医療用医薬品 : ルネスタ

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医薬品情報


総称名 ルネスタ
一般名 エスゾピクロン
欧文一般名 Eszopiclone
製剤名 エスゾピクロン製剤
薬効分類名 不眠症治療薬
薬効分類番号 1129
ATCコード N05CF04
KEGG DRUG D02624 エスゾピクロン
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


警告 禁忌 原則禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ルネスタ錠1mg Lunesta エーザイ 1129010F1028 48.8円/錠 習慣性医薬品 , 処方箋医薬品
ルネスタ錠2mg Lunesta エーザイ 1129010F2024 77.5円/錠 習慣性医薬品 , 処方箋医薬品
ルネスタ錠3mg Lunesta エーザイ 1129010F3020 98円/錠 習慣性医薬品 , 処方箋医薬品

警告

本剤の服用後に、もうろう状態、睡眠随伴症状(夢遊症状等)があらわれることがある。また、入眠までの、あるいは中途覚醒時の出来事を記憶していないことがあるので注意すること。

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分又はゾピクロンに対し過敏症の既往歴のある患者

重症筋無力症の患者〔筋弛緩作用により症状を悪化させるおそれがある。〕

急性狭隅角緑内障の患者〔眼圧が上昇し、症状を悪化させるおそれがある。〕

原則禁忌

次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること

肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期等で呼吸機能が高度に低下している場合〔炭酸ガスナルコーシスを起こしやすい。〕

効能・効果及び用法・用量

効能効果

不眠症

用法用量

通常、成人にはエスゾピクロンとして1回2mgを、高齢者には1回1mgを就寝前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、成人では1回3mg、高齢者では1回2mgを超えないこととする。

用法用量に関連する使用上の注意

通常用量を超えて増量する場合には、患者の状態を十分に観察しながら慎重に行うこととし、症状の改善に伴って減量に努めること。

本剤は就寝直前に服用させること。また、服用して就寝した後、睡眠途中で一時的に起床して仕事等で活動する可能性があるときは服用させないこと。

高度の肝機能障害又は高度の腎機能障害のある患者では、1回1mgを投与することとし、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお増量する場合には、1回2mgを超えないこと。〔「慎重投与」「薬物動態」の項参照〕

本剤は食事と同時又は食直後の服用は避けること。〔食後投与では、空腹時投与に比べ本剤の血中濃度が低下することがある(「薬物動態」の項参照)。〕

使用上の注意

慎重投与

衰弱者〔薬物の作用が強くあらわれ、副作用が発現しやすい。〕

高齢者〔「高齢者への投与」及び「薬物動態」の項参照〕

心障害のある患者〔血圧低下があらわれるおそれがあり、症状の悪化につながるおそれがある。〕

脳に器質的障害のある患者〔作用が強くあらわれるおそれがある。〕

肝機能障害又は腎機能障害のある患者〔本剤のクリアランスが低下し、血中濃度が上昇するおそれがある(「用法・用量に関連する使用上の注意」「薬物動態」の項参照)。〕

重要な基本的注意

連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること(「重大な副作用」の項参照)。

本剤の影響が翌朝以降に及び、眠気、注意力、集中力、反射運動能力等の低下が起こることがあるので、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

相互作用

相互作用序文

本剤は主として肝薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される。〔「薬物動態」の項参照〕

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

併用注意

筋弛緩薬
スキサメトニウム塩化物水和物
ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物
パンクロニウム臭化物
中枢神経抑制剤
フェノチアジン誘導体
バルビツール酸誘導体 等
これらの作用が増強されることがあるので、併用しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には慎重に投与すること。相加的に抗痙攣作用、中枢神経抑制作用が増強される可能性がある。
アルコール(飲酒)相互に作用を増強することがある。飲酒により中枢神経抑制作用が増強されることがある。
麻酔時
チアミラールナトリウム
チオペンタールナトリウム 等
呼吸抑制があらわれることがあるので、慎重に投与すること。本剤により呼吸抑制があらわれることがあり、麻酔により相加的に呼吸が抑制される可能性がある。
CYP3A4誘導作用を有する薬剤
リファンピシン 等
本剤の代謝を促進し、作用を減弱させるおそれがある。これらの薬剤の肝代謝酵素誘導作用により、本剤の代謝が促進され、効果の減弱を来すことがある。
CYP3A4阻害作用を有する薬剤
イトラコナゾール 等
本剤の代謝を阻害し、作用を増強させるおそれがある。これらの薬剤の肝代謝酵素阻害作用により、本剤の代謝が阻害され、本剤の血漿中濃度が増加するおそれがある。

