医薬品 |
ダラシンTローション1% | Dalacin T Lotion 1% | 佐藤製薬 | 2634713Q1021 | 27.7円/mL | 処方箋医薬品 |
次の患者には使用しないこと
本剤の成分又はリンコマイシン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
本品の適量を1日2回、洗顔後、患部に塗布する。
本剤を塗布する面積は治療上必要最小限にとどめること。
本剤の使用にあたっては、4週間で効果が認められない場合には使用を中止すること。また、炎症性皮疹が消失した場合には継続使用しないこと。
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、疾病の治療上必要な最小限の期間の使用にとどめること。
慎重投与
抗生物質に関連した下痢又は大腸炎の既往歴のある患者[偽膜性大腸炎等の重篤な大腸炎があらわれるおそれがある(「副作用」の項参照)。]
アトピー性体質の患者[重症の即時型アレルギー反応があらわれるおそれがある。]
相互作用
併用注意
エリスロマイシン | 併用しても本剤の効果があらわれないと考えられる。 | 細菌のリボソーム50S Subunitへの親和性が本剤より高い。 |
末梢性筋弛緩剤 塩化スキサメトニウム 塩化ツボクラリン等 | 筋弛緩作用が増強される。 | 本剤は神経筋遮断作用を有する。 |
副作用
副作用発現状況の概要
(ダラシンTゲル1%)
承認時における臨床試験において308例中、25例(8.1%)に副作用が認められた。その主なものは、臨床症状でそう痒18件(5.8%)、発赤5件(1.6%)であり、また、臨床検査値異常では、総ビリルビン上昇4件(1.5%(4/262件))、尿蛋白3件(1.2%(3/246件))、ALT(GPT)上昇2件(0.8%(2/266件))であった。(承認時までの集計)
製造販売後における臨床試験において、67例中、2例(3.0%)に副作用が認められた。その主なものは、臨床症状でそう痒2件(3.0%)であった。製造販売後の小児を対象とした特定使用成績調査における安全性評価対象168例中3例(1.8%)に副作用が認められた。その主なものは、接触皮膚炎1件(0.6%)、湿疹1件(0.6%)、刺激感1件(0.6%)であった。(ダラシンTゲル1%再審査終了時)
(ダラシンTローション1%)
承認時における臨床試験において114例中、16例(14.0%)に副作用が認められた。その主なものは、臨床症状で刺激感13件(11.4%)、紅斑3件(2.6%)であり、また、臨床検査値異常では、総ビリルビンの上昇1件(0.9%)であった。(承認時までの集計)
重大な副作用及び副作用用語
その他の副作用
5%以上 | 0.1〜5%未満 | 頻度不明注1) | |
皮膚 | つっぱり感、パリパリ感 | グラム陰性菌毛嚢炎、脂性肌 | |
過敏症 | そう痒 | 発赤注2)、蕁麻疹、刺激感、ヒリヒリ感 | 接触皮膚炎 |
肝臓 | AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、総ビリルビンの上昇、ウロビリノーゲン陽性 | ||
その他 | 白血球増加、血小板増加、総コレステロール低下、尿蛋白、尿糖 | 消化器障害 |
5%以上 | 0.1〜5%未満 | |
過敏症 | 刺激感 | 紅斑 |
肝臓 | 総ビリルビンの上昇 |
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には使用しないことが望ましい。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
授乳婦
授乳中の婦人には使用しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合には授乳を避けさせること。[皮膚外用に用いたときの母乳中への移行は不明である。]
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない(低出生体重児、新生児、乳児、幼児に対する使用経験がない。小児に対する使用経験が少ない)。
適用上の注意
投与経路
皮膚外用剤として用法・用量にしたがって使用し、眼科用として使用しないこと。
吸収・排泄1)(ダラシンTゲル1%)
