医療用医薬品 : フェブリク |
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総称名 | フェブリク |
一般名 | フェブキソスタット |
欧文一般名 | Febuxostat |
製剤名 | フェブキソスタット製剤 |
薬効分類名 | 非プリン型選択的キサンチンオキシダーゼ阻害剤, 高尿酸血症治療剤 |
薬効分類番号 | 3949 |
ATCコード | M04AA03 |
KEGG DRUG |
D01206
フェブキソスタット
商品一覧 米国の商品 相互作用情報 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
---|---|---|---|---|---|
フェブリク錠10mg | Feburic Tablets 10mg | 帝人ファーマ | 3949003F1023 | 32.1円/錠 | 処方箋医薬品 |
フェブリク錠20mg | Feburic Tablets 20mg | 帝人ファーマ | 3949003F2020 | 58.6円/錠 | 処方箋医薬品 |
フェブリク錠40mg | Feburic Tablets 40mg | 帝人ファーマ | 3949003F3026 | 110.1円/錠 | 処方箋医薬品 |
次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
メルカプトプリン水和物又はアザチオプリンを投与中の患者[「相互作用」の項参照]
痛風、高尿酸血症
がん化学療法に伴う高尿酸血症
痛風、高尿酸血症
本剤の適用にあたっては、最新の治療指針等を参考に、薬物治療が必要とされる患者を対象とすること。
がん化学療法に伴う高尿酸血症
本剤の適用にあたっては、腫瘍崩壊症候群の発症リスクを考慮して適応患者を選択すること。
本剤は既に生成された尿酸を分解する作用はないため、血中尿酸値を急速に低下させる効果は期待できない。
がん化学療法後に発症した高尿酸血症に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。[使用経験がない。]
痛風、高尿酸血症
通常、成人にはフェブキソスタットとして1日10mgより開始し、1日1回経口投与する。その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量する。維持量は通常1日1回40mgで、患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1日1回60mgとする。
がん化学療法に伴う高尿酸血症
通常、成人にはフェブキソスタットとして60mgを1日1回経口投与する。
痛風、高尿酸血症
尿酸降下薬による治療初期には、血中尿酸値の急激な低下により痛風関節炎(痛風発作)が誘発されることがあるので、本剤の投与は10mg1日1回から開始し、投与開始から2週間以降に20mg1日1回、投与開始から6週間以降に40mg1日1回投与とするなど、徐々に増量すること(「臨床成績」の項参照)。なお、増量後は経過を十分に観察すること。
がん化学療法に伴う高尿酸血症
本剤は、がん化学療法開始1〜2日前から投与を開始すること。
臨床症状及び血中尿酸値をモニタリングしながら、化学療法開始5日目まで投与すること。なお、患者の状態に応じて、投与期間を適宜延長すること。
慎重投与
重度の腎機能障害のある患者[使用経験が少なく安全性が確立していない。]
肝機能障害のある患者[使用経験が少なく安全性が確立していない。]
重要な基本的注意
本剤は尿酸降下薬であり、痛風関節炎(痛風発作)発現時に血中尿酸値を低下させると痛風関節炎(痛風発作)を増悪させるおそれがある。痛風、高尿酸血症の治療に際し、本剤投与前に痛風関節炎(痛風発作)が認められた場合は、症状がおさまるまで、本剤の投与を開始しないこと。
また、本剤投与中に痛風関節炎(痛風発作)が発現した場合には、本剤の用量を変更することなく投与を継続し、症状によりコルヒチン、非ステロイド性抗炎症剤、副腎皮質ステロイド等を併用すること。
本剤投与中は甲状腺関連の所見の有無を確認し、異常が認められた場合には甲状腺機能関連の検査を実施すること。
心血管疾患を有する痛風患者を対象とした海外臨床試験において、アロプリノール群に比較してフェブキソスタット群で心血管死の発現割合が高かったとの報告がある。本剤を投与する場合には心血管疾患の増悪や新たな発現に注意すること[「その他の注意」の項参照]。
