医療用医薬品 : インデラル

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医薬品情報


総称名 インデラル
一般名 プロプラノロール塩酸塩
欧文一般名 Propranolol Hydrochloride
薬効分類名 高血圧・狭心症・不整脈・片頭痛 治療剤
薬効分類番号 2123
ATCコード C07AA05
KEGG DRUG D00483 プロプラノロール塩酸塩
商品一覧 商品一覧(他薬効を含む) 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
インデラル錠10mg INDERAL Tablets 10mg アストラゼネカ 2123008F1048 13.2円/錠 劇薬 , 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者[気管支を収縮し、喘息症状が誘発又は悪化するおそれがある。]

糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある。]

高度又は症状を呈する徐脈、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者[これらの症状が悪化するおそれがある。]

心原性ショックの患者[心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。]

肺高血圧による右心不全のある患者[心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。]

うっ血性心不全のある患者[心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。]

低血圧症の患者[心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。]

長期間絶食状態の患者[低血糖症状を起こしやすく、かつその症状をマスクし、発見を遅らせる危険性がある。]

重度の末梢循環障害のある患者(壊疽等)[症状が悪化するおそれがある。]

未治療の褐色細胞腫の患者(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)

異型狭心症の患者[症状が悪化するおそれがある。]

リザトリプタン安息香酸塩を投与中の患者(「相互作用」の項参照)

効能・効果及び用法・用量

効能・効果

本態性高血圧症(軽症〜中等症)

狭心症

褐色細胞腫手術時

期外収縮(上室性、心室性)、発作性頻拍の予防、頻拍性心房細動(徐脈効果)、洞性頻脈、新鮮心房細動、発作性心房細動の予防

片頭痛発作の発症抑制

右心室流出路狭窄による低酸素発作の発症抑制

効能・効果に関連する使用上の注意

期外収縮(上室性、心室性)、発作性頻拍の予防、頻拍性心房細動(徐脈効果)、洞性頻脈、新鮮心房細動、発作性心房細動の予防

小児等に、期外収縮(上室性、心室性)、発作性頻拍の予防、頻拍性心房細動(徐脈効果)、洞性頻脈、新鮮心房細動、発作性心房細動の予防を目的に本剤を使用する場合、小児等の不整脈治療に熟練した医師が監督すること。基礎心疾患のある場合は、有益性がリスクを上回ると判断される場合にのみ投与すること。

片頭痛発作の発症抑制

本剤は、片頭痛発作の急性期治療のみでは日常生活に支障をきたしている患者にのみ投与すること。

右心室流出路狭窄による低酸素発作の発症抑制

ファロー四徴症等を原疾患とする右心室流出路狭窄による低酸素発作を起こす患者に投与すること。

用法・用量

本態性高血圧症(軽症〜中等症)に使用する場合

通常、成人にはプロプラノロール塩酸塩として1日30〜60mgより投与をはじめ、効果不十分な場合は120mgまで漸増し、1日3回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

狭心症、褐色細胞腫手術時に使用する場合

通常、成人にはプロプラノロール塩酸塩として1日30mgより投与をはじめ、効果が不十分な場合は60mg、90mgと漸増し、1日3回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

期外収縮(上室性、心室性)、発作性頻拍の予防、頻拍性心房細動(徐脈効果)、洞性頻脈、新鮮心房細動、発作性心房細動の予防に使用する場合

成人

通常、成人にはプロプラノロール塩酸塩として1日30mgより投与をはじめ、効果が不十分な場合は60mg、90mgと漸増し、1日3回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

小児

通常、小児にはプロプラノロール塩酸塩として1日0.5〜2mg/kgを、低用量から開始し、1日3〜4回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。効果不十分な場合には1日4mg/kgまで増量することができるが、1日投与量として90mgを超えないこと。

片頭痛発作の発症抑制に使用する場合

通常、成人にはプロプラノロール塩酸塩として1日20〜30mgより投与をはじめ、効果が不十分な場合は60mgまで漸増し、1日2回あるいは3回に分割経口投与する。

右心室流出路狭窄による低酸素発作の発症抑制に使用する場合

通常、乳幼児にはプロプラノロール塩酸塩として1日0.5〜2mg/kgを、低用量から開始し、1日3〜4回に分割経口投与する。なお、症状により適宜増減する。効果不十分な場合には1日4mg/kgまで増量することができる。

