医療用医薬品 : ジフルカン

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医薬品情報


総称名 ジフルカン
一般名 フルコナゾール
欧文一般名 fluconazole
製剤名 シロップ用フルコナゾール
薬効分類名 深在性真菌症治療剤
薬効分類番号 6290
ATCコード J02AC01
KEGG DRUG D00322 フルコナゾール
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ジフルカンドライシロップ350mg Diflucan Dry Syrup ファイザー 6290002R1027 110.9円/mL 処方箋医薬品
ジフルカンドライシロップ1400mg Diflucan Dry Syrup ファイザー 6290002R2023 453.7円/mL 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

次の薬剤を投与中の患者

トリアゾラム、エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミン、キニジン、ピモジド、アスナプレビル、ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル配合錠[「相互作用」の項参照]

本剤に対して過敏症の既往歴のある患者

妊婦又は妊娠している可能性のある患者[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]

効能・効果及び用法・用量

効能効果

カンジダ属及びクリプトコッカス属による下記感染症

真菌血症、呼吸器真菌症、消化管真菌症、尿路真菌症、真菌髄膜炎

造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防

用法用量

成人

カンジダ症

通常、成人にはフルコナゾールとして50〜100mgを1日1回経口投与する。

クリプトコッカス症

通常、成人にはフルコナゾールとして50〜200mgを1日1回経口投与する。

なお、重症又は難治性真菌感染症の場合には、1日量として400mgまで増量できる。

造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防

成人には、フルコナゾールとして400mgを1日1回経口投与する。

小児

カンジダ症

通常、小児にはフルコナゾールとして3mg/kgを1日1回経口投与する。

クリプトコッカス症

通常、小児にはフルコナゾールとして3〜6mg/kgを1日1回経口投与する。

なお、重症又は難治性真菌感染症の場合には、1日量として12mg/kgまで増量できる。

造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防

小児には、フルコナゾールとして12mg/kgを1日1回経口投与する。
なお、患者の状態に応じて適宜減量する。

ただし、1日量として400mgを超えないこと。

新生児

生後14日までの新生児には、フルコナゾールとして小児と同じ用量を72時間毎に投与する。

生後15日以降の新生児には、フルコナゾールとして小児と同じ用量を48時間毎に投与する。

用法用量に関連する使用上の注意

造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防

好中球減少症が予想される数日前から投与を開始することが望ましい。

好中球数が1000/mm3を超えてから7日間投与することが望ましい。

懸濁液調製法

本剤は1瓶について24mLの水を加えて懸濁すると、それぞれの濃度は以下の通りとなる。[「適用上の注意」の項参照]

フルコナゾール/瓶懸濁液の濃度
350mg10mg/mL
1400mg40mg/mL

使用上の注意

慎重投与

薬物過敏症の既往歴のある患者

腎障害のある患者[血中濃度が持続するので、投与量を減ずるか、投与間隔をあけて使用すること。(「薬物動態」の項参照)]

肝障害のある患者[肝障害を悪化させることがある。]

心疾患又は電解質異常のある患者[心室頻拍(torsades de pointesを含む)、QT延長、心室細動、房室ブロック、徐脈等があらわれることがある。(「重大な副作用」の項参照)]

ワルファリンを投与中の患者[「重要な基本的注意」及び「相互作用」の項参照]

遺伝性フルクトース不耐症、グルコース・ガラクトース吸収不全症又はスクラーゼ・イソマルターゼ欠損症の患者

重要な基本的注意

腎障害のある患者に投与する場合は、投与前にクレアチニン・クリアランス試験を行い、投与量及び投与間隔に十分注意すること。[「薬物動態」の項参照]

本剤とワルファリンとの併用において、ワルファリンの作用が増強し、著しいINR上昇を来した症例が報告されている。本剤投与開始にあたっては、あらかじめワルファリン服用の有無を確認し、ワルファリンと併用する場合は、プロトロンビン時間測定及びトロンボテストの回数を増やすなど慎重に投与すること。[「相互作用」の項参照]

本剤の投与に際しては適宜、血液検査、腎機能・肝機能検査、血中電解質検査等を行うことが望ましい。

本剤の投与に際しては、アレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。

相互作用

相互作用序文

本剤は、CYP2C9、2C19及び3A4を阻害する[1]

