医療用医薬品 : ラピアクタ

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医薬品情報


総称名 ラピアクタ
一般名 ペラミビル水和物
欧文一般名 Peramivir Hydrate
製剤名 ペラミビル水和物注射液
薬効分類名 抗インフルエンザウイルス剤
薬効分類番号 6250
ATCコード J05AH03
KEGG DRUG
D03829 ペラミビル水和物
KEGG DGROUP
DG03029 抗インフルエンザウイルス薬
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2019年9月 改訂(再審査結果)(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ラピアクタ点滴静注液バッグ300mg RAPIACTA for Intravenous Drip Infusion 塩野義製薬 6250405A2039 6331円/袋 処方箋医薬品注)
ラピアクタ点滴静注液バイアル150mg RAPIACTA for Intravenous Drip Infusion 塩野義製薬 6250405A1032 3400円/瓶 処方箋医薬品注)

1. 警告

1.1 本剤の投与にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること。[5.1-5.5参照]
1.2 本剤の予防投与における有効性及び安全性は確立していない。

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

A型又はB型インフルエンザウイルス感染症

5. 効能または効果に関連する注意

5.1 本剤の投与にあたっては、抗ウイルス薬の投与がA型又はB型インフルエンザウイルス感染症の全ての患者に対しては必須ではないことを踏まえ、患者の状態を十分観察した上で、本剤の投与の必要性を慎重に検討すること。[1.1参照]
5.2 本剤は点滴用製剤であることを踏まえ、経口剤や吸入剤等の他の抗インフルエンザウイルス薬の使用を十分考慮した上で、本剤の投与の必要性を検討すること。[1.1参照]
5.3 流行ウイルスの薬剤耐性情報に留意し、本剤投与の適切性を検討すること。[1.1参照]
5.4 本剤はC型インフルエンザウイルス感染症には効果がない。[1.1参照]
5.5 本剤は細菌感染症には効果がない。[1.18.2参照]

6. 用法及び用量

<成人>
通常、ペラミビルとして300mgを15分以上かけて単回点滴静注する。
合併症等により重症化するおそれのある患者には、1日1回600mgを15分以上かけて単回点滴静注するが、症状に応じて連日反復投与できる。
なお、年齢、症状に応じて適宜減量する。
<小児>
通常、ペラミビルとして1日1回10mg/kgを15分以上かけて単回点滴静注するが、症状に応じて連日反復投与できる。投与量の上限は、1回量として600mgまでとする。

7. 用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤の投与は、症状発現後、可能な限り速やかに開始することが望ましい。症状発現から48時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない。
7.2 反復投与は、体温等の臨床症状から継続が必要と判断した場合に行うこととし、漫然と投与を継続しないこと。なお、3日間以上反復投与した経験は限られている。[17.1参照]
7.3 腎機能障害のある患者では、腎機能の低下に応じて、下表を目安に投与量を調節すること。本剤を反復投与する場合も、下表を目安とすること。[9.216.6.1参照]
Ccr(mL/min)1回投与量
通常の場合重症化するおそれのある患者の場合
50≦Ccr300mg600mg
30≦Ccr<50100mg200mg
10≦Ccr<3050mg100mg