副作用

副作用発現状況の概要

承認時までに国内並行群間比較試験でエスゾピクロンとして1mg、2mg又は3mgを投与された不眠症患者325例中、副作用が報告されたのは156例(48.0%)であり、主な副作用は、味覚異常(36.3%)、傾眠(3.7%)であった。また、外国並行群間比較試験でエスゾピクロンとして1mg、2mg又は3mgを投与された原発性不眠症患者1637例中、副作用が報告されたのは819例(50.0%)であり、主な副作用は、味覚異常(21.0%)、頭痛(10.7%)、傾眠(7.8%)、浮動性めまい(5.1%)であった。なお、以下の副作用において「頻度不明」は外国試験又は自発報告で認められたものである。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明)

ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、蕁麻疹、血管浮腫等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

依存性(頻度不明)

連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、不安、異常な夢、悪心、胃不調、反跳性不眠等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。

呼吸抑制(頻度不明)

呼吸抑制があらわれることがある。また呼吸機能が高度に低下している患者に投与した場合、炭酸ガスナルコーシスを起こすおそれがあるので、このような場合には気道を確保し、換気を図るなど適切な処置を行うこと。

肝機能障害

AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害(1%未満)、黄疸(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

精神症状、意識障害

悪夢(異常な夢)、意識レベルの低下(1%未満)、興奮(激越)、錯乱(錯乱状態)、幻覚、夢遊症状、攻撃性、せん妄、異常行動(頻度不明)等の精神症状及び意識障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止すること。

一過性前向性健忘、もうろう状態(頻度不明)

一過性前向性健忘(中途覚醒時の出来事をおぼえていない等)、もうろう状態があらわれることがあるので、本剤を投与する場合には少量から開始するなど、慎重に投与すること。なお、ゾピクロン製剤において、十分に覚醒しないまま、車の運転、食事等を行い、その出来事を記憶していないとの報告がある。異常が認められた場合には投与を中止すること。

その他の副作用

 3%以上1〜3%未満1%未満頻度不明
精神神経系傾眠頭痛、浮動性めまい不安、注意力障害、異常な夢、うつ病神経過敏、記憶障害、錯感覚、思考異常、感情不安定、錯乱状態
過敏症注)    発疹、そう痒症
消化器味覚異常口渇口腔内不快感、口内乾燥、下痢、便秘、悪心消化不良、嘔吐
肝臓  AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTP、ビリルビンの上昇 
その他  倦怠感、湿疹、尿中ブドウ糖陽性、尿中血陽性リビドー減退、筋肉痛、片頭痛、背部痛、高血圧、末梢性浮腫
注)このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。

高齢者への投与

高齢者での薬物動態試験で、血中濃度が高い傾向が認められており、運動失調等の副作用が起こりやすいので1回1mgを投与することとし、増量する場合には2mgを超えないこと。〔「用法・用量」及び「薬物動態」の項参照〕

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦等

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。〔妊娠中及び授乳中の投与に関する安全性は確立されていない。妊娠後期に本剤を投与された患者より出生した児に呼吸抑制、痙攣、振戦、易刺激性、哺乳困難等の離脱症状があらわれるおそれがある。なお、これらの症状は、新生児仮死として報告される場合もある。〕

授乳婦

授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。〔ヒト母乳中に移行し、新生児に嗜眠を起こすおそれがある。〕

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(国内での使用経験がない。)

過量投与

徴候、症状

本剤の過量投与により傾眠、錯乱、嗜眠を生じ、更には失調、筋緊張低下、血圧低下、メトヘモグロビン血症、呼吸機能低下、昏睡等に至るおそれがある。他の中枢神経抑制剤やアルコールと併用時の過量投与は致死的となることがある。また、合併症や衰弱状態などの危険因子がある場合は、症状は重篤化するおそれがあり、ごくまれに致死的な経過をたどることがある。