薬物代謝酵素用語

CYP2C9

薬物代謝酵素用語

CYP2C19

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

併用禁忌

トリアゾラム
(ハルシオン等)
トリアゾラムの代謝遅滞による血中濃度の上昇、作用の増強及び作用時間延長の報告がある[2]本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
エルゴタミン
(クリアミン配合錠)
ジヒドロエルゴタミン
(ジヒデルゴット等)
アゾール系抗真菌剤等のCYP 3A4を阻害する薬剤とエルゴタミンとの併用により、エルゴタミンの血中濃度が上昇し、血管攣縮等の副作用を起こすおそれがある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
キニジン(硫酸キニジン)
ピモジド(オーラップ)
これらの薬剤の血中濃度が上昇することにより、QT延長、torsades de pointesを発現するおそれがある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
アスナプレビル(スンベプラ)
ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル配合錠(ジメンシー配合錠)
これらの薬剤の血中濃度が上昇することにより、肝胆道系の副作用が発現し、また重症化するおそれがある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

併用注意

ワルファリンプロトロンビン時間の延長[3]、著しいINR上昇及び出血傾向(挫傷、鼻出血、消化管出血、血尿、下血等)の報告がある。[「重要な基本的注意」の項参照]本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
フェニトイン
イブプロフェン
フルルビプロフェン
これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある[4] [5] [6] [7]本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
セレコキシブセレコキシブの血中濃度が上昇することがある。本剤を使用中の患者にはセレコキシブの投与を低用量から開始すること。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
ロサルタンロサルタンの血中濃度上昇、及び活性代謝物であるカルボン酸体の血中濃度減少の報告がある[8]本剤はロサルタンの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用により活性代謝物であるカルボン酸体の血中濃度が減少することがある。
HMG-CoA還元酵素阻害薬
フルバスタチン
これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある[9] [10] [11]本剤はフルバスタチンの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりフルバスタチンの血中濃度が上昇することがある。
HMG-CoA還元酵素阻害薬
アトルバスタチン
シンバスタチン等
これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある[9] [10] [11]本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
カルバマゼピンカルバマゼピンの血中濃度が上昇し、悪心・嘔吐、めまい、複視等が発現したとの報告がある[12] [13]本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
ミダゾラム
エプレレノン
メサドン
これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある[14] [15]本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
カルシウム拮抗薬
ニフェジピン等
ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍薬
ビンクリスチン
ビンブラスチン
エリスロマイシン
これらの薬剤の血中濃度上昇のおそれがある[16]本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
タクロリムス水和物[17]、シクロスポリン[18] これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある。
また、併用により腎障害の報告がある。
本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
リファブチンリファブチンのAUC上昇の報告があり、リファブチンの作用が増強するおそれがある[19]本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
リトナビル
サキナビル
オキシコドン
これらの薬剤のAUC上昇の報告がある[20]本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
フェンタニルフェンタニルの血中濃度上昇のおそれがある[21]本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の代謝が遅れることがある。
リバーロキサバンリバーロキサバンの血中濃度が上昇したとの報告がある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の代謝が遅れることがある。
テオフィリンテオフィリンの血中濃度上昇の報告がある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
経口避妊薬エチニルエストラジオール[22]、レボノルゲストレルの血中濃度上昇の報告がある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
スルホニル尿素系血糖降下薬(クロルプロパミド、グリベンクラミド、トルブタミド等)スルホニル尿素系血糖降下薬の血中濃度上昇の報告がある[23]
また、併用により低血糖の報告がある。
本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
ナテグリニドナテグリニドのAUC上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある[24]本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
トレチノイン中枢神経系の副作用が発現するおそれがある[25]本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
ジアゼパムジアゼパムのAUC上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある[26]本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C19を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
トファシチニブトファシチニブのAUCが79%、Cmaxが27%増加したとの報告がある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C19を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
シクロホスファミドビリルビンの上昇、クレアチニンの上昇の報告がある[27]本剤はシクロホスファミドの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C9を阻害するので、併用によりシクロホスファミドの血中濃度が上昇することがある。
アミトリプチリン
ノルトリプチリン
これらの薬剤の作用が増強するおそれがある[28] [29] [30] [31]本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害するので、これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
ジドブジンジドブジンの血中濃度上昇の報告がある[32]本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害するので、これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
リファンピシン本剤の血中濃度の低下及び血中濃度半減期の減少の報告がある[33]リファンピシンは代謝酵素であるチトクロームP450を誘導する。その結果、本剤の肝代謝が増加すると考えられる。
三酸化ヒ素QT延長、心室頻拍(torsades de pointesを含む)を起こすおそれがある。本剤及び三酸化ヒ素は、いずれもQT延長、心室頻拍(torsades de pointesを含む)を起こすことがある。