8. 重要な基本的注意

8.1 抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無又は種類にかかわらず、インフルエンザ罹患時には、異常行動を発現した例が報告されている。
異常行動による転落等の万が一の事故を防止するための予防的な対応として、[1]異常行動の発現のおそれがあること、[2]自宅において療養を行う場合、少なくとも発熱から2日間、保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じること、について患者・家族に対し説明を行うこと。
なお、転落等の事故に至るおそれのある重度の異常行動については、就学以降の小児・未成年者の男性で報告が多いこと、発熱から2日間以内に発現することが多いこと、が知られている。[11.1.5参照]
8.2 細菌感染症がインフルエンザウイルス感染症に合併したり、インフルエンザ様症状と混同されることがある。細菌感染症の場合及び細菌感染症が疑われる場合には、抗菌剤を投与するなど適切な処置を行うこと。[5.5参照]
8.3 肝機能障害、黄疸が投与翌日等の早期にあらわれることがあるので、投与直後から肝機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察すること。[11.1.3参照]
8.4 ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、投与中は救急処置の可能な状態で患者の状態を十分に観察すること。また、投与終了後もショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、注意すること。[11.1.1参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心臓、循環器系機能障害のある患者
添加剤(塩化ナトリウム、注射用水)によりナトリウムの負荷及び循環血液量を増やすことから心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
クレアチニンクリアランス値に応じた用量に基づいて、状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は腎排泄型の薬剤であり、高い血漿中濃度が持続するおそれがある。また、添加剤(塩化ナトリウム、注射用水)により水分、塩化ナトリウムの過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。[7.316.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットで胎盤通過性、ウサギで流産及び早産が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットで乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児、腎機能障害を有する小児等を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.2参照]
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下していることが多い。[16.6.3参照]

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
血圧低下、顔面蒼白、冷汗、呼吸困難、じん麻疹等があらわれることがある。[8.4参照]
11.1.2 白血球減少、好中球減少(1〜5%未満)
11.1.3 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明)
AST、ALT、γ-GTP、Al-Pの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸が投与翌日等の早期にあらわれることがある。[8.3参照]
11.1.4 急性腎障害(頻度不明)
11.1.5 精神・神経症状(意識障害、譫妄、幻覚、妄想、痙攣等)、異常行動(頻度不明)
因果関係は不明であるものの、インフルエンザ罹患時には、転落等に至るおそれのある異常行動(急に走り出す、徘徊する等)があらわれることがある。[8.1参照]
11.1.6 肺炎(頻度不明)
11.1.7 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
11.1.8 血小板減少(頻度不明)
11.1.9 出血性大腸炎(頻度不明)
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 1%以上0.5〜1%未満0.5%未満頻度不明
皮膚 発疹湿疹、じん麻疹 
消化器下痢(6.3%)、悪心、嘔吐腹痛食欲不振、腹部不快感、口内炎 
肝臓AST上昇、ALT上昇LDH上昇、ビリルビン上昇、γ-GTP上昇Al-P上昇 
腎臓蛋白尿、尿中β2ミクログロブリン上昇、NAG上昇BUN上昇  
血液リンパ球増加好酸球増加血小板減少 
精神神経系  めまい、不眠 
その他血中ブドウ糖増加尿中血陽性、CK上昇、尿糖霧視血管痛

13. 過量投与

本剤は血液透析により速やかに血漿中から除去されることが報告されている。[16.6.1参照]