処置

呼吸、脈拍、血圧の監視を行うとともに、催吐、胃洗浄、吸着剤・下剤の投与、輸液、気道の確保等の適切な処置を行うこと。また、本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意(禁忌、慎重投与、相互作用等)を必ず読むこと。なお、血液透析による除去は有効ではない。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)

その他の注意

投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静、抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。

本剤は、ラセミ体であるゾピクロンの一方のエナンチオマー((S)-エナンチオマー)である。ゾピクロンでは臨床用量の約800倍(100mg/kg/日)をマウス、ラットに2年間投与した試験において、マウス雄の皮下、雌の肺、ラット雄の甲状腺、雌の乳腺での腫瘍発生頻度が対照群に比べ高いとの報告がある。

薬物動態

血中濃度

日本人健康成人男性を対象に、本剤1〜3mgを1日1回7日間反復経口投与したときの投与後1日目の平均血漿中濃度推移を図に示した。また、初回投与時及び投与後7日目の薬物動態パラメータを表に示した。エスゾピクロンのCmax及びAUC0-lastは投与量の増加に伴い増加した。[1]

日本人健康成人男性に反復経口投与したときの初回投与時の平均血漿中濃度推移
(Mean+SD、1mg及び3mg:n=8、2mg:n=9)

反復投与時の薬物動態パラメータ

投与量(mg)投与時期Cmax(ng/mL)tmax(hr)AUC0-last(ng・hr/mL)t1/2(hr)
11日目14.52±4.461.3(0.5-1.5)79.60±36.17
7日目14.71±3.971.0(0.5-1.5)88.71±36.334.83±0.89
21日目25.40±7.401.0(0.5-2.0)147.89±57.47
7日目27.02±5.221.0(0.5-2.0)168.69±67.545.08±1.62
31日目37.03±5.701.5(0.5-2.0)222.25±36.95
7日目37.59±5.540.8(0.5-2.0)252.63±59.175.16±0.85
Mean±SD、ただしtmaxは中央値(最小値−最大値)AUC0-lastは投与時から定量が可能であった最終採血時間までの血漿中濃度−時間曲線下面積を示す。1mg及び3mg:n=8、2mg:n=9

食事の影響

日本人健康成人男性を対象に、本剤3mgを単回経口投与したとき、絶食下と比較して摂食下ではエスゾピクロンのCmaxは30%低下し、AUC0-24は変化しなかった。またtmaxの中央値は2.5時間遅延した。[2]

代謝

エスゾピクロンは経口投与後、様々な酸化的代謝を受け、血漿中の主代謝物は(S)-ゾピクロンN-オキシド及び(S)-N-脱メチルゾピクロンである。このうち、前者は受容体に対する結合能を示さず、後者は中枢ベンゾジアゼピン受容体に結合するものの、エスゾピクロンと比較して結合性は約21倍低かった。
In vitro代謝試験により、エスゾピクロンの代謝にはCYP3A4及びCYP2E1が関与していることが示された。

排泄

外国人健康成人男性に14C標識-ゾピクロン7.5mgを単回経口投与したとき、投与後120時間までに、投与した放射能の74.8%が尿中に排泄され、そのうち約85%が投与後24時間までに排泄された。糞中には、15.8%が排泄された。[3]

高齢者

日本人高齢者(平均年齢69歳)を対象に、本剤3mg注)を7日間反復投与したときのCmax及びAUC0-24は、健康成人と比べていずれも32%増加し、t1/2は64%延長した。[4]

肝障害患者(外国人データ)

軽度、中等度及び高度の肝障害患者におけるエスゾピクロンのCmaxは、健康成人と比べてそれぞれ13%、29%及び25%低下し、AUC0-infは軽度では4%減少し、中等度及び高度では5%及び80%増加した。また、t1/2はそれぞれ2%、66%及び130%延長した。[5]

腎障害患者(外国人データ)

軽度、中等度及び高度の腎障害患者におけるエスゾピクロンのCmaxは、健康成人と比べてそれぞれ22%、8%及び25%上昇し、AUC0-infは40%、28%及び45%増加した。また、t1/2はそれぞれ19%、24%及び33%延長した。(S)-脱メチルゾピクロンのAUC0-infはそれぞれ40%、88%及び127%増加した。[6]