副作用

副作用発現状況の概要

[34]

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
フルコナゾール(カプセル)開発時及び承認後6年間(平成元年3月31日〜平成7年3月30日)の調査(再審査終了時)において、989例中63例(6.37%)に副作用又は臨床検査値異常が認められた。
副作用の主なものは、悪心(0.30%)、下痢(0.30%)、発疹(0.20%)、浮腫(0.20%)等であった。
臨床検査値異常の主なものは、ALT(GPT)上昇(1.52%)、AST(GOT)上昇(1.21%)、Al-P上昇(1.01%)等であった。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

[34][35]

ショック、アナフィラキシー(頻度不明注))

ショック、アナフィラキシー(血管浮腫、顔面浮腫、そう痒等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明注))

中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

薬剤性過敏症症候群(頻度不明注))

初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。

血液障害(頻度不明注))

無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少、白血球減少、貧血等の重篤な血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

急性腎不全(頻度不明注))

急性腎不全等の重篤な腎障害が報告されているので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

肝障害(頻度不明注))

黄疸、肝炎、胆汁うっ滞性肝炎、肝壊死、肝不全等の肝障害が報告されており、これらの症例のうち死亡に至った例も報告されている。これらの発症と1日投与量、治療期間、患者の性別・年齢との関連性は明らかではない。本剤による肝障害は通常、投与中止により回復している。投与にあたっては、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

意識障害(頻度不明注))

錯乱、見当識障害等の意識障害があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

痙攣(頻度不明注))

痙攣等の神経障害があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

高カリウム血症(頻度不明注))

高カリウム血症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、電解質補正等の適切な処置を行うこと。

心室頻拍、QT延長、不整脈(頻度不明注))

心室頻拍(torsades de pointesを含む)、QT延長、心室細動、房室ブロック、徐脈等があらわれることがあるので、定期的に心電図検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

間質性肺炎(頻度不明注))

間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施し、本剤の投与を中止するとともに、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

偽膜性大腸炎(頻度不明注))

偽膜性大腸炎等の重篤な大腸炎(初期症状:発熱、腹痛、頻回の下痢)があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

注:自発報告のため頻度不明

その他の副作用

 1%以上0.1〜1%未満頻度不明注1)
肝臓AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇LDH、ビリルビンの上昇黄疸
皮膚 発疹注2) 剥脱性皮膚炎
消化器 悪心、しゃっくり、食欲不振、下痢、腹部不快感、腹痛口渇、嘔吐、消化不良、鼓腸放屁
精神・神経系 頭痛、手指のこわばりめまい、傾眠、振戦
腎臓 BUN、クレアチニンの上昇、乏尿 
代謝異常 低カリウム血症高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、高血糖
血液 好酸球増多、好中球減少 
その他 浮腫、発熱注2)、倦怠感熱感、脱毛、味覚倒錯、副腎機能不全
注1:自発報告のため頻度不明。注2:発現した場合には投与を中止すること。

高齢者への投与

本剤は主として腎臓から排泄される[「薬物動態」の項参照]が、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがあるので、用量ならびに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

[36][37][38][39]

催奇形性を疑う症例報告があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。

母乳中に移行することが認められているので、授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。

小児等への投与

新生児においては、腎機能が未熟なため血中濃度半減期が延長することから、投与間隔に留意すること。[「薬物動態」の項参照]

過量投与

[40]