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人男性各6例に100mg、200mg、400mg、800mg注1)を単回点滴静注したときの血漿中濃度を図16-1に、単回/反復点滴静注したときの薬物動態パラメータを表16-1に示す。Cmax及びAUCは用量比例的に増加し、平均滞留時間(MRT)は約3時間でペラミビルは速やかに消失した。反復投与での体内動態は単回投与時とほとんど変わらず、蓄積性は認められなかった1)
図16-1 単回投与時の血漿中濃度(健康成人)
表16-1 薬物動態パラメータ
投与量(mg)例数単回投与
Cmax(ng/mL)AUC0-∞(ng・hr/mL)CL※1(L/hr)MRT(hr)Vss※2(L)
100611200±290017513±20015.77±0.612.64±0.3315.16±2.14
200621100±160033695±36225.99±0.652.65±0.2715.77±1.35
400646800±700063403±86206.41±0.902.44±0.2815.53±1.71
800686200±15400133795±199726.10±0.962.83±0.4916.96±1.53
投与量(mg)例数反復投与(6日目)
Cmax(ng/mL)AUC0-τ ※3(ng・hr/mL)CL※1(L/hr)
100610900±200016436±15406.13±0.56
200619800±230030358±29806.64±0.69
400645300±800065409±94986.23±0.93
800685500±13100131385±128716.14±0.58
※1:全身クリアランス
※2:定常状態分布容積
※3:定常状態の投与間隔(24時間)でのAUC
(測定法:LC/MS/MS)(平均値±標準偏差)
16.3 分布
16.3.1 ヒトでの組織移行
健康成人男性各6例に100mg、200mg、400mg、800mg注1)を単回点滴静注したとき、上気道分泌液(咽頭分泌液及び鼻腔分泌液)中の薬物濃度は投与量の増加に伴い増大した。上気道分泌液中には血漿中に比し、AUCとして3〜9%が移行することが確認された。また、400mg投与時の咽頭分泌液及び鼻腔分泌液中の濃度は最高濃度としてそれぞれ平均930及び1210ng/mLであった1)
16.3.2 ラットでの組織移行
ラットに[14C]-ペラミビル24mg/kgを単回静脈内投与したとき、すべての組織中放射能濃度は投与5分後に最高濃度を示した。また、作用部位である肺及び気管においても良好な分布が認められ、主排泄臓器である腎臓ではより高い分布が認められた。すべての組織中放射能濃度は、投与48時間後までに定量限界未満となり、組織への蓄積性及び残留性は低いことが示唆された。一方、脳内への移行性は極めて低いことが示された2)
16.3.3 蛋白結合率
限外ろ過法により測定したヒト血清蛋白結合率は、1〜100μg/mLの濃度範囲において0.3〜1.8%であった3)in vitro試験)。
16.4 代謝
健康成人男性6例に400mgを単回点滴静注したときの血漿及び尿中に代謝物は検出されず、未変化体のみが検出された1)
16.5 排泄
健康成人男性各6例に100mg、200mg、400mg、800mg注1)を単回点滴静注したときの投与開始後48時間までの尿中排泄率(平均値)は86.3〜95.4%、6日間反復投与したときの総投与量に対する尿中排泄率(平均値)は77.2〜92.6%であった1)
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害者
(1)日本人健康成人及びインフルエンザ患者、並びに外国人健康成人、腎機能障害者及び健康高齢者を対象とした臨床試験より得られた332症例、3199ポイントの血漿中濃度について、母集団薬物動態解析を行った。ペラミビルの薬物動態(CL)に対する影響因子として、腎機能障害の程度(Ccr)が薬物動態に与える影響が大きく、Ccrに応じた投与量の調節が必要であると考えられた4)。[7.39.2参照]
腎機能障害者群における用量調節時(300mg投与相当)の血漿中濃度シミュレーションを図16-2に示す。また、各腎機能障害者群における用量調節時のCmax及びAUCを表16-2に示す。
図16-2 腎機能障害者群における用量調節時(300mg投与相当)の血漿中濃度シミュレーション
表16-2 腎機能障害者群における用量調節時のCmax及びAUC
Ccr(mL/min)300mg投与相当600mg投与相当
投与量(mg)Cmax(ng/mL)AUC(ng・hr/mL)投与量(mg)Cmax(ng/mL)AUC(ng・hr/mL)
10≦Ccr<30504742(3192-7467)37162(21433-87284)1009415(6414-14591)75745(42922-173312)
30≦Ccr<501009245(6291-14323)33669(22976-50453)20018471(12564-28283)67786(45769-102417)
50≦Ccr<8030027044(18652-40920)60233(41298-87803)60054047(37078-81364)119015(83155-175174)