相互作用
併用禁忌
メルカプトプリン水和物 (ロイケリン) アザチオプリン (イムラン、アザニン) | 骨髄抑制等の副作用を増強する可能性がある。 | アザチオプリンの代謝物メルカプトプリンの代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼの阻害により、メルカプトプリンの血中濃度が上昇することがアロプリノール(類薬)で知られている。本剤もキサンチンオキシダーゼ阻害作用をもつことから、同様の可能性がある。 |
併用注意
ビダラビン | 幻覚、振戦、神経障害等のビダラビンの副作用を増強する可能性がある。 | ビダラビンの代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼの阻害により、ビダラビンの代謝を抑制し、作用を増強させることがアロプリノール(類薬)で知られている。本剤もキサンチンオキシダーゼ阻害作用をもつことから、同様の可能性がある。 |
ジダノシン | ジダノシンの血中濃度が上昇する可能性がある。 本剤と併用する場合は、ジダノシンの投与量に注意すること。 | ジダノシンの代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼの阻害により、健康成人及びHIV患者においてジダノシンのCmax及びAUCが上昇することがアロプリノール(類薬)で知られている。本剤もキサンチンオキシダーゼ阻害作用をもつことから、同様の可能性がある。 |
副作用
副作用発現状況の概要
痛風、高尿酸血症
承認時までの安全性評価対象1,027例中228例(22.2%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。内訳は、自他覚的副作用が80例(7.8%)、臨床検査値異常が81例(7.9%)、痛風関節炎は105例(10.2%)であった。主な自他覚的副作用は関節痛12例(1.2%)、四肢不快感9例(0.9%)、四肢痛9例(0.9%)、下痢8例(0.8%)、倦怠感5例(0.5%)等であった。副作用とされた臨床検査値の異常は、肝機能検査値異常36例(3.5%)、TSH増加9例(0.9%)、尿中β2ミクログロブリン増加8例(0.8%)、CK(CPK)増加5例(0.5%)等であった。
がん化学療法に伴う高尿酸血症
承認時までの安全性評価対象49例中1例(2.0%)に副作用が認められた。その副作用は、AST(GOT)増加、ALT(GPT)増加であった。
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
肝機能障害(頻度不明)
AST(GOT)、ALT(GPT)等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に検査を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
過敏症(頻度不明)
全身性皮疹、発疹などの過敏症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
頻度不明注) | 1〜5%未満 | 1%未満 | |
血液 | 血小板数減少、貧血 | 白血球数減少 | |
内分泌系 | TSH増加 | ||
神経系 | 頭痛、味覚異常 | 手足のしびれ感、浮動性めまい、傾眠 | |
心臓 | 動悸 | 心電図異常 | |
胃腸 | 下痢、腹部不快感、悪心、腹痛 | ||
肝・胆道系 | 肝機能検査値異常〔ALT(GPT)増加、AST(GOT)増加、γ-GTP増加等〕 | ||
皮膚 | 蕁麻疹、脱毛 | 発疹、そう痒症、紅斑 | |
筋骨格系 | 関節痛 | 四肢痛、四肢不快感、CK(CPK)増加、筋肉痛 | |
腎及び尿路 | 尿量減少 | β-NアセチルDグルコサミニダーゼ増加、尿中β2ミクログロブリン増加、血中クレアチニン増加、血中尿素増加、頻尿 | |
その他 | 浮腫 | 倦怠感、口渇、血中トリグリセリド増加、CRP増加、血中カリウム増加 |
