医療用医薬品 : ロサルタンK

List   Top

医薬品情報


総称名 ロサルタンK
一般名 ロサルタンカリウム
欧文一般名 Losartan Potassium
薬効分類名 A-IIアンタゴニスト
薬効分類番号 2149
ATCコード C09CA01
KEGG DRUG
D00357 ロサルタンカリウム
KEGG DGROUP
DG01495 アンジオテンシンII受容体拮抗薬
DG03231 血圧降下薬
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2025年9月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ロサルタンK錠25mg「日新」 (後発品) Losartan K Tablets 25mg"NISSIN" 日新製薬-山形 2149039F1112 10.4円/錠 処方箋医薬品注)
ロサルタンK錠50mg「日新」 (後発品) Losartan K Tablets 50mg"NISSIN" 日新製薬-山形 2149039F2119 14.7円/錠 処方箋医薬品注)
ロサルタンK錠100mg「日新」 (後発品) Losartan K Tablets 100mg"NISSIN" 日新製薬-山形 2149039F3107 31.4円/錠 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
2.3 重篤な肝障害のある患者[9.3.1参照]
2.4 アリスキレンを投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[10.1参照]

4. 効能または効果

高血圧症
高血圧及び蛋白尿を伴う2型糖尿病における糖尿病性腎症

5. 効能または効果に関連する注意

<高血圧及び蛋白尿を伴う2型糖尿病における糖尿病性腎症>
高血圧及び蛋白尿(尿中アルブミン/クレアチニン比300mg/g以上)を合併しない患者における本剤の有効性及び安全性は確認されていない。

6. 用法及び用量

<高血圧症>
通常、成人にはロサルタンカリウムとして25〜50mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日100mgまで増量できる。
<高血圧及び蛋白尿を伴う2型糖尿病における糖尿病性腎症>
通常、成人にはロサルタンカリウムとして50mgを1日1回経口投与する。なお、血圧値をみながら1日100mgまで増量できる。ただし、過度の血圧低下を起こすおそれのある患者等では25mgから投与を開始する。

7. 用法及び用量に関連する注意

<高血圧及び蛋白尿を伴う2型糖尿病における糖尿病性腎症>
本剤を投与後、血清クレアチニン値が前回の検査値と比較して30%(あるいは1mg/dL)以上増加した場合、及び糸球体ろ過値、1/血清クレアチニン値の勾配等で評価した腎機能障害の進展速度が加速された場合は、減量あるいは投与中止を考慮すること。

