電解質補液の電解質の補正用として、体内の水分、電解質の不足に応じて電解質液に添加して用いる。
新生児(低出生体重児を含む)への投与の目安量は、通常、1日に体重1kg当たりリン20〜40mg(本剤1.3〜2.6mL)とし、血清リン濃度の管理の目安は4mg/dL以上、7mg/dL未満とすること。異常な経過を認めた場合には、間歇投与(投与の中断・再開)とするなど適切な処置を行うこと。[
9.7、
17.1.1参照]
8.1 本剤は電解質の補正用製剤であるため、必ず希釈して使用すること。
8.2 本剤の急速な投与により高リン血症、血中カルシウム減少、腎臓へのリン酸カルシウム沈着等が発現するおそれがあるため、投与は緩徐に行うこと。
8.3 投与に際しては、患者の血清リン濃度及び血清カルシウム濃度の測定、症状観察を行うこと。必要に応じて、腎機能(尿蛋白等)の検査を行うことが望ましい。
8.4 本剤を長期間投与する場合には、臨床症状の推移を十分観察したうえで、慎重に投与すること。本剤の投与が不要となった場合には、投与を中止すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
本剤の臨床試験において、新生児(低出生体重児)で紅斑、血中カルシウム減少が見られたので、これらの症状が見られた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[7.参照]
9.8 高齢者
投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
13.1 症状
海外の同一成分薬において、過量投与により、高リン血症、高ナトリウム血症、組織へのリン酸カルシウム沈着(腎臓、皮膚、角膜、肺等)、テタニー症状などが発現することが報告されている。
13.2 処置
症状が認められた場合には、本剤の投与を速やかに中止し適切な処置を行うこと。
14.1 全般的な注意
14.2 薬剤調製時の注意
14.2.1 本剤は使用に際して、よく混合されるよう注意すること。
14.2.2 以下の製剤と配合する場合、沈殿を生じることがあるので注意すること。
・カルシウム塩を含む製剤
・マグネシウム塩を含む製剤
14.3 薬剤投与時の注意
14.3.1 新生児(低出生体重児を含む)に対してリン補給を行う際、カルシウム塩、マグネシウム塩を含む製剤と併用する場合には、本剤とは投与経路を別に設けるなど特に注意すること。
14.3.2 ゆっくり静脈内に点滴投与すること。
14.3.3 残液は使用しないこと。