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いため、患者の状態を観察し、十分に注意しながら本剤を投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で本剤が乳汁中に移行することが報告されている。また、動物実験(ラットにおける出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験)の12mg/kg/日(60mg/日でのヒトの血漿中曝露量の11.1倍)以上で出生児の腎臓にキサンチンと推定される結晶沈着あるいは結石、48mg/kg/日(60mg/日でのヒトの血漿中曝露量の39.3倍)で離乳率の低下、体重低値などの発育抑制、甲状腺の大型化及び甲状腺重量増加の傾向が認められている[1]。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を誘発することが報告されている。]
その他の注意
げっ歯類を用いた104週間投与によるがん原性試験において、最高用量群(ラット24mg/kg/日〔60mg/日でのヒトの血漿中曝露量の約25(雄)及び26(雌)倍〕、マウス18.75mg/kg/日〔60mg/日でのヒトの血漿中曝露量の約4(雄)及び12(雌)倍〕)の膀胱にキサンチンと推定される結晶沈着・結石が認められ、マウスの18.75mg/kg/日(雌)及びラットの24mg/kg/日(雄)に膀胱腫瘍(移行上皮乳頭腫及び移行上皮癌)の発生頻度の増加が認められた。マウスでは膀胱にキサンチン結晶・結石が生成しない条件下で、膀胱移行上皮の過形成は認められなかった。げっ歯類では、結晶・結石などによる機械的刺激が長時間持続することにより、膀胱粘膜の腫瘍性変化が誘発されるとの報告がある。また、臨床試験において、キサンチン結晶・結石を疑わせる尿沈渣所見はなかった[2]。
痛風、高尿酸血症の女性患者に対する使用経験は少ない。(【臨床成績】の項参照)
海外で実施された心血管疾患を有する痛風患者を対象とした二重盲検非劣性試験において、主要評価項目(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、不安定狭心症に対する緊急血行再建術の複合エンドポイント)についてはアロプリノール群に対しフェブキソスタット群で非劣性が示されたものの、副次評価項目のうち心血管死の発現割合はフェブキソスタット群及びアロプリノール群でそれぞれ4.3%(134/3,098例)、3.2%(100/3,092例)でありフェブキソスタット群で高かった(ハザード比[95%信頼区間]:1.34[1.03,1.73])。心血管死の中では両群ともに心突然死が最も多かった(フェブキソスタット群2.7%(83/3,098例)、アロプリノール群1.8%(56/3,092例))。また、全死亡の発現割合についても、フェブキソスタット群及びアロプリノール群でそれぞれ7.8%(243/3,098例)、6.4%(199/3,092例)でありフェブキソスタット群で高かった(ハザード比[95%信頼区間]:1.22[1.01,1.47])。
血漿中濃度
単回投与
健康成人男性30例に、フェブキソスタットとして10、20、40及び80mgを絶食下で単回経口投与したとき、血漿中フェブキソスタットの濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりである[3][4]。
用量 | 薬物動態パラメータ | |||
AUCinf(ng・hr/mL) | Cmax(ng/mL) | t1/2(hr) | tmax(hr) | |
10mg(N=8) | 1537.0±430.9 | 496.2±166.0 | 6.2±0.9 | 1.4±1.1 |
20mg(N=8) | 3296.2±751.9 | 1088.3±178.9 | 6.2±1.1 | 1.3±0.5 |
40mg(N=8) | 7085.2±1341.2 | 2270.3±866.7 | 7.3±1.8 | 1.2±0.8 |
80mg(N=6) | 13300.5±3032.3 | 3765.3±1008.3 | 6.9±1.8 | 1.9±1.0 |
反復投与
健康成人男性6例に、フェブキソスタットとして40mgを朝食後に1日1回7日間反復経口投与したとき、血漿中フェブキソスタット濃度は投与開始後3日で定常状態に達し、反復投与による蓄積性は認められなかった[5]。
用量 | 観察日 | Cmax(ng/mL) | tmax(hr) | AUC0,24hr(ng・hr/mL) | t1/2(hr) |