用法・用量に関連する使用上の注意

褐色細胞腫の患者では、本剤投与により急激に血圧が上昇することがあるので本剤を単独で投与しないこと。褐色細胞腫の患者に投与する場合には、α遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断剤を併用すること。

使用上の注意

慎重投与

うっ血性心不全のおそれのある患者[心機能を抑制し、うっ血性心不全が発現するおそれがあるので、観察を十分に行い、ジギタリス剤を併用するなど、慎重に投与すること。]

甲状腺中毒症の患者[中毒症状をマスクするおそれがある。]

特発性低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、絶食状態(手術前後等)の患者[低血糖症状を起こしやすく、かつその症状をマスクしやすいので血糖値に注意すること。]

重篤な肝、腎機能障害のある患者[薬物の代謝・排泄が影響をうける可能性がある。]

重度でない末梢循環障害のある患者(レイノー症候群、間欠性跛行症等)[症状が悪化するおそれがある。]

徐脈のある患者(「禁忌」の項参照)[徐脈が悪化するおそれがある。]

房室ブロック(I度)のある患者[房室伝導時間が延長し、症状が悪化するおそれがある。]

高齢者(「重要な基本的注意」及び「高齢者への投与」の項参照)

小児等[痙攣や昏睡を伴う重度の低血糖を起こすことがある。]

重要な基本的注意

投与は少量より開始し、長期投与の場合は心機能検査(脈拍・血圧・心電図・X線等)を定期的に行うこと。特に徐脈になったとき及び低血圧を起こした場合には減量又は中止すること。また、必要に応じアトロピンなどを使用すること。
なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意すること。

本剤使用中の狭心症の患者で急に投与を中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行うこと。また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないよう注意すること。狭心症以外の適用、例えば不整脈で投与する場合でも特に高齢者においては同様の注意をすること。

片頭痛患者においては、本剤は発現した頭痛発作を緩解する薬剤ではないので、本剤投与中に頭痛発作が発現した場合には必要に応じて頭痛発作治療薬を頓用させること。投与前にこのことを患者に十分に説明しておくこと。

片頭痛患者においては、本剤投与中は症状の経過を十分に観察し、頭痛発作発現の消失・軽減により患者の日常生活への支障がなくなったら一旦本剤の投与を中止し、投与継続の必要性について検討すること。なお、症状の改善が認められない場合には、漫然と投与を継続しないこと。

褐色細胞腫の手術時に使用する場合を除き、手術前24時間は投与しないことが望ましい。

めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者(特に投与初期)には、自動車の運転等危険を伴う機械の作業に注意させること。

相互作用

相互作用序文

本剤は主として肝代謝酵素CYP2D6、CYP1A2、CYP2C19で代謝される。

薬物代謝酵素用語

CYP2D6

薬物代謝酵素用語

CYP1A2

薬物代謝酵素用語

CYP2C19

併用禁忌

リザトリプタン安息香酸塩(マクサルト)リザトリプタンの消失半減期が延長、AUCが増加し、作用が増強する可能性がある。
本剤投与中あるいは本剤投与中止から24時間以内の患者にはリザトリプタンを投与しないこと。
相互作用のメカニズムは解明されていないが、本剤がリザトリプタンの代謝を阻害する可能性が示唆されている。