8. 重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 一過性の血圧低下(ショック症状、意識消失、呼吸困難等を伴う)を起こすおそれがあるので、本剤投与中は定期的(投与開始時:2週間ごと、安定後:月1回程度)に血圧のモニタリングを実施すること。
8.2 降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
8.3 手術前24時間は投与しないことが望ましい。アンジオテンシンII受容体拮抗剤投与中の患者は、麻酔及び手術中にレニン・アンジオテンシン系の抑制作用による高度な血圧低下を起こすおそれがある。
8.4 本剤を含むアンジオテンシンII受容体拮抗剤投与中にまれに肝炎等の重篤な肝障害があらわれたとの報告がある。肝機能検査を実施するなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<高血圧及び蛋白尿を伴う2型糖尿病における糖尿病性腎症>
8.5 貧血があらわれやすいので、本剤投与中は定期的(投与開始時:2週間ごと、安定後:月1回程度)に血液検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
8.6 血清カリウム上昇及び血清クレアチニン上昇があらわれやすいので、本剤投与中は定期的(投与開始時:2週間ごと、安定後:月1回程度)に血清カリウム値及び血清クレアチニン値のモニタリングを実施すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがある。
9.1.2 高カリウム血症の患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。高カリウム血症を増悪させるおそれがある。
また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、血清カリウム値に注意すること。[9.2.1参照]
9.1.3 脳血管障害のある患者
過度の降圧が脳血流不全を惹起し、病態を悪化させるおそれがある。
9.1.4 厳重な減塩療法中の患者
本剤の投与を低用量から開始し、増量する場合は徐々に行うこと。一過性の血圧低下を起こすおそれがある。[11.1.5参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎機能障害(血清クレアチニン2.5mg/dL以上)のある患者
投与量を減らすなど慎重に投与すること。高カリウム血症があらわれやすい。また、腎機能の悪化が起きるおそれがある。[9.1.2参照]
9.2.2 血液透析中の患者
本剤の投与を低用量から開始し、増量する場合は徐々に行うこと。一過性の血圧低下を起こすおそれがある。[11.1.516.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。[2.39.3.2参照]
9.3.2 肝機能障害又はその既往のある患者(ただし、重篤な肝障害のある患者を除く)
外国において、健康成人と比較して軽・中等度のアルコール性肝硬変患者ではロサルタンの消失速度が遅延し、ロサルタン及びカルボン酸体の血漿中濃度がそれぞれ約5倍及び約2倍に上昇することが報告されている。[9.3.1参照]
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠する可能性のある女性
妊娠していることが把握されずアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンII受容体拮抗剤を使用し、胎児・新生児への影響(腎不全、頭蓋・肺・腎の形成不全、死亡等)が認められた例が報告されている1)2)
本剤の投与に先立ち、代替薬の有無等も考慮して本剤投与の必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、投与が必要な場合には次の注意事項に留意すること。[9.5参照]
(1)本剤投与開始前に妊娠していないことを確認すること。本剤投与中も、妊娠していないことを定期的に確認すること。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。
(2)次の事項について、本剤投与開始時に患者に説明すること。また、投与中も必要に応じ説明すること。
・妊娠中に本剤を使用した場合、胎児・新生児に影響を及ぼすリスクがあること。
・妊娠が判明した又は疑われる場合は、速やかに担当医に相談すること。
・妊娠を計画する場合は、担当医に相談すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。妊娠中期及び末期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンII受容体拮抗剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、多臓器不全、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の奇形、肺の低形成等があらわれたとの報告がある。[2.29.4.1参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。ラットの周産期及び授乳期に10〜100mg/kg/日投与した試験において、100mg/kg/日で産児死亡の軽度の増加が認められた。また、各投与群で産児の低体重が認められ、本試験の無毒性量は追加試験の成績から5mg/kg/日であった3)4)
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
9.8.1 一般に生理機能が低下しているので、患者の状態に注意すること。
9.8.2 低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。
9.8.3 高齢者での体内薬物動態試験で、ロサルタン及びカルボン酸体の血漿中濃度が非高齢者に比べて高かった。[16.6.2参照]