40mg/日(N=6) | 1日目 | 1019.1±343.2 | 1.8±0.8 | 3658.5±625.6 | 6.3±1.6 |
7日目 | 1299.8±312.6 | 1.5±0.3 | 4442.1±729.5 | 8.8±2.2 |
反復投与(高尿酸血症患者)
高尿酸血症患者10例にフェブキソスタット10mg/日で2週間、20mg/日を4週間1日1回朝食後に投与したとき、投与開始後6週における薬物動態パラメータは以下のとおりであった[6]。
投与群 | Cmax(ng/mL) | tmax(hr) | AUC0,24hr(ng・hr/mL) | t1/2(hr) |
20mg(N=10) | 541.8±227.8 | 2.2±1.6 | 2092.3±463.2 | 8.2±2.4 |
食事の影響
健康成人16例に、フェブキソスタット40mgを食後に単回経口投与したとき、空腹時投与に比べて、Cmax及びAUCinfはそれぞれ28及び18%低下した[3]。
投与群 | Cmax(ng/mL) | tmax(hr) | AUCinf(ng・hr/mL) | t1/2(hr) |
絶食下投与(N=16) | 2049.1±782.3 | 1.2±0.8 | 6538.3±1263.0 | 6.8±1.7 |
食後投与(N=16) | 1456.0±514.8 | 1.8±1.0 | 5321.6±910.4 | 6.3±1.5 |
特殊集団における薬物動態
腎機能低下患者
軽度(5例)及び中等度(7例)の腎機能低下患者にフェブキソスタット20mgを1日1回朝食後に7日間反復経口投与したとき、投与後7日における軽度腎機能低下群のフェブキソスタットのCmaxは腎機能正常群(9例)と変わらなかったが、AUC0,24hrは腎機能正常群に比較して53%増加した。中等度腎機能低下群のCmax及びAUC0,24hrは腎機能正常群に比較して、それぞれ26及び68%増加した[7]。
軽度(6例)、中等度(7例)及び重度(7例)の腎機能低下患者にフェブキソスタット80mgを1日1回朝食前に7日間反復経口投与したとき、投与後7日におけるフェブキソスタットのCmax及びAUC0,24hrは、腎機能正常群(11例)に比較して軽度、中等度、重度腎機能低下群でそれぞれ41及び48%、2及び48%、4及び76%上昇した(外国人のデータ)[8]。
肝機能低下患者
軽度(8例)及び中等度(8例)の肝機能低下患者(Child-Pugh A、B)にフェブキソスタット80mgを1日1回朝食前に7日間反復経口投与したとき、軽度肝機能低下群の投与後7日におけるフェブキソスタットのCmax及びAUC0,24hrは、肝機能正常群(11例)と比較してそれぞれ24及び30%上昇した。また、中等度肝機能低下群のCmax及びAUC0,24hrはそれぞれ53及び55%上昇した(外国人のデータ)[9]。
高齢者及び性別の影響
高齢者(65歳以上、24例)と若年者(18〜40歳、24例)にフェブキソスタット80mgを1日1回朝食前に7日間反復経口投与したとき、投与後7日における高齢者のCmax及びAUC0,24hrは若年者に対してそれぞれ1%低下及び12%上昇した。
また、女性被験者群(24例)のCmax及びAUC0,24hrは男性被験者群(24例)に比較してそれぞれ24及び12%高かった(外国人のデータ)[10]。
(注)本剤の承認された用法・用量における最大投与量は60mg/日である。
蛋白結合率
フェブキソスタット(0.4〜10μg/mL添加時)のヒト血漿蛋白結合率は97.8〜99.0%であり、主な結合蛋白はアルブミンであった(in vitro試験)[11]。
代謝・排泄
フェブキソスタットの主な代謝経路はグルクロン酸抱合反応であった。また、その他に複数の酸化代謝物、それらの硫酸抱合体及びグルクロン酸抱合体に代謝された[12]。
フェブキソスタットのCYP1A2、CYP2B6、CYP2C9、CYP2C19、及びCYP3A4/5に対する阻害は認められなかった。一方、フェブキソスタットのCYP2C8及びCYP2D6に対するKi値はそれぞれ20及び40μmol/Lであった(ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験)[11][13]。