併用注意

交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤
レセルピン、β遮断剤(チモロール等の点眼剤を含む)等
交感神経系の過剰の抑制(徐脈、心不全等)をきたすことがあるので、減量するなど慎重に投与すること。相互に作用(交感神経抑制作用)を増強させる。
血糖降下剤
インスリン、トルブタミド、アセトヘキサミド等
血糖降下作用が増強されることがある。また、低血糖症状(頻脈等)をマスクすることがあるので血糖値に注意すること。血糖値が低下するとカテコールアミンが副腎から分泌され、肝でのグリコーゲンの分解を促し、血糖値を上昇させる。
このとき、肝臓のβ受容体が遮断されていると、カテコールアミンによる血糖上昇作用が抑えられ、血糖降下作用が増強する可能性がある。
また、カテコールアミンによる頻脈のような低血糖症状がマスクされると考えられている。
カルシウム拮抗剤
ベラパミル、ジルチアゼム、ニフェジピン等
ベラパミル、ジルチアゼム等では、低血圧、徐脈、房室ブロック等の伝導障害、心不全が発現するおそれがあるので減量するなど注意すること。また、ジヒドロピリジン系薬剤でも、低血圧、心不全が発現するおそれがあるので注意すること。
本剤からカルシウム拮抗剤の静脈投与に変更する場合には48時間以上あけること。
相互に作用(心収縮力や刺激伝導系の抑制作用、降圧作用等)を増強させる。
薬物動態的な相互作用のメカニズムは解明されていないが、肝血流量の変化によって本剤の代謝が影響をうけると考えられている。
クロニジンクロニジンの投与中止後のリバウンド現象(血圧上昇、頭痛、嘔気等)を増強する可能性がある。クロニジンを中止する場合には、本剤を先に中止し、その後数日間観察した後、クロニジンを中止すること。また、クロニジンから本剤へ投与を変更する場合にはクロニジンを中止した数日後から本剤を投与すること。クロニジンを投与されている患者でクロニジンを中止すると、血中カテコールアミンが上昇し、血圧上昇をきたす。β遮断剤が投与されていると、カテコールアミンによるα刺激作用が優位になり、血管収縮がさらに増強される。
クラスI抗不整脈剤
ジソピラミド、プロカインアミド、アジマリン等
クラスIII抗不整脈剤
アミオダロン等
過度の心機能抑制(徐脈、心停止等)があらわれることがあるので、減量するなど慎重に投与すること。抗不整脈剤は陰性変力作用及び陰性変時作用を有する。β遮断剤もカテコールアミンの作用を遮断することにより心機能を抑制するため、併用により心機能が過度に抑制される。
交感神経刺激剤
アドレナリン等
相互の薬剤の効果が減弱する。また、血管収縮、血圧上昇をきたすことがあるので注意すること。非選択性のβ遮断剤により末梢血管のβ受容体が遮断された状態でアドレナリンなどの交感神経作動薬が投与されると、α受容体を介する血管収縮作用のみがあらわれる。
また、徐脈は副交感神経の反射によるものである。
麻酔剤
セボフルラン等
反射性頻脈が弱まり、低血圧のリスクが増加することがある。
陰性変力作用の小さい麻酔剤を選択すること。また、心筋抑制作用を有する麻酔剤との併用は出来るだけ避けること。
麻酔剤により低血圧が起こると反射性の頻脈が起こる。β遮断剤が併用されていると、反射性の頻脈を弱め、低血圧が強められる可能性がある。
また、陰性変力作用を有する麻酔剤では、相互に作用を増強させる。
リドカインリドカインの代謝を遅延させ、血中濃度を上昇させることがあるので併用は避けること。本剤が肝血流量を減らし、また肝の薬物代謝酵素を阻害するために、リドカインの代謝が遅れると考えられている。
ジギタリス製剤房室伝導時間が延長し、徐脈、房室ブロック等が発現することがあるので注意すること。ジギタリス、β遮断剤はともに房室結節伝導時間を延長させる。ジギタリス中毒時には特に注意を要する。
シメチジン本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強する可能性があるので注意すること。シメチジンが肝血流量を低下させ、また、肝の薬物代謝酵素を阻害することにより、肝での本剤の分解が低下し、血中濃度が上昇すると考えられている。
クロルプロマジン本剤とクロルプロマジンの作用がそれぞれに増強することがある。本剤とクロルプロマジンが薬物代謝酵素を競合するために、本剤、クロルプロマジンともに血中濃度が上昇すると考えられている。
ヒドララジン本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強する可能性があるので注意すること。ヒドララジンが肝血流量を増加させるためと考えられている。
麦角アルカロイド
エルゴタミン等
下肢の疼痛、冷感、チアノーゼ等が発現することがあるので注意すること。麦角アルカロイドとβ遮断剤が相乗的に末梢灌流を低下させると考えられている。
非ステロイド性抗炎症剤
インドメタシン等
本剤の降圧作用が減弱することがある。非ステロイド性抗炎症剤は血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成を阻害する。
アルコール本剤の血中濃度の変動により、作用が減弱または増強する可能性があるので注意すること。アルコールにより本剤の吸収、代謝が変動するためと考えられている。
リファンピシン本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱する可能性があるので注意すること。リファンピシンが肝酵素を誘導し、本剤の代謝・消失を促進すると考えられている。
キニジン、プロパフェノン本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強する可能性があるので注意すること。本剤はチトクロームP450によって代謝をうける。このため、チトクロームP450によって代謝をうける薬剤との間で、血中濃度が影響をうける可能性がある。
ワルファリンワルファリンの血中濃度が上昇し、作用が増強する可能性があるので注意すること。相互作用のメカニズムは解明されていないが、本剤がワルファリンの肝代謝を阻害することが考えられている。
フィンゴリモドフィンゴリモドの投与開始時に本剤を併用すると重度の徐脈や心ブロックが認められることがある。共に徐脈や心ブロックを引き起こすおそれがある。