80≦Ccr<14030026005(18133-38645)36423(26114-52916)60051814(36020-76820)72307(51520-104974)
(2)腎機能障害者を含む22例に2mg/kg注2)を単回点滴静注したときの血漿中濃度を図16-3に、薬物動態パラメータを表16-3に示す。腎機能の低下に伴い、ペラミビルの血漿中からの消失が遅延し、AUCが増大することが示された5)(外国人データ)。
図16-3 単回投与時の血漿中濃度(腎機能障害者)
表16-3 薬物動態パラメータ
Ccr(mL/min)例数Cmax(ng/mL)AUC0-∞(ng・hr/mL)CL(mL/min)
Ccr<30513200±2910137000±4110021.1±4.68
30≦Ccr<50613700±3780108000±3120026.8±5.35
50≦Ccr≦80512500±359033900±788077.9±21.4
Ccr>80612800±286026000±3180108±9.90
(3)血液透析患者6例に2mg/kg注2)を単回点滴静注したときの血漿中濃度を図16-4に示す。点滴開始2時間後から4時間かけて血液透析することによって血漿中濃度は約1/4まで低下した5)(外国人データ)。[13.参照]
図16-4 単回投与時の血漿中濃度(血液透析患者)
16.6.2 小児患者
小児患者115例(4ヵ月〜15歳)に10mg/kg(体重60kg以上は600mg)を単回点滴静注したときの点滴終了後4時間までの血漿中濃度(185ポイント)を図16-5に示す。また、血漿中濃度が測定できた全297ポイントを用いて母集団薬物動態解析を行い、得られた薬物動態パラメータを表16-4に示す6)
図16-5 単回投与時の血漿中濃度(小児患者)
表16-4 薬物動態パラメータ
 例数Cmax(ng/mL)AUC0-∞(ng・hr/mL)
全体11538768(23880-58835)56569(37531-82620)
0〜1歳未満425848(23880-28319)47941(43040-53535)
1〜2歳未満827587(24793-37604)44472(41398-52018)
2〜6歳未満1933804(26787-42224)46784(37531-61870)
6〜16歳未満8441127(27216-58835)60478(41801-82620)
16.6.3 高齢者
健康高齢者(65歳以上)20例、健康非高齢者6例に4mg/kg注2)を単回点滴静注したときの薬物動態パラメータを表16-5に示す。高齢者のAUCは非高齢者の約1.3倍であったが、Cmaxは類似していた7)(外国人データ)。[9.8参照]
表16-5 薬物動態パラメータ
 例数Cmax(ng/mL)AUC0-12hr(ng・hr/mL)
高齢者2022648±482461334±8793
非高齢者620490±390846200±4460
16.7 薬物相互作用
ペラミビルは主要なヒト肝チトクロームP450(CYP)酵素であるCYP1A2、2A6、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4に対して阻害作用を示さず、CYP1A2、2A6、2C9、2D6及び3A4に対して誘導作用を示さなかった。また、ペラミビルはP-糖蛋白の基質ではなく、P-糖蛋白による薬物輸送も阻害しないことが示された8)in vitro試験)。
注1):本剤の成人に対する承認最高用量は600mgである。
注2):本剤の成人に対する承認された用法・用量とは異なる。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
<成人>
17.1.1 国内第II相試験
成人患者を対象に、ペラミビル300mg、600mgを単回点滴静注したときの有効性について、プラセボを対照に二重盲検下で比較した。296例におけるインフルエンザ罹病期間(主要7症状が改善するまでの時間)の中央値を表17-1に示す。ペラミビルの各用量群はプラセボ群よりインフルエンザ罹病期間を有意に短縮させた9)。(いずれもp<0.05)
表17-1 国内第II相試験でのインフルエンザ罹病期間
投与群投与経路例数中央値(hr)95%信頼区間
ペラミビル300mg静脈内9959.150.9,72.4
600mg静脈内9759.954.4,68.1
プラセボ静脈内10081.868.0,101.5
副作用発現頻度は54.5%(108/198例)であった。主な副作用は下痢10.6%(21/198例)、尿中β2-ミクログロブリン増加9.6%(19/198例)、尿中蛋白陽性6.6%(13/198例)、N-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼ増加6.1%(12/198例)であった9)
17.1.2 国際共同第III相試験
成人患者を対象に、ペラミビル300mg、600mgを単回点滴静注したときの有効性について、オセルタミビル(75mg 1日2回、5日間経口投与)を対照に二重盲検下で検討した。1091例(日本742例、台湾244例、韓国105例)におけるインフルエンザ罹病期間の中央値を表17-2に示す10)
表17-2 国際共同第III相試験でのインフルエンザ罹病期間
投与群投与経路例数中央値(hr)95%信頼区間