フェブキソスタットはCYP1A1/2、CYP2B6、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1及びCYP3A4/5を誘導しなかった(ヒト初代肝細胞を用いたin vitro試験)[13]。
健康成人男性24例にフェブキソスタットとして10、20、40mgを絶食下単回経口投与したとき、投与後24及び96時間までの投与量に対するフェブキソスタットの尿中排泄率はそれぞれ2.1〜3.8%及び2.2〜3.9%であった。また、投与後24及び96時間までの投与量に対するフェブキソスタットのグルクロン酸抱合体の尿中排泄率はそれぞれ46.7〜49.7%及び49.0〜51.6%であった[3]。
健康成人男性6例に14C-フェブキソスタットとして80mgを含有する液剤を、絶食下単回経口投与したとき、投与後4時間までの血漿中総放射能に対するフェブキソスタット及びそのグルクロン酸抱合体の割合はそれぞれ83.8〜95.8%及び2.3〜6.8%であった。投与後48時間までのフェブキソスタットの尿中排泄率(投与量に対する割合、以下同様)は1.1〜3.5%、投与後120時間までの糞中排泄率は7.8〜15.8%であった。また、代謝物を含めた総放射能の投与後216時間までの尿及び糞中排泄率はそれぞれ49.1及び44.9%であった(外国人のデータ)[12]。
(注)本剤の承認された用法・用量における最大投与量は60mg/日である。
薬物相互作用
制酸剤の影響
健康成人24例に制酸剤(5mL中に水酸化マグネシウム200mg及び水酸化アルミニウム225mgを含有する配合剤)を単回経口投与後にフェブキソスタット80mgを単回経口投与したとき、フェブキソスタットのCmax及びAUCinfはそれぞれ32及び15%低下した(外国人のデータ)[14]。
コルヒチンの影響及びコルヒチンへの影響
健康成人22例にフェブキソスタット40mgを1日1回7日間反復経口投与し、更に4〜7日目にコルヒチンを1.2mg/日で1日2回反復経口投与したとき、フェブキソスタットのCmax及びAUC0,24hrはそれぞれ12及び7%上昇した(外国人のデータ)[15]。
健康成人26例にフェブキソスタット120mgを1日1回及びコルヒチンを1.2mg/日で1日2回14日間反復経口投与したとき、コルヒチンの朝食前投与後もしくは夕食後投与後のCmaxはそれぞれ12%低下及び2%上昇した。また、AUC0,24hrは3%低下した[15]。
インドメタシンの影響及びインドメタシンへの影響
健康成人26例にフェブキソスタット80mgを1日1回及びインドメタシン100mg/日で1日2回5日間反復経口投与したとき、フェブキソスタットのCmaxは7%低下し、AUC0,24hrは2%上昇した。また、インドメタシンのCmax及びAUC0,24hrの低下は2%以内であった(外国人のデータ)[16]。
ナプロキセンの影響及びナプロキセンへの影響
健康成人25例にフェブキソスタット80mgを1日1回及びナプロキセン1000mg/日を1日2回7日間反復経口投与したとき、ナプロキセンの併用により、フェブキソスタットのCmax及びAUC0,24hrはそれぞれ28及び40%上昇した。一方、フェブキソスタットの併用によるナプロキセンのCmaxの上昇及びAUC0,24hrの低下は1%以内であった(外国人のデータ)[16]。
デシプラミンへの影響
健康成人18例にフェブキソスタット120mgを1日1回9日間反復経口投与し、投与開始後6日にデシプラミン(国内未承認)25mgを単回経口投与したとき、デシプラミンのCmax及びAUCinfはそれぞれ16及び22%上昇した(外国人のデータ)[17]。
ワルファリンナトリウムへの影響
健康成人13例にフェブキソスタット120mgとワルファリンナトリウム(国内未承認)(用量はINRを基準に設定)を1日1回14日間反復経口投与したとき、R-及びS-ワルファリンのCmax及びAUC0,24hrの上昇は5%以内であった。また、ワルファリンの薬力学の変化(INRmaxの上昇、INRmean,24hの低下及び第VII因子活性平均値の上昇)は7%以内であった(外国人のデータ)[18]。
健康成人27例にフェブキソスタット80mgとワルファリンナトリウム(国内未承認)(用量はINRを基準に設定)を1日1回14日間反復経口投与したとき、R-ワルファリンのCmax及びAUC0,24hrの低下は2%以内であった。また、S-ワルファリンのCmaxの低下及びAUC0,24hrの上昇は1%以内であった。また、ワルファリンの薬力学の変化(INRmaxとINRmean,24hの低下及び第VII因子活性平均値の上昇)は4%以内であった(外国人のデータ)[18]。