症状

外国の癌患者での過量投与(フルコナゾール1200〜2000mg/日、経口投与)の症例報告では、フルコナゾール1600mg/日投与例において、肝機能検査値上昇がみられた。
また、2000mg/日投与例において、中枢神経系障害(錯乱、嗜眠、見当識障害、不眠、悪夢、幻覚)、多形性紅斑、悪心・嘔吐、肝機能検査値上昇等がみられたとの報告がある。

フルコナゾール8200mg経口摂取後、幻覚、妄想行動の症状があらわれ、48時間の経過観察が行われた結果、症状は回復したとの報告がある。(自殺企図例)

処置

(1)、(2)とも対症療法を行う。フルコナゾールは、大部分が腎から排泄される。3時間の血液透析により、約50%が血清より除去される。

適用上の注意

調製方法

粉末の固まりがないように、粒子がばらばらになるまで瓶を軽くたたき、24mLの水を瓶に加えよく振り混ぜること。それぞれの濃度は以下の通りとなる。

フルコナゾール/瓶懸濁液の濃度
350mg10mg/mL
1400mg40mg/mL

投与時

十分に振り混ぜてから、正確に1回量を測り取ること。

保存時

懸濁液に調製後の保存は、凍結を避け、5℃〜30℃で保存し、2週間以内に使用すること。処方された服用期間後の残液は、廃棄すること。

薬剤交付時

本剤を懸濁液に調製後、瓶ごと患者に交付し、服用方法、保管方法、残液の廃棄など十分に説明すること。

薬物動態

血中濃度

健常成人[41][42][43]

健常成人にフルコナゾール(カプセル)50mg、100mg又は400mgを単回経口投与した場合の平均血漿中濃度の推移は図に示したとおりで、用量に比例した血漿中濃度が得られ、最高血漿中濃度(Cmax)はそれぞれ0.92、1.88及び7.95μg/mLであった。最高血漿中濃度到達時間(Tmax)は、空腹時投与で1.4〜1.7時間であり、血漿中濃度半減期はいずれの用量でも約30時間であった。本剤は消化管からの吸収に優れ、AUCは静脈内投与時の場合と近似していた。また、成人患者2例に本剤400mgを1日1回31日間経口投与したときの血清中濃度は投与5日目まで経日的に上昇し、初回投与時の約3倍に達したが、以降は定常状態となることが認められている。

小児患者(外国人データ)[44]

小児患者にフルコナゾールを2〜8mg/kgを経口(ドライシロップ)又は静脈内(静注液)投与したところ、小児におけるクリアランスは、成人のクリアランスの約2倍高い値であった。

年齢
(症例数)
用量注1) 半減期
(時間)
AUC0-∞
(μg・h/mL)
早産児
生後24時間以内
(n=4〜11)注2)
反復静注
6mg/kg
(3日間隔)
73.6(1日目)
53.2(7日目)
46.6(13日目)
271(1日目)
490(7日目)
360(13日目)
11日〜11ヵ月
(n=9)
単回静注
3mg/kg
23110
9ヵ月〜13歳
(n=14)
単回経口
2mg/kg
25.0注3) 94.7
9ヵ月〜13歳
(n=14)
単回経口
8mg/kg
19.5363
5〜15歳
(n=4)
反復静注
2mg/kg
17.4注4) 67.4注4)
5〜15歳
(n=5)
反復静注
4mg/kg
15.2注4) 139注4)
5〜15歳
(n=7)
反復静注
8mg/kg
17.6注4) 197注4)
平均年齢7歳
(n=11)
反復経口
3mg/kg
15.5注5) 41.6注5)
注1:剤型:静注は静注液、経口はドライシロップ注2:半減期(1日目:n=7、7日目:n=9、13日目:n=4)AUC0-72(1日目:n=11、7日目:n=10、13日目:n=4)注3:n=16注4:最終投与日の値注5:1日目の値

尿中排泄[41][42]

健常成人にフルコナゾール(カプセル)50、100、400mgを単回経口投与したときの尿中フルコナゾール最高濃度は、それぞれ12.4、38.7、83.2μg/mL(投与後8時間以内)に達した。また、投与5日目までの未変化体の尿中排泄率はいずれの用量においても約70%であった。

組織内移行[45][46][47]

フルコナゾール(カプセル)の経口投与により患者の喀痰中、肺組織中、髄液中への良好な移行が認められた。髄液中のフルコナゾール濃度は血漿中濃度の60〜80%であった。