ペラミビル300mg静脈内36478.068.4,88.6
600mg静脈内36281.072.7,91.5
オセルタミビル75mg経口36581.873.2,91.1
副作用発現頻度は16.1%(117/728例)であった。主な副作用は下痢4.7%(34/728例)、好中球数減少3.2%(23/728例)であった10)
17.1.3 国内第III相試験
ハイリスク因子(糖尿病、慢性呼吸器疾患を合併、あるいは免疫抑制剤服用中)を有する患者を対象に、二重盲検下でペラミビル300mg又は600mgを1日1回1〜5日間投与した。600mg群(19例)でのインフルエンザ罹病期間の中央値は42.3時間(90%信頼区間:30.0,82.7)であり、ハイリスク因子を有する患者に対する効果が示された。なお、300mg群(18例)では114.4時間(90%信頼区間:40.2,235.3)であった。また、ハイリスク因子を有する患者にペラミビルを反復投与することで、インフルエンザ罹病期間の短縮傾向が認められた。[7.2参照]
投与群別投与期間別のインフルエンザ罹病期間の中央値を表17-3に示す11)
表17-3 投与群別投与期間別のインフルエンザ罹病期間(ハイリスク因子を有する患者)
投与期間併合 37例300mg群 18例600mg群 19例
例数中央値(hr)90%信頼区間例数中央値(hr)90%信頼区間例数中央値(hr)90%信頼区間
1日1092.014.6,253.37132.023.2,inf※1 314.613.2,68.6
2〜5日間27※2 64.141.5,111.211111.240.2,123.11642.730.0,103.3
副作用発現頻度は33.3%(14/42例)であった。主な副作用は血中ブドウ糖増加7.1%(3/42例)、好中球数減少7.1%(3/42例)であった11)
<小児>
17.1.4 国内第III相試験
小児等を対象に、ペラミビル10mg/kg(体重60kg以上は600mg)を非盲検下で1日1回1〜2日間投与した。115例(4ヵ月〜15歳)におけるインフルエンザ罹病期間の中央値は27.9時間(95%信頼区間:21.7,31.7)であった。
インフルエンザ罹病期間について、年齢別の中央値を表17-4に、投与期間別の中央値を表17-5に示す6)
表17-4 年齢別のインフルエンザ罹病期間(小児)
年齢例数中央値(hr)95%信頼区間
0〜2歳未満1231.020.8,50.9
2〜6歳未満2026.417.8,68.9
6〜12歳未満4625.620.8,31.7
12〜16歳未満3729.120.9,36.3
表17-5 投与期間別のインフルエンザ罹病期間(小児)
投与期間例数中央値(hr)95%信頼区間
1日10525.321.2,30.6
2日間1047.829.4,91.3
副作用発現頻度は29.1%(34/117例)であった。主な副作用は下痢10.3%(12/117例)、好中球数減少9.4%(11/117例)、嘔吐5.1%(6/117例)、好酸球数増加3.4%(4/117例)であった6)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
ヒトA型及びB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを選択的に阻害する。インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼはシアル酸切断活性を有し、糖鎖末端のシアル酸を切断することで、子孫ウイルスが感染細胞の表面から遊離できるように働く。ペラミビルはノイラミニダーゼを阻害することによって感染細胞の表面から子孫ウイルスが遊離するステップを抑制し、ウイルスが別の細胞へ拡散することを防ぎ、結果的にウイルス増殖抑制作用を示す12)
18.2 薬理作用
18.2.1 インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼに対する阻害作用
ヒトA型及びB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼに対して阻害活性を示し、その50%阻害濃度はA型で0.54〜11nmol/L、B型で6.8〜17nmol/Lであった12)in vitro試験)。
18.2.2 インフルエンザウイルス感染マウスに対する治療効果
ヒトA型及びB型インフルエンザウイルス感染マウス致死モデルにおいて、ペラミビルの単回静脈内投与により用量依存的に生存数の増加が認められ、その50%有効量はA型で0.4〜1.5mg/kg、B型で0.1〜1.0mg/kgであった12)
18.3 耐性
成人患者を対象とした国内第II相試験及び小児患者を対象とした国内第III相試験において、本剤投与前後で、本剤に対する感受性が3倍以上低下した株がA型のみ少数例に認められた6) 9)。なお、成人患者を対象とした国際共同第III相試験では、これらの感受性低下株と同じ亜型で同程度の感受性を示す株に感染した患者で治療効果が確認されている10)。また、in vitro耐性ウイルス分離試験において、類薬との交叉耐性を示す耐性株の出現が報告されているが、本剤に特有の耐性株は報告されていない13) 14)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ペラミビル水和物