副作用

副作用発現状況の概要

高血圧症の使用成績調査症例11,303例中、403例(3.6%)に副作用が報告された。主な副作用は徐脈0.8%(87件)を含む循環器系の副作用1.4%(156件)、めまいなどの精神神経系の副作用1.3%(142件)であった。(使用成績調査の結果)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

うっ血性心不全(又はその悪化)、徐脈、末梢性虚血(レイノー様症状等)、房室ブロック(0.1〜5%未満);失神を伴う起立性低血圧(0.1%未満)

このような症状があらわれた場合には、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。

無顆粒球症、血小板減少症、紫斑病(0.1%未満)

このような症状があらわれた場合には、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。

気管支痙攣(0.1〜5%未満);呼吸困難、喘鳴(0.1%未満)

このような症状があらわれた場合には、減量又は中止し、必要に応じてβ2作動薬を用いるなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 0.1〜5%未満0.1%未満
過敏症注1) 発疹等 
循環器低血圧胸内苦悶、労作時息切れ、胸部不快・不安感
精神神経系頭痛、めまい、ふらふら感、眠気、不眠、幻覚、抑うつ、悪夢、錯乱、しびれ等気分の変化、精神変調
注2)  視力異常、霧視、涙液分泌減少
消化器口渇、悪心、嘔吐、食欲不振、上腹部不快感、腹部痙攣、便秘、下痢等 
肝臓 肝機能異常(AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇等)
その他脱力感、疲労感、筋肉痛、可逆的脱毛LDH上昇、血中尿素上昇、血糖値低下、乾癬様皮疹、乾癬悪化、抗核抗体陽性化、重症筋無力様症状、重症筋無力症悪化
注1)このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。注2)このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。[角膜潰瘍等の重篤な合併症を防止するため]

高齢者への投与

高齢者には、次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている。[脳梗塞等が起こるおそれがある。]

休薬を要する場合は、徐々に減量する。(「重要な基本的注意」の項参照)

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊娠中の投与により新生児の発育遅延、血糖値低下、呼吸抑制が認められたとの報告があり、また、動物実験で胎仔に対して、母体より長時間β遮断作用を示すことが報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、緊急やむを得ない場合以外は投与しないことが望ましい。

母乳中へ移行することが報告されているので、投与中は授乳を避けさせること。

小児等への投与

期外収縮(上室性、心室性)、発作性頻拍の予防、頻拍性心房細動(徐脈効果)、洞性頻脈、新鮮心房細動、発作性心房細動の予防

低出生体重児に対する安全性は確立していない。

本態性高血圧症(軽症〜中等症)、狭心症、褐色細胞腫手術時、片頭痛発作の発症抑制

小児等に対する安全性は確立していない。

右心室流出路狭窄による低酸素発作の発症抑制

低出生体重児及び新生児に対する安全性は確立していない。

過量投与

過度の徐脈をきたした場合には、まずアトロピン硫酸塩水和物(1〜2mg)を静注し、更に必要に応じてβ1刺激剤であるドブタミン(毎分2.5〜10μg/kgを静注)を投与する。グルカゴン(10mgを静注)が有効であったとの報告もある。

気管支痙攣は高用量のβ2作動薬(静注及び吸入−患者の反応に応じて投与量を増減)により消失させることができる。アミノフィリン水和物(静注)、イプラトロピウム(吸入)も考慮すること。

グルカゴン(1〜2mgを静注)が気管支拡張を促すという報告がある。重度である場合には、酸素又は人工換気が必要である。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

アナフィラキシーの既往歴のある患者で、本剤又は他のβ遮断剤投与中に発生したアナフィラキシー反応の増悪を示し、又、アドレナリンによる治療に抵抗性を示したとの報告がある。

他のβ遮断剤の投与により血清クレアチンホスホキナーゼ値の上昇がみられたとの報告がある。

薬物動態

血中濃度[1]

健康男子に本剤20mgを5時間毎に3回反復経口投与したところ、投与後1.5時間に最高血漿中濃度(42.9ng/mL)が認められ、消失半減期は3.9時間であった。

薬物動態パラメータ(n=10)

Tmax(hr)Cmax(ng/mL)T1/2(hr)
1.542.9±19.33.9±0.5
(mean±S.E.M.)