薬物相互作用(外国人データ)

ケトコナゾール

健康成人に本剤3mgとケトコナゾール400mgを1日1回5日間反復併用投与したとき、単独投与時と比較して本剤のCmaxは43%上昇し、AUC0-τは125%増加した。また、ケトコナゾールのCmaxは18%低下し、AUC0-τは12%減少した。[7]

アルコール

健康成人に本剤3.5mg注)とアルコール0.7g/kgを単回併用投与したとき、投与後4時間までに相加的な精神運動機能の障害が認められた。[8]

オランザピン

健康成人に本剤3mgとオランザピン10mgを単回併用投与したとき、単独投与時と比較して本剤のCmaxは変化せず、AUC0-lastは6.0%増加した。また、オランザピンのCmaxは8.4%低下し、AUC0-lastは変化しなかった。
一方、精神運動機能の指標となる数字符号置換検査(Digit symbol substitution test、DSST)スコアが、2剤併用時に大きく減少(精神運動機能が悪化)した。[9]

ロラゼパム

健康成人に本剤3mgとロラゼパム2mgを単回併用投与したとき、単独投与時と比較して本剤のCmaxは22.6%低下し、AUC0-lastは7.0%減少した。また、ロラゼパムのCmaxは21.3%低下し、AUC0-lastは9.5%減少した。[10]

パロキセチン

健康成人に本剤3mgとパロキセチン20mgを単回併用投与したとき、単独投与時と比較して本剤のCmaxは11.6%上昇し、AUC0-lastは9.3%増加した。また、パロキセチンのCmaxは1.6%上昇し、AUC0-lastは3.5%減少した。[11]

ジゴキシン

健康成人にジゴキシンを1日目に0.5mgを2回投与し、2〜6日目に1日1回0.25mgを経口投与した後、7日目に本剤3mgとジゴキシン0.25mgを併用投与したとき、ジゴキシンのCmaxは12.3%低下したが、AUC0-τは変化しなかった。[12]

(R,S)-ワルファリン

健康成人に本剤3mgを1日1回5日間反復投与し、5日目に(R,S)-ワルファリン25mgを併用投与したとき、(R)-ワルファリン及び(S)-ワルファリンのCmax及びAUC0-lastは変化しなかった。[13]

注)承認用法・用量は「通常、成人にはエスゾピクロンとして1回2mgを、高齢者には1回1mgを就寝前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、成人では1回3mg、高齢者では1回2mgを超えないこととする。」である。

臨床成績

国内試験

第II/III相試験

原発性不眠症患者(成人)72例を対象とし、1日1回プラセボ、本剤1mg、2mg、3mg、ゾルピデム製剤10mgを2日間投与したプラセボ対照無作為化二重盲検交叉比較試験の結果、主要評価項目である終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)による睡眠潜時及び主観的睡眠潜時は下表のとおりであり、本剤2及び3mg投与時ではプラセボ投与時と比較して統計学的な有意差が認められた。[14]

 プラセボ本剤ゾルピデム
2mg3mg
評価例数71696870
PSGによる睡眠潜時22.8(0.8,194.5)11.3(0.3,132.3)
p<0.001a)
10.4(0.0,59.3)
p<0.001a)
7.0(0.0,146.5)
主観的睡眠潜時45.0(12.5,210.0)25.0(3.0,120.0)
p<0.001a)
20.0(3.0,142.5)
p<0.001a)
22.5(0.0,150.0)
中央値(分)(最小値,最大値)a)測定値を対数変換した後の各期の平均値を応答変数、薬剤、投与順及び時期を固定効果、被験者を変量効果<投与順にネスト>とした混合効果モデル

長期投与試験

成人及び高齢の不眠症患者325例(精神疾患(うつ病等)による不眠症を161例含む)を対象とし、本剤(成人には2又は3mg、高齢者には1又は2mg)を24週間投与した無作為化二重盲検並行群間比較試験の結果、主観的睡眠潜時の推移は下表のとおりであった。[15]