ヒドロクロロチアジドの影響
健康成人33例にフェブキソスタット80mgとヒドロクロロチアジド50mgを単回経口投与したとき、フェブキソスタットのCmax及びAUCinfの上昇は4%以内であった(外国人のデータ)[19]。
テオフィリンへの影響
健康成人23例にフェブキソスタット80mgを1日1回7日間反復経口投与し、投与開始後5日にテオフィリン400mgを単回経口投与したとき、テオフィリンのCmax及びAUCinfの上昇は5%以内であった(外国人のデータ)[20]。
ロシグリタゾンへの影響
健康成人36例にフェブキソスタット120mgを1日1回9日間反復経口投与し、投与開始後5日にロシグリタゾン(国内未承認)4mgを単回経口投与したとき、ロシグリタゾンのCmaxの低下及びAUCinfの上昇は6%以内であった[21]。
(注)本剤の承認された用法・用量における最大投与量は60mg/日である。
痛風、高尿酸血症
痛風を含む高尿酸血症患者202例を対象としたプラセボ対照無作為化二重盲検用量反応比較試験を行った。本剤10mg/日から投与を開始し、各群の固定維持用量(20、40、60又は80mg/日)まで用量を段階的に増量した。増量のタイミングは投与開始後2、6及び10週とし、これ以降16週まで用量を維持した。なお、女性患者はプラセボ群1/38例、本剤20mg/日群2/43例、本剤40mg/日群0/41例、本剤60mg/日群1/36例、本剤80mg/日群1/41例であった。投与開始後16週時(各群の維持用量まで用量を段階的に増量した期間を含む)に、血清尿酸値が6.0mg/dL以下に到達した患者の割合(達成率)及び各投与期間での痛風関節炎の発現割合は、下表のとおりであった[22]。
投与開始後16週の血清尿酸値6.0mg/dL以下達成率
投与群 | 血清尿酸値6.0mg/dL以下達成率 | プラセボ群との差 | 95%信頼区間(%) |
プラセボ(38例) | 2.6% | − | − |
20mg/日(43例) | 46.5% | 43.9% | 28.1〜59.6 |
40mg/日(41例) | 82.9% | 80.3% | 67.7〜92.9 |
60mg/日(36例) | 83.3% | 80.7% | 67.5〜93.9 |
80mg/日(41例) | 87.8% | 85.2% | 73.9〜96.4 |
痛風関節炎の発現割合
投与群 | 0〜2週以下 | 2週超6週以下 | 6週超10週以下 | 10週超16週以下 |
プラセボ(38例) | 0.0% | 5.3% | 2.6% | 2.7% |
20mg/日(43例) | 0.6%(10mg/日) | 2.5%(20mg/日) | 4.9%(20mg/日) | 2.4%(20mg/日) |
40mg/日(41例) | 3.4%(40mg/日) | 7.5%(40mg/日) | ||
60mg/日(36例) | 8.8%(60mg/日) | |||
80mg/日(41例) | 17.9%(80mg/日) |
(注)本剤の承認された用法・用量における最大投与量は60mg/日である。
痛風を含む高尿酸血症患者244例を対象としたアロプリノール対照無作為化二重盲検比較試験を行った。本剤10mg/日又はアロプリノール100mg/日を12日間投与し、その後、それぞれ40mg/日又は200mg/日に増量し44日間投与した。なお、女性患者は本剤群3/122例、アロプリノール群3/121例であった。投与開始後8週の血清尿酸値変化率(主要評価項目)において、本剤40mg/日群のアロプリノール200mg/日に対する非劣性が示された(P<0.001:非劣性マージンは5%)。また、投与開始後8週の血清尿酸値6.0mg/dL以下達成率(副次評価項目)は、本剤40mg/日群82.0%、アロプリノール200mg/日群70.0%であった。各投与期間での痛風関節炎の発現割合は下表のとおりであった[23]。
投与開始後8週の血清尿酸値変化率(%)
投与群 | 血清尿酸初期値(mg/dL) | 血清尿酸値変化率a)(%) | 変化率の群間差[95%信頼区間](%) | 共分散分析 |
平均(標準偏差) | 平均(標準偏差) | |||
アロプリノール200mg/日(120例) | 8.89(1.24) | −35.2(14.7) | −6.24[−9.65,−2.84] | P<0.001* |