10. 相互作用

相互作用序文
本剤は、薬物代謝酵素チトクロームP450 2C9(CYP2C9)及び3A4(CYP3A4)により活性代謝物であるカルボン酸体に代謝される。
薬物代謝酵素用語
CYP2C9
薬物代謝酵素用語
CYP3A4
10.1 併用禁忌
アリスキレン
ラジレス
(糖尿病患者に使用する場合。ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く。)
2.4参照]
非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。レニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
10.2 併用注意
カリウム保持性利尿剤:
スピロノラクトン
トリアムテレン等
カリウム補給剤:
塩化カリウム
アンジオテンシン変換酵素阻害剤
トリメトプリム含有製剤:
スルファメトキサゾール・トリメトプリム
血清カリウム上昇、高カリウム血症を起こすおそれがある。カリウム貯留作用が増強するおそれがある。腎機能障害のある患者には特に注意すること。
また、本剤とアンジオテンシン変換酵素阻害剤及びカリウム保持性利尿剤の3剤併用の場合には特に注意すること。
利尿降圧剤:
フロセミド
トリクロルメチアジド等
11.1.5参照]
一過性の血圧低下を起こすおそれがある。本剤の投与を低用量から開始し、増量する場合は徐々に行うこと。利尿降圧剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、本剤が奏効しやすい。
アリスキレン腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。レニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
アンジオテンシン変換酵素阻害剤急性腎障害、高カリウム血症のリスクが増加するとの報告がある。また、低血圧を起こすおそれがある。レニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤:
インドメタシン等
降圧作用が減弱されるおそれがある。プロスタグランジンの合成阻害作用により、本剤の降圧作用を減弱させる可能性がある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤:
インドメタシン等
腎機能が悪化している患者では、さらに腎機能が悪化するおそれがある。プロスタグランジンの合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。
リチウム:
炭酸リチウム
リチウム中毒が報告されている。血中リチウム濃度に注意すること。本剤のナトリウム排泄作用により、リチウムの蓄積が起こると考えられている。
グレープフルーツジュース降圧作用が減弱されるおそれがある。本剤の投与中はグレープフルーツジュースの摂取は避けること。グレープフルーツジュースに含まれる成分のCYP3A4阻害作用によりロサルタンの活性代謝物の血中濃度が低下するため、本剤の降圧作用が減弱されるおそれがある。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 アナフィラキシー(頻度不明)
不快感、口内異常感、発汗、蕁麻疹、呼吸困難、全身潮紅、浮腫等があらわれることがある。
11.1.2 血管性浮腫(頻度不明)
顔面、口唇、咽頭、舌等の腫脹があらわれることがある。また、腹痛、嘔気、嘔吐、下痢等を伴う腸管血管性浮腫があらわれることがある。
11.1.3 急性肝炎又は劇症肝炎(いずれも頻度不明)
11.1.4 腎不全(頻度不明)
11.1.5 ショック、失神、意識消失(いずれも頻度不明)
冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。[9.1.49.2.210.2参照]
11.1.6 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
11.1.7 高カリウム血症(頻度不明)
11.1.8 不整脈(頻度不明)
心室性期外収縮、心房細動等の不整脈があらわれることがある。
11.1.9 汎血球減少、白血球減少、血小板減少(いずれも頻度不明)
11.1.10 低血糖(頻度不明)
脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。糖尿病治療中の患者であらわれやすい。
11.1.11 低ナトリウム血症(頻度不明)
倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、痙攣、意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満頻度不明
精神神経系頭痛、めまい、不眠、浮遊感耳鳴、眠気
循環器系低血圧、起立性低血圧、胸痛調律障害(頻脈等)、動悸
消化器口角炎、嘔吐・嘔気、胃不快感、胃潰瘍口内炎、下痢、口渇
肝臓肝機能障害(AST上昇、ALT上昇、LDH上昇等)黄疸
腎臓BUN上昇、クレアチニン上昇 
皮膚発疹、そう痒蕁麻疹、多形紅斑、光線過敏、紅皮症、紅斑
血液赤血球減少、ヘマトクリット低下、好酸球増多貧血
その他ほてり、倦怠感、無力症/疲労、浮腫、筋肉痛、総コレステロール上昇、CK上昇、血中尿酸値上昇咳嗽、発熱、味覚障害、しびれ感、眼症状(かすみ、異和感等)、関節痛、筋痙攣、女性化乳房、勃起不全