 成人高齢者
2mg群3mg群1mg群2mg群
ベースライン60.0(15,240)
84例
60.0(20,240)
77例
60.0(30,180)
80例
60.0(15,240)
83例
4週30.0(0,180)
81例
30.0(2,120)
73例
30.0(0,180)
75例
30.0(2,90)
79例
8週30.0(5,90)
79例
20.0(3,120)
72例
22.5(5,150)
72例
30.0(3,90)
75例
12週30.0(0,120)
75例
20.0(5,150)
69例
20.0(5,90)
70例
20.0(5,90)
74例
16週20.0(0,120)
72例
20.0(5,120)
67例
20.0(5,90)
67例
25.0(5,120)
73例
20週25.0(1,120)
70例
20.0(0,300)
66例
20.0(5,120)
69例
20.0(5,90)
74例
24週20.0(0,120)
70例
20.0(5,240)
65例
20.0(5,180)
68例
20.0(5,90)
72例
最終評価時27.5(0,240)
84例
20.0(3,240)
75例
20.0(5,180)
79例
20.0(5,120)
83例
中央値(分)(最小値,最大値)

外国試験

第II相試験

原発性不眠症患者(成人)65例を対象とし、1日1回プラセボ、本剤1mg、2mg、2.5mg、3mg、ゾルピデム製剤10mgを2日間投与したプラセボ対照無作為化二重盲検交叉比較試験の結果、主要評価項目であるPSGによる睡眠潜時は下表のとおりであり、本剤2及び3mg投与時ではプラセボ投与時と比較して統計学的な有意差が認められた。[16]

 プラセボ本剤ゾルピデム
2mg3mg
評価例数63636464
PSGによる睡眠潜時29.0(1.5,143.5)15.5(1.8,99.5)
p≦0.0001a)
13.1(0.5,91.3)
p≦0.0001a)
13.1(1.0,81.0)
中央値(分)(最小値,最大値)a)各時期で得られた2連夜の実測値の平均値を順位変換した値を応答変数、薬剤、投与順及び時期を固定効果、被験者を変量効果<投与順にネスト>とした混合効果モデル

第III相試験

原発性不眠症患者を対象としたプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験における主要評価項目の結果は下表のとおりであり、いずれの試験においても本剤のプラセボに対する統計学的な有意差が認められた。[17][18][19][20][21]

成人
 プラセボ2mg3mg
試験1
(44日間、1、15及び29日目の平均値)
評価例数99104105
PSGによる睡眠潜時(分)29.0(1.0,131.9)15.0(0.8,164.0)
p<0.0001a)
13.1(0.8,85.3)
p<0.0001a)
試験2
(6ヵ月間、4〜6ヵ月の平均値)
評価例数172543
主観的睡眠潜時(分)44.8(4.1,330.0)31.7(2.1,565.0)
p<0.0001a)
試験3
(6ヵ月間、4〜6ヵ月の平均値)
評価例数226504
主観的睡眠潜時(分)45.0(4.0,315.0)27.3(3.4,196.7)
p<0.0001a)
高齢者
 プラセボ1mg2mg
試験4
(14日間、1、2、13、14日目の平均値)
評価例数128136
PSGによる睡眠潜時(分)30.4(4.1,173.1)14.8(2.0,102.1)
p<0.0001a)
睡眠効率(%)74.6(24.7,91.6)80.4(59.3,92.3)
p<0.0001a)
試験5
(14日間の平均値)
評価例数797079
主観的睡眠潜時(分)52.0(4.7,540.0)35.9(0.0,348.0)
p=0.0120a)
36.2(5.4,410.0)
p=0.0034a)
中央値(分)(最小値,最大値)a)順位変換したデータに対する投与群及び施設を因子とした分散分析モデル

薬効薬理

作用機序

本剤は、ラセミ体であるゾピクロンの一方のエナンチオマー((S)-エナンチオマー)であり、ゾピクロンの薬理活性の大部分を有する製剤である。
エスゾピクロンは中枢神経系のGABAA受容体複合体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、GABAによる塩化物イオンの神経細胞内への流入を促進することにより、GABAの作用を増強するものと考えられる。[22][23]

動物の脳波に対する作用

エスゾピクロンは、マウス、ラット及びモルモットにおいて、ノンレム睡眠潜時を短縮させ、ノンレム睡眠時間を延長させた。レム睡眠には明確な影響はみられなかった。[24][25][26]

