医療用医薬品 : エンセバック

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医薬品情報


総称名 エンセバック
薬効分類名 ウイルスワクチン類
薬効分類番号 6313
ATCコード J07BA02
KEGG DRUG
D05313 日本脳炎ワクチン
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2025年2月 改訂(第3版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
エンセバック皮下注用 ENCEVAC S.C.Injection KMバイオロジクス 631340ND1030 生物由来製品, 劇薬, 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

予防接種を受けることが適当でない者
2.1 明らかな発熱を呈している者
2.2 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
2.3 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
2.4 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

4. 効能または効果

本剤は、日本脳炎の予防に使用する。

6. 用法及び用量

本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)0.7mLで溶解する。
◎初回免疫
通常、0.5mLずつを2回、1〜4週間の間隔で皮下に注射する。ただし、3歳未満の者には、0.25mLずつを同様の用法で注射する。
◎追加免疫
通常、初回免疫後おおむね1年を経過した時期に、0.5mLを1回皮下に注射する。ただし、3歳未満の者には、0.25mLを同様の用法で注射する。

7. 用法及び用量に関連する注意

7.1 基礎免疫、追加免疫及び免疫の保持
初回免疫として2回接種を行い、さらに第1回の追加免疫を行うことにより基礎免疫ができる。その後の追加免疫のときの接種量は第1回目の追加免疫に準ずることとし、接種間隔は地域における日本脳炎ウイルスの汚染状況などに応じて実施すること。
7.2 定期接種対象者と標準的接種年齢
7.2.1 本剤の第1期は、生後6月から90月に至るまでの間に行う。初回免疫は3歳に達した時から4歳に達するまでの期間、追加免疫は4歳に達した時から5歳に達するまでの期間を標準的な接種年齢とする。
7.2.2 第2期の予防接種は、9歳以上13歳未満の者に行う。9歳に達した時から10歳に達するまでの期間を標準的な接種年齢とする。
7.2.3 平成7年4月2日生まれから平成19年4月1日生まれの者のうち、7歳6カ月以上9歳未満の者及び13歳以上20歳未満の者についても定期の予防接種の対象とする。
7.2.4 本剤の定期の予防接種への使用については、予防接種実施規則によること。
7.3 同時接種
医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。[14.1.1参照]

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤は、「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
8.2 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
8.3 被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、けいれん等の異常な症状を呈した場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 接種要注意者
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
9.1.1 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者9.29.3参照]
9.1.2 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
9.1.3 過去にけいれんの既往のある者
9.1.4 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
9.1.5 本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者
9.2 腎機能障害を有する者
接種要注意者である。[9.1.1参照]
9.3 肝機能障害を有する者
接種要注意者である。[9.1.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること。
9.8 高齢者
接種に当たっては、予診等を十分に行い、被接種者の健康状態を観察すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.1 重大な副反応
次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
蕁麻疹、呼吸困難、血管性浮腫等があらわれることがある。
11.1.2 急性散在性脳脊髄炎(頻度不明)
通常、接種後数日から2週間以内に発熱、頭痛、けいれん、運動障害、意識障害等があらわれる1)2)。本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
11.1.3 脳炎・脳症(頻度不明)
発熱、四肢麻痺、けいれん、意識障害等の症状があらわれることがある。本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
11.1.4 けいれん(頻度不明)
通常、接種直後から数日ごろまでにあらわれる。
11.1.5 血小板減少性紫斑病(頻度不明)
通常、接種後数日から3週ごろに紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等があらわれる。本症が疑われる場合には、血液検査等を実施し、適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副反応
次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
 5%以上0.1〜5%未満頻度不明
局所症状
(注射部位)
紅斑、腫脹内出血、硬結、疼痛、そう痒感しびれ感、熱感
皮膚発疹紅斑、そう痒症、蕁麻疹多形紅斑
精神神経系 頭痛、気分変化失神・血管迷走神経反応、感覚鈍麻、末梢性ニューロパチー
呼吸器咳嗽、鼻漏発声障害、鼻出血、鼻閉、咽喉頭疼痛、くしゃみ、喘鳴、咽頭紅斑 
消化器 腹痛、下痢、嘔吐、食欲不振嘔気
その他発熱異常感倦怠感、悪寒、関節痛、リンパ節腫脹、脱力感

