医療用医薬品 : ラコール

List   Top

医薬品情報


総称名 ラコール
薬効分類名 経腸栄養剤(経管・経口両用)
薬効分類番号 3259
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2020年4月 改訂 (第4版)


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 臨床成績 薬効薬理 取扱い上の注意 包装 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ラコールNF配合経腸用液 RACOL-NF Liquid for Enteral Use イーエヌ大塚製薬 3259118S1024 0.7円/mL

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

牛乳たん白アレルギーを有する患者[本剤は牛乳由来のカゼインが含まれているため、ショック、アナフィラキシー様症状を引き起こすことがある。]

イレウスのある患者[消化管の通過障害がある。]

腸管の機能が残存していない患者[水、電解質、栄養素などが吸収されない。]

高度の肝・腎障害のある患者[肝性昏睡、高窒素血症などを起こすおそれがある。]

重症糖尿病などの糖代謝異常のある患者[高血糖、高ケトン血症などを起こすおそれがある。]

先天性アミノ酸代謝異常の患者[アシドーシス、嘔吐、意識障害などのアミノ酸代謝異常の症状が発現するおそれがある。]

効能・効果及び用法・用量

効能効果

一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり、経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する。

効能効果に関連する使用上の注意

経口食により十分な栄養摂取が可能となった場合には、速やかに経口食にきりかえること。

用法用量

通常、成人標準量として1日1,200〜2,000mL(1,200〜2,000kcal)を経鼻チューブ、胃瘻又は腸瘻より胃、十二指腸又は空腸に1日12〜24時間かけて投与する。投与速度は75〜125mL/時間とする。経口摂取可能な場合は1日1回又は数回に分けて経口投与することもできる。
また、投与開始時は、通常1日当たり400mL(400kcal)を水で希釈(0.5kcal/mL程度)して、低速度(約100mL/時間以下)で投与し、臨床症状に注意しながら増量して3〜7日で標準量に達するようにする。
なお、年齢、体重、症状により投与量、投与濃度、投与速度を適宜増減する。

用法用量に関連する使用上の注意

本剤は、経腸栄養剤であるため、静脈内へは投与しないこと。

使用上の注意

慎重投与

短腸症候群の患者[下痢の増悪をきたすおそれがある。]

急性膵炎の患者[膵炎が増悪するおそれがある。]

水分の補給に注意を要する下記患者[下記の患者では水分バランスを失いやすい。]

意識不明の患者

口渇を訴えることのできない患者

高熱を伴う患者

重篤な下痢など著しい脱水症状の患者

重要な基本的注意

本剤を術後に投与する場合、胃、腸管の運動機能が回復し、水分の摂取が可能になったことを確認すること。

本剤の臨床試験における35日以上の効果は確認していない。

ビタミン、電解質及び微量元素の不足を生じる可能性があるので、必要に応じて補給すること。類薬の長期投与中にセレン欠乏症(心機能の低下、爪白色変化、筋力低下等)があらわれたとの報告がある。

相互作用

併用注意

ワルファリンワルファリンの作用が減弱することがある。フィトナジオン(ビタミンK1)がワルファリンの作用に拮抗するため(本剤はフィトナジオンを6.25μg/100mL含有する)。

副作用

副作用発現状況の概要

成人患者を対象とした第II相試験、第III相比較試験、第III相一般試験(一般外科領域)において、安全性評価対象243例のうち副作用発現例数は67例(27.6%)、副作用発現件数は101件であった。その内訳は下痢49件(20.2%)、腹部膨満感22件(9.1%)、腹痛17件(7.0%)、悪心6件(2.5%)、嘔吐3件(1.2%)など、消化器系が主であった。
また、小児患者を対象とした第III相一般試験(小児外科領域)において、安全性評価対象50例のうち副作用発現例数は21例(42.0%)、副作用発現件数は30件であった。その内訳は下痢17件(34.0%)、嘔吐7件(14.0%)、悪心2件(4.0%)、腹痛1件(2.0%)など、消化器系が主であった。(承認時)

以下の副作用には別途市販後に報告された頻度の算出できない副作用を含む。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

ショック、アナフィラキシー様症状

ショック、アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、意識障害、呼吸困難、チアノーゼ、悪心、胸内苦悶、顔面潮紅、そう痒感、発汗等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 5%以上0.1〜5%未満頻度不明
消化器注1)下痢、腹部膨満感、腹痛悪心、嘔吐、肝機能検査値の異常便秘
その他注2) 皮疹、蕁麻疹、発熱、頭痛 
注1)観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、過剰投与のおそれがあるので、減量するか、投与速度又は濃度を下げるか、又は投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。注2)皮疹、蕁麻疹があらわれた場合は投与を中止すること。*:自発報告において認められた副作用のため頻度不明。
 5%以上0.1〜5%未満
血液 AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDH、γ-GTP、LAP、尿素窒素、中性脂肪、カリウム、クレアチニン、カルシウム、クロールの上昇、ナトリウム、クロール、カルシウム、総コレステロール、遊離脂肪酸、総ビリルビン、尿酸、総たん白、アルブミンの低下、血糖値の上昇と低下、血小板数、白血球数の増加、赤血球数の減少、血色素量、ヘマトクリット値の低下
尿ナトリウムの低下たん白定性、ウロビリノーゲン定性、ケトン体定性、尿糖定性の陽性、ナトリウムの上昇、クロール、カルシウム、カリウムの低下と上昇、pHの上昇