健康成人男子(6名)の背部皮膚にダラシンTゲル1%2gを単回塗布した時の血漿中クリンダマイシン濃度は、多くの被験者で定量限界値(13.2pg/mL)以下であった。また、ダラシンTゲル1%2gを12時間毎に9回反復塗布した時の塗布後12時間の血漿中クリンダマイシン濃度は、3回塗布でほぼ一定となり、最終塗布後の最高血漿中濃度は平均163.3pg/mLであった。尿中クリンダマイシン排泄率は単回及び反復塗布のいずれにおいても塗布量の0.01%以下であった。
生物学的同等性2)(ダラシンTローション1%)
ざ瘡患者を対象に1日2回、朝・夕洗顔後、患部に4週間塗布し、ゲルと生物学的同等性を検証した比較試験において、炎症性皮疹の減少率はローション群87例で58.5%、ゲル群90例で57.6%となった。統計解析の結果、両剤の生物学的同等性が示された。
多発性炎症性皮疹を有する尋常性ざ瘡〔ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)〕患者を対象に1日2回、朝・夕洗顔後、患部に4週間塗布した第II相至適濃度設定試験(二重盲検試験)における有効率(有効以上)は、1%群81.8%(36/44)、基剤群54.0%(27/50)、第III相比較試験におけるダラシンTゲル1%の有効率(有効以上)は、72.5%(74/102)であり、炎症性皮疹の減少が認められた。また、一般臨床試験(12週間)における有効率(有効以上)は、64.9%(37/57)であり、4週間以上の塗布においても、炎症性皮疹の減少が認められた。
皮膚刺激性(ダラシンTゲル1%7)、ダラシンTローション1%8))
本邦パッチテスト研究班の基準に基づき、健康成人男子で傍脊椎側の無傷皮膚表面にゲルあるいはローションそれぞれに対し基剤を用いた単純パッチテスト並びに光パッチテストを実施した結果、本剤の皮膚刺激性が弱いこと、また、光過敏反応を示さないことが確認された。
クリンダマイシンリン酸エステルは生体内で加水分解され、クリンダマイシンとして抗菌力を示す。クリンダマイシンはグラム陽性球菌群、嫌気性菌群及びマイコプラズマ群に対して抗菌力を示し、尋常性ざ瘡の病態に関与しているアクネ菌(及び表皮ブドウ球菌)に対して抗菌作用を示す。
作用機序
細菌のリボソーム50S Subunitに作用し、ペプチド転移酵素反応を阻止し、蛋白合成を阻害する。
(ダラシンTローション1%)
火気を避けて保存すること。
安定性試験
最終包装製品を用いた長期保存試験(室温、3年間)の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、ダラシンTローション1%は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。
ダラシンTゲル1%
10g×10(チューブ)
ダラシンTローション1%
20mL×10(ポリプロピレン容器)
1. | 原田昭太郎, 臨床医薬, 15, 567-82, (1999) |
2. | CLDM-L研究会, 臨床医薬, 26, 409-23, (2010) |
3. | CLDM-T研究会, 臨床医薬, 15, 583-602, (1999) |
4. | CLDM-T研究会, 臨床医薬, 15, 603-28, (1999) |
5. | CLDM-T研究会, 臨床医薬, 15, 629-43, (1999) |
6. | CLDM-T研究会, 臨床医薬, 15, 645-61, (1999) |
7. | 原田昭太郎, 臨床医薬, 15, 559-65, (1999) |
8. | 佐藤製薬株式会社 社内資料;皮膚安全性試験 |
9. | 小野尚子ほか, Jpn J Antibiot, 30, 1-6, (1977) »PubMed |
10. | 二宮敬宇ほか, Jpn J Antibiot, 26, 157-62, (1973) »PubMed |
11. | 佐藤製薬株式会社 社内資料;Mycoplasma pneumoniaeに対するLincomycinおよびClindamycinの抗Mycoplasma作用 |
12. | 出口浩一, Jpn J Antibiot, 34, 419-24, (1981) »PubMed |
13. | 駒形安子ほか, Jpn J Antibiot, 51, 130-6, (1998) »PubMed |
改訂履歴 |
2011年4月 改訂(再審査結果等に基づく改訂) (第7版) |
文献請求先 |
主要文献(社内資料含む)は下記にご請求ください。 |
業態及び業者名等 |
製造販売元 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2021/4/20 版 |