本剤40mg/日(122例) | 8.83(1.32) | −41.5(12.1) |
痛風関節炎の発現割合
投与群 | 0〜12日以下 | 12日超6週以下 | 6週超8週以下 |
アロプリノール200mg/日(121例) | 1.7%(100mg/日) | 3.3%(200mg/日) | 0.9%(200mg/日) |
本剤40mg/日(122例) | 1.6%(10mg/日) | 5.7%(40mg/日) | 3.3%(40mg/日) |
血清尿酸値9.0mg/dL以上の痛風を含む高尿酸血症患者171例を対象とした長期投与試験を実施した。10mg/日から投与を開始し、投与開始後3週目に20mg/日、投与開始後7週目に40mg/日に増量した。投与開始後10週目の血清尿酸値が6.0mg/dLを超えていた場合は投与開始後15週目より60mg/日に増量し、血清尿酸値が6.0mg/dL以下の場合は40mg/日を維持した。なお、女性患者は40mg/日群5/131例、60mg/日群1/40例であった。投与開始後18週、26週、52週で血清尿酸値が6.0mg/dL以下に到達した患者の割合(達成率)は、40mg/日群では、それぞれ93.5、91.5、86.4%、また、60mg/日群では、それぞれ74.4、71.4、87.5%であった[24]。
がん化学療法に伴う高尿酸血症
化学療法施行予定の悪性腫瘍患者99例を対象にアロプリノール対照非盲検無作為化比較試験を行った。本剤60mg/日又はアロプリノールは300mg/日〔腎機能障害のある患者(30≦eGFR<45mL/min/1.73m2)では200mg/日〕を化学療法施行開始24時間前から6日間投与した。投与開始6日後までの血清尿酸値AUC(主要評価項目)は、アロプリノール群に対する本剤群の非劣性が示された(非劣性マージンは150mg・h/dL)。また、本剤60mg/日の投与により血清尿酸値は投与開始6日後まで経時的に減少した[25]。
投与開始6日後までの血清尿酸値AUC
投与群 | 血清尿酸値AUC(mg・h/dL) | 群間差[95%信頼区間] |
最小二乗平均値±標準誤差 | ||
アロプリノール200〜300mg/日(50例) | 513.44±13.13 | −33.61[−70.67,3.45] |
本剤60mg/日(49例) | 479.82±13.26 |
血清尿酸値の経時推移図
作用機序
フェブキソスタットは、尿酸生成を掌るキサンチンオキシダーゼの酸化型(Ki値:0.6nmol/L)、還元型(Ki値:3.1nmol/L)をいずれも阻害することにより、尿酸生成を抑制する(in vitro試験)[26]。
フェブキソスタットは、他の主要なプリン・ピリミジン代謝酵素の活性に影響を及ぼさず、キサンチンオキシダーゼを選択的に阻害する(in vitro試験)[26]。
薬理作用
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
フェブリク錠10mg
PTP
140錠(14錠×10)、500錠(10錠×50)
フェブリク錠20mg
PTP
70錠(14錠×5)、140錠(14錠×10)、500錠(10錠×50)、700錠(14錠×50)
瓶
500錠(プラスチック製瓶入り)
フェブリク錠40mg
PTP
140錠(14錠×10)
1. | 社内報告:生殖発生毒性(ラット), (2010) |
2. | 社内報告:がん原性(マウス、ラット), (2010) |
3. | 社内報告:血漿中濃度及び排泄(健康成人、単回), (2010) |
4. | 社内報告:血漿中濃度(健康成人、単回), (2010) |
5. | 社内報告:血漿中濃度(健康成人、反復), (2010) |
6. | 社内報告:血漿中濃度(高尿酸血症患者、反復), (2010) |
7. | 社内報告:血漿中濃度(腎機能低下患者、反復), (2010) |
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改訂履歴 |
2016年5月 改訂 |
文献請求先 |
主要文献に記載の社内報告につきましても下記にご請求ください。 |
業態及び業者名等 |
製造販売元 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2019/11/20 版 |