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、投与量、投与濃度、投与速度に注意して投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

外国において、妊娠前3ヶ月から妊娠初期3ヶ月までにビタミンAを10,000IU/日以上摂取した女性から出生した児に、頭蓋神経堤などを中心とする奇形発現の増加が推定されたとする疫学調査結果1)があるので、妊娠3ヶ月以内又は妊娠を希望する婦人に投与する場合は用法・用量に留意し、本剤によるビタミンAの投与は5,000IU/日未満に留めるなど必要な注意を行うこと。
(本剤2,000mL中にビタミンA 4,140IUを含有する。)

小児等への投与

低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

適用上の注意

投与に際して

投与初期には、特に観察を十分に行い、下痢などの副作用が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

投与方法

分割投与の開始時又は持続的投与の数時間ごとに、胃内容物の残存を確認すること。

経管投与においては、分割投与の終了ごと、あるいは持続的投与の数時間ごとに少量の水でチューブをフラッシングすること。

開封直前によく振ってから使用すること。

万一容器等の破損により、製剤に異常が認められた場合には使用しないこと。

本剤を加温する場合は高温(70℃以上)を避け、未開封のまま湯煎にて行うこと。

保存等

凍結保存や室温を上回る高温下での保存は避けること。

開封後は、微生物汚染及び直射日光を避け、できるだけ早めに使い切ること。やむを得ず冷蔵庫内に保存する場合は、24時間以内に使い切ること。

その他

可塑剤としてDEHP〔di-(2-ethylhexyl)phthalate;フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)〕を含むポリ塩化ビニル製の栄養セット及びフィーディングチューブ等を使用した場合、DEHPが製剤中に溶出するので、DEHPを含まない栄養セット及びフィーディングチューブ等を使用することが望ましい。

臨床成績

消化器疾患と食道癌及び胃癌術後患者を対象とした臨床試験における栄養改善度は、次のとおりであった2)3)4)5)

対象患者臨床試験栄養改善度%(中等度改善以上例数/評価対象例数)
消化器疾患成人第II相試験83.3(30/36)
成人一般試験86.5(77/89)
小児一般試験84.1(37/44)
食道癌及び胃癌術後成人比較試験87.7(57/65)

薬効薬理

小腸切除ラットに十二指腸カテーテルを留置して持続投与した試験で、本剤は市販半消化態栄養剤に比較して、肝窒素量、血中アルブミン、窒素出納及びA/G比で高値を示したが、栄養学的効果はほぼ同等であることが認められた6)7)

小腸切除ラットに十二指腸カテーテルを留置して持続投与した試験で、本剤は市販半消化態栄養剤に比較して、血中ω3系脂肪酸(α-リノレン酸及びエイコサペンタエン酸)が増加して、ω3/ω6比とEPA/AA比が有意に高値を示した6)7)

取扱い上の注意

400mL容器のアルミ箔は、使用直前に剥がすこと。

包装

ラコールNF配合経腸用液

200mL×24パウチ(ミルクフレーバー、コーヒーフレーバー、バナナフレーバー、コーンフレーバー、抹茶フレーバー)

400mL×12バッグ(ミルクフレーバー)

主要文献


1. Rothman,K.J.et al.,  The New England Journal of Medicine,  333 (21),  1369,  (1995) »PubMed
2. 掛川暉夫ほか,  JJPEN,  19 (6),  567,  (1997)
3. 掛川暉夫ほか,  JJPEN,  19 (6),  583,  (1997)
4. 掛川暉夫ほか,  JJPEN,  19 (6),  611,  (1997)
5. 水田祥代ほか,  JJPEN,  19 (6),  635,  (1997)
6. 林 直樹ほか,  薬理と臨床,  6 (2),  231,  (1996)
7. 林 直樹ほか,  薬理と臨床,  6 (2),  243,  (1996)

作業情報


改訂履歴

2018年2月 改訂 (第3版)
2020年4月 改訂 (第4版)

文献請求先

株式会社大塚製薬工場
101-0048
東京都千代田区神田司町2-2
0120-719-814

業態及び業者名等

製造販売元
イーエヌ大塚製薬株式会社
岩手県花巻市二枚橋第4地割3-5

販売提携
大塚製薬株式会社
東京都千代田区神田司町2-9

販売提携
株式会社大塚製薬工場
徳島県鳴門市撫養町立岩字芥原115


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2020/9/16 版