また、本剤20mgを1日3回8日間連日経口投与した場合も、血漿中濃度曲線に変化はみられなかった。

代謝[2]

プロプラノロールの代謝は主として肝臓で行われ、健康男子に経口投与したところ、尿中にナフトキシ乳酸、グルクロン酸抱合体、4-ヒドロキシプロプラノロールなどの代謝物が認められた。

分布[3]

プロプラノロールは脳内に移行することが脳手術を必要とした患者について示されている(英国での成績)。

排泄

14C-プロプラノロールを患者に経口投与したところ、投与量のほとんどが48時間以内に尿中に排泄され、糞便中に排泄されたのは約1〜4%であった(英国での成績)[4]

また、期外収縮と高血圧を合併する授乳婦にプロプラノロール塩酸塩を経口投与した場合、母乳中への移行が示されている(米国での成績)[5]

臨床成績

[成人]

二重盲検比較試験を含む臨床試験成績の概要は次の通りである。

本態性高血圧症

軽症〜中等症を主とする本態性高血圧症に対する有効率は56.8%(499/879)であった。
二重盲検試験[6][7]の結果、本剤の有用性が認められた。

狭心症

狭心症に対する有効率は65.1%(84/129)で、発作回数、亜硝酸剤使用量の減少、心電図所見の改善等がみられた。二重盲検試験[8]において本剤の有用性が認められた。

不整脈

期外収縮、洞性頻脈を主とする不整脈に対する有効率は56.3%(151/268)であった。

薬効薬理

交感神経β受容体遮断作用

健康成人男子[9][10]及び健康成人女子[9]にプロプラノロール塩酸塩を経口投与した場合、イソプレナリン負荷[9]及び運動負荷[10]による心拍数の増加を抑制し、心仕事量を減少させ、交感神経β受容体遮断作用を示した。

降圧作用

プロプラノロール塩酸塩は本態性高血圧症患者に対し連続経口投与により降圧作用を示すが、その作用機序については、心拍出量に対する作用[11]、レニン分泌抑制作用[12]、末梢血管抵抗減少作用[13]が高血圧症患者において認められているほか、ネコを用いた実験で中枢作用[14]、モルモット心房標本を用いたin vitroの実験で交感神経末梢からのノルアドレナリン遊離減少作用[15]等が示されている。

膜安定化作用[16]

プロプラノロール塩酸塩はウサギ心房筋標本を用いた電気生理学的実験において膜安定化作用を示した。

内因性交感神経刺激作用[17]

プロプラノロール塩酸塩はラットを用いた実験で内因性交感神経刺激作用を示さなかった。

有効成分に関する理化学的知見

一般名プロプラノロール塩酸塩
一般名(欧名)Propranolol Hydrochloride
化学名(2RS)-1-(1-Methylethyl)amino-3-(naphthalen-1-yloxy)propan-2-ol monohydrochloride
分子式C16H21NO2・HCl
分子量295.80
融点163〜166℃
性状白色の結晶性の粉末である。
メタノールに溶けやすく、水又は酢酸(100)にやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくい。
メタノール溶液(1→40)は旋光性を示さない。
光によって徐々に帯黄白色〜淡褐色になる。
KEGG DRUGD00483

包装

インデラル錠10mg

[PTP]

100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)、1000錠(10錠×100)

[バラ]

500錠

主要文献


1. Ohashi,K.,et al.,  Arzneim.-Forsch.,  34 (1),  4,507,  (1984)
2. 社内資料
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作業情報


改訂履歴

2014年11月 改訂
2015年1月 第16版 改訂

文献請求先

アストラゼネカ株式会社
530-0011
大阪市北区大深町3番1号

0120-189-115

お問い合わせ先

アストラゼネカ株式会社
530-0011
大阪市北区大深町3番1号

0120-189-115

業態及び業者名等

製造販売元
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大阪市北区大深町3番1号


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2019/4/17 版