14. 適用上の注意

14.1 薬剤接種時の注意
14.1.1 接種時
(1)接種用器具は、ガンマ線等により滅菌されたディスポーザブル品を用い、被接種者ごとに取り換えること。
(2)本剤の溶解は接種直前に行うこと。
(3)本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと。[7.3参照]
(4)本剤の溶解に当たっては、容器の栓及びその周囲をアルコールで消毒した後、添付の溶剤で均一に溶解して、注射針をさし込み、所要量を注射器内に吸引する。この操作に当たっては雑菌が迷入しないよう注意する。また、栓を取り外し、あるいは他の容器に移し使用しないこと。
(5)注射針の先端が血管内に入っていないことを確かめること。
(6)本剤は保存剤を含有していないので、溶解後は直ちに使用し、残液を保存して再使用することは厳に避けること。
14.1.2 接種部位
接種部位は、通常、上腕伸側とし、アルコールで消毒する。なお、同一接種部位に反復して接種しないこと。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
生後6か月以上90か月未満の健康小児163例(男児88例、女児75例)を対象として、日本脳炎ワクチンの第1期予防接種スケジュールに準じて臨床試験を実施した。臨床試験の概要は次のとおりである3)
本剤の3回接種後の中和抗体陽転率を主要評価項目とし、抗体陽転は接種前中和抗体価(log10)が陰性(1未満)から陽性(1以上)になった場合とした。有効性評価対象例数は143例であり、抗体陽転率は100.0%、接種後平均中和抗体価(log10)は3.866であった。なお、2回接種では抗体陽転率は100.0%、接種後平均中和抗体価(log10)は2.575であった。
副反応は51.5%(84/163例)に認められた。その主なものは、発熱21.5%(35/163例)、注射部位紅斑16.6%(27/163例)、咳嗽8.0%(13/163例)、注射部位腫脹6.7%(11/163例)、鼻漏6.7%(11/163例)、発疹5.5%(9/163例)であり、これらの副反応のほとんどは接種3日後までにみられた。
17.2 製造販売後調査等
17.2.1 国内臨床研究(小児)
第1期で本剤を接種した9〜12歳の小児21例に、第2期で本剤を接種したところ、全例で中和抗体価の上昇がみられ、その平均中和抗体価(log10)は、接種前2.68±0.38、接種後3.84±0.34であった。第1期でマウス脳由来ワクチンを接種した9〜12歳の小児34例に、第2期で本剤を接種したところ、全例で中和抗体価の上昇がみられ、その平均中和抗体価(log10)は、接種前2.37±0.42、接種後3.65±0.23であった4)
第1期で本剤を接種した9〜12歳の小児22例に、第2期で本剤を接種したところ、40.9%(9/22例)に副反応が認められた。その主なものは、注射部位紅斑8件、注射部位腫脹3件、鼻漏2件であった。第1期でマウス脳由来ワクチンを接種した9〜12歳の小児35例に、第2期で本剤を接種したところ、37.1%(13/35例)に副反応が認められた。その主なものは、注射部位紅斑10件、注射部位腫脹6件、注射部位疼痛4件、注射部位そう痒感3件であった4)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
日本脳炎ウイルスは、コガタアカイエカの吸血により感染する。本ウイルスは局所のリンパ組織で増殖した後ウイルス血症を起こし、血液・脳関門を通って中枢神経系に運ばれると、日本脳炎を発症すると考えられている。あらかじめ本剤の接種により、日本脳炎ウイルスに対する能動免疫、特に中和抗体による液性免疫が獲得されていると、感染したウイルスの増殖は抑制され、発症は阻止される。
18.2 感染防御レベル
受動免疫をしたマウスへの感染実験では、1:10の血中抗体価があれば、105MLD50(50%マウス致死量)のウイルス感染を防ぐというデータがある。1回の蚊の吸血によって注入されるウイルス量は103〜104MLD50である。このような成績から1:10の抗体価があれば自然感染を防ぐと考えられている5)

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は遮光して保存すること。

22. 包装

1バイアル
(溶剤:日本薬局方注射用水0.7mL 1バイアル添付)

23. 主要文献

  1. Ohtaki,E.,et al., Pediatr.Neurol., 8 (2), 137-139, (1992) »PubMed
  2. 平野幸子, 日本臨床, 55 (4), 934-939, (1997) »PubMed
  3. 小児を対象とした臨床試験(2011年1月17日承認、CTD2.5.4、2.5.5、2.7.3)
  4. 岡部信彦ほか, 乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン(エンセバック皮下注用)の第2期接種における安全性、有効性に関する臨床研究、厚生労働科学研究費補助金(新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業)、平成23年度総括・分担研究報告書
  5. Oya,A., Acta.Paediatr.Jpn., 30, 175-184, (1988) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
Meiji Seikaファルマ株式会社 くすり相談室
〒104-8002 東京都中央区京橋2-4-16
電話:フリーダイヤル 0120-093-396
03-3273-3539
FAX:03-3272-2438
製品情報問い合わせ先
Meiji Seikaファルマ株式会社 くすり相談室
〒104-8002 東京都中央区京橋2-4-16
電話:フリーダイヤル 0120-093-396
03-3273-3539
FAX:03-3272-2438

25. 保険給付上の注意

本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
KMバイオロジクス株式会社
熊本市北区大窪一丁目6番1号
26.2 販売元
Meiji Seikaファルマ株式会社
東京都中央区京橋2-4-16

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2026/05/20 版