代謝[48]

フルコナゾール(カプセル)100mgをヒトに経口投与した場合、尿中代謝物として1、2、4-トリアゾールがわずかに認められた。投与量の約77%がフルコナゾール未変化体として尿中に排泄された。

蛋白結合率[49]

フルコナゾールのヒト血漿蛋白に対する結合率は、類似化合物に比較して低く、約10%であった。

腎障害患者に対する用量調節の目安[50]

腎障害患者に投与する場合は、下表に示すクレアチニン・クリアランス値を参考に用量を調節する。

クレアチニン・クリアランス(mL/min)用量の目安
>50通常用量
≦50(透析患者を除く)半量
透析患者透析終了後に通常用量

臨床成績

臨床効果[47][51][52][53]

カンジダ症、クリプトコッカス症

開発時の臨床試験ではフルコナゾールを各種深在性真菌症に経口投与し、優れた臨床効果が得られた。

疾患別臨床効果

菌種疾患名有効例/症例
カンジダ属カンジダ血症4/4
カンジダ肺・気管支炎2/2
カンジダ尿症7/7
カンジダ食道・消化管炎12/12
その他1/1
合計26/26(100.0%)
クリプトコッカス属クリプトコッカス髄膜炎2/3
肺クリプトコッカス症6/9
合計8/12(66.7%)
(有効例=著効+有効)

予防(外国臨床試験)[54]

骨髄移植患者357例を対象に無作為化二重盲検比較臨床試験において、フルコナゾール(カプセル又は静注液)として400mgを1日1回経口又は静脈内投与した群では予防不成功注)例105/179例(58.7%)、プラセボ投与群では予防不成功例123/177例(69.5%)であった。

注:予防不成功:全身性感染症確定(proven)及び全身性感染症疑い(suspected)を予防投与の不成功とした。

真菌学的効果[47][51][52][53]

Candida属では、C.albicans18株、C.tropicalis4株は全例消失し、Candida属全体の消失率は95.7%(22/23)であった。
Cryptococcus neoformans5株は全て消失した。

薬効薬理

抗真菌作用[55][56][57][58]

フルコナゾールは、カンジダ属及びクリプトコッカス属に対しin vitro抗真菌活性を示す。カンジダ属及びクリプトコッカス属に対する最小発育阻止濃度(MIC)は下表のとおりであった。

臨床分離株に対する抗真菌活性

菌種(株数)MIC(μg/mL)
範囲50%90%
Candida albicans(333)≦0.031〜160.251
Candida glabrata(107)0.25〜>641632
Candida tropicalis(46)0.5〜>6448
Candida parapsilosis(27)0.25〜412
Candida krusei(14)32〜>6464>64
Cryptococcus neoformans(3)4
MIC測定は、0.165M MOPS及び10N NaOHにてpH7.0に調整したRPIMI1640培地を用いた微量液体希釈法による。

カンジダ属及びクリプトコッカス属の病原真菌を用いたマウス感染防御実験において、フルコナゾールは従来のイミダゾール系抗真菌剤よりも強い効果を示した。

作用機序[59]

フルコナゾールは真菌細胞において、膜成分のエルゴステロール生合成を抑制することにより抗真菌作用を示す。また、真菌の酵母型発育相及び菌糸型発育相のいずれに対しても発育抑制を示す。フルコナゾールのエルゴステロール生合成阻害作用は真菌に選択的で、ラット肝細胞でのステロール生合成に対する影響は少ない。

有効成分に関する理化学的知見

一般名フルコナゾール
一般名(欧名)fluconazole
略号FLCZ
化学名2-(2,4-Difluorophenyl)-1,3-bis(1H-1,2,4-triazol-1-yl)propan-2-ol
分子式C13H12F2N6O
分子量306.27
融点137〜141℃
性状フルコナゾールは、白色〜微黄白色の結晶性の粉末である。エタノール(99.5)にやや溶けやすく、水に溶けにくい。希塩酸に溶ける。
KEGG DRUGD00322

包装

ジフルカンドライシロップ350mg

1瓶

ジフルカンドライシロップ1400mg

1瓶

主要文献


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[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2018/7/18 版