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 生物学的同等性試験
<ロサルタンK錠50mg「日新」>
ロサルタンK錠50mg「日新」とニューロタン錠50mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ロサルタンカリウムとして50mg)健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された5)
 判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-12
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
ロサルタンK錠50mg「日新」370.14±149.24202.41±142.071.4±0.91.7±0.4
ニューロタン錠50mg348.86±118.58193.92±99.041.5±0.91.6±0.4
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
<ロサルタンK錠100mg「日新」>
ロサルタンK錠100mg「日新」とニューロタン錠100mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ロサルタンカリウムとして100mg)健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された6)
 判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-12
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
ロサルタンK錠100mg「日新」897.85±336.44527.07±232.621.4±1.01.6±0.5
ニューロタン錠100mg816.13±336.00546.76±286.831.5±1.21.4±0.4
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 透析患者
高血圧症を伴う透析患者に、ロサルタンカリウム50mgを空腹時に1回経口投与した場合、ロサルタンのCmax及びAUCはいずれも増加し、健康成人男子及び高血圧症患者と比較してロサルタンのCmax及びAUCはそれぞれ約2及び3〜4倍の値を示した7)8)
透析患者にロサルタンを投与したとき、ロサルタン及びカルボン酸体は透析により血漿中から除去されないことが報告されている(外国人データ)9)。[9.2.2参照]
16.6.2 高齢者
健康高齢者及び健康非高齢者に、ロサルタンカリウム50mgを空腹時に1回経口投与した場合、ロサルタンの吸収速度に差はみられなかったが、高齢者ではロサルタンのCmax及びAUCは非高齢者の約2倍を示した。一方、高齢者におけるカルボン酸体の平均Cmax及びAUCは、非高齢者に比べてそれぞれ約25及び27%の軽度な増加であった10)。[9.8.3参照]
16.8 その他
<ロサルタンK錠25mg「日新」>
ロサルタンK錠25mg「日新」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成18年11月24日 薬食審査発第1124004号)」に基づき、ロサルタンK錠50mg「日新」を標準製剤としたとき、溶出挙動が同等と判断され、生物学的に同等とみなされた11)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
ロサルタンカリウムはアンジオテンシンII受容体のうちAT1受容体と選択的に結合し、アンジオテンシンIIの生理作用を阻害することによって降圧作用をあらわす。本薬の主代謝物のカルボン酸体も本薬と同様の作用を示す。なお、ブラジキニンの分解酵素(キニナーゼII)には直接作用しない12)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ロサルタンカリウム

一般的名称 ロサルタンカリウム
一般的名称(欧名) Losartan Potassium
化学名 Monopotassium 5-{[4'-(2-butyl-4-chloro-5-hydroxymethyl-1H-imidazol-1-yl)methyl]biphenyl-2-yl}-1H-tetrazol-1-ide
分子式 C22H22ClKN6O
分子量 461.00
物理化学的性状 白色の結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすい。
KEGG DRUG D00357

20. 取扱い上の注意

開封後は湿気を避けて保存すること。

22. 包装

<ロサルタンK錠25mg「日新」>
100錠[10錠(PTP)×10]
500錠[10錠(PTP)×50]
<ロサルタンK錠50mg「日新」>
100錠[10錠(PTP)×10]
500錠[10錠(PTP)×50]
<ロサルタンK錠100mg「日新」>
100錠[10錠(PTP)×10]

23. 主要文献

  1. 阿部真也、他, 周産期医学, 47, 1353-5, (2017)
  2. 齊藤大祐、他, 鹿児島産科婦人科学会雑誌, 29, 49-54, (2021)
  3. Spence SG,et al., Teratology., 51, 383-97, (1995) »PubMed
  4. Spence SG,et al., Teratology., 51, 367-82, (1995) »PubMed
  5. 社内資料:生物学的同等性試験(錠50mg)
  6. 社内資料:生物学的同等性試験(錠100mg)
  7. 多川斉、他, 臨牀透析, 11, 247-64, (1995)
  8. 本態性高血圧症患者における検討(ニューロタン錠:2006年4月20日承認、申請資料概要ヘ.(2).1))
  9. 腎機能障害を伴う高血圧症患者における血漿中濃度(ニューロタン錠:2006年4月20日承認、申請資料概要ヘ.(3).3))
  10. 加齢の影響(ニューロタン錠:2006年4月20日承認、申請資料概要ヘ.(1).1).[1])
  11. 社内資料:生物学的同等性試験(錠25mg)
  12. 第十八改正日本薬局方解説書, C6319-6323, (2021), (東京:廣川書店)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
日新製薬株式会社 安全管理部
〒994-0069 山形県天童市清池東二丁目3番1号
電話:023-655-2131
FAX:023-655-3419
Email:d-info@yg-nissin.co.jp
製品情報問い合わせ先
日新製薬株式会社 安全管理部
〒994-0069 山形県天童市清池東二丁目3番1号
電話:023-655-2131
FAX:023-655-3419
Email:d-info@yg-nissin.co.jp

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
日新製薬株式会社
山形県天童市清池東二丁目3番1号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/10/22 版