その他の中枢作用

エスゾピクロンは、マウス、ラット及びサルにおいて、抗不安作用及び鎮静作用を示した。[27][28][29][30][31]

有効成分に関する理化学的知見

一般名エスゾピクロン
一般名(欧名)Eszopiclone
化学名(5S)-6-(5-Chloropyridin-2-yl)-7-oxo-6,7-dihydro-5H-pyrrolo[3,4-b]pyrazin-5-yl 4-methylpiperazine-1-carboxylate
分子式C17H17ClN6O3
分子量388.81
融点約205℃
物理化学的性状エスゾピクロンは白色〜淡黄色の粉末である。
本品はアセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン又はジクロロメタンにやや溶けにくく、メタノール、エタノール(99.5)、アセトン、2-ブタノン、酢酸エチル又はトルエンに溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
KEGG DRUGD02624

包装

ルネスタ錠1mg

100錠(PTP・バラ)

140錠(PTP14T×10)

500錠(PTP)

ルネスタ錠2mg

100錠(PTP)

140錠(PTP14T×10)

500錠(PTP・バラ)

ルネスタ錠3mg

100錠(PTP)

140錠(PTP14T×10)

500錠(バラ)

主要文献


1. 社内資料:日本人及び白人の健康成人を対象とした臨床第I相反復投与試験(外国試験)
2. 社内資料:日本人健康成人を対象とした含量の異なる製剤間の生物学的同等性試験及び食事の影響検討試験(国内試験)
3. 社内資料:外国人健康成人を対象としたマスバランス試験(外国試験)
4. 社内資料:日本人健康高齢者を対象とした臨床第I相反復投与試験(国内試験)
5. 社内資料:肝機能障害患者を対象とした薬物動態試験(外国試験)
6. 社内資料:腎機能障害患者を対象とした薬物動態試験(外国試験)
7. 社内資料:ケトコナゾールとの薬物間相互作用試験(外国試験)
8. 社内資料:アルコールとの薬物相互作用試験(外国試験)
9. 社内資料:オランザピンとの薬物間相互作用試験(外国試験)
10. 社内資料:ロラゼパムとの薬物間相互作用試験(外国試験)
11. 社内資料:パロキセチンとの薬物間相互作用試験(外国試験)
12. 社内資料:ジゴキシンとの薬物間相互作用試験(外国試験)
13. 社内資料:ワルファリンとの薬物間相互作用試験(外国試験)
14. 社内資料:原発性不眠症患者を対象とした臨床第II/III相試験(国内試験)
15. 社内資料:不眠症患者を対象とした臨床第III相試験(国内試験)
16. 社内資料:原発性不眠症患者を対象とした用量反応試験(外国試験)
17. Zammit,G.K.et al.,  Curr.Med.Res.Opin.,  20,  1979,  (2004) »PubMed
18. McCall,W.V.et al.,  Curr.Med.Res.Opin.,  22,  1633,  (2006) »PubMed
19. Scharf,M.et al.,  Sleep,  28,  720,  (2005) »PubMed
20. 社内資料:原発性不眠症患者を対象とした長期投与試験(外国試験)
21. Walsh,J.K.et al.,  Sleep,  30,  959,  (2007) »PubMed
22. Hanson,S.M.et al.,  J.Med.chem.,  51,  7243,  (2008) »PubMed
23. 社内資料:GABAA受容体サブタイプ発現細胞におけるGABA誘発電流増強作用
24. 社内資料:マウスの脳波に対する作用
25. 社内資料:ラットの脳波に対する作用
26. Xi,M.et al.,  Sleep,  31,  1043,  (2008) »PubMed
27. 社内資料:マウスにおける鎮静作用
28. 社内資料:マウスにおける抗不安作用(明暗箱試験)
29. Carlson,J.N.et al.,  Eur.J.Pharmacol.,  415,  181,  (2001) »PubMed
30. 社内資料:サルにおける抗不安作用(コンフリクト試験)
31. 社内資料:サルにおける鎮静作用

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改訂履歴

2017年1月 改訂
2017年3月 第7版 改訂

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[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2018/10/24 版