一般的名称 ペラミビル水和物
一般的名称(欧名) Peramivir Hydrate
化学名 (1S,2S,3R,4R)-3-[(1S)-1-(Acetylamino)-2-ethylbutyl]-4-guanidino-2-hydroxycyclopentanecarboxylic acid trihydrate
分子式 C15H28N4O4・3H2O
分子量 382.45
融点 242.0〜243.5℃(分解)
物理化学的性状 白色〜微黄褐白色の粉末である。
水にやや溶けにくく、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくく、N,N-ジメチルホルムアミドに極めて溶けにくい。
分配係数 log P=−1.16(P=0.069)[1-オクタノール/水]
KEGG DRUG D03829

21. 承認条件

インフルエンザウイルスの本薬に対する耐性化に関する国内外の調査結果・情報については、随時、規制当局に報告すること。

22. 包装

<ラピアクタ点滴静注液バッグ300mg>
1袋[60mL×1]
<ラピアクタ点滴静注液バイアル150mg>
10瓶[15mL×10]

23. 主要文献

  1. 社内資料:健康成人における薬物動態(2010/1/13承認、申請資料概要2.7.6.1)
  2. 社内資料:ラットにおける分布(2010/1/13承認、申請資料概要2.6.4.4、2.6.4.6)
  3. 社内資料:蛋白結合に関する試験(2010/1/13承認、申請資料概要2.7.2.2)
  4. 社内資料:母集団薬物動態解析(2010/1/13承認、申請資料概要2.7.2.3)
  5. 社内資料:腎機能障害者における薬物動態(2010/1/13承認、申請資料概要2.7.6.2)
  6. 社内資料:小児を対象とした国内第III相試験(2010/10/27承認、申請資料概要2.7.6.1)
  7. 社内資料:高齢者における薬物動態(2010/1/13承認、申請資料概要2.7.2.3)
  8. 社内資料:薬物動態学的薬物相互作用(2010/1/13承認、申請資料概要2.6.4.7)
  9. 社内資料:国内第II相試験(2010/1/13承認、申請資料概要2.7.6.5)
  10. 社内資料:国際共同第III相試験(2010/1/13承認、申請資料概要2.7.6.5)
  11. 社内資料:国内第III相試験(2010/1/13承認、申請資料概要2.7.6.6)
  12. 社内資料:効力を裏付ける試験(2010/1/13承認、申請資料概要2.6.2.2、2.6.2.6)
  13. Baz,M.et al., Antiviral Res., 74, 159-162, (2007) »PubMed
  14. Baum,E.Z.et al., Antiviral Res., 59, 13-22, (2003) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
塩野義製薬株式会社 医薬情報センター
〒541-0045 大阪市中央区道修町3丁目1番8号
電話:0120-956-734
FAX:06-6202-1541
URL:http://www.shionogi.co.jp/med/
製品情報問い合わせ先
塩野義製薬株式会社 医薬情報センター
〒541-0045 大阪市中央区道修町3丁目1番8号
電話:0120-956-734
FAX:06-6202-1541
URL:http://www.shionogi.co.jp/med/

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
塩野義製薬株式会社
大阪市中央区道修町3丁目1番8号
26.2 提携
BIOCRYST PHARMACEUTICALS,INC.
4505 Emperor Blvd.,Suite 200,Durham,North Carolina 27703 USA

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2020/3/18 版